長いようであっという間な一年間。そんな感じでこの作品もあっという間に完結させたい。
王立ロンドン魔法学園生徒会役員にしてカテゴリー5、孤高のカトレアであるリッカ・グリーンウッドの罪とその処分、そして彼女と『八本槍』の一人、クー・フーリンの逃亡の噂は瞬く間に風見鶏の生徒の間に伝播していった。魔法使いの最高峰とも言えるカテゴリー5が責任を問われ処分が言い渡された挙句、それを回避して逃走したという事実はこれから魔法使いとして地域社会に貢献しようと自己を研鑽する生徒たちにとって混乱の渦となった。生徒会もまた、騒ぎ出す生徒を抑えるために奔走しており、リッカが抜けてしまった穴埋めを今はジル・ハサウェイが代理して行っている。
そんなある日の放課後、生徒会室で一人、ジルは窓の外を眺めながら小さく溜息を吐いていた。リッカはどうなってしまうのだろう、二人は今どこにいるのだろう、不安と心配だけ胸中を駆け巡る。
リッカが拘束された旨が記された新聞記事を見た時は胸が潰されそうだった。もつれる足を無理矢理にも前へ前へと走らせながら、旧友であり想い人だと自覚しているクー・フーリンの部屋へ直行し、その事実を彼に伝えるや否や、彼は表情一つ変えることなく彼女を救うために動き出した。そう思っていた。
しかし事実はどうだ。クーもまた、地獄に落ちたリッカと共に、地獄に引きずり込まれただけではないか。それなのに、何故自分だけこんなところで平和に過ごしているのだろう。何故彼らの下へと駆けつけようと足が動いてくれないのだろう。そうするには、情報が、希望が、そして力が自分には欠如し過ぎていた。無力な自分があまりにも情けなさ過ぎて、掌に爪が食い込み血が出ることもいとわないと言わんばかりに拳を握り締め震わせる。
「こんなのってないよ……」
誰もいない部屋で一人、小さく震えた儚い言葉。誰にも届くことなくふわりと消える。
もう、彼らに会うことはできない。いつものようにこの部屋で笑顔を交わすことはできない。また昔みたいに、苦しくて、辛くて、大変で、それでいて楽しくて未知と希望に満ちた旅路を共にすることも、もうないのだ。果てしなく続いてきたあの日々の思い出を胸の中からそっと引きだして、胸が苦しくなる。会いたいと胸の中で囁きかけて、でも叶うことなどなくて、現実を思い知って、ふと涙が零れた。
「なん、で……泣いてる場合なんかじゃ、ないのに……!」
堰を切ったように、一度溢れ出た涙は止まらない。何度袖で目元を拭おうと、すぐに滴が頬を滴り落ちてしまう。
弱い、弱い、本当に大事な時に傍にいてやれない、傍に駆けつけることができない、それが運命で、彼らとの関係がその程度だったのかとひどく痛感させられる。
その時ふと、部屋の扉からノックの音が聞こえた。
慌てて昂った感情を引っ込め、無理矢理に目元を擦って涙の痕を隠して、どうぞと入室の許可を与える。生徒会役員でもないのに、何をエラそうにしているのだろうか。些細なことに苛立ちが募る。
「こんにちは」
生徒会室に入ってきたのは、英雄に命を助けられ、育てられた小さな優しい勇者。生徒会長の実の弟、エト・マロースだった。
相変わらず柔らかくて温かい雰囲気を纏ったまま、それでいてかの英雄を彷彿とさせるような力強い眼差しが、こちらを捉えていた。
傾く夕日の斜陽が、少年の白銀の髪を幻想的に照らし出す。揺れる前髪に思わず見惚れてしまうくらいに。
「泣いてたんですか」
隠したつもりが簡単に見破られてしまう。年下の男の子に心配させてしまうのは、年上として恥ずかしいものだったが、しかしどうして少年が英雄と重なって感慨深くなる。
「な、泣いてなんか――」
「無理しなくていいですよ。僕なんかよりずっと長くお兄さんやリッカさんと一緒にいたジルさんが、悲しくないはずがない。僕だって話を聞いた時どうにかなりそうだったから」
