外伝クトゥロニカ神話『4つの愛』 作:カロライナ
閂状の鉄扉の奥はサンプル保管庫のような作りとなった実験場だった。
上空、天井近くには『胎児』を抱いた黒き姑獲鳥が飛び立ち、警告音と共に機械が起動し始める。
ロジーナは『胎児』を見つめた瞬間、とある『気づき』を得た。
===1ターン目========
編成
【奈落】
レイヴン
【地獄】
ミートシュレッダー1~4
【煉獄】
リフトバイス1~6
ぬいぬい、飛鳥、纒
クリスティーナ、修羅、赤大
【花園】
なし
【楽園】
ロジーナ
先制射撃
クリスティーナ150→19,50【スペシャル、成功】
ゼロ距離射撃+貫通
対象リフトバイス1[完全解体]
赤大178→81,43【両方成功】
ゼロ距離射撃+二挺拳銃+ホーロー弾
対象リフトバイス2
→以下のパーツを破壊
モーターギア、キャタピラ、強化装甲、サブエンジン、装甲板、装甲板
開幕と同時に探索者固有のスキル。
先制ゼロ距離射撃が動き出し8人に接近してくる重機械へ向けて鉛玉が放たれる。唐突な射撃攻撃に対して機械も反応しきれなかったのか、2発のショットシェルを同時に受け穴まで開けられたリフトバイス1はクリスティーナの目の前で機能を停止させる。
その動きに続くようにし、赤大も残りのリフトバイスに対し二挺拳銃が放たれる。レーザーポインターは正確に的を狙い。そして通常弾とは異なるホローポイント弾が込められた弾は、リフトバイス2の装備を抉って行く。
COUNT16
星乃
????80→43【成功】
対象リフトバイス2[完全解体]
COUNT15
クリスティーナ
→ショットガンリロード
修羅
武道キック80→61【両方成功】
対象リフトデバイス3
ダメージ:強化装甲+2
→以下のパーツを破壊
装甲版
赤大
拳銃178→30,39【スペシャル,成功】
ゼロ距離射撃+二挺拳銃+ホーロー弾+貫通
対象リフトバイス3[完全解体]
先制射撃も終え、真っ先に動き出したのは機械でも狂った少女でもドールたちでも無かった。それよりも早く動ける者、それは人である探索者4人だ。
星乃は手近にあったリフトバイス2を素早く殴りつけた。その拳の鋭さは、他の7人には捉えることのできない鋭い一線であったが、実際に体感した機械自身はその機能を停止させ動かなくなった。
修羅は動けなくなったリフトバイス2には興味がなくなったかのように3に対して軍隊式格闘術の立ち蹴り技をお見舞いする。しかし、先制射撃ではない攻撃に対しリフトバイス3は強化装甲で、蹴りが当たるよりも早く身を守った筈だった。装甲板が外れ、床に転がる金属音が培養室に響く。
赤大の二挺拳銃は終わっていない。修羅が蹴り壊した装甲版に向けて鉛玉を叩き込む。内臓とも呼べる部位をかき乱されたリフトバイス3は動くのを止めた。
その間にクリスティーナは中折れ式ショットガンの弾を装填する。これで再び時が来れば先制で仕留めることができる。
COUNT14
『レイヴン』
レーザービーム→6[防御側任意]
対象ぬいぬい
ダメージ:スチールボーン 防御1+「切断無効化」
「わたさないわたさないぃぃ!!!」
「ぐっ!」
「ぬいぬいっ!!」
「・・・大丈夫です! 修羅 縫さんは他の敵を!!」
「いぃいいいぃいいいいい!!」
探索者が行動を終えた直後、『レイヴン』もけたたましく叫び狂いながら、目を輝かせたかと思うと横に薙ぎ払うかのように一閃。ぬいぬいの胴体部分を狙い「レーザービーム」を繰り出す。しかし、そのレーザーの攻撃はぬいぬいの腹部に装備されていた「スチールボーン」により事なきを得る。
COUNT13
飛鳥
ライトセイバー→2【失敗】
「ど、どどどどどうしましょう!? あの人、目から、目からビームを撃って来ましたよ!?」
