書きたくなったので書きました。
未熟者故に知識違い、ごちゃる文法、おかしな展開がありましょう。
そちらの方感想ご指摘のほどお願いします。
追記・書き直し始めました。話の流れは基本的に変えず、必要不必要に応じ追加し削り、クオリティ上昇させるべくちまちまやりたいと思います。
神童と呼ばれた子供も、歳を重ね真っ当に育ったのならもうそれはただのおっさんだ。
本当の神童や鬼才というものはそもそも真っ当に育つことは無いというのが、かつて神童と呼ばれていた自分の考えだ。
所詮私はズルして育った秀才止まりの偽物だったわけだが、それでもそこいらの凡夫と違い一応大手会社に就職し、優秀な営業マンという評価を得る出来るおっさん程度にはなれている。
優れた業績、会社でのそこそこの人間関係と少しの深い友人達。暇な時間を有意義に楽しめる趣味に欲望のみで繋がった軽やかな肉体関係。
自分でも不思議なことに未だ独り身ではあるがそこに不満など無く、充実した人生を送っていると言える。
納得のいく人生になるよう努力したこの二回目は、不本意な結果をもって終わりを迎えた。
何の変哲もない退社後の定時帰宅の途中のことだった。
自分の所属する会社には一人だけ友人と呼べる者がいる。大学時代からの腐れ縁みたいなところがあるが、紛れの無い私の友人だ。
彼は人事部に所属しており、今日はまた重労働を行ったような疲労感を伴った顔を浮かべながら共に駅のホームにて電車を待っていた。
一見して鉄面皮のような無表情を携えているが、無意識に体が発するサインと彼の癖からそれなりにストレスを感じていることがわかった。
彼のような人間には回り道をするようにトークを回して何があったのか聞き出すよりも、直球で聞き出す方が話が早い。
そうして聞き出した話によると、どうやらリストラを通告された社員の無意味な喚き声を散々聞かされていたようだ。
その社員の情報は自分の頭の中にもあった。
というかリストラさせるように人事部に告げたのは何を隠そう自分自身だった。
彼のストレスの原因は紛れもなくリストラされた無能にあるが、そのストレスの責任の一端があると思わなくもない。
電車を待つ間無能がどれほど無能だったか、仕事でのミスや会社での人間関係の悪化させたかやセクハラ行為の暴露など、つらつらと彼に喋りかける。
ストレスの緩和方法は数種類あるが、今の状況や彼にあった緩和方法はこの場合簡単なもの、我に正義アリ、正当化である。
自己の正当性は彼も認識しているだろうが他の人間にも認められているというのはまた効果の違うものだ。
実際彼に非は無く、無能が無能であったがためであるのだから。
彼はわずかに苦笑や小さな頷きで返答するのは彼が無口なわけではなく、ここが公の場であり人事部の人間だからというリスク回避のためであるが、そうでなければこのお喋りが好きな彼は皮肉たっぷりに無能をこき下ろしていただろう。
悪口を一人駅のホームで彼に語る自分がヘイトを稼ぎかねないが、自分の会社での立ち位置はある程度気安くも信頼できる上司という立場、多少聞かれていたとしても早々崩されない信頼関係は構築済みだ。
もしリスクがあるとするのならば、それは今しがた私たちをホームから電車の前に突き飛ばした無能くらいだ。
―――お電車、通過いたします。
急展開となって申し訳ないが、一つ聞いてもらいたい。
あなたは神と言われる存在が実在することを知っているだろうか。
実に怪しい切り口であり新手の宗教勧誘のようであるが待ってもらいたい。これほんとの話。
自分は元は無神論者のようなものだった、そもそもとして現世へ介入しないのであれば正直居ようと居まいとどうでもいいと思っていた。
が、昔ある経験により神と呼ばれる存在の実在を知り、無神論者ではなくなった。
