なめくじ野郎でございます
生きていました
例のウィルスにもかかってはおりません
本当にお待たせしました
と反省の色はこの程度にしておいて
続きじゃあ!
明るいお話じゃないし、人によっては嫌いという人もいらっしゃると思いますが!
どぞ(っ´∀`)っ
〜イッセーside〜
不意をついた攻撃のはずだった、なのにこちらに対して一瞥もせずに攻撃を弾き、なお無傷だった。
部長の魔力って滅びの魔力なんだろ?なんであんな簡単に弾かれるんだよ!そもそも部長だってもっと大きな魔力弾打てるだろ!
《いくら滅びの魔力であってもああすればいくらでも弾くことはできる、魔力を纏って肉体に触れられさえしなければ怪我をする事もない。その上やつは最低限度の質で放出量をあげて弾いていた。こちらを1度も見ずにだ。もう分かるだろう次元の違う相手だと。それでもお前はまだ
なんなんだよ、なんだよ、どうなってんだよ!俺は瑚太郎の弟子だアイツにも勝ったことだってある。なのにどうして、どうしてこんなにも動けないんだよ。
さっきのケルベロスだってそうだ。木場とゼノヴィアが来てくれたから何とかなったものの、俺一人だったらアーシアのカバーはしきれなかった。クソっなんでだよ!
「この程度………か。余興も見るまもなく終わってしまったか。いや、まだ楽しみは残っているか」
コカビエルが残念そうに呟いたと思ったら今度は嬉々として何かを見つめた。それに釣られるようにして俺たちの視線もそちらに向く。
「おぉ!ついに遂にだ!私の悲願が達成されるぅ!!」
バルパー・ガリレイ、皆殺しの大司教。木場の仲間たちの仇
ずっと憎んできた相手、俺にそんなのいるか?
それにあの表情、アイツの悲願聖剣がなんとかって言ってたけどそんなの知らないし、あり遂げた成し遂げた、充分だって表情。恍惚までは行かないけど喜びに、歓びに満ちた表情
あんな顔、最後にしたのはいつだっけ?
最近は鏡すらちゃんと見てない気がする
「考え事に耽るのも悪くない。そう教えられたが………まぁいい、フリード!完成した聖剣の力俺に示して見せろ!」
「了解旦那。がその前に。これなーんだ?」
新しい玩具を見つけた子供のような顔で叫ぶコカビエル。
その声に答えてフリードも動くと思った、でも違った。
なんだあれ?何持ってんだ?アイツ。
「なんだいそれは」
「聖剣の因子か?」
木場の疑問に間髪入れずゼノヴィアが正答を出した
「正解、これ最初の聖剣の因子らしくてさ。分かるだろ同類クン」
「同類くん?いやそれよりもそれは……僕の仲間たちの!!」
「ああ、フリードには説明したな。私のこの研究の第一歩。人工聖剣使いの作成。中々に面白い研究だった。聖剣に憧れ、いつか使いたいと思い来る日も来る日も───「いや、あんたの説明長いから俺がするわ」……………( ´・ω・`)」
「要するにだ、これがあれば誰でも聖剣が使えるようになる。そのための研究材料にされたのが聖剣計画の子供たちだった。って話しさ。」
「そうだ、私の研究はあれで完成した。なのにその成果だけをむしり取り奴らは隠匿した。アレらに何をしたのかを全て、まぁどちらにせよ解放する気は無かった。私としては初めから因子を抜き取る事さえ出来れば良かった!不要になった抜け殻など必要ないだろう!?だから捨てたのだよ!「っ───バルパー・ガリレイ!!」───捨てた
「どういう事だ?」
バルパーの言い草に違和感を感じたらしい。
木場が少し動揺してる
「お前は先口調からあそこから逃げ出せた子。なんだろう…………まぁいい残っているものをお前にやる。どうせもう必要の無いものだ。最期に仲間たちに会えればお前の気もそれなりに晴れるだろう。どうせこの街は消える。コカビエルが本気で暴れればな」
そう言ってバルパーは因子を投げ、そのついでだろうか、フリード
「使えよ同類クン、聖剣の因子を。仲間だった奴らの想いを。見せてくれよ。聖剣を超える?出来るものならやってみせろ!」
いつもと違うその様子にアーシアと俺は大きく動揺した。いつものふざけた感じとは全くの別物、雰囲気も威圧も比べ物にならないほど大きくて鋭い。そう思った。
「これが皆の……」
二つの因子を抱え、祈る様に膝を着く木場。
「なんだ?……あれ」
その木場の周辺に朧気であるけど確かに人の形をした影が集まっていた。何を話しているかは聞こえない。でもどうしてこんなにも胸が熱くて、苦しくて、どうしようもなく
《ほぉう………相棒、残念でそして嬉しい知らせだ。たった今至ったぞ》
至った?何が?