その事実を思い出してか、エトの顔が翳り、瞳を伏せる。どちらもクーには恩があり、そしてたくさん助けられた。失ったものはとてつもなく大き過ぎて、心のバランスが大きく崩れてしまうくらいだった。
しかしジルは気付く。それなのに目の前の少年は、どうあっても平常心を保ち続けている。やはり英雄に育てられた小さな勇者は、精神面も成長していた。いつの間にか、こんな大きな事件にも屈しなくなるくらいに。ジルよりも何倍も強く、強く。
「でも、お兄さんがどこかに行く前、僕に意味深な事だけ言って去ったんだ」
クー・フーリンは言うまでもなく飄々とした人だ。自分の気の向くままに、自分のしたいままに行動する人だ。エトにだけ伝言を残して、自分には何も言わずに消えていったことで、エトに対して妬いてしまうところもあるが、何とか呑み込む。
エトは、胸の中で彼の言葉を何度も反芻するように思い出して、そしてジルに伝える。
――姉貴を心配させんじゃねーぞ。
――俺は守りたいもんを守れるだけの力をテメェに授けた。好きに使え。
――胸張ってけよ、
すれ違い様に肩を掴まれ、耳元で唐突に囁かれて。
そして一拍開けて、再びエトの耳に流れてきた言葉は。
――また始まりの地から、やり直したいもんだ。
始めはエトに対する労いのような言葉だった。しかし、最後の一言が、エトにとってはよく分からなかった。
ジルを見てみると、彼女の顔に、笑顔が戻ってきていた。
ジルは気付いたのだ。クー・フーリンは、きっと、まだ自分のことを必要としてくれている。彼と、リッカと、そして自分、三人でまた、楽しい旅がしたいと、そう思っているに違いないと。
「ありがとう」
強くなったエトに、感謝の気持ちを伝える。
クーに教わった体術、戦闘術、そしてリッカやジルに教わった魔法。しかしそのどちらもが、エト自身に宿る小さくて激しい熱があったからこそ習得できたものであり、そしてその熱が、少年を勇者たらしめる人格に仕上げた。この少年はきっと、魔法使いの世界を変えてくれる、そんな気がしていた。
「僕なんかにできるのは、こんなことしかないよ」
そう言って、照れ笑いだか苦笑いだか判断に苦しむ笑みを浮かべたのだった。
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翌朝、いち早くクラスマスターの不在による混乱から回復した予科1年A組のクラスメイト――清隆、姫乃、サラ、エト、四季と、彼女に引っ張らせてきた耕助が集まっていた。場所は風見鶏にある喫茶店、ケーキ・ビフォア・フラワーズ。風見鶏全体がパニック状態でまともに授業ができる状態ではないので、二日程の連休があてがわれている。この空いた時間を利用して集まった目的はもちろん、クラスマスター、リッカ・グリーンウッドに関する情報の収集、あわよくば彼女を発見することである。
「お、お待たせしましたー!」
片手の大きなトレイに、それぞれが注文したドリンクが乗せられてある。それを運んできたのは栗色のショートヘアをした可愛らしい少女で、名を
「あ、ごめんね葵ちゃん、忙しいのに」
「いえいえ、お客さんが来てくださるのはお店としても大歓迎ですよー!それに、忙しいのは、本当はリッカさんを失った皆さんの方だと思いますし」
「いや失ったってそんな死んじゃったみたいな……」
「い、いえ決してそんなつもりじゃっ!?」
従業員の女性用制服のスカートをパタパタとはためかせながら慌てる葵を見て、いつ見ても元気な娘だと妙に安心させられる。ちなみに既にリッカの情報も結構噂として流れているようだ。
周りを見渡せば入店している客も大勢で、葵もまだまだ忙しいらしい。空いた席の皿を片付けたり、オーダーの確認をしに行ったりと、清隆たちから離れてもあっちにこっちにと走り回っていた。