まあ結局彼らは現世へ介入しないのでどうでもいいと思うことは変わらなかったが。
自分と彼の目の前にいる存在は、神と呼ばれるに納得できる威光を備えた者であった。
だが彼が神と認めず存在Xと定義された者は、見た目からして以前あった神とまた違う存在のようだ。
「貴様は神の存在を以前知ったはずだ。なら何故祈りを行わなかった?」
気を動転させながらも存在Xと対話とも呼べぬ問答を行い、およそ煉獄と予想される場所へ先に旅立った彼はついぞ自分という存在に気が付かなかった。
まあ曲がりなりにも神の威光というのは人間の思考領域を侵す威圧感があり初見の者ならば視野が狭くなったとしても仕方が無いだろう。
まあ彼の狼狽を後ろから黙って笑いながら傍観していたのでは仕方がないのだろうが。
「一度のみではありますが、あなたと違う神に対してはその祈りという行為を行ったことはありますよ?ただそれは以前お会いした神個人の行動に対しての祈りであり、有象無象の神々に祈る必要性が無かっただけの話です」
この神と名乗る存在Xにあの祈りをカウントされなかったのなら、つまりあの神への祈りは届いたということなのだろうか。
祈りなどという無意味な行為は自分の趣味ではないが、あれはあの神個人への感謝の行為でありこの知らんのに信仰とやらを吸われなかったのならば実に結構だ。
「祈りを行い信仰を供給したのは確かだ、先ほどのあやつよりは矯正が望みえるか…」
嫌いなワードが身としてこの場にあるかわからない耳に飛び込み、にっこりと笑みが浮かぶ。
矯正、矯正ときましたか。私の嫌いな事を私に突き付けますかそうですか、議論いたしましょう。たとえ不快な言葉を突き付けられてもこちらは文化人、話し合いで解決するのが理性的な文化人の流儀でしてね。話し合いも出来ぬ愚かな者として神を名乗るお積りで?それとも自ら生み出し進化した物を愚かな猿と決めつけ超常の暴力で従えるのが神の流儀というわけでございましょうか?あ゛?
「言葉一つでこうも激昂するとは、まったく、人とはなんとも愚かしい」
「当然思考は覗いているわけですか、まあいいでしょう。ともかくまあ聞けよ糞老害」
「神と知りながらも敬えぬ貴様だがまだ祈ることは出来る、それだけが救いというものよ。貴様を輪廻の輪へ戻す、天使を呼ぶのでしばし待っておれ」
存在Xに対話を行う気は無いと組み立て途中の弁舌を引っ込め輪廻転生という次の事態へ頭を回す。
「私を輪廻の環へ戻すと、それは通常業務での話でしょうか?」カス
「…語尾に罵倒を思考してもこちらには伝わっておるぞ?愚かしい」
知っとるわ屑。
「何もない無垢な魂へ戻し現世へ返す。その行為を通常業務というのならそうであろう。ほう、自我の消滅が恐ろしいか」
人の根源的な恐怖に対する興味とは何とも悪趣味なことで。彼が悪魔もしくは存在Xと定義するのも納得というものだな。
意思伝達手段が思考するのみで行われるのならばもう口を開く必要もない、開きたくもない。傲慢が口から漏れ出してくせえんだよ。
ええそうですね、自我の消失というものは正直実に耐えがたいものです。
そこでどうでしょう、彼と同じようにかの世界へ飛ばしもう一つサンプルを増やすというのは。
先ほど飛ばした彼ですが結構捻くれておりサンプルとしては特殊であり、幾ばくか普通な私を比較サンプルにと思いまして。
「二度目の転生を行う貴様も大概特殊であろう...。まあよい、では貴様もあの世界へ飛ばしてやろう」
ええ人とまともに対話も行えない欠陥存在よ、契約成立で。
今までの問答から信用も信頼も置けない取引相手ではあるものの仕事はちゃんと行うことは欠片ながらも期待いたします。
くれぐれも自己については損なうことなきようよろしくお願い致します。
くれぐれも自己については。
くーれーぐーれーもー!
