ガンプライブ!サンシャイン!!~水の乙女と宇宙を求めるもの~ 作:ドロイデン
「……刺客が一人ヤられたみたいだな」
とある暗闇、置かれたテーブルと椅子に集まる九人の謎の集団が、とある映像を見ながらそんなことを呟いた。
「流石サンダルフォンの継承者候補というわけか、奴もそれなりに実力はあったはずだがな」
「それでも我々には二歩も三歩も劣る雑魚ですからね。それに機体のスペックが上だというのに負けるならそこまでということです」
「アディーシェ、事実とはいえ言い過ぎだろ。奴に関してはプロという立場もある、スペックだけならば同等とは言わんが、大差は無いだろ」
「流石は愚鈍なエイリー、そんなだから私達の誰にも勝てないというのに」
エイリーと呼ばれた男はグヌヌと頬を引き攣らせているが、事実なのか何も言い返さない。
「それよりも問題は奴の周りだ。Aqours……とか言ったか?奴等全員が候補とはいったいどう言うことだ?」
「偶々……とは言いがたいですね」
「……彼女たちはまだそこまで驚異となる程ではなかったというべきでしょうね」
「どういうことキムヌート?」
その質問に、キムヌートと呼ばれた彼女は苦々しく呟く。
「単純な話です。Aqoursというチームのうち、三人はバトルを殆どしてなく、一人は傷心にて転入、一人は不登校、奴に関しても去年のアレで精神的に不安定、マトモな候補は春までは二人だけ、しかも姉妹だ」
「詰まるところ何が言いたい?」
「簡単なこと、誰かまでは分かりませんが、Aqoursというチームには既に
『!?』
その言葉に全員が驚く。というよりもそれはあり得ないという表情に近い。
「バカな。継承者だと?だとすればなぜ我々に分からない!!我々には!!」
「そうだ、第一継承者が居ると言うなら、そやつの機体には継承者の力が宿してあるはず!!」
「そこまでは分かりません。が、ちょうど良い適任者が居ますからすぐにでも分かりますよ」
「適任者?いったい誰のことだ?」
「シェリダー」
彼女の言葉にまたもや全員が驚く。
「キムヌート、忘れてないか?シェリダーは既に」
「正確にはシェリダーの候補が居るというだけです。いえ、もう少しすれば完全に継承することも可能でしょう」
「へぇ?いったい誰さ?」
一人がそう言うと、キムヌートはとある画像を呼び出した。
「これは……あぁ、なるほど。確かにこれは適任だな」
「上手くすれば我々の側に率いれることもできるからな」
「だがこんなの事があり得るのか?両方の継承の候補になるなど」
「彼女の候補のザフキエルとシェリダーは表裏一体、つまりどちらにでも転ぶということですよ」
キムヌートの言葉にある程度皆が納得すると、キムヌートは立ち上がる。
「それでは私は準備がありますのでこれにて」
「あぁ。頼む」
「ええ、必ずやシェリダー……