~~~とあるゲーム屋の前~~~
「なぁ、新しいゲームの発売日ってこんなに並ぶもんなのか?」
「勿論!しかも待望の俺エロシリーズなら尚更だよ!」
今俺はゲーム屋の前に出来ている長蛇の列に妹の小麦と並んでいる。と言うのも昨日の夜色々あって今日妹の買い物につきあっているのだ。ちなみに現時刻4時半、眠過ぎて倒れてしまいそうだ。何で小麦はこんなに元気なんだ。
「そのシリーズが何なのかは知らんが皆来るの早すぎないか?」
「そりゃそうだよ!皆この日を待っていたんだから!」
「スゲー熱意だな、その熱意を他のことに回せよ……。」
ちなみにさっき小麦に聞いたのだが俺エロというのは「俺の妹がこんなにエロいはずが無い。」の略でゲーマーの中では割と有名な作品らしい。てかタイトルからやばい臭いプンプンするんだが……。
「家に帰ったら徹夜でやるぞー!」
「ちゃんと飯は食えよ?」
「もー分かってるってば!お兄ちゃん心配しすぎ!」
「うるせ、はぁ、」
何故俺がため息を付いたかと言うとこの長蛇の列の長さ故だ。俺達が早朝4時半ぐらいに付いたというのに並んでみると俺達は前から12番目だ、先頭の人何時からならんでんだよ……。
「ため息着くと幸せが逃げるよ?」
「大丈夫だ。俺の幸せは小麦がいるだけで成立する、」
「そ、そんな恥ずかしいことこんな所で言わないでよ!」
「「「「ジー……」」」」
やばい、今度は街中で鬼ごっこが始まりそうだ。
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「やった!案外早めにゲット出来た!」
「よかったな。」
それからおよそ4時間待ってようやく小麦のお目当てのものが手に入った。外で何もしないで4時間待つとかただの苦痛だったぜ。
「さっさと帰ろー!」
「はぁ、何か時間を無駄に使った気分……。」
「そんな事言わないの!あ、コンビニ寄ってもいい?」
「どーぞ。」
そういい小麦はコンビニに入っていく、ちなみに俺は外で待機だ。俺は眠気と疲れを押し出すように背伸びをする。すると何故か視線を感じその視線を感じた方へと目を向ける。
「…………なんだあいつ……。」
見てみると電信柱の後ろに隠れて俺をチラチラと見ている女の子がいた。赤い髪の毛をツインテールでまとめなかなかの美少女だと思われる。
てか、あれで隠れているつもりなんだろうか……。
「お、おーい。なにしてるんだ?」
「うぇ、ひゃ!」
あれ?俺なんかした?
俺が声をかけると女の子は驚いたのか逃げてしまった。
「一体何だったんだ?」
「ん?どうかしたのお兄ちゃん?」
「あ、そのだな、さっき俺のことをチラチラ見てる人がいたんだよ。」
「んー気のせいじゃない?はやくいこ!」
「お、おう、そうだな。」
俺は赤毛のツインテールの少女のことを少し気にしながら家路についた。
ちなみに小麦のコンビニの袋をみると飲み物3本に栄養補助食を3箱ぐらい入っていた。おい、まんま引きこもりの買い物じゃないか……。
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「たっだいまー!」
「ただいまーって今日は母さんも父さんもいないんだったな。」
「あれ?そうだっけ?」
「昨日夕食の時にいってただろ。」
ちなみに両親は今日胡桃ちゃんに必要な生活用品を買いに言っている。
「あ、おかえりなさいお姉ちゃんとお兄様。」
「ゲッ、みるくかよ。」
「名前逆に読むなよ。ただいま!あれ?胡桃ちゃん買い物について行かなかったの?」
胡桃ちゃんに必要なもの買いに行くのに胡桃ちゃん連れていかなくていいのかよ。
「はい、必要なものは大体家から運んできて貰ってますから後は細々としたものだけです。」
「あ、そうなのか。なら胡桃ちゃんが家にいるのも納得だ。」
「すいません、私がいると嫌な気分になるかも知れませんが。」
「そ、そんなことないよ!胡桃ちゃんみたいな可愛い妹がいると嫌な気分になんてなるはずないから!」
「そ、そうですか……プシュー」
あれ?何か胡桃ちゃんの顔が赤い、もしかして……
「あれ?やっぱり風邪?顔赤いけど……」
「は、はわわ!な、なんでもありません!心配しなくて結構ですから!」
何でそんなに慌てるんだろ、俺に心配されると不快なのかな?う、自分で言っといて傷つくな。
「……お兄ちゃん?」
「な、なんでしょう、小麦さん。」
「……昨日のこと反省してるの?」
「べ、別に今はおでこくっ付けたりしてないだろ!」
「もう!そう言う事じゃないの!」
何でこんなに小麦は怒ってるんだ?やっぱり胡桃ちゃんが来てからコイツ何かおかしいな。
「クス、ほんとにお兄様とお姉ちゃんは仲いいんですね?」
「あぁ!勿論だとも!」
「お、お姉ちゃんって言うな!」
その後も少しだけこの騒ぎは続いた。
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「…………。」
現在俺は自分の部屋にいる。と言ってもここはまだ胡桃ちゃんが新しい部屋の代わりに使っている部屋なのだが。ちなみにメンバーは俺、小麦、胡桃ちゃん。あれ?何でこうなった?
