僕は提督で海に出る   作:旅の物見666

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25〜27話

『桜の樹の下で』

 

ワイワイガヤガヤと楽しげな雑音の中

 

秋雲は一人桜の樹の下に座る

 

その時桜の後ろ、つまりは秋雲の反対側から声をかけられた

 

女性

「よう、調子はどうよ」

 

秋雲

「なんだ、君も居たんだね隼鷹」

 

隼鷹

「ありゃ?てっきり私がいるのを知ってそこに座ったんだと思ったんだけどなぁ」

 

秋雲

「誰が好き好んで酒臭くて絡みが悪い君のそばに近づくんだい?」

 

隼鷹

「言ってくれるぜぃ。で、決まったのか?」

 

秋雲

「うん、決まったよ。秋雲さんはこれで後悔はない」

 

隼鷹

「オッケー、ならこれどうぞ。作戦がうまくいくお守りってやーつ」

 

隼鷹が立ち去るような足音の後

 

秋雲は隼鷹がいた場所を除く

 

そこには任務書類が置かれていた

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『警戒』

 

関ノ浜提督

「気をつけろよ?」

 

アラン

「なんだよ、藪から棒に」

 

関ノ浜提督

「噂程度だから信憑性があるわけじゃないが…、どうにも上の連中はお前が気に食わんらしい。

それと同時にお前が配属された沖浜島には何か上が隠したがってる秘密があるって噂だ」

 

アラン

「なんだよそれ、じゃあ聞くがなんでそんな場所に僕が配属になったんだい?」

 

関ノ浜提督

「そこは俺が知る範疇じゃない。

上の連中がお前ごと何かを葬ろうとしているのか。

上とは別に誰かがお前を抑止力としてそこに配置しているのか。俺にはわからん、だからこそお前はより警戒を怠るべきじゃないんだ」

 

アラン

「…なるほどねー。大丈夫だよ関提督」

 

関提督

「何が大丈夫なんだよ。後面倒だからって名称縮めやがったな」

 

アラン

「僕は強いし、何より彼女たちがいる。

絶対に僕は殺されないし彼女たちも沈まない。

これは決定事項だからね」

 

関提督

「…(ため息)。お前は時たま何を言っているかわからん時があるな」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『任務』

 

新品の椅子に座り足を組み、窓の外を暇そうに眺める提督に秋雲は書類を渡した。

 

秋雲

「次の任務らしいですよ」

 

アラン

「ん?あぁ、ありがとう。輸送任務…ん?僕にもなんか来てるね。

うわぁ…提督会合とか行きたくないね。

行かなくちゃいけないんだろうけど…じゃあ後で編成考えとくよ」

 

秋雲

「考えるほどここには艦が居ませんよ」

 

アラン

「今から来るのさ」

 

部屋の扉がノックされる

 

アラン

「タイミングが良いね。入ると良い」

 

山城

「扶桑型2番艦…山城」

 

長月

「睦月型8番艦。長月だ」

 

アラン

「僕は提督のアラン。よろしくね、二人は違う所属だったね?まぁここの皆そんなもんだからよろしくしてやってくれ」

 

長月

「あぁ。駆逐艦だとおもって侮るなよ?

こうみえてできる方なんだ」

 

アラン

「頼もしいね、じゃあ早速任務が来たことだし行って…」

 

山城

「…提督。私は降りて構わないかしら」

 

アラン

「おやなぜ?」

 

山城

「それは…」

 

アラン

「まぁいいよ。君がここに来た理由も僕は知ってるし、嫌がるのを嫌々連れ出すほど畜生じゃないしね。じゃあ留守を頼むよ?」

 

山城は何も言わず部屋を出て行く

 

長月

「そんなんでいいのか提督」

 

アラン

「はは、いんだよ。ここはそれなりに自由だからね、さて、旗艦は秋雲に任せて、龍驤、長月、天龍、ミズキで…ロ級も一応連れてっといて。誤射は気をつけてね」

 

秋雲

「はいよー、じゃあ。長月行こうか皆んなを集めよう」

 

長月、秋雲退出

 

アラン

「さて、僕も時間だし行かなきゃね」

 

白シャツの上に黒コートを羽織り、夜の鎮守府を後にする。


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