外伝クトゥロニカ神話『4つの愛』   作:カロライナ

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【前回のあらすじ】
 6人が熟睡している間、ぬいぬいは教会付近から聞こえた物音に身体を起こす。
 得物片手に教会の周囲を探るが赤大の姿しか見当たらなかったものの少し離れた位置で太刀を振う修羅を見つけた。
 魅入るような美しい太刀筋に心を奪われながら、修羅に剣術の稽古をつけて貰えるように交渉を試みるが・・・。




Episode3-16 『御呪い』

 翌朝、クリスティーナ、ロジーナ、纏、飛鳥、星乃は近くから漂う美味しそうな香りで目が覚める。起き上がると、そこには朝食の支度を終えた何処か嬉しそうなぬいぬいの姿に、壁に寄り掛かり立ちながらもうつらうつらとしている修羅の姿、そして頭部にタンコブを作り 悲しげな表情で教会の入り口付近に一人穴を掘っている赤大の姿が見えた。

 

「おはようございます皆さん。ぬいと赤大さんとわたしはもう先に食べちゃいました。残りは皆さんだけですので、どうぞ。」

 

 5人は食前の儀礼を行い。食事を済ませる。質素なものではあったが星乃を除く4人は満たされた様な表情をし、胃袋に栄養を流し込んだ。クリスティーナは物陰で粗相も済ませ、出発の支度を整える。

 

行動判定

ロジーナ→8【成功】

ぬいぬい→3【失敗】

飛鳥→10【成功】

纏→7【成功】

 

目星

クリスティーナ70→44【成功】

修羅80→97【ファンブル】

赤大25→81【失敗】

星乃55→99【ファンブル】

 

 出発する前に崩れかけた教会を8人で捜索し、何か手がかりが落ちていないかどうか調査を始める。既にこの教会に残っているものと言えば、大量のナイトメアの死骸とバンシーの血肉、焚き火跡、そして動かなくなったシスターだった肉のみではあったが、ロジーナは教会の最深部に小部屋がある事を見つけ皆に知らせる。

 先陣を切り部屋の中を捜索していると、昨晩シスターが指差していた方角と同じ方角に『シェルター』なるものが存在していると書かれた地図を見つけた。

 ぬいぬいは、睡魔に侵され若干ふらつきながらも部屋を捜索しようとしていた修羅が小部屋の扉に手を掛けた瞬間、またもや扉ごと豪快(ダイナミック)()侵入(エントリー)していく姿を見たため、そちらの介抱へ向かった。結果、満足に小部屋を探す事はできずに終わることとなる。

 ロジーナとぬいぬいを除くドール2人は、名残惜しそうに動かなくなったシスターを眺めていた。しばらく眺めていたところ、シスターの衣服が異様に膨らんでいる部分に気が付いた。手を伸ばし膨らみを持ち上げると、シスターが大切にしていたのであろう『聖書』とシスターとドール4人そして10歳ほどの少女が一緒に写っている『写真』が見つかる。

 少女は雪のような白い肌に、ゴスロリチックな黒いドレスで顔と手先以外のほぼ全身を包み込んでいる衣装を着ており、飛鳥と同じように長く白い髪であり、その子は前髪で片目を隠しながら写真には写っていた。

 

修羅HP12→11

星乃KP14→14

 

「これ・・・シスターが大切にしていた・・・。シスター、分かりました。私がシスターに代わり迷える子羊を救って見せます。空から見守っていて下さい。」

「シスター、この写真に写るのはボク達・・・? そしてこの女の子は・・・。」

 

 二人はそれぞれ得たものを交換し合い確認をとる。そして再び最初に見つけたものに交換し合い、大切そうに仕舞ってから他の6人の方へ向き直る。

 背後では星乃が立ち上がった修羅に躓き大転倒し、クリスティーナが星乃の怪我に気が付いて治療。赤大は疲れたかのように息を荒げ壁の付近で待機している様子が窺えた。

 

「わぁ~っ!! 星乃さん、大丈夫ですか!?」

「大丈夫。飛鳥。ありがとう。」

「今日はおっちょこちょいな方が多数いらっしゃいますわね。どれ、ちょっと傷を見せて頂けるかしら?」

「クリスティーナさん・・・。」

「大丈夫ですわよ。ちょっとした掠り傷・・・ではないですわね・・・。手当しますからそこの石畳にお座りになって?」

「わかった。クリスティーナ。ありがとう。」

「お気になさらず。」

 

応急手当

クリスティーナ75→30【成功】

1D3→3

星乃HP14→17

 

アイディア

クリスティーナ65→59【成功】

 

「・・・あら?」

「どうかしたんですか?」

「いえ・・・。なんでもないですわ。」

 

 クリスティーナは手慣れた手付きで、星乃の怪我を手当する。そして出血しているであろう個所を探り当て、適切な処置を施した。手当も無事に終わり、星乃が何事もなかったかのように立ち上がる。

 ・・・治療を終えたクリスティーナはキョトンとした顔で手当をしたあとの手を見つめる。手には何も付着していなかった。何も付着していなかったのだ。しかし、片手を擦り合わせればサラサラとしたみずみずしい何かの液体の感覚はあった。

 

「クリスティーナ。」

「なんですの?」

「ありがとう。お礼。呪い(まじない)。掛ける。前衛。出られる。お呪い。」

 

 星乃は不思議そうにしているクリスティーナに対し、体調が良くなったのか星乃は普段とあまり変わらない口調ではあったが、接近すると反応の是非に関わらず。本当の魔術の様に何かを唱え始めた。その詠唱は12秒も掛からない間に終わる。

星埜73→70

 

「あ、ありがとうですわ。」

「うん。」

 

