幼女の友人幼女戦記   作:AMEKO

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友人と接するターニャという私の想像物、ターニャの一面を表現できたらなという目的の一つがこれです。
原作のターニャから乖離しないように気を付けはしたものの、俺のターニャはこんなんじゃない!といった方は読み流すか、これがこの小説のターニャだと別認識を持ってお読みください。

では作者の今現在珍しい原作回です。


4話 プロパガンダ

やあ平和の国にて平穏を享受する羨ましき皆様方、ターニャ・デグレチャフです。

私はついこの間、孤軍奮闘の末死にかけた証として授与者はほぼ二階級特進して、生きて授与されることは珍しい銀翼突撃章を授かりました。

 

無論仕事ぶりを評価されるのは良いのですが、待ち受ける先にはプロパガンダとして利用される哀れな軍人。

正直勘弁していただきたいものです。

 

この体が癒え次第授与式があり、私の活用(プロパガンダ)が始まるのですが、授与者一覧を見てみるとそこには私の悪友、ティアナの名前が載っておりました。

羨ましいことに前線で死のリスクが少ない医療班となることが出来たようで、ナイチンゲール記章のような何かでも授与されるかと見てみれば、授与されるのは突撃章。

 

あいつはなにをやっているのだろうか。

 

何故?どうして医療班として治療に勤しんでいるはずのあいつが、突撃章を貰っているのか。

北方では医療班ですら前線に駆り出されるほど人材不足なのか?戦争初期においてそれはありえないだろう、ではなぜ?

 

と、しばらく困惑したものだ。

 

授与式のため帝都に赴くと、久方ぶりに悪友ティアナと再会。

尋常ではない目の下の隈に驚くが、何でもないように話しかけてくる様子に戦争の無益さ悲惨さを改めて感じた。

 

「ようターニャ、思ったより元気そうだな」

 

「ああ、まあ大分回復したが。お前こそ大丈夫か?すごい隈だぞ」

 

「まだ一徹だから大丈夫だ」

 

戦争は人を変えるというが、これは無いだろう。

医療の現場は常に激務と聞くが曲がりなりにも数少ない友人がこうなってしまったというのはやるせない物を多少は感じ思わず天を睨みつける、存在Xに災いあれ!

 

「前線に出ないとはいえ、随分と激務のようだな」

 

「前線が無くならない限りはそりゃあ激務さ、更に言うのなら俺は優秀な医療員でね、引く手数多さ」

 

聞くところによると医療魔導師の医術は凄まじく、よっぽど酷い損傷で無ければ医療魔導師の手によって大抵は回復出来るという。

腹に風穴の空いた魔導師を3日で回復させたこともあるらしく、一時後方に下がったのち前線に復帰させたそうな。もっともそれは腕の良い医療魔導師に限った話で、私が撃墜された時はその腕の良い医療魔導師の手により修復されたようだ。

 

こうして後遺症もなく回復したことは感謝したいが、その十全なる医術故に再度前線に駆り出されそうなこの現状は素直に感謝しきれないものだ。

 

「そういえばターニャ、ノルデンで死にかけてたけどなにやったんだ?」

 

「聞いてないのか?銀翼突撃章まで授与されるくらいだから広まってると思ったのだがな」

 

「いや、聞いてる」

 

ではなぜと聞くと、私視点での話が聞きたいそうな。

こいつは誰かの話だけで満足せず複数の人から話を聞き多角的に情報を集める傾向がある。

曰く、たいして人を信じていないそうだ。信じるのは自分と自分が決めた少数だけだと。

 

私がその時のことを心情含め話してやると、案の定ゲラゲラ笑いやがったので一発殴っておく。

私がその少数に入っているからといって死にかけた体験を笑っても許されると思うなよ。

 

軽く謝ってくるティアナに今度はこちらが何故突撃章なんぞ授与されてやがるんだと詰問する。

 

「出撃中にネームド部隊と交戦して隊が劣勢だったから突っ込んで掻き回したら突撃章貰ってた」

 

「まずなんで出撃してるんだ」

 

馬鹿っぽい回答に思わず飽きれた目線になるが、やつはヘラヘラ薄笑いを浮かべながらなんてことない顔をしている。前世でもイラッとしたが見た目が整っていると猶更ムカつくなその表情。

 

少し冷めたコーヒーを口に運ぶと平和だったあのころを思い出す。

やつが馬鹿な話と有用な話をごちゃまぜにしたまま話し、コーヒー片手に相手をし、やつは火のついてない煙草を手に時折社や社員にとっての爆弾話を投下する。

 

