外伝クトゥロニカ神話『4つの愛』 作:カロライナ
次々と開く扉に沿って通路を歩いて行くドール達。
たどり着いた先は彼女たちが目指していたシェルターの内部だった。
しかし何やら様子がおかしい。人の気配が全くしない。4人は一旦別れて探索者や人間探しを始めるが・・・?
行動判定
ロジーナ→9+1【成功】
ぬいぬい→8【成功】
ぬいぬいは修羅から渡された太刀を鞘から引き抜く。太刀は美しいと思えるような煌びやかな刀身をしており、手入れを怠ったことが無いのか 切れ味の鋭そうな刃先をしていた。
数分間ほど修羅に手渡された名刀に見惚れたが、はっと我に返ると一呼吸を置いた。
そして精神統一をしたかと思うと、シャッターのロックが掛けられている部位のみを狙い定め一閃太刀を浴びせた。
刀は
どうやら、この店では文房具や日用品を販売していたようた。店内は何者かに荒らされたのか、それとも誰かがこの店内に逃げ込み 追跡者が荒らしていったまでは分からないが、地面に商品が散らばっているのが目に入った。
鉛筆を踏むたびに風化しているのか粉のように散らばってしまう。丁寧にケースの中に仕舞おうとしてもケースに触れた瞬間、ケースが破損してしまう。またレジも引っ繰り返され、機械は大破しもう動きそうにも無かった。
ぬいぬいは1階の探索を終え、2階の鍵を同じような用法でシャッターをこじあける。
そこはぬいぬいも感じていた懐かしさが更に加速されるような風景。ここの家は4人家族で会ったのか、ベッドが4つ置かれているのが目に入る。白の無地の何の面白みのないベッドが2つに水色と桃色のベッドが1つずつである。
ここも物品の風化が激しく、ぬいぬいが腰を降ろせば音を立てて崩れ去ってしまった。
そんな中、両親の部屋であろう部屋に一際目立つ刀が2本、置かれているのが目に留まる。これすらも鞘から刀を引き抜けば刀身以外はボロボロと崩れ去り使い物にならなかったが その刀身に名前が彫ってあることに気が付いた。
上段に掛けられている日本刀には「縫」と刻まれ、下段には「縫々」と刻まれた2本の刀。
その2本の刀に触れた途端に、とある記憶を取り戻す。
まずはシスターですら知らなかったはずの自分自身の本名についての記憶。
自分の本名は修羅 縫々。決して愛称などでは無かったのだ。『ぬいぬい』その名前自体が本名の名前であった。
次に思い出したのは姉の記憶。無愛想ではあるが、常にぬいぬいを見守ってくれていた優しい姉。その顔や風貌は修羅と重なる。しかし、その実姉はここで何かが起こった時に何かの拍子で別れてから会えていないのを思い出した。そう、記憶の片隅にある【迷子】の記憶と一致した。
記憶の欠片【入手】
名前(特殊)、姉(特殊)
姉は何処に行ったのだろうと思った矢先に、背後のクローゼットから重いものが落下するような大きな音が聞こえ、思わず肩を一度跳ねさせた。
その物音に怯えながらも、ぬいぬいは修羅から教えて貰った抜刀術の構えで、そのクローゼットの中身を確認する。
そこに居たのは修羅であった。
いや、姉だったかもしれない。
違う。
姉が修羅で、修羅が姉。
頭の中で混乱が巻き起こり整理が付かない。
姉=修羅で無ければ、この修羅にそっくりな首は誰の首? 姉? 修羅? 姉?
狂気判定
ぬいぬい→3【失敗】
修羅+1
非常に戸惑った顔をしたぬいぬいは、よろめく足でこの家のトイレに駆け込み吐こうとした。しかし内容物は出てこない。当たり前だ、この気持ち悪いという感覚はただの生前の思い込みであり、2日前から何も食べていないのだ。既にアンデットとなってから、消化し栄養を運ぶ筈の胃腸の機能は停止している。
それでも、ぬいぬいは辛そうに嗚咽を漏らしながらトイレに吐く動作を取るのであった。
【後書き】
前回の話の続きとなりますが、最初の編成は
クリスティーナ-ロジーナ
修羅 縫-ぬいぬい
星乃 彩-飛鳥
の3組でした。
これに赤大 将-纒が組み込まれたのです。
理由とはクトゥルフSoJのサプリが、かなり強さを知らしめていた為ですね。他のサプリと併用すると本当に強くなります。たとえば、比叡山炎上とか。
それと野良セッションではソロリティを使う勇気がないので小説で空想しながら使ってみたかったためです。みんなを纏めるリーダー役とか、小説なら演じられますがリアルセッションでは私には無理です。