外伝クトゥロニカ神話『4つの愛』 作:カロライナ
桃色髪ポニーテールの女性が閂状の鉄扉を注視している巫女服女性に声を掛けるも無視される。彼女自身も確認をしてみるが特に変わったところはない。
巫女服の女性曰く、開かない閂状の扉の向こうには『何か』が居るようだ。
彼女達は自己紹介を済ませる。
桃色髪 特殊部隊隊員:修羅 縫
赤髪 特殊部隊隊員:赤大 将
赤髪 巫女 :星乃 彩
ブロンド ディレッタント :熊野 クリスティーナ
以上4名である。
「人探しであれば、わたくしも手伝いますわよ! ひとりで探すよりも大人数で探した方が効率的に決まっていますわ。 その巫女さんの お名前は何と仰いますの? よければ教えて下さらないかしら?」
「名前。
「飛鳥さんと仰いますのね。星埜さんと同じぐらい長い白髪の小柄の巫女さんで、優しくて、刀に似た武器の扱いが得意な方ですのね?」
「そう。飛鳥。すごい。優しい。」
修羅が考え事をしている間、クリスティーナと星乃は探し人について話の花を広げる。淡々と口から排出される星乃の言葉をクリスティーナが繋げ、誤りが無いかどうか確認を取る。星乃の表情は頑なに、無表情ではあったがクリスティーナが復唱をすると肯定するかのように頷いていた。
「ですって、修羅 縫さん。」
「はい?」
唐突なクリスティーナの話題の振りに、修羅の口から上ずった声が漏れ、更にキョトンとした表情でクリスティーナの方を向いた。
「星乃が探している巫女だってよ。名前は『
「そう。飛鳥。飛ぶ鳥。飛鳥。」
「・・・そうですか。分かりました。私の方でも探してみましょう。それで、クリスティーナさん、今 私の名前を何と?」
「『修羅 縫さん』と言いましたわ! 修羅さんにするか、縫さんにするか迷ったんですけど、どちらも
「いえ。『好きなように』と言ったのは私の方ですからお気になさらず。中々フルネームで呼ばれるのに慣れていないもので、少しばかり驚いただけです。」
聞いていなかった様子の修羅に対し、口を挿まず無言で聞いていた赤大がもう一度 星乃から聞いた「飛鳥」の特徴をまとめ 修羅に説明する。その隣では、星乃は首を縦に振り肯定を示した。修羅は適当に相槌を打ち、探すことに対して肯定的な素振を3人に見せる。
星乃はそれを見て笑いもしない無表情を一貫していた。しかし星乃に代わって、クリスティーナは情報が正確に伝達されたことが確認すると、無邪気に修羅に対して微笑んで見せた。
それよりも、修羅は自分の名前をフルネームで呼んだ事に気になったのか、キョトンとした表情で尋ねる。
クリスティーナはうって変わって しょんぼりとした表情になり、何かまずいことをしてしまったのかと心配するような顔で修羅の顔色を伺う。修羅は凛とした赴きでクリスティーナの気持ちを汲み取り、軽く自分の襟を直しつつ率直な感想を述べた。
再びクリスティーナの表情は明るい笑顔となる。
「さて。人探しの話はこれぐらいにして、そろそろ奥の扉に入りましょうか。」
「そうですわね。ここに居ても何も変わらない事については、つい先ほど分かりましたもの。」
「私が先陣を切ります。
「あぁ、任せとけ。」
「「・・・。」」
修羅は小回しの利く拳銃を抜き、木製の扉の目の前で2人に向けて指示を送る。赤大は小声で了承の返事とハンドサインを送り、クリスティーナはこくりと頷いた。
クリスティーナはショットガンを抜き構える。星乃は、ホルスターに仕舞われていた2挺の拳銃を引き抜いた赤大と共に、閂側の扉へ向けて向き直った。
「では行きます。」
聞き耳
修羅80→98【ファンブル】
修羅は扉のドアノブに手を掛け、少しだけ隙間を開けることで中の様子を伺おうとする。
その直後、壁と扉を繋いでいた蝶番が外れ、修羅は扉の奥に向けて『メキャアッ!!』豪快な物音を立てながら、扉ごと
これにはクリスティーナも目を丸くし、3、2秒呆然となる。しかし修羅が、突入の基礎である索敵に失敗したと察した赤大がクリスティーナの脇をすり抜け、ヤムチャ姿勢の修羅を踏みつけながら中へと突入していった。
続くようにして気を入れなおし、クリスティーナも踏みつけられ倒れたままの修羅を援護するようにショットガンを構え、素早く室内に入り敵対する人影が居ないかどうか
星乃は特に大きな物音にも驚くことは無く、歩きながらマイペースにその後ろに続いた。
【後書き】
前回のあらすじを見るだけで、あらかた内容が分かるようにしてしまうと本文を呼んでくれる方が減ってしまいそうですね。前回のあらすじは『忙しい人向け』の内容であると思っておいてください。
ゆえに、細かいことは記入しないでおきます。
今回もダイスの女神が荒ぶっておりました。
出目が非常にキツかったです。立てたプロットが折れ、心が折れかけたこともありましたね。