「ところで、リッカさんの情報といっても、王室の方や調査の依頼が出ている方が総力を挙げて調べているので、それ以上の情報は出ないかと。それに機密情報に近いそれらを学生である私たちに易々流すとは到底思えませんが……」
あくまで真剣に現状を理解し伝える四季に、清隆は相談開始から早々に頭を抱えたくなる。
確かにこの事件ばかりは少人数の生徒ごときで片が付くような話ではない。捜索対象は『八本槍』を抱える王室の目を掻い潜って逃走を続けられる化け物だ。清隆たちに見つけられるものなら既に追手が彼らを捕獲して首を切り落としているはずだ。
「じゃあ、一体どうすれば……」
四季の言葉を咀嚼し、色々と考え込む姫乃だったが、名案どころかアイデアすら浮かんでこない。
しばらく沈黙が続くが、それを打ち破るように耕助が痺れを切らして奇声を上げる。
「あ゛ぁ゛~~、全く持って見当がつかねぇぞ!?流石にこればかりはこの俺の綺麗な灰色脳細胞でも難解な事件だぜ……」
「流石マスター、ほんの少し考えただけで思考を放棄してしまう判断の速さ、江戸川家の名に恥じる行動をとり続けられる才能こそマスターにしか持ち得ません」
「おい四季流石に今のは俺でも傷つくぞ……」
「いいではないですか、傷をつけられることで快楽を得、罵られることで悦びの声を上げる――才能を思う存分発揮するマスターへのご褒美にと」
ずーん、と効果音が付きそうな勢いで耕助が撃沈した。清隆にとっても最初から戦力としては当てにしていなかったが、一応曲がりなりにも探偵家業をしている人間だと思っていたのだが。とにかくこんな状態でもいつもの漫才のようなやり取りは欠かさないようだ。
「あ、あの……」
おずおずと挙手をしたのは、紅茶の注がれたティーカップをカチャリと音を立ててソーサーに戻したサラだった。
歯にものが挟まったような苦々しい顔をしており、言いにくいことを言おうとしていることには容易に推測が行く。
「サラちゃん、どうしたの?」
あまりにも不自然なサラの様子に、エトが様子を窺う。
「い、いえ、あまり言いたくないんですが、リッカさんのためならと思って……」
サラの言葉に、全員が身を乗り出した。今はほんの些細な情報でも欲しいところだ。それに、情報提供者が貴族の一門であるクリサリス家の息女のモノであれば、信憑性も高くなるし、彼女の推測であっても、頭の回る彼女であれば自然と的を得たものになっているだろう。
「その、口にするのも生理的嫌悪を催すので躊躇われるのですが、もしかすればイアン・セルウェイから情報が得られるかもしれません」
「い、イアンから……?」
清隆にしても、エトにしても、そして無論サラにとってもイアン・セルウェイと言う人物はあまり好意的な人物ではない。
魔法の実力こそ高いものの、人間としてはなかなかに卑劣な男であり、過去二回に渡って当事者を密室に閉じ込めることで自分が有利になるように事を仕向けたこともあるような人物だ。
「セルウェイ家といえばイギリスでも高名な貴族の一門です。しかし魔法使いの間でその権力を維持できているのは他ならぬ『八本槍』を輩出したパーシー家とアレクサンダー家の両家にコネクションがあるからと聞いたことがあります。特に公開された情報によれば、片方のパーシー家は直接的に事件に関わっているみたいですから、捜査情報は少なからず握っているでしょう。そして当然セルウェイ家にも調査の依頼は出ているはずですから、イアンにそれを探ってもらえばあるいはと」
流石はサラ、魔法に関する勉強だけでなく、地理と権利関係についてもそこそこ詳しいらしい。偏にクリサリス家の重い期待を背負ってここまで努力してきたその結晶の一つだろう。
そして清隆は、サラの意見に賛同して、先程からちらちらとこちらを見てくる方向へと視線を向けて声を発した。
