ガンプライブ!サンシャイン!!~水の乙女と宇宙を求めるもの~ 作:ドロイデン
「うう……ガンプラバトルしたい……」
梨子ちゃん加入から二日たった木曜、放課後の私達は何時ものように教室で戦術等を話していた。
「仕方ないよ千歌ちゃん。私達は昴くんと違って実績も無いんだし」
「それは……」
曜ちゃんの言う通り、私達三人にはこれといった実績はない。唯一の梨子ちゃんも、メイジン杯は結局作品を出せなくて入賞すらしてないのだから、当然と言えば当然だった。
「はぁ……早く昴くんが戻ってこないかな」
「俺が何だって?」
「「「え!?」」」
こ、この声は間違いない!!
「「「昴くん!?」」」
「よ、ただいま」
ただいまって……なんという軽い……
「いったい昴くんどこに行ってたの!!」
「まぁそう言うな曜、それについてはすぐに教えてやるから、まずはちょっと三人とも着いてきてくれや」
なにやら笑ってる昴くんに違和感は感じたものの、仕方なく私達三人は着いていくことにした。
「ハーイ!!貴女達が浦の星の新しいgunpla idolね!!よろしくね!!」
「「「は、はぁ……」」」
連れてこられたのは生徒会室、そこで何やら独特の英語が混じった言葉を話す金髪の三年生の姿があった。あと生徒会長のダイヤさんも。
「鞠莉さん……貴女という人は……自己紹介くらいしたらどうですの?」
「もう、ダイヤったらホントに堅物なんだから。とりあえず自己紹介するわね、私は小原鞠莉。この学園の生徒であり、理事長よ!!」
「「「理事長!?」」」
え?どういうこと!?頭が全然追い付かないんだけど!?
「また貴女は平然と嘘を……!!」
「あー、悪いけどダイヤ先輩、鞠莉さんが理事長ってやつはガチでリアルだ。悲しいことに書面もオリジナルを見せてもらったし」
「そんな!?」
生徒会長も唖然と、昴くんの言う事を驚いてしまう。
「浦の星の経営母体は小原が一枚噛んでるから、これくらいは朝飯前よ。で、私が貴女達を呼んだのは、そこにいるお堅いダイヤが、どうしてもガンプラバトル部を認めないみたいだから、仕方なくやって来たわけ」
「て!!てことは!!」
この理事長の言葉の通りだとすればつまり、
「もちろん条件はあるけど、それさえclearすれば例え最低人数五人に満たなくても、理事長の権限でガンプラバトル部の発足を認めまーす!!」
「「やっ、やったぁ!!」」
「奇跡だよぉ!!」
これ現実?現実だよね!!そう思えるほどに嬉しかった。
「こらこら、まだruleを言ってないんだからはしゃがないの」
鞠莉さんもこれには苦笑いを浮かべている。そして……
「ルールは単純よ。次の水曜日、私が用意する会場で
「「「……え?」」」
……嘘?今理事長はなんて言った?