飛鳥は目の前のリフトバイスにライトセイバーで斬り掛かるも、最近部にて浮遊している彼女の瞳からレーザー光線を放ったことに浮足立ち、上手く攻撃を当てることは出来なかった。
COUNT11
『レイヴン』
レーザービーム→2【失敗】
対象:修羅
ロジーナ
対象:『レイヴン』
対戦車ライフル→4【失敗】
無茶→はらわた損傷
対戦車ライフル→5【失敗】
無茶→はらわた損傷
対戦車ライフル→8[銅に命中]
胴体全損
飛鳥
せぼね
『レイヴン』は狂った奇声を上げながら、ぬいぬいを心配しリフトバイス2の装甲を破壊した修羅に対して『レーザービーム』を射出する。間一髪。修羅が元居た場所の培養カプセルが音を立てて割れ、中から何かの肉片が零れ落ちるだけで済んだ。
修羅に注目が向かっている『レイヴン』の はらわたが粉砕し雨のように周囲へと散りばめられた。通路にはロジーナが周囲に臓物を飛び散らせつつも、真剣な眼差しで対戦車ライフルを構えている。床には
COUNT9
纏
ラピッド:号令
星乃
????80→35【成功】
対象:リフトバイス4
ダメージ:強化装甲+2
→以下のパーツを破壊
装甲板*2
クリスティーナ
待機
修羅
武道キック80→72【成功】
対象:リフトバイス4
→以下のパーツを破壊
サブエンジン、キャタピラ、強化装甲
赤大
拳銃178→85,81【成功,成功】
ゼロ距離射撃+二挺拳銃+ホーロー弾
対象リフトバイス4[完全解体]、リフトバイス5
→以下のパーツを破壊!!!
装甲板*2
ぬいぬい
日本刀→7【成功】
対象:リフトデバイス5
→以下のパーツを破壊
サブエンジン、キャタピラ
飛鳥
ライトセイバー→1【大失敗】
切断判定失敗
足全損
ロジーナ
対戦車ライフル→1【大失敗】
無茶→ほね損傷
対戦車ライフル→9【腕】
対象リフトバイス5[完全解体]
「全員、総攻撃!!」
纏は周囲の様子を確認し、素早く状況を判断する。自らが出来ることで誰も死なずに、被害を最小限に、最善の殲滅をするにはどのように戦えば良いか。
結論は相手が動くよりも先に、少しでも多くの敵を亡きものにすることだった。
赤大に頼まれた期待に応えるように敵が動き出すよりも早く『号令』を掛ける。
そして8人全員の猛攻が始まった。真っ先に動いたのは星乃。飛鳥の最寄に居る敵を素早く殴りつけ、装甲板を2枚引きはがす。修羅が剥がれた装甲板の箇所を重点的に蹴りを入れ、赤大は情け容赦なくリフトバイス4の更に貧弱性がある個所に特製の鉛玉を。付近に居るリフトバイス5に残りの1撃を叩き込んだ。赤大の銃撃に合わせるようにぬいぬいも『ぬいぬい刀』を引き抜き切りかかる。リフトバイス5はプスンプスンと音を立て始めていた。斬り掛かりに向かおうとした飛鳥は、コードに足を引っ掛け転んでしまう。その時迂闊にも手を放してしまったライトセイバーは宙を舞い、あろうことか自分の足を切断した。
そんな動けなくなった飛鳥に対し、リフトバイス5の魔の手が忍び寄る。しかし、それよりも早くロジーナはリフトバイス5に狙いを定め破壊した。足の骨を銃の支えにしたのか、一本『ほね』が多脚の代わりをしていた。
ミートシュレッダー1~4
多脚戦車→【煉獄】移動
リフトバイス6
対象:修羅
クラッシュバイス→ 4【失敗】
最新鋭の6脚の足を使い、ミートシュレッダー4機は前進を開始する。その歩行は遅いが着実に8人との距離を縮めて行った。最後の1機となったリフトバイス6は、痛みを感じぬ死人のドールよりも破壊しやすそうな修羅を握りつぶそうと腕を伸ばす。しかし、その攻撃は武術を極めている修羅にとって躱すのに問題のない機械的な動きであった。
飛鳥
せぼね
COUNT8
『レイヴン』
レーザービーム→3【失敗】
対象:修羅
飛鳥
ライトセイバー→9【腕】
ライトセイバー→9【腕】
対象リフトバイス6
