ガンプライブ!サンシャイン!!~水の乙女と宇宙を求めるもの~   作:ドロイデン

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なんか番外編ばっかり続くのは気のせいか、それともお正月だからなのか


お正月番外編

「あけまして……おめでとう」

 

「いや昴君、だいぶボロボロだけど」

 

 どうも、天ノ川昴だ。新年明けて二日目、今日は俺の家を大解放して正月パーティーだ。従姉で同い年の曜も水色の着物を着ていて、俺も普段着ない晴れ着でパーティーの準備をしてるわけなんだが

 

「そうは言うが曜さんよ。一昨日の大晦日は果南に年納めという名目で襲われ、ダイヤさんに誕生日プレゼント渡して、少し休んでの漸くのお節づくりだぞ?普通にボロボロになるわ、精根尽きてない方が不思議だわ」

 

「それは……お疲れさま?」

 

「まぁ別に料理は嫌いじゃないから良いんだけどさ。食べる専門の果南と花丸ちゃんが居るから、俺一人じゃ辛かったわ」

 

 まぁその分手伝ってくれた人員も居るわけで

 

「ホント、まさか『saint snow』のメンバーが手伝いに来るとは思ってもみなかったけどな」

 

 チラリと横を見ると、『Aqours』と友好的なライバルチーム、何気に本編より先に出ることになった彼女達に目を向ける。

 

「なんかメタいんだけど……」

 

「理亞ちん不機嫌ダメだよ~笑顔笑顔」

 

「五月蝿い!!」

 

 俺地の文を読んだのか不機嫌極まりない声の一年生鹿角理亞と、同じく一年生でムードメーカーでハーフの瀬名ライムウェルの見慣れたコント、

 

「たく、なんで年明けに静岡くんだりまで来なきゃ行けないのよ……」

 

「そう言いながら陽さん、隠れて嬉しそうにしてましたよね」

 

「し、してないし!!その眼鏡は飾りなの!?」

 

 完全にツンデレてる二年生小鳥遊陽と、『saint snow』のマネージャーにして今年の世界大会でバチバチにやりあった二年生、狐糸辺雪典の事実上のカップル、そして

 

「すみません、前乗りしたあげくお部屋まで借りてしまって」

 

「ホントは千歌さんのお家の旅館にするつもりだったんだけど、サプライズで来たかったので、すみません」

 

 確り者の三年生二人組、鹿角聖良と祥 來楽(さち らいら)の二人にいえいえと俺は手を降った。ちなみにこっちもそれぞれ着物を着ていたりする。

 

「別に俺以外住んでませんしね、使ってもらえるなら寧ろ喜んでくれると思いますよ、両親も」

 

「ホント、ありがとうございます」

 

 深々と頭を下げるライバルに笑顔ながらも少しだけ睨む。

 

「まぁ次の世界大会でも負けるつもり無いしな、『プレアデス』使えば絶対にけちょんけちょんにしてやれるし」

 

「次は絶対に勝ちますから、『ムラマサ』で三枚に下ろしますから」

 

「あぁ?なら後で年始めのバトルでもするか?完膚無きまでに叩き潰すぞ」

 

「面白いですね、ダメージはAですよねそれ」

 

 バチバチと火花を散らしてるが、お互いに準備の手は止めずに俺は料理を作りながら、雪典は出来た料理を皿に乗せて仕上げる。

 

「……なんか女子の、しかも鹿角先輩の所でバイトしてる私達よりも料理も手先も上手いってどういうことよ。しかも喋りながら」

 

「アハハ……昴は一応一人暮しだからね。私いとこだけど」

 

「ユキちんはユキちんで聖良先輩の甘味処で厨房任されてたり、ハル先輩の食事作ってあげてますよねイタイイタイ!!」

 

「アンタは余計なこと言うな!!このポンコツ天然娘!!」

 

 瀬名の頬をムニーっと引っ張る陽に曜も若干苦笑いである。

 

「そういや、千歌達もそろそろ来るんだよな?」

 

「そうだよ~多分千歌ちゃんと梨子ちゃんがそろそろ……」

 

 と、狙ったようにインターフォンがピンポーン!!と鳴り響く。鍵を開けに曜が向かうと、

 

「おはよ~昴くん……って、えぇぇぇ!!なんで『saint snow』の皆さんが!?」

 

 テンプレの如く驚いてる千歌の声に何となく安心してしまう。

 

「おう、昨日の国内線最終便で来たんだと、ここのおせちとかも作製手伝ってくれてるし」

 

「さ、流石聖良さんのところでアルバイトしてるわけだよね」

 

「まぁ千歌の料理よりはマシだろうしな」

 

 不味いという意味でなく、味が平々凡々という意味だが。

 

「で、お前が来たって事は梨子ちゃんも来てると思うんだが……」

 

「はい、勿論居ますよ」

 

「うわ!!」

 

 いつの間にか後に立ってたし……つかどうやって気配消したオイ。

 

「緒川さんから教えてもらいました」

 

「あー、あのリアルSHINOBIか。なら納得……できるか!!いや、なんで!?」

 

「最近善子ちゃんとのO☆HA☆NA☆SHIの為に、少し」

 

 頬を赤らめてるが言ってる内容が物騒すぎるぞリリィタイイタイ!!料理最中にアイアンクローはヤメロぉ!!

