幼女の友人幼女戦記   作:AMEKO

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戦場での二つ名募集、ご協力ありがとうございました。
前回は戦場での二つ名ということでしたが、どうせですから活動報告の方に戦場や軍内部、戦後。場所時間関係なく二つ名募集枠を設置しておきます。
ご協力お願いします。

それと今までなんで言ってなかったんでしょうね、評価感想誤字修正ありがとうございます。励みになっております。

今回の作業BGM―岸田教団。岸田教団はいいぞー。


8話 ラインの護り

「よろしい。さて中隊諸君、よろしくない知らせだ」

 

速やかに呼集された中隊はシュワルコフ中隊長の淡々とした態度に、嫌なものを感じる。

普段と違うこの様子は厄介事の予兆である。覚えておくと心の準備だけは出来る、戦場に出ることがあればぜひ覚えておこう。

 

「急報だ。第403強襲魔導中隊が、浸透突破中の敵魔導二個中隊と不意遭遇戦に突入した」

 

おそらくは新手の魔導師。

こちらは人員不足でヒイヒイ言っているのにまだ新手を送り込める余裕があるとは羨ましい限り。

 

敵の大規模攻勢の尖兵と見られる敵後続の進軍を確認。

砲兵隊が進軍を阻止すべく砲撃を開始したのだが、戦場の神砲兵と対を成す存在、戦場の眼こと観測員が襲われているとのこと。

観測員の仕事は砲撃の弾着観測が主な仕事だ。

砲撃を適当にぶっ放すよりも敵密集地帯に放った方が効率が良いのは子供でもわかること。

たとえ制空権が取れておらず敵魔導師に狙われる可能性があろうとも上は飛んで観測してこいというほど重要な仕事だ。

 

「403と合流せよとの事だ、直ちに進発する」

 

再度の出撃で下がった士気を回復させる時間もないのか、急ぎ出撃とのこと。

 

「同時に弾着観測員の救援だ。こちらも敵中隊に襲われているとのこと。援護が求められている。ああ、両少尉は以前北方で経験していたな」

 

「はい、二度と御免ですが」

 

だろうな、白銀の二つ名を獲た切っ掛けとはいえ、死にかけるほど壮絶な状況でなければ銀翼突撃章など得られない。

そこまでの状況に追い込まれるのが観測員なのだ。

自分も同じ意見ということで黙って頷く。

 

「なるほど、では...デグレチャフ少尉。銀翼をぶら下げる貴官の小隊ならば救援は可能かね?」

 

「遅滞ならばともかく、救援は難しいでしょう」

 

「その95式を入れてもか?」

 

「.......小官とティアナ少尉はともかく、セレブリャコーフ伍長は限界でしょう」

 

ちらりと話に出てきたセレブリャコーフ伍長に目を向けると未だこの緊急事態について来れておらず未だ呆けている様子。

観測員を助けに行くということは必然的にそれを襲っている敵中隊と交戦が予想される。

この様子では交戦に耐えられないだろう。それをターニャはシュワルコフ中尉に具申する。

 

この小隊の責任者はターニャなのでどうするかは彼に任せていると、セレブリャコーフ伍長が私も着いていくと進言。

ダメだ大人しくしていろというターニャと着いていきますと引かない伍長で一悶着あったが、シュワルコフ中尉の決定でセレブリャコーフ伍長は着いていくことになり、ショーンズの分隊と共に救援任務に赴くこととなった。

 

「伍長、戦闘が予想されるためあまり魔力を使うことはできないが、少し整えてやる」

 

調整術式を起動、疲労が残っておりそれを取り除くというわけではない誤魔化しのようなものだが、多少はマシにはなるだろう。

 

「すみません、感謝します」

 

「いいさ、言ったからにはくれぐれも墜ちてくれるなよ」

 

自身の魔力は自身の生存力に直結しているため出来うる限り残しておきたいところだが、顔見知りが墜ちるというのは気分の良いものではない。

 

「はい、先ほどの言葉を違える気はありません!」

 

「リースフェルト少尉、セレブリャコーフ伍長だけ贔屓でありますか?」

 

「ショーンズ軍曹、貴官はライン最古参でしょう?よもやこのような可愛い伍長と一緒だと?ご冗談を」

 

からかいの言葉を掛けてくるショーンズ小隊長をいなしながら調整を終わらせる。準備完了だとターニャに目配せを行う。

 

「よろしい、では仕事の時間だ」

 