ダメージ:強化装甲+2
→以下のパーツを破壊
装甲板*2、キャタピラ
纏
せぼね
ぬいぬい
日本刀→3【失敗】
対象:ミートシュレッダー
赤大
拳銃89→40,10【両方成功】
二挺拳銃+ホーロー弾
ジャッジ
ミートシュレッダー=正面装甲 防御1
→以下のパーツを破壊
スクレーパー、正面装甲、突進、オートバランサー、サブエンジン、装甲板
攻撃をひらりひらりと
脚を自分のライトセイバーで失った飛鳥ではあるが、再びライトセイバーを手に取ると胴体を横に回転させるように回ったのち、攻撃が届きそうなリフトバイス6を斬りつけパーツを3種ほど破壊する。
纏は何が来てもよいように身構えていた。そんな纏を気遣うように赤大が傍らに立ち、接近してくるミートシュレッダー共に鉛玉をお見舞いする。先頭を走るミートシュレッダーから火花が飛び、赤大は背後の纒にウィンクを飛ばした。纒も明るい表情を見せる。
COUNT7
纏
せぼね
飛鳥
ライトセイバー→4【失敗】
COUNT6
リフトバイス6
クラッシュバイス→2【失敗】
対象:修羅
ミートシュレッダー1~2
移動→【花園】
ミートシュレッダー3~4
対象:飛鳥、纏
シュレッダー→【9+1,8+1】→【頭、腕】
ジャッジ
ミートシュレッダー3~4
スクレーパー→支援+2
ぬいぬい+纏=あし 妨害2
飛鳥
サイボーグ防御+2
→以下のパーツを破壊【纏】
こぶし、うで
切断判定9【成功】
飛鳥
ライトセイバー→2【失敗】
纏
せぼね
COUNT5
『レイヴン』
レーザービーム→6【任】
対象:修羅
「何度も同じ様な攻撃が当たるとでも・・・・。」
「血が!血血血血血が!!ゆるさなぃぃいぃいいい!!」
「修羅 縫さん!!! 危ないっ!!」
ぬいぬい
ダメージ:庇う
ダメージ:背徳の悦び「スチールボーン」
→以下のパーツを破損【ぬいぬい】
こぶし損傷
切断判定→6【成功】
「・・・!!」
「・・・・。」
「っ・・・! キサマッ!! 私の家族に手を出してくれたな?! 生きて出られると思うなよ!?」
「こここここののこの子ここ・・・・わたさなぃい! わたさない!!」
ロジーナ
対戦車ライフル→3【失敗】
無茶→かた損傷
対戦車ライフル→5【失敗】
無茶→ほね損傷
対戦車ライフル→7【脚】
対象ミートシュレッダー1[完全解体]
纏
せぼね
ミートシュレッダーは二手に分かれる。
ホールの床に集中して集まっているものを亡きものにしようとするグループと、後方の援護射撃を行っている煩わしいロジーナを仕留めるグループである。
ホールの床に集まっている敵性ドールや人間に向けて、ミートシュレッダーは全てを破壊する金属音を響かせながら飛鳥や纏に食って掛かる。ミートシュレッダー4の捕食とも呼べるべき廃棄活動は纏とぬいぬいの足に引掛けられる形で不発に終わる。飛鳥も巻き込まれかけるが、自分の身体に備わっていた合金金属製の部品により、跡形もなく破壊されずに助かった。
一方、リフトバイス6は修羅を再び狙いクラッシュバイスで押しつぶそうとする。それを修羅はバックステップを取ることで避けた直後、待っていましたと言わんばかりに修羅に向けて正確な「レーザービーム」が放たれる。世界が遅くなった気がした。回避は間に合わない。直撃すると覚悟を決めた瞬間、別の何かに背中を押され 修羅は床を滑る。そして遅くなった景色の中、目に映るのはメイド姿のぬいぬいが修羅を庇い背中を「レーザービーム」で焼き焦がしている瞬間だった。
修羅の瞳孔が開く。そのまま床に崩れるぬいぬいを素早く抱き上げるが、それは目を瞑ったままの動かぬ死体であった。怒りに震え修羅は『レイヴン』に向け感情を爆発させたような怒声を響かせる。怒鳴られた彼女はヒステリックにも会話にならないような叫び声を上げるだけだ。