「うるさいわ!」
ごきげんよう平和を享受する羨ましき皆々様。
今世では初めましてというべきでしょう、ティアナ・リースフェルトと申します、以後よろしく。ちなみに名前でお判りかもしれませんが初めてのメスです。
この世はどうやら近代と呼べる時代背景に魔法が乗っかっている摩訶不思議な世界なようです。どんなメルヘンを見られるのかと期待するも正直孤児院の生活では何も関係が無く、孤児としての貧乏的な日々を粛々と過ごしています。
苦しい食糧事情、クソ餓鬼、シスターのお手伝い、不愛想な餓鬼、クソ餓鬼。なかなかに退屈しない日々と言えなくもない生活、楽しいかと言えばまあ嘘になりますが。
気がかりであるどこかへと消え去った友人を探しに行くなんてこの幼い体では非現実的であり、おとなしく日々シスターから頼まれ教会へお祈りする幼女のお供をする日常。
そんな苦しくも退屈な日々が変わったのはあくる日の健康診断で魔導適性が認められたことから始まりました。
さて、私が籍を置く国は戦争帝国であります。
魔法が発見され使えるかどうか判断しかねる時に帝国は予算をつぎ込み、結果突出した戦闘力をもつ魔導士を多く抱え他国を凌駕する軍事力を得た戦争をするためにあるような国家。
その魔法ですが、これが誰にでも使えるわけではなく魔導適性を持つ者は限られています。故に帝国は適性があるとわかった者には粉を付けます。
人はそれを赤札という。
今回の健康診断で赤札を渡された者は私とお祈り幼女の二人のみ。
戦争に行くのだ。かつて平和の国で過ごしていた者としては実に勘弁していただきたい。この隣の子も戦争に行くことを理解しているのかストレスの動作をしている。
「「・・・」」
まああれだ、考え方を変えるのだ。会社視点のみでは営業など出来ない。お客様視点も視野に入れることが業績に繋がることであり、つまりは多角的な視野を常に持ち続けることを忘れてはならないということだ。
ここの生活は苦しい。そして未来があるのかと言えば実際苦しい。まあ碌な未来はあまり思いつかない。
しかしどうだろう、軍に入るという選択肢は考えてみるとそう悪くは無い。教養を身に付けれ、元軍所属という職歴も孤児院でお手伝いやそこらへんで食い扶持を稼いでいたというよりはまだ良い。
出世だ、これは出世なのだ。
幸いにして人の機微を察するのは得意、出世する上でこれは有効に作用する。前世でそれは経験済みだ。なおかつ軍でこの技能は重宝されるだろう。マジカルがすべて何とかしてくれるのならば正直素のステータスでやっていくしかないのだからなんとも心許ないのだが、感情の機微を察知する技能はフィジカルによるものでありやはり私は有用。いつの時代もやはり最終的にはフィジカルだ。
自身の有用性の再認識と将来のヴィジョンを描くころにはお祈り幼女も精神を持ち直したようで、互いに微笑みあいながらいつも通りに無言で寝床へ戻る。
明日の朝からはきっと忙しいことになるのだろう。就職活動はお早めに!これは前々世からの忠告だ!
翌日の朝、ターニャは軍に向かう支度を終えていた。
いや早すぎるだろ。
さっさと出て行くターニャを追いかけるため急いで荷物を纏め挨拶もそこそこに孤児院を出た。
「ターニャ!」
「ん、ティアナさんですか」
ターニャに追いついた時、いかにも面倒なのが付いてきたという渋顔を抑え込んだような冷徹顔を拝むことになったが、可愛い要素が多くて別に嫌な気持ちにはならない。
美人は得だ。最も今は美幼女だが。
「ティアナでいいよ、同い年なんだから」
「そうですか」
「そうですよ、今年でそうですね―
―たしかもう30中盤のおっさんだろ?俺ら。なあターニャちゃん?」
人形染みた大きなお目目がパチクリと瞬く可愛いリアクションをありがとう。こちらはニヤニヤとした顔で答えさせてもらおう。
目頭を押さえ大きなため息を吐いたターニャはステキなジト目でこちらを睨みつけてくる。
「随分とおねーさん役が身についていたじゃないかカマトト野郎」
「相手の望む役を演じるなんざ営業でクソほどやったからな、木こり(首切り)一役とは違うさ」
「切った木に一緒潰された奴の言葉は流石違うな」
「ブーメランなそれ、というかこの話は互いにやめようか!」
「で、いつから気付いてた」
「気付いたのは昨日、だって喋んなかったし」
「あー、まあ、そうだな」
主人公―普通の現代社会に生きて転生して再度転生したら幼女になっていた元男。彼とは大学で知り合って以来の仲。原作知識無し。
以前あったことのある神―おっぱいが大きくて美人だったのは覚えてる。
聞けよ糞老害―嫌いな物。ちなみに素は口が悪い。
「うるさいわ!」―言わせたかっただけ。
「「・・・」」―タ「鬱だ、いやでもこれ出世~」「あ、この癖こいつあいつだわ(気付いた」
前々世からの忠告だ!―せやで(白目
30中盤のおっさんだろ?―てめーはちげーだろ(マジレス
パチクリターニャ―可愛い。
ニヤニヤ―幼女が悪い顔で嗤ってる。作者の趣味。
書き直しで大きな変化は無し。