ガンプライブ!サンシャイン!!~水の乙女と宇宙を求めるもの~ 作:ドロイデン
いや実際SEED世代なせいか、どうしてもSEED系の機体を重視してしまう気が……誰か、誰がどんな機体が良いか教えてもらえませんかね~特に三年生sをw
「さて、二人とも……覚悟は出来てるよな……」
「す、昴君……」
「ヨ、ヨーソロー……」
私と曜ちゃんは追い詰められていた。目の前には拳をポキポキ鳴らしながら首を回す悪鬼と、にっこりとした笑顔で反対側から行く手を塞ぐ般若によって。
逃げたかった。とにかく今の状況から逃げ出したい、そう思いながらも揃って体が石のように固まって動けない。
「さぁ、二人とも……
テスト勉強の時間だ」
「「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!」」
「嫌じゃねぇこの安本丹一号二号!!なんで揃いも揃って小テストで赤点取ってるんだ馬鹿野郎!!」
それについては勿論悪いとは思ってるし、事実だから逃げるしかできない。逃げれなかったけど。
「二人とも、部活の設立のための練習で疎かにしてたみたいだからね。千歌ちゃんはともかく曜ちゃんまで……」
「それについては全く同感だ。二人とも確かにポンコツだけど、曜がここまでなるとはな……」
呆れるようにジト目を向けている二人。
「仕方ないじゃん!!試合の日がテスト二週間だなんて気づかなかったんだよ!!」
「そうそう!!それに特訓があったのになんで梨子ちゃんは平気なの!?」
「趣味と義務は別なの。それにある程度勉強できないと将来が大変だしね」
なにこの優等生ぶり!?昴君もそうだけど、ガンプラバトルする人は頭がいいのが鉄板なの!?
「ちなみに逃げようとしても曜は俺が、千歌には桜内さんがそれぞれ張り付くから無理だから。あ、美渡姉さんに話はさっき通して置いたから」
「こ、姑息な手を!?」
これじゃ逃げたくても逃げられない……は!!だったら果南ちゃんのところに逃げ込めば
「それと果南ならダイヤさんに泣きつかれて勉強教えに行くらしいから無理だぞ」
「な、なんで昴君がそんなことを!?」
「ん?二人がこの時期というか、テスト前に一緒に勉強してるなんて何時ものことだぞ……ということだ、諦めてお縄につけ千歌……」
手には縛り付ける為にあるかのようなロープがゆっくりと昴君と共に近づいてくる。
「えっと……優しくしてね?」
「それを承諾すると思うか?」
「デスヨネー。って痛い痛い痛い!!昴君強く縛り過ぎってなんで両手首と足首を一つに縛ってるの!?痛い痛い!!チ、チカァァァァァァァ!!」
昴side
「さて、今日のところはこんなもんかな」
とちまん、その千歌の部屋の一室にて俺は伸びをしながら眼鏡を外す。何時もはコンタクトなんだが、家とかで勉強するときはどうしても眼鏡をしたくなるのだ。
そして目の前には、まるで魂の抜けたような表情で正座してる千歌と曜が、その隣で苦笑いの桜内さんが少し後ずさってる。
「……どうした?」
「う、ううん!!何でもない、何でもないから……」
その視線は明らかに俺の後ろに向いている。そこには俺の側に安心して伏せている大型の白い犬、しいたけしかいないんだが……
「……もしかして桜内さん、犬がダメなのか?」
「う……そうよ」
なんというか……犬なんて確か音ノ木坂のアルパカの親戚みたいなもんだと思うんだがな~しいたけ大人しいしもふもふだし。
「怖いと思うから怖いんだと思うんだけど」
「し、仕方ないじゃない!!ママは犬とか狼とか好きだけど……あんな大きな牙で噛まれたらと思うと……」
「いや狂犬病にかかってないなら死にはしないからな」
まぁなんとなく言いたい事は分かる気がする。俺もしいたけが子犬の頃から知ってなければ結構避けてたかもしれないし。……今は抱き枕とかにしてるときもたまにあるけど。
閑話休題
「そういや、千歌の機体のカスタマイズって桜内さんがしたんだっけ」
美渡さんから全員分のお茶を貰って、とりあえず一息ついたところで俺はそんな言葉を口にした。