「oh、ならもう一度言うわね。貴女達三人で、昴くんとプロから選出した二人の中で、誰か一人でもプロのガンプラを倒す……それが、唯一無二の条件よ」
聞き間違えじゃなかった。そう言うように鞠莉さんの目は底冷えするように冷たかった。
「そんな……無理よ……」
梨子ちゃんのその言葉は当然だった。世界ランクのガンプラファイター三人を相手に勝つ?そんなの自殺行為だ。
「ね、ねぇ昴くん……嘘だよね?」
「ん?悪いが事実だ。お前らは勝つしかないぜ。世界ランク82位『
「なん……ですって!?」
梨子ちゃんのその言葉に、私達がどんなに厳しいことにチャレンジしてるのか顔を青ざめた。
「し、知ってるの梨子ちゃん?」
「む、寧ろ知らない方がどうかしてるわよ!!昴くんの言ってる二人は、
……つまり、私達が相手をしなくてはならないのは……世界最強クラスのガンプラファイターって……
「勿論ハンデはある。俺以外の二人は本来の機体じゃなくて、本人の過去の機体の、それも起業販売されている素組みのレプリカである『ウィングガンダムフェニーチェ』と『ガンダムX魔王』をそれぞれ使うし、機体ダメージレベルはC判定だ。勿論機体の特性上サテライトキャノンは使えるが、そっちの完全オリジナルを相手にだったら、少なくとも五分五分ぐらいにはなるだろ」
そう言ってるが、昴くんのその言葉はそれでも勝てると言えるような口ぶりだった。けど、
「……なんで」
「ん?」
「なんで昴くんが……同じ部員なのに……」
そう、私が一番にショックなのは昴くんと戦わなくちゃいけないと言うことだった。
「……言っておくが、俺のスポンサーは小原グループだ。当然スポンサーの頼みなら断るわけにはいかない。それにな」
「……」
「俺はまだ部員になるなんて一言も言ってない。だから例えお前達が相手でも、容赦なく撃墜する……勝負の世界はそう言うことなんだよ」
それだけ言うと昴くんは私達三人を睨み付ける。
「……鞠莉さんに頼んで、試合の日まで公欠扱いでバトルシステムをお前らが使えるようにしておいた。勝ちたいなら本気で練習するんだな」
昴視点
「……昴、あなたあれで良かったのですか?」
ダイヤさんからの言葉に、俺は空を眺めながらため息をつく。
あのあと、三人揃って生徒会室から出ていくと、おそらく作戦会議か何かをしに教室に向かっていった。
「大丈夫大丈夫、寧ろ、これくらいのピンチ、ガンプラバトルじゃ当たり前なんだよ」
「ですが、あなた一人ならまだしも、
「なに、前回の世界大会の時に偶々二人とメアドを交換していてな。それを使ってオファーしたわけさ」
実際二人とも、電話したら運良くしばらく東京に居るという話で、ダメ元で会いに行きお願いしたらOKを貰ったのだ。
「理由話したら快く引き受けてくれたよ。まぁ小原からの支払いもあるだろうけど」
何せ鞠莉さんが、前金でそれぞれ50万も出すと言ったのだ。さらにファイトマネーに100万、それもほぼ素人にハンデ付きとはいえ勝つだけでそれなのだ。美味しいに決まってる。
「まぁ、私としては、もう少しランクの高いメンバーにするべきだと思ったのだけど、昴が勝手にね……」
「当たりま……待ってください鞠莉さん?いったい誰を呼ぶつもりでしたの?」
「?メイジ「アウトですわ!!昴さん良い判断です!!」」
でしょうね。三代目メイジン・カワグチなんて呼んだら、あの人すぐに自前のガンプラ使おうとするから大変なんだよな……
「ただ問題があるとすれば……」
「はい?」
「あの二人、揃うとナンパして落としまくるんで……それで彼女とか奥さんに怒られるの目に見えてるのに……」
事実、会いに行ったフェリーニさんはナンパしてる最中にメールで妻であるガンプラアイドルキララさんから顔が青くなるメールを貰ってたっけ……。
「そうですか……ところで、昴さんはどこで練習を?」
「暫くは鞠莉さんのところのバトルシステムをお借りしてます。二人も明後日には合流できるみたいなんで、そのまま連携とかの練習を」
「そうですか、でしたらその日に家の網子漁師から魚を運ばせますわ」
「あら!!ダイヤが珍しいわね!!明日はコロニーでも落ちてくるかしら?」
いやコロニー落ちたら死にますから。何雨でも降るみたいな感覚で使ってるんですか?
「まぁそんなことより、その二人の実力、休んでた一週間で調べたんですわよね?」
「そりゃ当然。二人とも、
オマケ
二年生「……はぁ」
千歌「プロ三人……勝てるかな」
曜「いくら相手はほぼ素組みでもプロだしね」
梨子「……とにかく、うだうだ考えるより早速練習をしましょう!!」
千曜「…………」
梨子「な、何二人とも?」
千歌「ううん(そういえば梨子ちゃん知らないんだったね)」
曜「何でもないよ!!(昴くんにザクで敵対したら……)」
千曜(……梨子ちゃんのお墓準備しとこう)