対話判定

飛鳥→クリスティーナ 6【成功】

 

 星乃は一度頷き、飛鳥の隣に立つ。そして飛鳥が向かうところどころへ、ぴったりと護衛の様について歩き回るのであった。

 ロジーナは教会の広い場所で7人に地図を見せる。

 クリスティーナは応急箱片手に、次は修羅の元まで駆け寄り手当を行っていた。

 

応急手当

クリスティーナ75→12,22【両方成功】

修羅HP11→13

 

「・・・地図を・・・・・見つけた・・・・シェルター・・・・案内図・・・だって。」

「丁度、シスターが差した方角と同じだね。こっちの方角だから・・・。」

 

 眠たげにしながら、修羅はロジーナに見せられた地図を地面に置くと 付近に落ちていた瓦礫の破片を装甲車に見立て全員に例えが伝わりやすいように配慮する。纏はその瓦礫を手に取り、直線方向に駒を動かす。そこには海や湖ではない黒い何か塊りが描かれているのが見える。

 

「途中、森とぶつかりますね。ぬい、あの装甲車(くるま)(?)で、ぶつかった場合は通れるんでしょうか?」

「難しいですね。時間は掛かりますが、迂回路を通ってこのシェルターに向かう方が確実です。何か森を一掃できる道具があれば、弊害なくして進めるのでしょうが・・・。」

「待ってください! 木々を斬り倒すのは木達が可哀想ですよ! 木達だって生きているんです!! それにこの荒廃しきっている世界で僅かな生命体なのですから、無暗に破壊するべきではないですよ! 子供にそんな木々をなぎ倒す光景は見せるべきではないと思います!」

「私。飛鳥。意見。同意。する。」

 

 ぬいぬいは修羅を抱えるように支えながら、日本刀を杖代わりにし、顔だけを修羅に向ける。修羅は首を横に振った、装甲車で通行するならば森を開拓する案を提示するもの、飛鳥がそれを声を張り上げて拒否をする。星乃もまた頷きその案を却下する。

 

「環境破壊ハ 気持チイイ ゾイ!!」

「赤大は後でぶん殴る事にしまして。」

「ナンデ!?」

「でしたら迂回路を通る方向で行きましょう。こちらの方角に進むと遠回りではありますが街が2つほどあるそうです。何か食料などの物資を調達できるやもしれません。」

 

 途中、赤大が場を和ませようと声色を変えてふざけた一言を小声で呟くが、瞬時的に、修羅に見抜かれ悲痛な叫び声を地声で悲鳴を上げた。

 そんな赤大を尻目に修羅はコマを教会に戻し、再び新たなルートを皆に提示する。その案に拒否をするものは居らず、全員はお互いに顔を見合わせた後頷いてみせた。

 

 

 

 

 最後の別れを惜しむように動かなくなったシスターを、朝方掘り進めていた穴に埋める。簡易的な墓ではあったが、ドール達ができる恩師へに向けての最大の手向けであった。

 今回は天井に星乃が見張り役として座り、周囲の警戒を行う。運転はクリスティーナが請負い、夜間の見張りとぬいぬいの訓練に力を使い果たしたのか、修羅は寝息を立て穏やかな表情をしながら熟睡し始めた。ロジーナは、運転するクリスティーナと隙間から見える景色を眺め、飛鳥は未來を取り出しては楽しそうに話しかけていた。ぬいぬいは寝息を立て寝る修羅に膝枕をし、あやすかのように毛布を掛ける。纏は寝静まった修羅に対して、あくどい笑みを浮かべていた赤大と一緒に音楽プレイヤーから蘇ってから初めて聞いた音楽を聞いていた。中にはロジーナの鼻歌も収録されているようだ。

 

対話判定

ぬいぬい→ロジーナ 9【成功】

纏→赤大 10【成功】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

シナリオクリア『求める愛を』

SAN報酬

クリスティーナ1D6→1

修羅1D6→5

赤大1D6→5

星乃1D6→2

 

寵愛点

記憶の欠片を入手する【全員達成】

シスターの記憶を取得する【全員達成】

全ての敵を撃破する【全員達成】

戦闘寵愛20点。

ロジーナ26+7=33点

ぬいぬい26+9=35点

飛鳥26+9=35点

纏26+9=35点

 

ロジーナ 26+7=33点

□【アドレナリン】オート/なし/自身(最大行動値+1)

□【スコープ】ジャッジ/0/自身(支援2、射撃・砲撃のみ)

□【エナジーチューブ】オート/なし/自身 最大行動値+2。装備箇所にダメージを受けた際、あなたは任意の基本パーツ1つを通過で損傷しなくてはならない。

 

ぬいぬい26+9=35点

【肉の盾】ダメージ/0/0-1

【悪食】オート/なし/自身

【地獄の住人】オート/なし/自身「地獄」にいる際、攻撃判定の出目+1。

 

飛鳥26+7=33点

□【発勁】ラピッド/0/0(自身には不可、移動1)

□【アームバイス】ジャッジ/1/0(支援2 or 妨害2)

□【しっぽ】オート/なし/自身(最大行動値+1)

 

纏26+9=35点

【看破】ラピッド/0/0-3

□【リフレックス】オート/なし/自身(最大行動値+1)

 

 

 

 




【後書き】
 無事に2章もこれにて閉幕となります。
 これで現段階では折り返し地点に到達しました!

 駒動かしが複雑で戦闘もあるため、どどんとふで進行したのですが ドール達は良いとして(大失敗が連続で出る時もありましたが。)探索者の出目がとことん酷かったです。やはりダイスボットをネクロニカ指定にしてダイスを振るとファンブルする確率が高いのでしょうか? それとも、私のリアルラックがたまたま悪かっただけですかね?



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