「ええ、『サラバティ』の基本はね。そこからは千歌ちゃんがどうするかに変わってくるけど。それが?」
「いやさ、なんとなく千歌の機体のカラーリングからしてさ、どうみても別作品というかなんというか……」
「?」
桜内さんは分かってないところからすると、どうやら無自覚らしい。
「全体的にオレンジをベースにして、大きな二枚翼、手持ちにできるけど肩に展開するビーム砲にミサイルにブーメラン……しまいには大型の剣と来た」
「うーん?そんな機体ってあったかな?」
「俺からしたら、どうみても『ダンクーガ・ノヴァ』にしかな。もう少しガタイが大きければ完璧に似てた」
個人的にロケットパンチが無いだけパクリにならずに済んだと思えば良いのやら悪いのやら……。
「ふーんそんなロボットあったんだ~」
「まぁどっちかというとスーパーロボットだけどな、ガンダムとかはリアルロボット系列だし知らないのも無理はないけど」
「確かに、私が知ってる他のロボット作品も基本的にリアル系かも」
やはりという感じで、ビルダーはかなりロボットアニメを見ることは定番なのだ。
「ちなみに桜内さんはなんで『ザクファントム』を?ザクなら宇宙世紀系のほうが充実してると思うけど」
「『リリィ』の『ザクファントム』はアニメ放映してた当時のキットで作った、初めてのHGのガンプラで、大切な思い出の機体なの。それで、だいぶ継ぎ接ぎだらけだったんだけど、バトルするときは何時もこれで……」
「……そういうことか」
確かに、そういう機体はかなり思い入れがあるものだ。ガンプラバトルが生まれてからは特にその傾向は強い。
「悪いな、そんな機体をダメージが入らないCとはいえだるまにして」
「大丈夫。でもね、そろそろ『ザクファントム』だと戦うのがきつくなってきたの。至るところの間接とか装甲とかが劣化して、何時壊れるか分からないって感じなの」
桜内さんは悲しそうに言うが、確かに10年位前の当時の機体キットで、それも初めての継ぎ接ぎだらけの機体が、ガンプラバトルをし続ければそうなるのも無理はない。
「じゃあ新しい機体を?」
「うん、もうすぐ完成する予定なんだけどね、この機体と別れたくないっていうか……それでメイジン杯に出す機体も提出できなくて……だからいいきっかけだったかな、千歌ちゃんのインパルスをカスタマイズしてたら、初心を思い出せた気がしたの」
そういう桜内さんの台詞に、千歌は何やら恥ずかしいのか顔を赤くして曜の後ろに隠れてる。なんというか珍しいな。
「なんていうか……別れなくても良いんじゃないか?」
「うん。けどそれでもちゃんと覚悟しとかないと……昴君に滅多切りされたし」
「……すまん」
仕方なく謝ってると、桜内さんがクスクスと笑っている。なんとなく弄るのが好きなのかコイツ……。
「で、千歌よ。部員の確保はどうなんだ?」
「ん?んー、二人ほど良いなぁって思ってる子は居るよ。一年生で」
「一年生でって……」
まぁ二年生三人もいれば年下に目が行くのは当然と言えばそうか。
「うん、ルビィちゃんと花丸ちゃん!!」
「あー、あの二人か……確かにルビィならまぁ……」
一応俺の弟子みたいな感じだしな、ルビィは。
「あ、そのことで思い出したんだけど昴君、ひとつ聞きたい事があるんだけど」
「ん?なんだね曜ソロー殿?」
「ヨーソロー!!その花丸ちゃんが言ってたんだけど、津島善子ちゃんの方が自分達よりも選手として強いって言ってたんだけど、昴君は知ってるかな?」
「津島?……それって確か……」
あの日樹から落ちてきた少女黒い髪にお団子のようなシニョンをしてる女の子を……ってあれ?待てよ……
「……昴軍?」
「…………おいおいおい、ちょっと待てよちょっと!?え、なんであんなやつがここに……」
「知ってるの!!」
「バカ野郎!!知ってるなんてレベルじゃねえよ!!くそ、何で忘れてたんだ!!
津島善子、去年の世界大会アンダー15ソロ部門の優勝者だよ!!」
「「「え、ええええええええええええΣ(Д゚;/)/」」」
次回から一年生組加入編開始しますw