ガンプライブ!サンシャイン!!~水の乙女と宇宙を求めるもの~   作:ドロイデン

25 / 71
スマホ復活!!けどFGOはほぼ確実に消失……詰んだ……

そんなことより本編ってことで、どすか(緑のカエル感


ファーストステップ その六

梨子side

 

 

「予定通り分断成功ね」

 

 右手に構えていた『オルトロス』をランチに背負いながら、私はスラスターを使って移動を始める。レーダーには『イタリアの伊達男』こと、リカルド・フェリーニさんの操る『フェニーチェ』のビーコンが近づいてくる。

 

 相手は素組とはいえスピードを重視した機体に対して、こっちは今回のために作成した特殊ウィザード『ハウンド』の重量が重たすぎるために、少しずつ距離が近づかれる。

 

『漸く追い付いたぜお嬢ちゃん!!』

 

 と、思ってるうちに背後を取られたらしく、バスターライフルではない、普通のビームの弾丸が近くを素通りする。流石にこれ以上は距離を離すのは無理そうだ。

 

 仕方なく反転し、両肩のシールドからビームトマホークを二つに抜き構える。フェリーニさんの機体には大きなダメージこそ見られないものの、素組ゆえの脆さか、だいぶビル破壊での衝撃のダメージらしき後がちらほら見える

 

『たく、あんな高火力ビームをメインにしてると思いきや……なんだその火薬コンテナみたいな装備は?』

 

 フェリーニさんが呆れるのも、まぁ無理はない。というのも今回の『ハウンド』ウィザードは、簡単に言えば『ブレイズ』と『ガナー』を同時搭載するという代物だからだ。

 

 基本ベースは『ブレイズ』ウィザードを元に、右横に『オルトロス』を引っかけるランチを、腰には横向きにした『オルトロス』専用の予備粒子タンクを増設、さらに左側には『キャットゥス』をベースにした改造バズーカも装備させた、バ火力と言われても仕方ない構成になっる。

 

「これぐらいやらないと、分断なんてできないと思ったので」

 

『言いたいことは分かるが……限度があるっつうの!!』

 

 そう言いながらビームレイピアを抜き、スラスターを吹かせて接近する。振ってくる斬撃を右手のビームトマホークで弾きながら、もう片方のトマホークを下から振るう。

 

 しかしそれは後ろに避けた事で空を切るだけ、振ったあとの硬直の隙間に再び突きの一撃が襲う。

 

「ぐ……速い!!」

 

『どうした嬢ちゃん!!素組み相手に苦戦してるなんてダメだぜ!!』

 

「こっちは遠距離支援専門なんです!!」

 

 レイピアの一撃を回避しつつ、そう切り返す。レーダーを確認すると、千歌ちゃんが昴くんに推され始めてる。

 

『そんな屁理屈言ってられるほど、ガンプラバトルは甘くねぇんだよ』

 

「だったら!!」

 

 左のトマホークを投げて不意をつくも、予想してたように避けられ、むしろレイピアの一突きが頭部を掠めてしまう。

 

「(時間がない!!だったらここは)てやぁぁぁ!!」

 

 作戦のため、そう思って突かれるレイピアを弾きつつタイミングを計る。一合、二合、弾く度に狭いビルの間を後退し……そして、その時は来た。

 

 突かれる剣の一撃に、私は躊躇わずにスラスターを吹かせる。その瞬間、左肩にビームの刃が突き刺さるが、そんなのお構いなしにスパイクシールドの突撃を『フェニーチェ』にかました。

 

『なんだと!?』

 

 あまりの事に驚きながら、フェリーニさんの機体は体勢を大きく崩す。そこに一瞬の隙が生まれる。

 

「そこだぁぁ!!」

 

 私は腰に取り付けていたグレネードを相手に向かって投げつける。すると一瞬でグレネードは爆発……

 

『な、なんだこりゃ!?』

 

 ではなく弾けて、中から白い物体を出現させ、『フェニーチェ』のありとあらゆる場所に取りついて白く染め上げて、その重みで転倒してしまう。

 

『機体が動かねぇ!!トリモチグレネードか!?』

 

「その通りです」

 

 正確には、トリモチとボンドを組み合わせた強化トリモチグレネードだ。バトルで相手を暫く拘束するくらい容易い代物で、尚且つ、

 

「素組みのガンプラのビームサーベルだと結構な時間が掛かりますよね?」

 

 勿論改造済みのガンプラ相手でも時間を要するに変わりないけど、一時の時間稼ぎぐらいになるのは変わらない。

 