 

「今絶対リリィって思ったでしょ?そうでしょ?」

 

「桜内さん!?そんなこと思ってないので手を!!俺包丁持ってる!!」

 

「大丈夫、ただ私の手が光って唸るだけだし、頭壊せば勝ちだから」

 

「それ絶対に大丈夫じゃないし、ここはガンダムファイトする場でも無いから!!」

 

「それより梨子ちゃん、昴くんに東京のお土産渡さなくて良いの?」

 

 と、俺の頭がヒートエンドする前に千歌が助け船を出してくれた。うん、あとで千歌にはケーキを一つ進呈しよう。

 

「あ、そうだった……」

 

「やれやれ……しかし親戚回りも大変だよな、転居しちまってると」

 

「そうね……その点昴君と曜ちゃんは良いわよね、毎日顔合わせしてるし」

 

「従姉っていうよりは従姉弟って感じだけどなっと、梨子ちゃんはとりあえずそろそろ来るであろう一年生ズの見張りよろしく、最悪シャイニングウィザードも辞さない覚悟で」

 

 何せAqoursメンバーのうち三人は色々言い訳しながらつまみ食い(正確には片方は言い訳すらしないが)するので、誰かしらが監視してないと、体型やらなんやらに問題が出ることになりかねない。

 

「それだけアンタの作る料理が美味しいって事じゃないの」

 

「そうずら、こんなに美味しい料理を前におあずけ出来る方が不思議ずら」

 

「そうそう、それに私は昴のパートナーだからね。これは当然のことだよ」

 

「――って、入ってきて早々につまみ食いしてんなこの食いしん坊トリオが!!」

 

 上から津島、花丸、果南の三人に熱々のフライパンによる物理的突っ込みをかましながら、言ってる側からのつまみ食いにため息を一つついた。

 

「はぁ、やっぱりこうなりましたの」

 

「ピギィ……三人とも走るの速すぎだよ」

 

「いや、ルビィは正常だからな。寧ろこの三人がおかしいだけだから」

 

 流石に使用してすぐの熱々のフライパンによる脳天直撃は効いたのか、三人とも蹲りながら後頭部を激しく抑えている。

 

「さて、あとは鞠莉だけど……」

 

「鞠莉さんなら今仕事中のコーチに父からのお酒を届けて貰ってますわよ」

 

「未成年になんてパシりさせてるんだよ……つかそれダイヤが自分で行けよ」

 

「流石に私としてもこの時期の彼処に行けるほどの勇者じゃありませんわよ」

 

 そりゃそうだ。何せコーチ+大人勢は今ごろ千歌の家で大宴会、酒池肉林の混沌となってるのは受け合いだ。

 

「は~い、お待たせ~」

 

「あ、来たみたいですわね」

 

 と、噂をすればなんとやら、紫の着物の上に赤いコートと、どこかで見たことのある姿で両手にケーキの箱を持った我らがアッシーイタタタ!!

 

「誰がアッシーよ!!縄で縛ってケーキの蝋燭をポタポタするわよ!!」

 

「待て待て待て!!アイアンクローは兎も角ケーキが崩れるから!!つかケーキの蝋燭は洒落にならんから!!」

 

「え?ダイヤは寧ろイイ声をしてくれたけど」

 

「あの金髪弁護士の流派はマトモなやついねぇなオイ!!」

 

 まぁまぁ、とダイヤが放してくれたおかげで俺の頭は粉砕林檎に成らなくて済んだ。

 

「さて、料理も出来たしメンバーも揃ったわけだ」

 

 大広間にそれぞれ座り、全員がグラスに各々飲み物が入り手に持つ。

 

「それじゃ……」

 

「新年……」

 

『あけまして、おめでとう!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オマケ

 

「えへへ、すばりゅ~」

 

「ちょ、果南!?なんか呂律回って……ってこれ酎ハイじゃねぇか……ってまさか鞠莉さん!?」

 

「NO!!私は何もしてないわよ!!いったいなんで……」

 

(言えない……ウーロンハイ飲んで大胆になって雪典と……って思ったのに)

 

「あれ?ハルちゃんどうしたの?」

 

「何でもないわよ!!この唐変木!!」

 

「ヒドイ!!」


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