そんな中、ロジーナは手汗を握らせながら、黙々と接近を試みるミートシュレッダー2体に対して鉛玉を撃ちこんでいた。多少のパーツ破損如き何ともないと言った様子で敵を射抜く。クリスティーナが絶望と泣き出しそうな表情をしていたが、微笑み自分は大丈夫だとサインを送るのであった。
COUNT3
ミートシュレッダー3~4
シュレッダー→【5+1、6+1】→【任、脚】
対象:ぬいぬい、飛鳥
ジャッジ
纏
蠢く肉片→妨害3ミートシュレッダー4
ミートシュレッダー3
ぬいぬい→切断判定失敗。→脚全損
ミートシュレッダー1~2
移動→【楽園】
リフトバイス6
クラッシュバイス→2【失敗】
対象:修羅
敵の攻撃は後半になればなるほど激しさを増していた。
ホールの床で のた打ち回っているドールたちに向けて、ミートシュレッダーは歩みを進める。1台は纏の千切れた肉片により、脚を引掛け攻撃が当たるのを阻止できたが、ぬいぬいに向かったミートシュレッダーを止める術はなかった。修羅も接近してくる存在に対し、妹の亡骸を持ちながら逃げようとするものの、それよりも早くミートシュレッダーはぬいぬいの足をズタズタに引き裂いて脚を全て解体してしまった。
纏
せぼね
ぬいぬい
かた
移動→【楽園】
リフトバイス6が修羅に対して攻撃している間に、ぬいぬいは閉じていた瞼を開き、這いずるようにしながら1人戦っているロジーナ側へと培養槽の隙間に身体を引きずって入って行く。背後から修羅の呼び止める様な声が聞こえたような気がしたが、笑って何ともない様子を装う。
飛鳥
ライトセイバー→6【敵任】
ライトセイバー→3【失敗】
死の舞踏
ライトセイバー→10【頭】
ジャッジ
ミートシュレッダー3
正面装甲+1
飛鳥=うで 支援1
→以下のパーツを破壊
正面装甲、メインエンジン、サブエンジン、装甲板
その間も、飛鳥は転がりながらミートシュレッダーを逆に粉みじんにすべく奮闘していた。攻撃が外れれば、舞踏を踊るかのように身体を横に回転させながら敵を切り裂いて行く。
COUNT2
『レイヴン』
レーザービーム→2【失敗】
対象:星乃
ロジーナ
待機
『レイヴン』は怒り狂う修羅を嘲笑うかのように狂った叫び声を上げながら、星乃に一閃を浴びさせる。しかし、その攻撃は星乃の髪を焦がすだけであり、当たることもなかった。星乃は焦げた部分を指で触り、確認を取り終えると何事もなかったかのように構えの姿を取る。
ロジーナはクリスティーナがこちらに来ないように奮闘する素振を見せる。ほねも、かたも壊れた今、移動する手段はない。であれば精一杯足掻いて、心配させないようにしようと思ったのが彼女の考えであった。その射撃はミートシュレッダー3を粉砕する。
飛鳥の身体全体を使った、回転を加えた攻撃も留まることを知らなかった。ミートシュレッダー2着実に解体していく。
そして、飛鳥のミートシュレッダー2に向けての攻撃が終えたところで、10秒が経過した。
狂気点
ロジーナ→ぬいぬい+1
ぬいぬい→修羅+1
飛鳥→纒+1
→こぶし損傷
纏→ロジーナ+1
自分たちの最愛の存在が形を崩れて崩壊していくSANチェック2/1D4+2
クリスティーナ73→15【成功】
73→71
修羅67→39【成功】
67→65
赤大63→54【成功】
63→61
星乃76→14【成功】
76→74
【後書き】
前回の【後書き】の続きになりますが、ただ単純に人間を出して見たかった。絶望しかない世界でドールと探索者が出会ったらどうなるのだろう? と、それだけの理由で作っている節も正直ありました。
ですから今回完全に見切り発車で執筆しています。何がともあれ、一区切りできるところまで執筆を終えることができて本当に良かったです。
安定しながら小出しにしながら投稿ができますからね。