僕は提督で海に出る   作:旅の物見666

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10〜12話

『改装』

 

アラン

「そろそろ改装するべきだと思うんだ」

 

龍驤

「……誰を?」

 

アラン

「改造じゃないからね、改装だからね?

この鎮守府って古めかしいじゃない?

というより古すぎて機能してない物がいくつか存在するんだけどさ」

 

秋雲

「確かに、秋雲さんが使ってる部屋も至る所床抜け凄いからなー」

 

龍驤

「でもここってそないな資金あるんか?」

 

アラン

「モチのロン。僕持ちだから何の心配がいらない!後そろそろ裏の森とか開拓してなんか施設作りたいよね」

 

龍驤

「なんか鉄腕○ッシュみたいやな」

 

アラン

「へー…改装のついでに家具もつけてくれるんだ凄いねー。その辺自由に決められる見たいだけどなんかある?」

 

秋雲

「秋雲さんは仕事机がほしーなー。後は絵描き道具」

 

龍驤

「うちは特には何もないな。あー…でもベッドだけは堪忍な、うち、布団やないと眠れん」

 

アラン

「はいはーい…じゃあ後は食堂をこんな感じで…僕の部屋はこんなもんか…あー…うん。まぁ大丈夫、じゃあ発注しちゃうねー」

 

〜発注中〜

 

秋雲

「提督の顔がホクホクしてる」

 

アラン

「思った以上に経費が浮いたからどっか遊びに行かない?」

 

龍驤

「唐突な上に仕事ほっぽらかしたらいかんで」

 

アラン

「仕事早々に片しすぎて暇を持て余してるのに何を言っているんだね君は。で、どうにも一回壊しますって話なんで荷物を一旦まとめますか」

 

秋雲

「え?でもこの島に鎮守府以外の建物なんて存在したっけ」

 

アラン

「存在するんだなぁそれが…」

 

〜青年少女荷物まとめて移動中〜

 

秋雲

「これ?」

 

龍驤

「うちには鎮守府より古ぼけた小屋しか見えんなー」

 

アラン

「何やら二人の冷ややかな目が辛辣だけど仕方がないんだよー。てか僕も驚きだね、倉庫だったのかな?」

 

秋雲

「うわっ。埃だらけだよ、まずは掃除からしないと使いもんにならないねこれ」

 

アラン

「そうだろうと思って人手を借りてきた」

 

時雨

「時雨です」

 

榛名

「榛名です」

 

松風

「松風だ」

 

龍驤

「どっから借りてきたんこの子ら」

 

アラン

「この前の演習相手の関ノ浜鎮守府とお爺ちゃん提督のところから真面目そうな子だけ借りてきました。でないと作業が進まなくなるからね」

 

時雨.榛名.松風

「賢明な判断だと思います」

 

秋雲

「他の鎮守府ってどんな人がいるんですか…いえ、聞かないでおきますが」

 

アラン

「さーさ、始めますよー」

 

その後夜までには間に合った

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『背丈』

 

改装工事ちょっと前の話

 

龍驤

「なんや提督。うちと秋雲せんせをジッと見よって」

 

アラン

「んー…?いやね。秋雲って本当に駆逐艦なのかなぁって、寧ろ龍驤の方がくちく…」

 

龍驤

「それ以上言ったら爆雷食らわすで。

…まぁ…そうやね。確かに他の子らよりかは高い気ぃしないでもないなぁ。昨日来てくれた時雨よりは高かったもんな」

 

秋雲

「160はありますよこれでも」

 

スレンダァァァ(効果音)

 

龍驤.アラン

「お前の様な駆逐がいるか!」

 

秋雲

「えぇ…そんな気にする様な事ですかねー」

 

このマンガチックな話の身長

アラン 170

秋雲 160

龍驤 140(靴含めず)

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『記憶』

 

改装工事が始まった初日の夜

 

アラン

「…龍驤。起きているんだろう?」

 

龍驤

「ようわかったなー…頑張って寝ようとしてたんやけど」

 

アラン

「はは、君の寝息だけ少し不規則だったからね、それと…いつもと違うから寝れないのかい?」

 

龍驤

「暗殺者かいな君は…。まぁ、そうやなぁ、昨日までとは違って君もおるし秋雲せんせもいる。

だから少し不思議なんやろなぁ」

 

アラン

「よかったら僕の話に付き合ってよ」

 

龍驤

「ええで、お酒飲みながら語り合おうや、この前貰った奴が手ェつけずに残っとるからな」

 

アラン

「僕が飲めないの知ってるだろう?」

 

龍驤

「だから君はお酌する側やで(ニッ)」

 

アラン

「あぁ…そういう」

 

〜青年お酌中〜

 

龍驤

「いやぁ…いいね。美味しいわぁ…」

 

アラン

「突然なんだけどさ…こんなことを君に聞くのもなんなんだが。

君はどこからどこまでの記憶があるんだい?」

 

龍驤

「そう来たかぁ…。うーん…うちは気づいたらとある鎮守府の造船所におったねー、よう覚えてるよ。

あの提督さんの怪訝そうな顔をなー…。

でも、それでもうちはな、龍驤であって、あの提督さんについていくっていう気持ちがその時には何故かあったんよ。」

 

アラン

「…コンピュータのプログラムみたいだね」

 

龍驤

「あー…割と間違ってないのかもしれんなぁ。

ほんでまぁ…いっちょやってやりますかー、なんて気持ちだったけど、そこには既に空母が数隻、軽空も居てうちは特に必要なかったんやろなー。

任務も来ず、ずーっと待機のまんまや。

ほんで暫く経ってな、そろそろ艦の断捨離が始まってくるんよ。

うちもそん中にはいっとったんやな、うち以外は既に解体もしくは近代化に回されたよ。

そんな時、君からの戦力が足りないっていう言伝が来てな?

うちが行くことになったってわけ」

 

アラン

「何その提督、超ど畜生じゃん」

 

龍驤

「自分の胸に手ェ当ててよう考えや、そっくりそのままブーメランやで?

(龍驤が来てから永遠と提督同伴の元龍驤単騎で練度上げ)

 

…まぁ。君のおかげでうちはこうして楽しくやってるし、練度もそこそこいい感じになったし、まだ数日やけんど、そこそこいい暮らしはしてますわ」

 

アラン

「そっか…」

 

アラン心の声

「追求してはならないこともある…か。

彼女(あきぐも)は一体どんな記憶があるんだろう」

 

春の月光が二人を照らし続けた


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