外伝クトゥロニカ神話『4つの愛』   作:カロライナ

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【前回のあらすじ】
 ぬいぬいと纒が倒れたのとほぼ同時刻に機能を強制停止させた機械共が起動し、自爆し始める。
 探索者が動けないドールを背負い次々に脱出していく最中。その逆を実現する組も存在した。
 爆発によって壁に開いた穴から脱出した探索者とドール。彼女等が見る初めての光景とは・・・。




Episode2-10 『我らの足』

 穴を潜り抜けた先は幸運にも外だった。しかし、それは探索者が知っている生き生きとした景色ではない。生命を感じさせないかのような荒れ果てた荒野だ。

 外は昼間である時刻にもかかわらず、空色は重苦しい鉛色で、空気は乾き、大地は焼かれたように枯れた土で覆われていた。8人が出てきた背後は岩山に偽装され、地下にあの研究施設が築かれていたことが分かる。

 

 

ドールたちが話していた通り世界は滅んでいたという事実に対しSANチェック1D4/1D10+1

クリスティーナ71→95【失敗】9+1

71→61

修羅67→76【失敗】1+1

65→63

赤大61→70【失敗】6+1

61→54

星埜74→13【成功】3

74→71

 

アイディア

クリスティーナ65→79【失敗】

赤大80→2【クリティカル】

一時的発狂1D10→1気絶あるいは金切り声の発作

 

 4人は世界の惨状に対して言葉を失う。クリスティーナは目の前で起きている惨状について、小刻みに瞳を泳がせながら引き攣った無表情を浮かべ、修羅は何処か全てを悟ったような赴きになり、星乃は顔をその光景から背けた。そして赤大は、纏を背負ったまま力尽きたかのように倒れる。

 

目星

クリスティーナ70→32【成功】

修羅80→10【スペシャル】

 

「星乃さん! 赤大さんが! 私は纏さんを背負うので、星乃さんは赤大さんを!」

「分かった。」

 

 倒れた2人に飛鳥は駆け寄り、胸元に仕舞った胎児が落ちないように調整を加えると纏を赤大の代わりに背負う。星乃も飛鳥に指示され、一呼吸を置いてから赤大を持ち上げた。ロジーナは表情が引き攣ったクリスティーナに対して、不安な様子で状態を確認していたが、星乃の元まで駆け寄ると、赤大に付着した土や泥を払い落とした。

 そんな中、引き攣らせていたクリスティーナが真顔に戻り、首を左側に捻る。そこには荒廃した世界に似つかわしくない車両が停車しているのが目に入った。OB色をした8輪の車両。天井の固定砲台にはFNミニミが備え付けてあり、あれはまるで・・・。

 

「・・・・・・修羅さん?」

「・・・もしかしなくとも、視界左端に映る装甲車についてですか?」

「わたくしにも見えているという事は、あれは幻覚ではないのですね。」

「そういうことになりますね。」

「・・・・・・。」

「・・・・・・。」

「「・・・・・!!!」」

 

 二人はほぼ同タイミングで、2人の視界に映る車両に向けて走り出す。途中、異変に気が付いたロジーナが2人の後を追う。そして僅差の差で、クリスティーナが先に装甲車に辿り着く。ぬいぬいを抱えた修羅も若干の息を切らせながらも到着する。3秒後ロジーナも2人の後に追いついたが、初めて見るであろう装甲車の大きさに圧倒されていた。

 修羅とクリスティーナの2人は波長を合わせるかのように片や後部ハッチに手を掛け、片やショットガンを構える。そして2人の息があったクリアリングにより装甲車の安全の確保を済ませた。戸惑うロジーナをクリスティーナは開口部の後部ハッチから内部に押し込み、ぬいぬいの看護を頼む。

 

「・・・・! 何故、運転席に乗っているのですか?」

「簡単なことですわ。わたくしが運転を致しますからですわ。安心してくださいな。これでも家守 源水さんや足高お姉様から運転技術については大分学んだんですのよ? 修羅さんは、可愛い妹を看て差し上げたら如何かしら?」

「・・・・・。それは出来ない。」

「・・意地を張るとロクなことがおきませんわよ。かつてのわたくしがそうであったように、貴方は『また』後悔いたしますわ。」

「・・・・・・。」

「さ。・・・・次こそは護るのでしょう?」

「・・・。」

 

 そしてクリスティーナが、ちゃっかり運転席に座っていることに対して驚きの表情を見せるが、すぐに降りるように喰ってかかる。しかし、家守の名前を出され、妹について言及されると その勢いはすぐに減退し、最終的にはロジーナが天井に後部座席に修羅とぬいぬいが乗車することとなった。

 エンジンを掛けると軽やかに車両は走り出す。そして、気絶している赤大や飛鳥を拾うと当てもなく荒野に装甲車は走り出すのであった。

 

 

 

シナリオクリア『捧げる愛』

SAN報酬

クリスティーナ1D10+2D4→15

修羅1D10+2D4→5

赤大1D10+2D4→13

星埜1D10+2D4→8

 

 

寵愛点

記憶の欠片を手に入れた。【ロジーナ以外達成】

胎児を連れて行く。【全員達成】

戦闘寵愛15点。

ロジーナ17点

ぬいぬい19点

飛鳥17点

纏19点

 

ロジーナ10点消費

スキル追加 子守歌

 

ぬいぬい10点消費

強化武装+1 棺桶

 

飛鳥10点消費

強化改造+1 エレクトリッガー

 

纏10点消費

強化武装+1 ショットガン

 

 




【後書き】
 唐突な小説の話に突っ込んでいきますが、探索者:修羅の持ち物に96式装輪装甲車があったと思いますが、そうです。ここで登場するのです。実質チートアイテムなので、ヌルゲーになってしまい臨場感が薄れるかなと思ったのですが、ネクロニカルルブの36ページから連なる【世界の様子】について読んでいるうちに登場させることを決意しました。次回、その登場させる決意を固めた要因について、彼女たちが紹介してくれます。



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