「お兄ちゃん!さっさとゲームやろ!」
「何で俺も一緒なの……。」
「別にいいじゃないですかお兄様、たまにはゲームもいいかもですよ?」
「な、なんでみるくがそれを言うのよ!」
「だから、名前逆にするなって。」
何故こうなったのかと言うとあの後俺がリビングでくつろいでいると小麦がいきなりリビングに入ってきて今朝買ったゲームを一緒にやろう!と言ってきたのだ。俺は渋々了解し小麦の部屋にはいり、ゲームを起動するとどうやら本体が壊れているらしく本体がディスク読み込まない。
そこでどこから現れたのか胡桃ちゃんが登場して何故か持っている本体でみんなでやろう!と提案、そして、今に至るのだ。
「と、とりあえずスタートするわよ!」
「はい、お姉ちゃん。」
「だから、お姉ちゃんってよぶなー!」
「……もう早くしてくれ。」
朝早く起きてゲームを買いに行き、帰ってきたら妹たちとゲームをプレイするとか、折角の俺の休日やすめねーじゃねーか。
「よし、やるわよ!」
小麦が本体にディスクを入れボタンを押すと華やかしい音楽と共にオープニングが流れる。ふーん、なかなか凝ってるんだな。
「うわぁー!すごい!素晴らしいわ!このグラフィック!前回よりも全然バージョンアップされてる!」
「こういうのは初めてですがなかなか面白そうですね。」
2人は画面を食い入るように見て目をキラキラさせている。うんうん、こうしているとただの可愛い妹なんだがな。てかオープニングで感動しすぎだろ!早くしろよ!
しばらくするとオープニングが終わったのかスタート画面になる。スタート画面には「俺の妹がこんなにエロいはずが無い。」と書かれており小麦は目をキラキラさせ、胡桃ちゃんは若干引いていた。まぁ、それが普通の反応だろうな。
「あのな、もしかしてこのゲームって……」
「ん?どしたの?」
「エロゲーって奴か?」
「へ?そうだよ?言ってなかったっけ?」
「お、お姉ちゃんそんなハレンチなものを……」
「お、お前な……」
「う、うるさい!え、エロゲーって言ってもこれは普通よりソフトにした健全なエロゲーなの!」
健全なエロゲーって、何か矛盾してないか……。
そんなこんなで俺と胡桃ちゃんは小麦にいい感じに言いくるめられて渋々エロゲーをプレイすることになったんだが……てかよくよく考えたら妹と一緒に妹系のエロゲーやるってなかなかカオスじゃないか?
「えと、まずは名前だね、っとこれでいいか。」
「ちょっと待てい!」
「何?お兄ちゃん。」
「何って主人公の名前を俺の名前にするんじゃない!」
妹の入力した画面をみるとフルネームで佐倉 胚芽と入力されていた。やめろ!何かリアルだから!顔赤くなっちゃうから!!
「もう、うるさいな、んじゃこれでいいや、」
「おいおい、」
「お兄様?この大麦 修司って誰なんですか?」
「俺の友達だ……。」
コイツ、まぁまだいいか。でも修司にも妹いるから何かリアルだな、いや、いっか。そういえば修司家に帰ってからどうなったのかな?後で連絡して見るか。
「よし!それじゃ今度こそスタート!」
「おー!」
「お、おー」
何か胡桃ちゃんまでノリノリなんだが、やっぱり女子のテンションって少しついていけないな。
すると画面から音声が流れる。
『俺の名前は大麦 修司!このエロイカ学園に入学した新1年生だ!』
おい、エロイカ学園ってネーミングやばいだろ。
『これから俺の高校生活が始まるのか!楽しみだ!』
そう言いながらあなたはエロイカ学園の校門を潜る。
そこで一旦小麦が一時停止する。
「ねぇお兄ちゃん。名前変えていいかな?」
「た、たしかに。」
「2人ともどうしたんですか?」
俺と小麦は笑いを堪えるために体を震わせる。なんというか、知り合いをゲームの主人公の名前にするととにかくやばい。
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「ハックション!う~風邪か?」
「あれ?修兄バカは風邪ひかないはずなんだけど。」
「う、うるせーわい!」
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その後俺達は結局主人公の名前を俺の名前にしてからゲームを1から始めることにした。くそ、結局こうなるのかよ。
妹と妹萌のエロゲーやるってシチュエーション1回経験してみたい。(切実)
評価、感想してくれたら皆さんに可愛い妹ができます(嘘)