ガンプライブ!サンシャイン!!~水の乙女と宇宙を求めるもの~   作:ドロイデン

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ちょっとした本編に繋がる番外編です。え?本編進めろ?中々にテクニカルに進まないんですよね~(汗)本当に……ダレカタスケテー!!
















天使の落日 その九.五

 ナイン・バルトにとっての転機は、アイラ・ユルキアイネンとの初邂逅の時だった。

 

 それまでしがない研究職員で、平々凡々とした生活だったある時、偶々見たガンプラバトルで少年少女が和気藹々と話しているのを見かけた。

 

 研究者として、技術者として当時革命的だったガンプラバトルについては、研究対象でありかつ、興味を持ってはいたものの、自分自身がのめり込むほどのものとは考えてはいなかった。

 

 だが、一人の少女……当時ストリートチルドレンだったアイラがまるで未来を読むように勝敗を当て続けてるのを見てまるで胸が高鳴った。

 

 形式上は養子ということで連れてきたアイナに着るもの、食べるものを与え、その見返りに得たデータはまるで今までの事ががらくた弄りのようなものへと変わってしまう程であった。

 

 結果、私は昇進し、ネメシスの幹部にまで上り詰めた。

 

 それからなんだろう、私が狂い始めたのは……

 

 

…………………………………………………………………

 

「……またあの日のこと」

 

 目が覚めて若干鬱になりながらも、横になっていたソファーに座り直す。こうやって寝た日も研究職員だった頃は毎日だったと変に思い出してしまう。

 

 ふと何かが焼くような音が聞こえて何事かと思いキッチンに向かうと、そこには私の大きめのワイシャツをスカートのように着ている少女……津島善子の姿があった。

 

「…………何をしている」

 

「……べつに、ただ料理をしてるだけよ。どうせ私が私でいられる少ない時間だし、何をしようと勝手でしょ」

 

 そうなのだが……なんというか……

 

「……一応聞くが、君の置かれてる状況が分かってるのか?」

 

「あかの他人の家に居候(仮)してるだけよ。すぐに人格消されてどっかに売り飛ばされちゃうんだろうけど」

 

「ならばなぜ……」

 

 そんなに平静でいられる?そう聞くと彼女は自嘲気味に笑った。

 

「別に私は誰からも必要とされてないから……必要としてくれるなら人格だろうが臓器だろうが、なんでも捨ててやるわよ」

 

「……何を君にそうさせる?私は君を誘拐したんだぞ」

 

「……ずっと一人だったから」

 

 その小さな言葉に、私は初めてアイラと出会ったときの彼女の寂しさを垣間見てしまった。

 

「この()が生まれてから、まわりは気味悪がって避けていった……親もだんだん帰ってこなくなって……」

 

「……君の両親は政治家に企業の社長だ、仕方ないとも言えよう」

 

「それでも最初は交互に帰ってきてくれた。そんな二人に誉めてもらいたくて料理を覚えて、家事も少しずつこなせるようになっていって……三ヶ月経つ頃には二週間も顔を会わせなくなってた」

 

 ……何となくだが解った気がする。つまり彼女は両親に誉めてもらいたい、家でゆっくり楽をしてもらいたい……そう思ってたのが逆に一人という孤独を生み出したのだ。

 

 生涯一人身だったが、自分がその親の立場になれば確かにそうしても不思議ではないとおもうだろう。

 

「二人にはもう私が必要ないのよ。ほとんど自立できるようになってるからって、勝手に距離を離していったのよ」

 

「……ならなぜ和解しようとしない。言っては悪いが私は君を縛り付けたりひていない、やろうと思えばずくにでも逃げ出せるはずだ」

 

()()()()()()()()()()、両親も、友人もどうでもいい、どうやっても独りになるなら、裏だろうが地下だろうが、()()()()()()()()()()()()()()。ただそれだけ」

 

 そういって彼女はテーブルに目玉焼きとベーコン、チーズを挟んだホットサンドの皿とオニオンコンソメスープを湧けてテーブルに置く。

 

「それに最近、誰かと食事するってこと出来なかったから、そういう意味でも、ね」

 

『……一人で食べてもつまらないわ。それより一緒に食べましょ』

 

「ッ!!」

 

 彼女の言葉に、アイラが言っていた言葉が重なって漸く私が彼女を誘拐した理由が分かってしまった。

 

 粒子が見えるとかどうでもいい、ただ彼女とアイラとを()()()()()()()()()

 

 ストリートチルドレンとしてずっと一人でいたアイラ、能力によって結果として孤独となった津島善子、まるで違う道のりだが、その面影はどうしても重なっている。

 

「……私は」

 

「?どうかしたの?」

 

「…………いや、なんでもない。冷めないうち頂くとしよう」

 

 話をそらして、互いにテーブルに座り手を合わせる。そして懐かしい味のするホットサンドを口に頬張る。

 

(そういえば、初めてアイラが自分から料理して作ったのもホットサンドだったな……)

 

 少し黒く焦げて苦かった味に揃って苦笑していたあの頃を思い出して、どこか懐かしい記憶が蘇ってくる。

 

(アイラ……私は君が側にいて欲しかったんだろうな)

 

 今思えばアイラに無理矢理実験させていたのも、あの大会でメイジンにエンボディをやったのも……

 

(いや、それは違うな……私は君を独占したかったのだろうな……醜くも)

 

 彼女と居たから私は前を向けた。冷たく当たりもしたが、それも彼女が昔のような生活になり私の側から離れるのが嫌だったのだ……。

 

 今彼女はどこでどうしているのか……そんな虚しい気持ちだけが胸を過るのだった。

 

「ところでアンタ、私がヨハネって言ってもどうでもいいの?」

 

「君がそう思いたいのだろ?だとすれば私は否定するべきではないさ、堕天使ヨハネ」

 

「そ、(ありがと)

 

 そう言うときに必ず声が小さくなってたのもアイラそっくりだった。




最近馴染みの模型屋にハイマニューバとかディープアームズが残ってるか見に行ったら、どういうわけかHGのノワールとヴェルバスが税抜き1000円ぐらいで叩き売られているのを見て、思わず発狂して買ってしまいましたw

さらにFGOでは水着タマモ、シンフォギアではXD翼さんが22連で2枚も当たるし……

いったいなにがあった!?俺!?

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