「ということで、力になってくれないか、イアン・セルウェイ」
「なっ――」
清隆が視線を向けた瞬間にはこちらを向いていたのか、慌てて我関せずな態度をとって、何も見ていなかったかのようにそっとティーカップを持ち上げた。その頬は僅かに紅潮しているような気がしないでもない。
まさか本当に近くにいるとは思っていなかったのか、サラは自分の背後にいるイアンを目の当たりにして吃驚仰天である。噂をすればなんとやらとは誰が言ったものか。
「短い憩の時間の中、キャラメルマキアートの深く甘い、芳醇な香りをご堪能になっているところを申し訳ないのですが、どうか清隆さんのお願いを聞いてあげてください」
ちゃっかりイアンが来ていたのを知っていて黙っていたのだろう、何故注文した商品まで知っているのかは定かではないが、相変わらず面白いものを見つけたと言わんばかりの、それこそ巴のそれと同じような視線を彼に注いでいた。
「良かったですねイアン様、仲間に入れてほしくて何度か声をかけようと思い、しかし過去に多大な迷惑を相手におかけしたことを気にして視線をちらちらと送り続けることしかできなかった努力が報われたものですー!」
奇遇なことに、イアンの付き人である、メイドのような格好をした瑠璃香・オーデットがこれまた四季と同じような視線を主人に送りながら世辞にもならない褒め言葉を乱暴に飛ばしていた。
「ばっ、馬鹿、瑠璃香、僕がそんなことをするはずがないだろう!ぼ、僕はただ暇を潰しにここまで来ただけだっ!」
「ええ、そうですとも!途中まで図書館島まで行こうとしていたところを、ふとしたことを切欠に突拍子もなく歩く行き先を変えてこちらに来たのは暇潰し以外に考えられないですー!」
何となく、何となくだ。これまで清隆たちA組に何度も因縁をつけてきた彼だったが、こう言ったところを見る限り、もしかしたら家庭のことも考えて、姫乃と同様に、人間関係に不器用なだけだったのかもしれない。多少お茶目が過ぎて対戦相手を騙して監禁、部下に拉致させ監禁させるようなこともあったが、根っこまで悪人というわけではなさそうだ。というより、本当に何となく、友達が欲しかっただけなのかも、とそんなことを清隆は考えた。
清隆は席から立ち上がってイアンの下まで歩み寄り、何故か清隆に怯える素振りを見せるイアンに――頭を下げた。
「何とかして、リッカさんを見つける手助けをしてほしい。リッカさんに関する情報を俺たちに流してほしいんだ」
その言葉に、今度こそイアンはその顔を青ざめさせる。それが何を意味するか、既に本人で気が付いているようだ。
「馬鹿を言うな!君はこの僕に死ねと言うのか!?これは『八本槍』が関わっている事件なんだぞ!下手に手を打てば首が飛ぶことを理解しているのか!?」
「でも、今はイアンしかいないんだ!他に情報網がない。セルウェイ家はパーシー家に関わりがあると聞いた。だったら上手くことを運べば情報が手に入るかもしれない。今それができるのはイアンだけで、イアンはそれができるだけの力を持っている、俺はそれを信じたい」
イアンの心に、清隆の真摯な最後の一言が響き渡り、そして染み込んでいった。
信じたいと。そうはっきりと。生まれて初めて、誰かに心から頼られたような気がした。権力など二の次、それこそ信頼の一言だけで片付けてしまうようなことを真面目に言ってのける清隆に、心が熱くなったような気がした。
そして決意する。
「確かに、この僕がリッカ・グリーンウッドの無実を証明し、更に真犯人を追い詰めることができれば、セルウェイ家の名は更に広まることになるだろう。そして僕が風見鶏を卒業した暁には、魔法使いの社会を大きく変える存在になる。――いいだろう、やるだけのことはやってみるよ。ただ覚えておくがいい、これは決して君のためではない」