 

 

 

 

救援地点に飛行していると、司令部より不幸な知らせが届いた。

 

「各位に通達。友軍観測員は撃墜された。繰り返す、友軍観測員は撃墜された」

 

何たることだ、とターニャが呟く。

まるで友軍が墜とされたことを嘆く軍人のようだが、あれは無駄骨となった出撃を嘆いているだけだ。見ず知らずの観測員に同情する奴ではないことは長い付き合いをしてきた自分がよく知っている。

 

「......聞いての通りだ小隊諸君。間に合わなかったのは遺憾だが、間に合わなかったなりに仕事はしなければならない」

 

「デグレチャフ少尉殿、小隊単独では荷が重すぎませんか」

 

引くには敵に近づきすぎているため、この後は交戦が予測される。

小隊でもって中隊を撃破することは、当然数の有利を覆す必要があり、なかなかに厳しいことは言うまでもない。

しかしターニャが言うには、敵魔導中隊は観測手狩りで消耗しており、帰るための余力も残さねばならず、全力戦闘が出来るほど元気が良いわけでもない。

さらには観測手捜索である程度散らばっており各個撃破が望みえり勝算は低くないとのこと。

 

「つまりだ、疲弊した小隊を潰すことを6回繰り返せばいいだけの簡単な任務だ」

 

他の列強と違い、精鋭揃いなのが帝国魔導師の特徴。数が同数ならばこちらに無能が紛れ込んでいない限り負けることは無いと思われる。

 

「小隊諸君。私とリースフェルト少尉が3個小隊。残りは君たちのものだ。そう難しくもないだろう」

 

以前ターニャは単独をもって中隊を相手取ったことがあり、一人でも小隊を相手にしても大丈夫だろうが、ターニャと組んでいるときはサポートに徹するという約束事があり、安定して軍功を稼げるということで問答無用でバディを決められた。

まあターニャの戦闘力は非常に高く、組む相手として不満は無いが。

 

「小隊長殿だけエース願望でありますか?」

 

「良い質問だな軍曹。いやなに、私はあと十機も落とせば規定で恩給と恩賜の休暇だ。そろそろ休みが欲しいのだよ」

 

撃墜スコアが50台に乗れば、休暇給料ボーナス独立行動裁量権と色々と恩賞があるのだ。

ターニャのスコアは40前後、95式の呪いによって記憶があやふやな部分があるため実際の数よりも少ないとされるが、それでも十分な撃墜数である。

私の撃墜スコア?聞いてくれるな。

スコア20に届きそうとか医療魔導師に見られなくなるだろう?戦闘に駆り出される戦闘員として見られたくは無いのだ。

 

優雅な休暇に思いを馳せ会話するターニャ。

だがしかしそれもまだ本国が戦争に経済が切迫されておらず、ある程度余裕を持っているためそうして休暇に思いを馳せれる。

戦争が長引けば後ろに下がれても、戦争が長引いた分できる贅沢の質は下がるもの、私も質の高い贅沢を行うために今からでもスコアを稼ぐべきか。

 

「戦争は、勝っているうちに楽しむものだからな」

 

以前周りに聞かれないように聞いたターニャによる今後の予測によると、今の戦争はこの世界で初の第一次世界大戦に発展する可能性が高く、この帝国は最悪の場合世界を相手に戦争を行うことになりかねないと。

勝てるかどうかを考えるのは参謀の役割だ、私のような兵士の役割ではない。しかしこの戦うだけの役割に殉じることによって未来は開けるのだろうかとふと考える。

先ほど考えたスコア稼ぎを贅沢のためだけでなく、敗戦国となることを回避すべく上に意見を通せる地位まで上り詰める、その一歩として使うことも視野に入れるべきか。

2度の人生を経て自分が上で指示を下すよりも下で働いている方が適正が高いことは自覚している。

 

ちらりと隊員と会話しているターニャを見る。

こいつは無能には手厳しいがやることをしっかりやっている者にとっては良い上司になりうる。

そして今の戦時下、ミリオタ知識を存分に生かせば英傑といえる有能極まりない参謀になれる可能性も持ち得ている。

現代知識というものは有効に使えばそれだけでチートなのだ。ターニャが参謀入りを果たし、その知識チートを存分に活かせばあるいは、帝国のこれからに未来があるやもと思わざるを得ない。

 

問題は、ターニャが徐々に大の戦争狂と勘違いされていることだが。

 