ちらりと見てみると手は煙草でも持っているような指の形。

 

「ああ、お前と話すときはいつも持ってたからな」

 

「お前今吸ってないだろうな、流石にこの体には有害が過ぎるぞ」

 

「うんまあ、手に入れるには周りの眼が厳しくてな...」

 

つい言ってしまったがそこらへんは自分で自制出来るだろう、煙草の有害性はやつも自覚している。自覚しつつも喫煙をやめることは無かったが。

 

 

私達は授与式までの間、久しぶりに軍人の仮面を外し語り合った。

やつが敵となる数日前のことだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

視点回帰:ティアナ

 

久しぶりの友人との語らいと愛おしき睡眠を終えると、授与式のお時間だ。

戦意向上のためとはいえこうして盛大な授与式というのは元一般サラリーマンは受けたことが無く、珍しい経験をさせてもらった。

 

それにしても授与式で付けられたターニャの二つ名が実に傑作だった。

 

『白銀のターニャ』

 

現代日本において一般的な感性を持つターニャにとって、これからサインを書くときいちいち『白銀のターニャ』なんて厨二チックな名前で書きこまざるを得ないのは非常に不快だろう。

だがしかし、私は面白い。他人事だから。

 

式が終わりターニャが一人になる頃を見計らって指をさしてゲラゲラ笑ってやったら割と本気で殴られた。腹ァッ!

 

 

 

 

「広報の宣伝任務でありますか」

 

授与式から間もなく、任務が課せられた。

白銀のターニャをメインにメディアのインタビューを受け、軍の印象を上げてこいと。

常々思っていたことだが、帝国は外交下手くそか。子供が軍人として活躍する、それも一人ならば珍しいのがいるといった印象だろう。

が、複数となると自身の子供たちまで戦争に行かせられるのかという要らぬ不安を掻き立てる可能性を発生させてしまう。

 

戦略や戦術に詳しくロジカルで効率主義な有能な参謀とターニャは評価した。彼が言うからには確かに有能で、このプロパガンダが確かに有効なのは認める。

が、おそらくそこには感情の理は含まれていない。

 

感情論は確かに非論理的で嫌いだ。だが感情を排して良いというわけではないのだ。

何故なら、感情を持つ愚かな者こそ人間なのだから。

 

「了解致しました、精一杯フォロー致します」

 

しかし私は一軍人上に具申する権限は無く大人しく了承する。

上層部の外交下手や国政環境に思いを馳せるよりも考えることがある、ターニャの精神保護である。

 

ターニャと私ティアナ、前世の男視点としても間違いなく美少女だ。自慢ではなく。

それが広報の仕事となれば美少女の面を前面に押し出すことは想像に難くない。

ターニャはおそらく口調仕草どちらにも指導が入り、服装もターニャの許容範囲から大きく外れたものを強制され多大なるストレスを負い、最悪精神がやられかねない。

 

慣れてない人間にとって営業は多大なるストレスであり、適正の無い者は冗談抜きで精神科に掛かったのを前世で見て来た。

曲がりなりにも友人がそうなるのを見過ごすという判断は無い。

 

 

そう、見過ごす判断は無いのだ!

決して可愛く装ったターニャが見たいわけではない!ホントダヨ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「初めまして、今日はよろしくお願いします」

 

目を見てお行儀よく握手を行うターニャに続き、この顔に見合った素敵な微笑みを貼り付け握手する。顔を少し傾けるのがポイントだ。

 

口調や演技の指導や服の選別は私がすべて私の手を入れ帝国主体の元、私プロデュースのターニャ・デグレチャフのお披露目インタビューが始まった。

この絵になる握手も私がお手本となり指導に当たった。

あの時のブルータスお前もかという裏切られた表情、そして敵を見るように切り替わった表情は私の愉悦心をくすぐったが、私がテコ入れしなかったらもっとひらひらしてたんだぞお前。

 

「こちらこそ、よろしくお願いします。ターニャ・デグレチャフ少尉です。ターニャと呼んでください」

 

「よろしくお願いします。ティアナ・リースフェルトです。私の方はティアとお呼びください」

 

あだ名呼びは人の距離感をぐっと近づける心理効果を持つことが多い、重要なのはさりげなさか初見でそれを行うかどうか。が、今回は初見で行って問題ない。何より可愛い私達がそれを行うのだ、子供嫌いでなければ有効に決まっている。

 

「ああ、これはどうもご丁寧に」

 