『……なるほど、俺達を足止めするのが目的か?』

 

「ええ、私達は昴くんを倒して、ガンプライブを目指します」

 

『そうか、だが言っておく。嬢ちゃんは後悔するぜ?この時俺を倒しておけば良かった……そういう風にな』

 

「そんなの……」

 

 とっくに分かってる、そう言おうとした時のフェリーニさんの目はかなり鋭かった。

 

『こいつは忠告じゃねえ、警告だ。アイツが本気で戦えば、お前達はすぐに落とされる。確実にだ』

 

「でも、私達は特訓で……」

 

『……まぁここで俺が深く言うのも筋違いだ。行けよ、そして自分の目で確かめてこい、天ノ川昴の、()()()()()の由来をよ』

 

 それだけ言い残すと、フェリーニさんは通信を一方的に切ってしまった。どこか不安を思いながらも、私はとにかく千歌ちゃん達の援護に向かうために、機体のガナーパーツをパージして、その場から離れるのだった。

 

 

 

 

曜side

 

『分断とは、粋なことしてくれますなぁ……』

 

 相対する白亜の巨人を前に、私はひたすら冷や汗を掻いていた。

 

「えへへ……ここで大人しくして貰えると嬉しいかなぁ……なんて?」

 

『それは無理ですわな。何よりワイの前に『クロスボーン』で現れる言うこと……』

 

 次の瞬間、ビームライフルをこっちに向かって連写してきた。慌てて左腕のビームシールドを展開して攻撃を防ぐ。さらにビームソードを抜いて射ちながら近づいてきた。

 

『骨の髄まで教えてあげまっせ!!』

 

「そんなの要りません‼」

 

 射撃を防ぎつつ、右手のムラマサのリミッターを解除し、迫るビームソードを弾く。だが手数で優に押しきられ、徐々に反応が追い付かなくなってくる。

 

「く、素組なのに芸が細かい」

 

『プロの技量、嘗めて貰っては困りまっせ!!』

 

 打ち合いを続け、右手を落とせそうとおもって振り抜いたそのとき、ついにムラマサリミッターがオフになってしまい、狙ったようにそれを『魔王』の一閃が一刀両断してしまう。

 

「しまった!!」

 

『隙有りや!!』

 

 慌てた一瞬で再び懐に潜り込まれ、完全に肉薄されてしまった。下から伸びてくるビームソードが徐々に迫りくる。

 

「(スラスターも防御も間に合わない!!)……ごめん、千歌ちゃん……」

 

 負けを確信し、小さく呟いたその一言と共に諦めてしまいそうになったその時、

 

『まだよ曜ちゃん!!』

 

 突然の音声と共に、画面にバズーカを持って撃ち込む梨子ちゃんが乱入してきた。

 

『ち、バズーカやと!?』

 

 慌てて避けるプロだが、一瞬遅くバズーカに内蔵されていたトリモチが脚に引っ掛かってしまった。

 

「梨子ちゃん!?どうしてここに…」

 

『フェリーニさんをトリモチグレネードで包んで、援護に行こうとしたら案の定で……』

 

 いやいやいや、トリモチグレネードって何!?トリモチ弾をグレネードに加工したの!?何その罰ゲーム的な装備!?ネバネバプレイなんて誰得なの!?

 

 あ、でも千歌ちゃんと一緒ならネバネバプレイもしてみたいかも……あと昴君のトリモチでネバネバさせられたり……従弟だけどいいかもしれない……むしろウェルカム!!

 

 っと、そんな妄想してるうちに梨子ちゃんのグレネードを受けたのか、トリモチに完全に覆われて横倒しにされた物体が転がっていた。

 

「……作戦通りと言えばそうなんだけど……やっぱり卑怯なような……」

 

『大丈夫、制限時間ギリギリに爆発するように爆薬組み込んでるから』

 

『『そんなこと聞きたくなかったぞオイ!!』』

 

 と、素組プロが喚くようにじたばたしてるが、よっぽど強力なトリモチなのか、目の前の『X魔王』はうんともすんともせず、完全に動けなくなっていた。

 

『さ、今のうちに千歌ちゃんの援護に行きましょ』

 

「よ、ヨーソロー……」

 

 なんと無く釈然としなかったが、兎も角昴君と戦ってる千歌ちゃんのほうに行かないとね!!

 

 従弟とはいえ、弟に負ける姉など居ないと見せてやらないとね!!……え?死亡フラグっぽい?そんなこと言ってるとお空にヨーソローしちゃうんだからね!!


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。