外伝クトゥロニカ神話『4つの愛』   作:カロライナ

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【前回のあらすじ】
 大失敗当初は、白い目で飛鳥を見ていたドール達ではあったが、ツデムシに弾き飛ばされると流石に危険を察知し心配の声を掛ける。
 結論から飛鳥は無事であった。
 そして自分の身よりも『たからもの』の無事を心配をするのであった。




Episode4-12 『ザイクロトル』

「緋袴がボロボロです。うぅぅ・・・お気に入りだったのに・・・。」

「よし、シェルターに着いたら修理できる代わりのものは無いかどうか探そう。ボクで良ければそれも縫合するよ。」

「よろしくお願いします・・・。」

 

 それは飛鳥の修理も殆ど終わり、森の中で一息ついた時の事だった。

 ロジーナが何かを察知すると周囲を鋭い視線で見渡す。

 

「ロジーナさん、どうかしましたか?」

「・・・・・待って・・。・・・・この森・・・変。」

「変って、どうかしたの?」

 

 ロジーナの指摘に全員が周囲を見渡す。全員で見渡すことでその異変は目を凝らさずとも見ることが出来た。今まで動いていなかった植物、特に木々が地面に生えていた根っこを引き抜くや否やまるで歩くかのように蠢き、明らかに移動している。

 動いた後には今までは存在しなかった道が開かれ、空の様子も見えるようになる。空は面白くもない鉛色の雲で覆われ、薄暗い。そして上空を何かが通った。ヘビトンボではない巨大な何か。それはまるで空を飛ぶツデムシのようにも見えた。そんな大きな巨大昆虫が大空を飛んでいたのだ。

 更に今まで通ってきた道を見てみれば、蔓草が、木々がざわめき、入ってきた方角を防いでいた。また茂みからは蔓草が蠢きながらヘビトンボの大破した足の欠片を絡み取り、茂みの中に引き込んでいく。

 ・・・数秒後、何か硬いものをかみ砕くかのような、飴玉を奥歯で潰したかのような音が森に響きわたった。捕食対象がヘビトンボの脚だけであれば、まだ良かった。ドール達の肉片もその蔓草は掴む。ただ掴むだけではない。1体の茂みがその肉片を掴んだかと思うと他の茂みまでもが、その肉片を取り合い始めたではないか。

 纏は座りこんでいる飛鳥の手を握り立ち上がらせ、そしてその茂みから逃げ出す様に走り出す。ロジーナも同様であった。歩幅が小さなぬいぬいを抱きかかえると纏の後を追う様にして随行する。

 10分もしないうちに先ほど血戦場となっていた場所は数々の木々で埋め尽くされ、足場の踏みようがない魔境と化していた。

 

行動判定-2

ロジーナ→8-2【成功】

ぬいぬい→5-2【失敗】

飛鳥→8-2【成功】

纏→5-2【失敗】

 

 逃げ出す最中、ロジーナと飛鳥はそれぞれとあるものを見つけた。否、正確には見つけてしまったの方が正しいかもしれない。それは魔境と化する前の血戦場の光景である。

 ロジーナが見たのは木とも別の生き者とも取れない物体だった。高さは約5mあり太い筒のような枝が付いている。・・・・・筒は根元のところで6本の平たい根の様になって分かれている。これはこの荒廃した世界では自然の形なのかもしれない。木のてっぺんについている枝の奇妙なまん丸い並び方も、自然の形が偶然そのように変異し、そうなったのだと説明されているのかもしれない。しかし、それは明らかに4人のドール達を見つめていた。木の梢だと思えるてっぺんから、目鼻の付いていない楕円形のものがいきなり顔を出し、楕円形の上部に穴が開き、ギザギザの歯が見えていた。

 飛鳥が見つけたのは、瞼のない大きな瞳。頭のところから宇宙のリズムで曲がりくねっていて、両先端がくっつきあっている撒きひげ、10本の脚、光沢のある触肢に覆われているその10本の脚は、青白い腹部に折り曲げられていた。半円型の硬そうな翼は、三角形の鱗で覆われている。口は3つもあり、濡れた口が蠢いていた。

 

狂気判定-1

ロジーナ→6-1【失敗】

飛鳥+1

飛鳥→1-1【大失敗】

ロジーナ+1

 

 “それら”は明らかに4人を目視しているようではあったが、襲い来る様子を微塵にも見せない。その様子は、興味はあるが何かによって静止されているようにも捉えることができた。二人は既に白い顔を青白くしながら森の中を駆け抜けていく。

 

 

 

 

 

 

寵愛点

戦闘寵愛点31

個人寵愛点2~4

記憶の欠片を手に入れる【ロジーナのみ成功】

『アポルオン』を2ターン以内に倒す【全員成功】

ロジーナ

□【リフレックス】オート/なし/自身(最大行動値+1)

□【アームバイス】ジャッジ/1/0(支援2 or 妨害2)

□【ボルトヘッド】ジャッジ/1/自身(支援2)

ぬいぬい

【捕食者】ダメージ/2/0(自身のいるエリア内の敵全てに「転倒」効果)

□【名刀】アクション/2/0(白兵攻撃2+切断、攻撃判定+1)

□【リフレックス】オート/なし/自身(最大行動値+1)

飛鳥

【円舞曲】ラピッド/1/自身(ターン終了まで攻撃判定-1)

□【けもみみ】オート/なし/自身(最大行動値+1)

□【単分子繊維】アクション/2/0~1(白兵攻撃1+切断+連撃1)

□【エンバーミング】ジャッジ/2/0(妨害2.1ターンに何度使ってもよい)

  寵愛-6(3)ライトセイバーチェンシ

□【しんぞう】オート/なし/自身(最大行動値+1)

□【エンバーミング】ジャッジ/2/0(妨害2.1ターンに何度使ってもよい)

□【よだれじた】ジャッジ/2/0~1(妨害1+転倒)

 

 

 




【後書き】
 忘れかけていたクトゥルフ要素・・・!!!
 いえ、忘れていませんよ? ちょっと、ちょっと出す余地が無かっただけです。
 今回の友情出演はあの2体となります。さぁ、リアル神話技能を振るのだ。

 そして無事に4章は閉幕しました。
 クトゥロニカ5章にも入っていきます。
 果たしてドール達はネクロマンサーの悪意に打ち勝つ事はできるのか。

 明日もレッツ いあいあ!




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