「私だって平和の方が好みだ。ショーンズ軍曹、貴官はどうだね?」

 

「小官とて、少尉殿と同意見であります!」

 

飛行中にもかかわらず見事な敬礼でおどけて見せた軍曹を締めに会話を任務前の発破掛けにシフトしていく。

こうして仕事に必要なことをしっかり行えるターニャは、十全に行いすぎるが故に戦争狂と勘違いされているのだろうか。

今度真面目に考えを纏めよう、そろそろ救援信号のあった地域だ。

 

「リースフェルト少尉、前から言っているが戦場でいきなり考え事に耽る癖はやめたまえ」

 

「考え事でしたか、ずっと黙っているものですから体調でも悪いのかと」

 

「失礼、夕食はまた芋かと考えておりまして」

 

ああ、食べ盛りですからね少尉達は。とからかいの言葉には苦笑いを返しておく。

私はいいがターニャが不機嫌になって後で私が蹴られるんだ、そのからかい方はやめてくれ。ほら、ターニャちゃんがイイ笑顔をしているじゃないか。

 

「諸君、そろそろ仕事の時間だ。歓迎会の趣向を凝らさねば」

 

意識を切り替え戦闘のため高度を上昇させる。

航空戦では相手より高度を取れれば一つの優位状況となりうる。

 

「どうされるおつもりで?」

 

発破を気持ちよく掛けられるための一つの問い。

答えはわかりきっているだろうが、お約束をテンポ良く済ませられるのは悪くないのだ。

しかしショーンズ軍曹はよくわかっているな、有能だ。

 

「せいぜい歓迎してやるさ。鉛と魔力光は私のおごりだ。各位戦闘機動に入れ!」

 

「パスポートとビザを提示できない不法入国者はどうしますか?」

 

戦闘目前でも緊張に縛られずジョークを口走る軍曹にターニャも流石に笑顔にならざるを得ない。

 

「叩き返せ!!!」

 

獰猛な笑みを浮かべ言い放ったターニャのデカい一発をもって戦闘が始まった。

 

 

 

 

 

 

「Maydey Maydey Maydey」

 

泡を食ったような切迫した前線域管制官の声からその記録は始まった。

 

「散開!散開!」「畜生!一小隊まるごとやられた!敵はどこからだ!」

 

その記録は共和国106、107中隊が壊滅され、生き残った隊員の演算宝珠にあった交戦記録。

遠距離より狙撃術式というにはあまりにも太すぎる光学術式でもって、まず一小隊が撃墜された。

再びまとめてアレにやられるのは愚の骨頂、即座に散開を指示し敵位置を魔力から逆探知させる。

 

「魔力反応逆探成功!!敵影...こ、高度六千と、一万二千!!?」

 

航空魔導師が実際戦闘機動を行えるとされるのは高度六千フィートである。

高度六千で待機する帝国魔導師もおよそ精強な魔導師であることがわかるが、それを凌駕する高度一万二千という数字の前には霞まざるを得なかった。

 

「上昇!上昇せよ!!六千の敵を除け高度八千で応戦!六千の敵はおそらくは護衛だ!そいつを除ければ勝機はありうる!」

 

今までの常識から考えられない高度から高出力の光学術式、恐らくはその高度で戦うことに特化したものだと予測し、交戦が望みえる高度に上昇を指示。

 

「隊長!それは高度七千でも無茶です!」

 

「抑えねば地上部隊は帰国できん」

 

「ごもっともです。...やるしかありませんな」

 

悲鳴のような進言に答えるのは非情なまでの現実。

非常時にあってもこの冷静な判断は帝国のエースに対抗すべく創設された精鋭部隊ゆえと言えよう。

高度順応手順を飛ばし高度を上げていく。降り注いでくる光学術式の雨を躱しながら長距離観測術式にて敵情報を検索。

 

「おお、神よ...」

 

目標の個体魔力素を元に敵情報をライブラリで検索した結果、登録魔術師という最悪な結果を見せつける。

『登録魔術師』通称ネームド。

撃墜スコアが30を超えた敵兵はライブラリに登録され、警戒すべき好敵手として認知される。

 

一人は撃墜数30後半、『幼き死神(リトルデッド)』。彼女に触れられた者はたとえ基地に帰還したとしてもその悉くが死亡していることから名づけられた忌み名。

もう一人は撃墜数驚異の六十台を記録する正体不明のネームド、『ラインの悪魔』。その正体を見て生きて帰った者は誰もいないネームドだ。

最近その二人のネームドがコンビを組んでおり、そのコンビの通称は『双翼の悪魔』。

 