「私達は、こっちがローマリー。私はリリーよ。よろしくね」

 

インタビューを行うのは男女二人組、ある程度素の笑顔で握手を返す男性は営業員としては及第点、感情なぞ切り捨てて仕事したまえ、素の感情を仕事中に出すのならば他の営業で嫌な相手に当たった時どこかしら歪みが出るぞ。

 

「ミスター・ローマリー、ミス・リリーですね」

 

その分ターニャはよくやっている、不慣れな営業で自身の感情を押し殺し役割に殉じようとしている。精神面に問題が無ければ営業課に欲しかった人材だった。

 

「しかし、驚いた。帝国軍から、確かに伺ってはいましたが・・・」

 

「こんなに、小さいおこちゃまだとは、思っていなかったと?」

 

-1ポイントだターニャ、とはいえ元々失点なく耐えられることなど無いと予想はしていたが。

やつの歪みまくった精神は見下されることに対して過剰に反応する、子供であるというのは自分にとっては利点だが、やつには欠点でしかない。

 

「ああ、いや、これは失礼」

 

「ごめんなさいね?ローマリーは、レディに対する礼儀を知らないの」

 

男が失点を犯し女性がフォローする、これはそういうやり口か?

刑事などが良く行うコンビネーションだ。

相手は情報屋、好感度稼ぎは女性が徹底し行い稼いだ好感度で口が軽くさせる。スキャンダルは当然情報価値が大きければ大きいほど良い、ただの子供であればこの方法は有効に作用しうる。まあ私達はただの子供達ではないので無意味なのだが。

 

「大丈夫、気にしてませんよ」

 

そういってターニャはコロコロと笑う。

偉いぞターニャ!さっきの失点は無かったことにしてやる!しかしこいつのこんな表情を見られるとは思わなかった。

 

「でも、本当に驚いたのは事実だよ?」

 

「まあ、そうね」

 

「そうですか?」

 

首をかしげ、口元に指を伸ばし考える素振り。思考の元行われるぶりっこは見ていて痛々しいものがあるがこれは見ていて可愛らしい、なぜかって?可愛いからだ。しかしなぜそこで自ら死ににいくんだ。

魔力を認識。

案の定自分で精神にラリアットを入れてしまったようだ。

 

「ターニャは人一倍頑張り屋さんですから、それを見て私も頑張ろうって思わせてくれるんですけど」

 

傍目から慈愛の眼差しでターニャを見るように装う。

ターニャが精神的ダメージを負った時、私が会話を繋ぎ時間稼ぎを行いターニャの精神の均衡を保つ時間を与えるのが自分の役割だ。

本当はもっと出しゃばり負担を減らしたいところだが、インタビューのメインはターニャであり、主にターニャに喋らせるよう指示が出てしまっているためあまり自分は喋れないことになっている。

 

「あなた達お人形みたいに可愛いもの。こんな可愛い子達が、と言われてもちょっと想像できないのよ」

 

まあ確かに言わんとすることはわかる。

たーにゃ・でぐれちゃふ9歳!ぐんじんです!なんて言われても真っ当な精神ならばごっこ遊びとしか思えないのは確かだ。

だが現実は非情なり、リアルでは、ターニャ・デグレチャフ少尉、軍人だ。我が職務は無能を排する防疫官である。である。

 

「本当ですかー?」「本当よ」

 

うふふあははとターニャと女性記者が笑いあっているが、ターニャの眼がよく観察しないとわからないが虚ろだ。

軍務と関係ない談話に入るようなので私が出しゃばる、メインの話題から離れた話なので監視員からの目線での注意は飛んでこない。

 

 

ジョークだが、とターニャが語った男性が知っている女性の10の秘密は、12345678910、だけだという話。

だが実際には女性の秘密とは10では到底足りないことを自分は知っているし、なおかつ秘密というものが大抵えぐいと話すとやつは微妙な、そして嫌そうな顔をした。

 

そんな女性経験豊富な自分がどうやって10以上の秘密があることを知り、なおかつ実際男性の身で知れたかというと、私の持つ能力がそれに関係する。

前世で生と同時に得た能力、厨二病を完治させなかった以前の自分は『全認識』と名付けていた。

 

 

『全認識』は一定の範囲内すべてを認識するというもの、後ろに人が居ればわかるし、反応さえ間に合うのならば飛んでくる弾丸さえ認識する。

欠点は許容量の問題で認識するものが多すぎるとあっという間に頭痛を引き起こし、長時間使用もアウトということ。そして視界でないというところがミソだ。

 