《あの騎士が
ああ、それで。こんなにも悔しいんだ。こんなにも羨ましいんだ。劇的な変化。あくまでも力じゃないんだ。失った何かを取り戻すことが出来たんだな木場、俺にはそんなものがないから羨ましくなったんだ。
明確に
何かを失うために
《………(致し方ない。こ、怖い、めちゃくちゃ怖いが奴に助力を得なければ。このままでは相棒が壊れてしまう)》
気がつけば木場の持つ魔剣が聖なる力を持った魔剣になっていた。
ゼノヴィアの方もデカい剣を持っているし。しかもエクスカリバーじゃないらしい。よくわかんねぇよ。あぁ無力だ
木場の力は凄かった。騎士の力を全力で使い聖剣を使うフリードよりも早く動き、翻弄しつつも少しずつダメージを与えていく。
そしてゼノヴィア、俺の苦手なシンプルでかつ力強い一撃で的確に伸びてくる聖剣を叩き折っていく。それだけじゃない。
たった数日の間であの二人互いの動きをある程度把握して、それに応じて死角カバーし合ったり、攻撃にフォローをしたりしていた。
そしてついに
歪な金属音とは違う、高くうねりを上げるような甲高くそれでいてどこか温かみのある音を上げて、聖剣は砕けた。
砕いたのは木場だ
……やったな、お前なら必ずやれると思ってたぜ
悔しいけどやっぱりお前は騎士だよ
空を見上げ、込み上げる感情を堪えるようとしているんだろうか、あんな顔初めて見た。
「聖と魔の融合。そうかそういう事か!?相反する二つの力が混じり合うことなどないつまり魔王だけでなく神も────────!!!!」
なにかに気が付いたといった風のバルパー・ガリレイそれに向かって体育館を消し飛ばしたものより一回り小さく誰も反応出来ない速度で光の槍が放たれ、そして弾かれた。歪で不快、不機嫌にさせる音が学園中に鳴り響く
「どういうつもりだ?フリード」
「いや、アンタを楽しませるのはここまで。聖剣(笑)も壊れたし俺の
「何を言っているんだい?」
「ふぃー、にしても本気じゃ無かったとは言えまさか切りつけられるとは思ってなかったんだよな。木場クン。君結構やるね、同類としてとても誇らしく思うよ。まぁでも、取り敢えずはコッチは無視してくれて構わないよ。君らの敵はアッチ。コカビエルだろう?そこの青髪、ゼノヴィアとか言ったっけ?聖剣の欠片は持ち帰って貰って構わない。コチラに手を出さないのなら。それが守れるなら後はどうぞご自由にってことで。君もどうせコカビエル倒すとか言うんでしょ?兵藤クン。まぁ君程度じゃ絶対に無理だけど」
「てめぇえええ!!」
「フリード貴様一体いつから俺を裏切っていた?」
「裏切るも何も端から俺はあんたの手駒じゃない。俺には正式な主がいるんでねその人以外に主なんて考えられないし。俺は認めない」
「そうかそういう事か………いいだろうお前の言う主が来るまで待っていてやる」
「ありがたいねぇ」
嬉しそうなどこか馬鹿にしたような笑顔
「一ついいかな?」
「私も聞きたいことがある」
「なんだい?俺の答えられる範囲であれば何でも答えてあげるよ」
「その剣は一体何なんだい?」
「その剣から出ているオーラ、恐らくソレは本来の聖剣エクスカリバーそのものだろう?なぜ貴様がそれを持っている!?」
「ん?あぁコイツか?俺の主からの贈り物。紛い物の急造品より本物の方がお前には扱いやすいだろってくれたんだよ」
「 なんだと!?」
「じゃあそれは聖剣エクスカリバーそのものということかい?」
それを聞いて奴は心底嬉しそうに笑った
「クハハッ!違うよ。こんな闇色の刀身の剣がエクスカリバーなわけないでしょコイツは『邪聖剣ネクロカリバー』って言うらしいよ。もっともコイツは聖なるオーラなんて放ってないけどね」
それだけ言うと奴はバルパーの上に座った。
「じゃほら頑張りなよグレモリー眷属の皆さん。主の命令によりあんたらの闘いぶりを拝見させていただくよ」
「ふざけんな!!そんな言い分信じられるかよ!」
「うるさいね君は本当に主の指示がなかったら殺してるよ。本当に何たってこんなのが出来上がるんだか」
「イッセー?彼の事は放っておいて良いわ今はそれよりもやる事があるのだから」
「部長!でも!」
「イッセー、聞き分けなさい。今ここにいるのはあなただけじゃないのそれ以前に私達の目的を忘れたの?」
「いえ、はい。すみませんでした」
ああ、クソっなんでこうも思い通りにいかないんだよ!