共和国にとっての災厄のコンビ、双翼の悪魔が我々を狙っている、悪夢でしかなかった。

 

片や重魔力系の空間爆撃や精密な光学狙撃式でもって狙撃兵のよく使われる手段「友釣り」などでもっての多大な被害。部隊の半数が壊滅されたこともある。

そして片や近接格闘戦での内臓損壊、その場で墜とされることはなくとも戦闘能力は喪失、帰還途中に死に絶えるのはまだ良い方と言える。

両者のいやらしいところは、戦闘で辛うじて生き残り、貴重な航空魔導師を死なせまいと治療に傾注したとしてもほぼ全てが死亡するところだ。

医療品の消耗は厄介であるし、軍医達の手が拘束されるもほぼ助からないもしくは重大な後遺症を抱えることとなり戦線復帰は絶望的。二人による被害のおかげで地上軍の軍医はまるで足りていない現状に追いやられている。

さらに、航空魔導師の消耗は戦術に影響するほど。

単独の個が戦略を、軍を相手に渡り合うこの現実はまさしく災厄であり、彼らの撃墜は必ず成さねばならない物事の一つと言えた。

 

「双翼の悪魔どもめ!今日こそ、今日こそ貴様らを叩き落としてやる!」

 

「貴方とは初見になるはずだが?」

 

「悪魔どもですって少尉、随分と有名になったものですね」

 

クスクスと嗤い待ち受ける死神と、一万二千で狙いをつける悪魔に見つめられ、高度六千で戦闘は開始された。

挨拶代りの光学術式はひらひらと、いっそ優雅と言えるほどの回避機動でもって死神はこちらの銃撃を回避していく。

時折降り注いでくる上空からの狙撃術式に気を取られると死神が近づいてくる挙動を見せてくるので統制射撃によってこちらに近づけまいとする。

 

情報によれば死神の射撃精度はそこまでのほどではない。

それもそうだ、死神は見た限り十になるかどうかの子供、ライフルはその手にはあまりある大きさだ。

特異なのはその回避能力と近接格闘戦での攪乱力。近づかれた場合その脅威度は跳ね上がるが、遠くにいる場合の脅威度は実のところ低い。

 

問題は上空で構える悪魔の方だ。

戦闘を行いつつ徐々に高度を上げてゆき現在の高度は七千。

一方的にこちらを狙い撃つラインの悪魔の撃墜を望みえるにはおよそ八千が必要ライン。その高度に上がるまで死神を遠ざけつつ悪魔の狙撃を回避する。その行為による消耗はあまりにも大きい。

 

「やむをえん、先に死神を狙え!」

 

じわじわと削り殺されるのはまずいと判断。

通常の非誘導系術式では当たる気配はないため、空間爆撃系か誘導系射撃式を選択。

中隊長の指示のもと統制射撃が行われるが、魔導照射を感知したのか死神は全力回避でもってその弾幕を潜り抜けていく。

 

「あれを回避する?化け物か!」「上空より強力な魔力反応!デカいの来ます!」

 

死神に目を向ければ、悪魔が目を光らせる。

個人が発しているとは到底思えない魔力を響かせ、砲撃のような一撃をぶちかましてくる悪魔。

避けるために隊を大きく散開させ回避するが、数名が回避しきれずそれによって墜とされた。

悪魔に目を向ければ、死神が鎌を振りかざす。

大きく散開し一時的に統制力を失った中隊は、死神にとって近づくことは実に容易なこと。

 

「おにーさん、あそびましょ!」

 

悪魔の放つ魔力光に紛れるようにして一人の隊員の後ろに忍び寄った死神は、咄嗟に展開した防核ごと人体を容易く貫く。

 

「おにーさん温かい」「アベル!この餓鬼!!」

 

温かい血に浸るイカレタ子供を、もはや助かるまいと隊員ごと光学術式で撃ちぬこうとするが、その死体を盾として持ち運び次の獲物に近寄る。

機動力は落ち当たるようになったものの防殻を抜き撃たれるのはかつての仲間、気が狂いそうな光景を生み出した死神は、ぼろぼろになった死体を人形が壊れちゃったなどと言い放ち容易く捨て、その力を十全に解き放ち、蹂躙が始まった。

 

