僕は提督で海に出る   作:旅の物見666

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脳内では再生できるのに文章力が足りない


28〜30話

『扉』

 

その建物はとても大きく厳格な雰囲気を醸し出して居た。

 

建物の入り口に近づくと男性が声をかけて来る

 

男性

「アラン提督殿ですね?こちらへ」

 

アランは男性の後につき建物内を歩いて行く

 

アラン

「無駄に広いねぇ…迷ってしまいそうだ」

 

男性

「大丈夫ですよ。こう見えて実は造りは凄く単純で地図を一度見れば大体はわかります」

 

アラン

「見るまでは迷うって事だね」

 

男性

「おっと、一本とられましたな」

 

そんな話をしているとどうやら到着したようだ

 

アラン

「ありがとう。君は持ち場に着くといい、他の提督も来るんだろう?」

 

男性

「そうですね。何か困りごとがあればいつでもどうぞ。それでは」

 

といい、去って行く。

 

アランはガチャリと扉を開け中に入る

 

アラン

「…いったい何の真似だろうか」

 

ギィ…バタンと背後のドアが自然に閉じる

 

上層

「見てもらえればわかる通りだが?」

 

アラン

「僕には十人強の人物が僕に向かって銃の照準を合わせてるようにしか見えないのだが…」

 

上層

「まさにその通りだな、ではさよならだ」

 

アラン

「一切話なしかッ⁉︎」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『物体』

 

暗く月明かりしかない夜の海、五人の艦娘と1匹のサメが陣形を組みつつ進んで居た

 

天龍

「にしても拍子抜けだよなぁ、運ぶもんがこんなちっせぇ箱のみとはよ」

 

天龍は小脇に抱えた箱を中身を確認するように少し揺らす

 

龍驤

「あんま揺らすのはいかんで、壊れ物やったら何文句言われるかわかったもんやない」

 

天龍

「んだよ、俺が持ってちゃ不安か?ならほらよっ」

 

天龍は長月に箱を投げる

 

長月

「おっと…危ない」

 

天龍

「へへ、ナーイスキャッチ」

 

龍驤

「だから危ないてゆうてるやろ⁈全く…」

 

長月が箱を脇に抱えようとした時、横からミズキが顔を覗かせる

 

長月

「わわっ⁉︎びっくりした…君かミズキ」

 

水鬼

「あ、まだ慣れてないから驚くよね。

ちょっとその箱見してくれないかな?」

 

長月

「ん?あぁ」

 

ミズキは長月の持つ箱に顔を近づける

 

ミズキ

「やっぱり…」

 

長月

「やっぱり?」

 

水鬼

「うん、この箱から何か音がするんだ。

ローさんも聞こえてるんだって」

 

長月

「ん?私には何も聞こえないが…」

 

長月はハッと何かに気づく

 

長月

「まずい!この箱はッ‼︎」

 

長月は誰も居ない海面へと箱を投げつける

 

それと同時に箱は爆発し水面に沈む

 

天龍

「おいおい、時限爆弾とか洒落んなってねぇな…」

 

龍驤

「よく天龍が投げた時点で爆発せぇへんかったなー」

 

長月

「呑気な事を言ってる場合じゃない‼︎今すぐにでも撤退するだ‼︎」

 

天龍

「だとしてもこりゃ厳しいぜ」

 

長月

「なっ…ま、まさか⁈」

 

天龍

「俺の電探ならよーく見えるぜぇ?

あっちらこっちらに敵がいるって事がなぁ」

 

秋雲

「どうやらその箱、ジャミング機能つきだったみたいだね。秋雲さんにも今ようやく見えたよ」

 

彼女達の周りには無数の深海棲艦が取り囲んで居た。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『敵襲』

 

長月

「なんて数だ…」

 

天龍

「腕がなる…って言いたいところだがこの状況はちょっと弱気になるな」

 

秋雲

「総員撤退、この敵の一部を崩して突破するよ。

龍驤は戦えるのかな?」

 

敵からの砲撃が開始される

 

龍驤

「普通なら無理やな。

せやけど今のうちに積まれてるもんはあの提督が魔改造施したもんや。夜戦でもなんでも出来るで」

 

秋雲

「じゃあ空は任せたよ〜」

 

秋雲、天龍、長月が敵が少ない所に突っ込んでいく

 

天龍

「オラオラどいたどいたッ!」

 

長月

「こんなことになるなんてね…‼︎」

 

龍驤

「いくでー!皆頑張ってやー!」

 

艦載機の展開と共に敵の艦載機もやってくる

 

ミズキ、ローさんは龍驤の護衛として周りを固めつつ前進して行く。

 

両者混戦になると言わずもがな、分断が発生してしまう

 

天龍

「んなっ‼︎やろー、やるじゃねえか」

 

長月

「まずい…各個撃破か、何としても外側に出なければ」

 

雨の様に弾丸が飛び交い、魚雷も絶えることなく放たれる。

 

そんな状況が数十分、ついに最初に被弾したのは天龍だった。

 

天龍

「いってっぇなぁ畜生‼︎左腕が動かねぇ、持ってかれたな」

 

次には長月、続いて龍驤も

 

しかし、天龍並び長月が最初に敵の外側に出ることに成功し

 

ミズキ、龍驤、ローさんも遅れてやってくる

 

龍驤

「皆んな無事…やないな、見てわかるわ。さ、早いとこ撤退せな!」

 

ミズキ

「待って‼︎まだ秋ちゃんが来てないよ‼︎助けに行かなきゃ‼︎」

 

ローさん

「無茶を言うんでねぇ。あんな中に飛び込んだら格好の餌だ」

 

長月

「あんた喋れたの⁈」

 

天龍

「ちッ!龍驤達は撤退して居てくれ。

俺が秋雲を引っ張ってくる」

 

龍驤

「一人で行くなんて無茶や!ローさんも言っとるように餌になるだけや」

 

長月

「私がおかしいのか⁈なんで喋ったことに誰も突っ込まないんだ⁉︎」

 

天龍

「見捨てろってか?んなもん願い下げだ!忘れたわけじゃねぇだろうな!提督が出撃の際に言ってた言葉を」

 

龍驤

「保身と仲間、生還を第一にやろ!知っとるわ!だからうちらも一緒に行く、それじゃダメなんか⁉︎」

 

天龍

「…なら、離れんなよ!さっきみたいに分断だけは避けるんだ」

 

天龍、龍驤続いてミズキ、ローさん、そして長月が最後尾に並び続いていく


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