《相棒、今の貴様はただ地団駄を踏んでいる餓鬼に見えるぞ》
(なんだって?)
《言葉の通りだ。お前は別に力がある訳でもない、何かの才能に長けている訳でも無い。強いて言うなら運に恵まれている位しか取り柄のない男だ》
(お前、俺のことバカにしてるのかよ)
《いや、客観的事実だ》
(もういいよ。話しかけないでくれ。)
《……………》
「あああぁぁっ!!」
気がつくと朱乃さんがやられていた。
俺、なんのためにこの場にいるのかな、必要なくね?いるだけなんだし。
「セー………ッセー………イッセー!!」
パチンと頬に痛みが走った
「部長?」
「何をぼーっとしているの!?死にたいのあなた!?」
ははっ何言ってんだ?部長瑚太郎が来るんだからどうせ誰も死なないでしょ
「大丈夫ですよ、瑚太郎が何とかしてくれますから」
「彼は今ここにはいないのだから私達で何とか抑えないといけないのだから戦ってるそうでしょう!?」
「いや、俺いる意味ないじゃないですか攻撃もせず、ただひたすら逃げて倍加を溜めるだけ讓渡もしてない。ほら意味ないじゃないですか」
「イッセー?どうしたのあなた?らしくないじゃない」
「部長が言ったんじゃないですか俺は今回補佐だってだからずっと倍加溜めて待ってるんじゃ無いですか。何か間違ったことしてます?」
「それは………」
「クハハハッ中々面白いことをしているじゃないか。仲間割れか?なら赤龍帝、どうだ俺と組まないか?望むものなんでもくれてやる。女も金も力も。望むもの全てを思うがままに」
「そうすれば『禁手』にも至れるのか?」
「当然だろうこれから戦争を始め、幾千幾万の敵と戦って行くんだ。至らない方がおかしい」
へぇ、闘えば『禁手』に至れるのかなら
「今ここで俺を『禁手』に至らせてくれよ。そしたら考えてやるよ」
「良かろう大事なお仲間が数人死んで主も壊されればお前とてここで『禁手』に至る事は容易だろう」
「イッセー馬鹿な事は止めなさい!」
「部長」
「何かしら?」
「どうして俺は『禁手』に至れないんですかね?」
「……分からないわ。何か強い想いが必要なのは確か。瑚太郎は器は完成してるからあと少しって言っていたから力量的には問題ないはずよ。ただあなたの今の気持ちじゃ至れないのは私にでも分かるわ」
「どうしてですか?」
「あなたが辛い、嫌だと思っていることから逃げているからよ」
「…………………」
みんな揃ってそれかよ別にトレーニングをしたところで眷属の中でも断トツで強いんだから別にいいだろ?瑚太郎との試合にも互角レベルで戦えてるんだから俺はもう強くなっただからこれ以上トレーニングはいらないだろ。
「おい赤龍帝の小僧これが見えるか?」
「あ?」
目を向けた瞬間コカビエルが槍を投げ放った
誰に?ボロボロになっていた子猫ちゃんにそうか
誰か失えば俺はきっと────
槍が当たる瞬間二つの黒い影が子猫ちゃんを覆った
そして槍は爆発。あたりは砂埃でなにも見えなくなった。
あぁ、コレが仲間を失うって事か………
思ったより何も感じないんだなぁ
じゃあ俺はどうしたら至れるんだよクソ
『禁手』に至れない事に内心悪態を着いていると
少しずつ砂埃が晴れていった。
作)あれ?コレイッセー闇堕ちしない?
瑚)え?イッセー闇堕ちするの!?
作)こんなはずでは……どこだ、どこで道を間違えたんだ!?
瑚)叩けば治るか
作)昔のテレビかよ!
瑚)愛のある拳の力で軌道修正してやる!