外伝クトゥロニカ神話『4つの愛』 作:カロライナ
飛鳥が戦闘面に関してポンコツ過ぎた為、呪われしライトセイバーを破棄することを決意。
飛鳥に甚大な被害が及んだもののパーツは全て修復ができ、飛鳥がボコボコにされただけで、他のドール達はほぼ無傷であった。
あ、あと、アポルオンは纒のショットガンによる攻撃で無事に倒せた。
纏がショットガンを降ろす頃には、向けていた場所には何も存在しなくなっていた。
ヘビトンボやツデムシ達は互いに顔を見合わせるような仕草を取る。よぶんなはねがせわしなく動き、それは人間で例えるところの焦りを象徴していた。ツデムシも触覚を細かく振動させる。
直後、銃声による怒号が周囲に響き渡った。ヘビトンボ9匹とツデムシ4匹はその音の方角を見る。
そこにはロジーナが立ち上がり対戦車ライフルを上空へ向けて発砲している姿であった。瞬時にロジーナはヘビトンボ達に向けて対戦車ライフルを向ける。そして1度だけニヤリと笑って見せた。その笑みを見た途端ヘビトンボやツデムシはその場から散り散りになって逃げだす。
ヘビトンボやツデムシが森の中に逃げ込んだ途端、森は死んだかのように静かになった。
「飛鳥! 飛鳥、大丈夫?!」
ヘビトンボとツデムシが去った後、纏は近くに落ちているボイスエフェクトとボイスエフェクトに付属している発勁を手に取ると飛鳥の元まで駆け寄り土や鱗粉、泥を払ったのち。着いてあった場所に丁寧にくっ付けた。
「ありがとうございます。私は大丈夫です。・・・それよりも、皆さんや未來、ぬいぐるみ、シスターの聖書は無事ですか!?」
取れた顎を拾い上げ再び接合し直したぬいぬいも飛鳥の元に駆け寄り、胸元を確認する。胸元には、カプセルに入りクリアグリーンの培養液に使った『未來』が見えた。聖書もツデムシとぶつかった衝撃で飛鳥自体から離れた位置にはあったものの奇跡的に壊れず、長方形の形を保ったままの本をロジーナが拾い上げ、飛鳥に手渡す。ぬいぐるみは飛鳥の僅かな血液によって赤黒く変貌していたがしっかり手元にある事を確認すると満足そうにそれを抱き締めた。
飛鳥のたからものが全て揃ったところで、纏はその場に座り込み 金属製の縫合糸で飛鳥の身体を繋げ始める。その間ロジーナは周囲の索敵、ぬいぬいは飛鳥に合いそうなパーツを拾い上げ纏の元まで運んでいた。
「あ、言っておきますけど! 私、今回は2回もライトセイバーで自分の事斬りつけてしまいましたけど、本当にわざとじゃないんですからね!! 敵を攻撃しようと振り被った瞬間に血糊やら、今回は蔓草に足を取られて転んでしまうんです!! 不運なだけなんですっ!!!!」
「はいはい。疑ってごめんね。」
「むーっ!! その言い方、信じていませんね!!」
纏に修理してもらいながらも、飛鳥はまたもや弁解を始める。議題はライトセイバーで自分の足を切断する行為についてであった。纏はそれを聞きながらも慣れた手つきで皮膚と皮膚を繋ぎ合わせ縫い続ける。あしらうような返答に飛鳥はプクーっと頬を膨らませ怒った表情を作っていた。
「・・・・・地下の研究所に・・・・・居た頃から・・・・転び続けていたから・・・・。・・・・ごめん・・・疑いの目なんか・・・・向けて・・・・・。・・・・今度は・・・・転ばないように・・・・足元・・・注意しよう・・・・・?」
「そうですね・・・血糊や、足元を妨害する何かが無いかどうか確認してから斬り掛かった方が良いかもですね。飛鳥さんのしっぽ根元から切断されたみたいですから、繋げばまだ大丈夫ですよ。」
「う、うん・・・・注意しているんだけどなぁ・・・。」
ロジーナも歩哨しながら、飛鳥が纏に向けて弁解している姿を見ると、一言謝りに近づいた。丁度、ぬいぬいも飛鳥に適したパーツの分別も済み、元から付いていたであろう狐尻尾のパーツ片手に戻ってこけ続ける飛鳥にアドバイスを伝えていた。
飛鳥は怒った様子から口を尖らせ、ふてくされた様子に変わる。
対話判定
ロジーナ→飛鳥7+1【成功】
ぬいぬい→纏10【成功】
飛鳥→ロジーナ1【大失敗】
【独占】→【執着】
纏→飛鳥10+2【大成功】
【後書き】
身体がボロボロに崩れ去っても、修復すれば元通り。修復も会話をしながら行える。ドールだから成せることですね。
因みにツデムシの攻撃は探索者が受けた場合、3D6+DBになる予定でした。ツデムシは10mほどの大ムカデなため、SIZ、STRもろとも最恐を誇っていたことでしょう。恐らく荒野で出会っていれば装甲車がひっくり返されるようなイベントもありえたかもしれませんね。