視界だったならポーカーなどで馬鹿勝ち出来たのだが、カードの柄は認識できないし後ろに人が立った時もシルエットで判断できなければ誰かも解らない。

しかしながら私はポーカーが強い。

私が認識するのは表情、正しくは微表情というもの。

どんなに感情を隠しても感情の起こりというものは消せず、それは一瞬顔に浮かんでくる。

その微表情がどういうパターンか記憶し、全認識によって識別し読み解き、相手の感情を判断する。

 

営業に有用であったし、これによって女性の秘密を暴きだし、相手の会社のスキャンダルをよく掴んだものだ。

 

 

この経験があり相手を喜ばせるのは慣れたもの、相手の服装のこだわりを見抜き聞き出し褒める。

最初の一手が決まりプラスの感情に少しでも傾けばもうこちらのもの、私のもう一つの任務の始まりだ。

 

ファッションやブランドの話からどんどん話を派生させ、国の内政や市民感情、記者の視点や一市民からの視点の聞き出し。

所謂世論調査といったものだ。

 

記者というものは情報通でなければならず、自分の視点を持っているがそれとは別にちゃんと俯瞰した視点も持ち合わせている。日本の記者にはなかなか無い者だ。

どちらの視点も参考になり有用な情報だ。

 

久方ぶりの営業だが腕は衰えていないようだと話し込んでいると、監視員から咳払い。情報収集はここら辺で終いで良いようだ。

 

「すみません、話し込んでしまって。お二人とお話しするのが楽しくて」

 

「あらあら、私たちもつい話し込んでしまったわ」「ちょっと話過ぎたかな、聞き上手なんだね」

 

監視員からの視線に内心罰が悪そうな顔をして、インタビューを主軸に戻す。

ターニャはどうやら精神を持ち直したそうで、大丈夫そうだ。

 

「では改めて、本題に入るけど良いかな?ターニャちゃん」

 

「はい、大丈夫です」

 

別にターニャは碌に喋っていなかったが、あちらさんはこちらへの距離感を詰めてきたようで、ターニャがちゃん付けされていた。笑う。

 

冷めた紅茶で口を潤わせ、ターニャのインタビューを清聴する。

軍に入った経緯は無論出世欲のためだが、ターニャは故人を上手く活用し切り抜けた。子供が軍に入るというマイナス面を匂わせず、好戦的な雰囲気を出すこともなく良い回答を行いターニャは軍に入る経緯を語り終えた。

 

「ありがとう、では次にティアの話も聞かせてもらっていいかな?」

 

「はい、もちろん」

 

 

さて、自分は知っての通りターニャと同じ孤児院で育ったが、自分が捨てられた時にあったものはティアナ・リースフェルトという名前の書かれた紙切れ一枚。

ターニャのように軍人だった親の故人がいるわけでもなく、私の出生に利用できる要素はこれといってない。

だが今の自分は医療魔導士、それに孤児院育ちという要素を絡めれば人の心を揺さぶるストーリーを組み上げることはそう難しいものではない。

 

 

「私、ターニャは同じ孤児院で育ちました」

 

「そこではシスターのお手伝いや子供の世話などを任され慎ましく暮らしていました。あ、ターニャもよくお手伝いしてくれましたよ」

 

微笑まし気にターニャを見やるが、はい、嘘を言いました。こいつなんもしませんでした。

むしろ俺の世話を受けるガキやってました。正直面倒だった。

 

「シスターに勉強を教えてもらいいろんな事を知るうちに世の中には魔法が、それも人々を癒す魔法があることを知って、病気や怪我を治すお医者さんになってみたいとシスターに言ったことを覚えてます」

 

覚えていません、言ってないもの。

 

「ある日の健康診断で、私に魔導適正を認められた時、私と同じく魔導適正があったターニャやシスターと相談して、次の日にはターニャと一緒に帝都に向かいました」

 

実際には相談などせず、なおかつターニャに置いて行かれそうになった。

 

「今思うと性急だったと思いますけど、あの時の私は早く帝都に行ってお医者さんになるための勉強がしたかったんです」

 

「軍学校に入るのには勇気がいりましたが、これも人々を癒すためと頑張り、教官殿からの推薦もあり短い間ですが帝都にある医療大学に短期入学ができ、素晴らしい先輩方にいろいろと教えていただき、無事私は医療魔導士となることができました」

 