そうはっきりと言ってみせた。相手は『八本槍』とその一味だ。失敗すれば命はない。だが、このイアン・セルウェイ、失敗をしなければ問題はないのだ。あくまで自分が清隆たちより上であるという態度を取りつつ、そう心では呟く。
こいつちょろいですね――エトにはどこかからそう聞こえた気がするが、果たして一人だけ意味深に笑みを浮かべて口を押える者がいた――四季だった。
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ロンドン市内、某所。
審判中に建物を爆破し脱走、逃亡したリッカとクーは、未だにロンドンを出てはいなかった。追手を撒いてここまで逃げてはきたものの、再び見つかるのは時間の問題である。しかし同時に、クーもまたそれを織り込み済みでここを隠れ家に選んだのも事実である。
その理由としてまず一つ、『八本槍』は知っての通り規格外の人間が集まる組織である。その中でも武術、体術において埒外な実力を持つクーが、その脚力で国境を跨いで逃げるということも向こうは視野に入れているはずだ。そうなれば捜索範囲は広がり、二人の発見にはそれだけ時間を要することになる。そしてその中で意外性を持つのはここロンドンにまだいるということ。気配を遮断して『灯台下暗し』を実現してしまえば時間は稼げる。
しかし、リッカはそれでも納得がいかないようだ。
「それでも、結局見つかってしまうんじゃ、意味がないじゃない。どうするつもりなのよ?」
「いや、あいつらにはここを見つけてもらわにゃ困る」
「は?」
リッカの口から間抜けた声が漏れた。しかし、見つからないために逃げて隠れているのに、見つけてもらうとは行動の矛盾にも程がある。
しかしクーの口から漏れたのは楽しそうに弾む次の言葉だった。
「なぞなぞを解いてもらうんだよっと」
口元を綻ばせながら、クーは隠れ家として拝借している建物の、一室に置いてあったペンと紙を用意し、そこに何かしらをすらすらと書き込んでいく。
リッカは横から覗き見ようとしたが、思った以上にクーの身体が大きくて逞しく、か細く小さい体では背伸びしてもクーの肩に届かない。そうこうしている内に書き終えてしまう。
「何書いてたの?」
「教えねー」
クーの言葉にむっとして、リッカは苛立ち交じりに、この建物に保存食として置いてあったらしいビスケットを一つ口に放り込む。味こそ薄いものの、何かを食べているという事実が身体にとって喜ばしいことのようで、気分が落ち着いていく。
何も教えてくれないのかと思いきや、再びクーが口を開いた。
「旅のお供を増やすんだよ」
その言葉にリッカは目を見開き、そして理解した。彼が今何をしようとしているのか。その方法こそ不明だが、旅のお供と言われて思いつくのは一人しかいない。いやむしろここまで一人足りなかったのだ。
「――ジルを、連れていくのね」
「っつーか勧誘だよ。あいつは平和ボケの中にいる。それをぶっ壊してでも一緒に来たいか、意思を確認するだけだ」
クーは考える。これで必要なファクターは全て揃えた。後は向こう側が思い通りに動いてくれるかどうかに尽きる。
「まぁ、後は向こうに勘付かれるまでのんびりしますかね」
そう言ってどっかりと椅子に座り込み、そしてリッカが摘まんだビスケットをすっと横取りし、口の中に放り込む。
肩を怒らせて糾弾してくるリッカを無視して、クーは不敵に微笑んだ。
こんな四季様に罵られたくなったあなたはマゾの世界へようこそ。
こんな四季様の勢いを挫いて蹂躙してしまいたくなったあなたはサドの世界へようこそ。
清隆くんの言葉で心を動かしたイアンくんのリアクションになんだか意味深だなぁと感じた貴方は┌(┌ ^o^)┐と一緒にどうぞ。
ちなみに勇者エトの冒険は次章に持ち越しです。