僕は提督で海に出る   作:旅の物見666

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33.34話

『片腕』

 

アラン

「やぁ、気分はどうだい?」

 

天龍

「悪くねぇよ、どちらか言ったらあんたのすまなそうな顔を見てる方がよっぽど気分が悪いぜ」

 

アラン

「はは…、言ってくれるな。

実際君の左腕は僕のミスだ」

 

天龍の左腕は肩から先がなくなっている。

 

天龍

「あんたのせいじゃねえさ、俺が旧型だから壊れやすいってだけだ。秋雲も話してたろ、今の艦娘は2種類が存在するのを、だけど前の旧型は製造されることも無く、数は減っていってる。

俺はなそんなかの残りなんだ」

 

アラン

「話の元はミズキからか、いつかは知っておいて欲しかったから問題はないけど…。

君の腕はスペアも無く、修理はきかない…か」

 

天龍

「そうゆうことだ、四肢がなくなる以外の傷なら修復はきくんだ。それだけでも十分さ、俺らはガラクタみたいなもんだよ」

 

アラン

「…ガラクタ…」

 

〜女性

「私はガラクタなんです。だから…」

 

天龍

「そうだ、だからよ。

壊れるまで使ってくれや」

 

〜女性

「壊れるまで貴方に仕えます。

それが…」

 

天龍〜女性

「それが俺(私)が存在する意味だ(なんです)」

 

アラン

「…はは。僕はあまり好きじゃないなぁ…その言葉は」

 

天龍

「なんだよ、せっかくいい話風に言ったのに…ってあれ?なんで泣いてんだよ」

 

アラン

「あ?あぁ…泣いていたか。

いや、すまない、どうやら無意識だったようだ。

…昔、君と似たような事を言った子がいてね、その子は僕の為に一人戦って…帰ってこなかったよ。

君にはそうなって欲しくはないんだ、少なくとも僕がいる間はね…」

 

天龍

「あんたも大概変だよなぁ、まぁ…精々俺がクーデター起こさないような提督であってくれよ?」

 

アラン

「善処するよ」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『護りたかったもの』

 

長月

「山城、入るよ」

 

山城

「……なんかよう?」

 

長月

「君に出撃命令が出たぞ、今すぐ準備して来いってさ」

 

山城

「…提督に伝えて、私は行かないって」

 

長月

「はぁ…、噂には聞いていたがここまでとはな。

私もいささか苛立ちを覚える」

 

山城

「…勝手に苛立ってれば…」

 

長月

「泣き虫戦艦がよく言うよ、いや、泣いてないから弱虫か。

君が背負った名はなんだ‼︎戦艦だろう⁉︎山城だろう⁉︎」

 

山城

「貴方にはわからないのよ、私の気持ちなんて。

恐怖しかない戦場に…貴方達とは違うのよ。

恐怖がない貴方達とは…」

 

長月は部屋の隅に座っていた山城の胸ぐらをぐっと掴んだ

 

長月

「いいか?間違えるなよ、私は恐怖がないわけじゃない。いつ沈むかわかったものじゃないしな、だが!それが!私達が生まれた意味だ!存在する理由だ!わかるか!」

 

山城

「わかってる…だから…だから嫌なのよ。

目の前で…私を庇って沈んだ子が…私が出撃して、同じような事になるのが嫌なの!護れなかった…護ってもらった…その気持ちはわかるわけない」

 

長月

「…以前にお前と同じように言った姉が居てな。

そいつは最終的に自ら解体を志願したよ。

だがあんたはまだ、救えるんだこんな私でも、姉が救えなかった私でも、あんたは…まだ恐怖と戦える」

 

山城

「そんなの…あんたの勝手でしょう…私は…」

 

長月

「後悔してるんだろう、あの事件の時…何故自分がついて行かなかったのかと、もしかしたら何か変わったかもしれないのにと、それは…君に希望がある証だ」

 

山城

「…」

 

長月

「…すまない、あまり柄じゃないことはしないほうがよかったな…。

提督には話を…」

 

山城

「待ちなさい…。私も行くわ」

 

長月はその言葉を聞いてそっと微笑んだ




どうやったらもう少しシリアスにできるのか。
はたまたギャグができるのか…

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