素晴らしい先輩方が本当にいたのならば、自分は魔女の魔の手から救い出され、短期入学という区切りをどうこうして今頃医大にて勉学に励んでいたのだろう。

まあその短期学習にもかかわらず自分を一端の医療魔導士に仕上げた魔女の手腕は、ある意味素晴らしい指導とも言えるか。

到底感謝は出来ないが。

 

「勉強の末あって目標だった医療魔導士となり、実際に怪我をした人々を癒した時、改めて私の道はこれなんだと実感が沸きました。きっと今このお仕事に誇りと充実感をもっているのは、人を救う尊さとその術を教えてくださったシスターと医大の先輩方のおかげなんだと思います」

 

満ち足りているかのような明るい笑みを浮かべる。おい、感心してないでさっさとシャッターを切って撮れ。

何のために前日睡眠時間を与えられ取り切れなかった隈をメイクで誤魔化していると思っている。

各方々のイメージアップや前線の健闘具合など、その後も口を回し続け情報部によるあかるいぷろぱがんださくせんを遂行する。

医療魔導士にふさわしくない突撃章に触れないのは恐らく情報部の手回しによるものだろう。

今回自分に求められている役割は軍人としての勇猛果敢さアピールではないし、その役割は今回ターニャの領分だ。

 

健気な子供を慈しむような眼差しで、なおも自分を主体としたインタビューを続けようとするが、自分は今回のインタビューの主役ではないためターニャへ話題を振り、ターニャにその後の場を譲る。

 

とはいえ語るべきことは語った。

あとは事務的な台本を読み上げるだけであり、ターニャは長ったらしくつまらない帝国公式の防衛見解と同様のことを、子供らしくたどたどしい演技で垂れ流す。

たとえ子供の大根芝居を演じる大根芝居であろうと、それを行うターニャの姿は可愛らしいものだが、内容に目を向けると眠くなるのは避けがたい。

それはインタビュアの二人も同様であるが、眠気よりもこんな子供になんてものを読ませているのだという憤りが見て取れる。

 

「これもお仕事ですから」

 

ここまで身と心を削り任務をこなすターニャが、機嫌を損ね出来損ないの記事でも書かれでもすればなんと嘆き憤るだろうか。

お仕事を懸命にこなしているのだとアピールしなだめ、これを頑張って覚えたターニャちゃんを褒めてあげるように行動を誘導していく。

 

記者に褒められ表面上は奥ゆかし気に喜ぶターニャ、だがその瞳に光は無く、視線は虚空を彷徨い、体の反射は苛立ちの感情を示している。

 

きっとこやつは今こう思っていることだろう、存在Xに災いあれ!と。

まあ情報部が悪いんだが。

 

「ターニャかーわいー」

 

インタビューを終え個室に戻り、ニヤニヤとターニャを煽ってやると、指導期間と先ほど溜めたストレスを発散するように本気で一発殴られた。

 

腹ァッ!




章―突貫で書いたので調べもの不足でただ突撃章としか書いていない。ここは是非ミリオタ読者様のご協力を願い出たいところであります(土下座

悪友ティアナ―ターニャ「あいつは間違いなく悪性だ」しかし友は否定しない。

ゲラゲラ―実際にはケラケラと濁点が消えて可愛い、はず。

とりあえず殴っておく―男性同士固有のスキンシップ、腹パン。

煙草―元喫煙者、煙草吸わない人の前では火をつけない良識的な喫煙者。成長したら吸わせる、なぜって?作者の趣味だよ。

ターニャの衣装―原作よりフリルが控えめになり少女趣味からもうすこし大人しい服となった。が、ふりふりは断固といって阻止出来なかった。すまない、ターニャ...(笑)

ティアナのインタビュー―営業1位は伊達じゃない!記者の採点を行うほど余裕があった。

全認識―前々世であった神様からのチート、捻くれ物の彼は誰も彼もが使うチートを嫌がる捻くれ物だった。
    駅の込み合うホームは認識するものが許容範囲を超えるため切っていたため、木偶君に気付けなかった。

微表情―ノーゲームノーライフより、観察力と記憶力さえあれば素で出来るんじゃないかな、全認識は見逃さないように補っている形。素で出来る空さんぱねぇっす。

腹ァッ!―幸子ぉ!腹パンさせろ!


こちら原作であったインタビューでございまして、元のターニャ視点は取り除きティアナ視点のみ書かせていただいてます。
その時のターニャ視点が見たいという方は是非原作をお買い求めいただきたく思う所存であります。
原作を見ながら書いたのでその時の原作ターニャを見ながらでも改めて楽しめるように書いたので、是非にお買い求めを(ダイレクトマーケティング

追記・書き直しました。

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