未だ上空の狙撃は止まらず、内側では死神が狂笑を響かせ暴れまわる。

高度は悪魔にアプローチ可能な上空八千に到達、だからどうしたというのだ。既に中隊はぼろぼろで双翼の悪魔の遊び場となっている。

 

「上空より強大な魔力反応!」「と、止めろ!せめて奴だけは!!」

 

トドメとなる強大な魔力反応を感知、襤褸切れのようになろうとも共和国の精鋭部隊、なりふり構わない一斉全力射撃を行うが、余りにも硬い防殻はそれらすべてを通さない。

 

「去ね。不逞の輩よ。ここは我らが帝国、我らが空、我らが故郷」

 

「汝らが祖国に不逞を為すというのならば、我ら神に祈らん」

 

「主よ、祖国を救い給え。主よ、我に祖国の敵を撃ち滅ぼす力を与えたまえ」

 

魔力欠乏症寸前で、もはや飛ぶことすら危うい中、神に祈る子供の姿を見る。

無垢、あまりにも無垢に神に祈りを捧げるその姿はまるで神が遣わした天使のようであって、銃を落としその手は自然と胸の前で組まれていた。

未だ抵抗を続ける隊員を背に、朗々と紡がれる神への祈りを最後の時とし裁きの時を待つ。

 

「運命を嘆くことなかれ。おお、主は我々をお見捨てにならず!!」

 

信仰心とはこのようなことかと最後の時を待っていると、ふと、神の声が聞こえた気がして、体の奥から不思議な魔力を感じ、意識がブラックアウトした。

 

「遥か道の果て、我らは約束された地に至らん」

 

 

 

 

 

幼き声、衝撃、灼熱、光。唯一の生存者である私の、戦場での最後の記憶。

戦場から帰ってきた私は軍法会議に掛けられ、敢闘精神の喪失をもって軍衣を剥奪された。正体不明のネームド『ラインの悪魔』の情報を持ち帰った功績により処刑を免れたのは温情なのであろう。

軍人をやめた私は、神の名を広める神父になるべく教会に所属することとした。

 

あれは天啓であったのだろう、神の名を広めよと。

この歳になって新しいことを始めるのはいろいろと大変であるが、主の名を広めるためと考えれば不思議と力が湧き出るというもの。

今でも礼拝堂にて神への祈りを捧げていると、時折神の気配を感じることがある。

 

今思えばラインの悪魔と呼称される彼女はきっと、今の戦争を終わらすべく遣わされた平和の使徒であったのだろう。

 

「世に平穏のあらんことを」




小官とティアナ少尉はともかく―ハブられる傾向にあるセレブリャコーフ。

撃墜スコア20手前―戦闘時撃墜はあまりしていないためこの数字。敵基地でいっぱい死んで敵カウントでは30を超えネームド登録されている。

ターニャ参謀上司―意見が通れば現代知識チートで歴史を変えかねないと思われる。幼女戦記を敗戦物から改変するとしたらターニャを参謀入りさせるのが近道なんじゃないかな。

夕食の芋―適当に答えたらショーンズが手榴弾投げてきやがった。ターニャに被弾し幼女ニッコリ。

六千待機のティアナ―普通の演算宝珠なので六千待機、優秀なはずだが95式に影を薄くされた被害者。

一万二千待機の悪魔―おそらくその高度で行動することに特化したものと判断、護衛を除ければ碌に戦闘機動も出来ないはず、いけるやろ!という予想。まあ無理なんですけどね。

『幼き死神』『双翼の悪魔』―募集にて採用。ありがとうございました。もっといいのがあれば容赦なく付け替えるのでよしなに(無慈悲

「おにーさん、あそびましょ!」―恐怖を煽るため敵兵には無邪気な子供を装っている。作者の趣味ではない。作者の趣味では、ない。

トドメの空間爆撃―「ターニャ、そろそろ疲れた」「(95式を使うのは出来るだけ避けたいのだが、仕方あるまい。墜ちてくれても困る)...わかった」祈り中に全速離脱。

「世に平穏のあらんことを」―最後のくだり要らないかなーと思ったけどこのセリフを入力した瞬間に消せなくなった。世に平穏のあらんことを(フロム脳

作者の趣味―ロリババア。


書き終わり一晩寝かしての投稿です。
プレビュー見直しながら編集中、しっかり寝落ちして一晩寝かせました。
今後も一週間一話投稿は続けたいですが、ギルティギアレブ2出ちゃったからな。ギルおじ滅したい。

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