ハイスクールDxD 書き換える者    作:裕 紫翠

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どうも皆さまお久しぶりでございます
塩ふりナメクジこと紫翠でございます
お元気でしたでしょうか
まず私のことを覚えていらっしゃるでしょうか

投稿間隔が桁違いに空いた事に関しましては申し訳ないとしか言いようがないのですが。
理由としてはまぁちょっと一時期、精神的に死んでました
今はなんともありませんむしろ元気です。ハイ
人間ってあんなにも無気力になれるんだな〜って、感情表に出なくなるんだな〜って初めて思いました。ハイ
そして今更ですが台風も特に荒事にはなりませんでした。
ですが被害に合われた方々の復興が少しでも早く進まれることを切に願います。


さて長い長い前置きはまだちょっと続くんですが
今回の話ちょっと短く戻して見ました。具体的には7000ちょいです
リハビリも兼ねて面白い作品作りをして行ければなーと思います。
あとやっぱり木場くんの出番は………ゲフンゲフン
さてさてくだらない長話もここまでにして、それでは行ってみましょう

どぞ(⊃ ´ ꒳ ` )⊃


困惑と内心

〜数時間前〜

 

 

 

─イッセーside─

 

ゴクリと唾を飲み込む

足が震える、力の差を感じる

どうして?なんでだよって。

頭ん中はそればっかり、なのに

でもどうしても答えが出でこない、なんでこんなにも震えてんだよ俺

こんな奴よりも瑚太郎の方が何十倍も強えじゃねぇかって

分かってるのに、理解出来てるのに。

ちくしょうなんで動かねぇんだよ俺の足!

 

「ハッハッハ!どうした赤龍帝、足が震えてるようだが?先程までの威勢はどうしたほんの少し殺気を向けただけでこれか?まだそこに寝ている小娘の方が張合いがあったぞ、まぁコイツも震えていたがなぁ?」

 

昨日の夜フリードを見つけた後戦って、逃げられて、追いかけた三人とはぐれて、自分の弱さを痛感した。スグに追えなかった俺達は部長と会長に叱られた、心配された。降っていた雨が責め立てているように感じた。

 

少し前に部長の使い魔がイリナを見つけて駆け付けて、それでこのザマって俺今まで何してたんだよ!

睨み付ける、震えるからだで向けられた殺気に負けないように

「ほぉ、雑魚の癖に睨み返す程度の心は持ち合わせてるらしいな、まあ別に蟻に睨まれた所でなんとも思わないが」

「イッセー、落ち着きなさい今は彼女が最優先よ」

「そういうこったよ、イッセーくぅん?」

「フリード!てめぇ!」

イリナが倒れている所にずっと居続けたこのクソ神父、コッチの事分かったようにずけずけと言ってくる、弱点に成りうる場所を的確につく、憎たらしいやつだ。

「安心しろよ赤龍帝くん。彼女は気絶してるだけ、外傷も殆ど残ってない手もつけてない、強姦は俺の趣味じゃないんでね。ただ『擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)』は貰ったぜ?いいよな別にどうせ彼女には使いこなせてなかったわけだし」

そう言いながらやつは腕にまきつけたバングルを見覚えのある日本刀に形を変えた

「てめぇ!」

「あーそうだ、コカビエルの旦那自分で言う?俺が言う?どっちにする?」

俺なんてなんとも思っていない風にコカビエルに視線を向けた

「ふん、好きにしろ俺は奴と戦えればそれで充分だ、戦争まで発展すればなおいいんだがなぁ?」

「戦争ですって?」

「あぁ、そうですよ。グレモリーの時期当主様。旦那の根本的な欲は戦争による混乱と闘争そして戦うことに対しての愉悦これら全てを満たしたいがために戦争を吹っ掛けるんだってさ。聖剣もある、魔王の妹がいるそんなところで堕天使の主格が暴れるんだそりゃあ戦争にも発展するだろうね」

1000年前の戦争の続きをしたいんだとさと簡潔にまとめた。

「自分の欲のためだけに私たちの街で暴れようっていうの!?」

「そういう事になるね〜どうする?それともう一つこの街には『英雄』がいるそれを怒らせるにはどうするのが一番手っ取り早いと思う?」

「そいう事ね、はなから狙いは瑚太郎だったって事ね」

「そうでもないっすよ、言ったじゃないっすか───」

なんだ?雰囲気が…

「戦争がしてぇんだってさっきから何度も言ってるだろ?」

意図的に細められた目、トーンの落ちた声。どれも()()()()()()()()()もので恐怖に足がすくみ、声も、腰も弱く引けてしまっていた。

 

もっとも本人にはそんな自覚一切ないようだが

「あーあ、つまんね。旦那行きましょうぜ」

「貴様随分とおしゃべりなんだな、俺たちといてもあまり喋らないではないか」

「あはは、今そこ聞いちゃいますぅ〜?煽ってんですよ俺、コイツら雑魚共に全力で……」

「ふん、まあ貴様のことなどどうでもいい。リアス・グレモリー俺からも一つ教えておいてやろう。今夜貴様らの通う学園で聖剣の融合を行う。バルパーがどうしてもと言うのでな、それまでに力を『英雄』を連れてこいそうすれば俺とまともにやりえるだろう。一足先に待っているぞ」

そう言い残すと翼を広げて学園の方向に飛び去って行った。

「そういうこった、精々頑張れよ赤龍帝くん」

それだけ言うとフリードもいなくなってしまった。

 

「何なんだよ」

「学園で聖剣の融合ですって?ソーナ」

「はい、分かっています急ぎましょう、融合の完成にはまだ時間があるとはいえ完成してしまってからでは遅いでしょう。あの白髪の男に聖剣が渡る事は勿論、何より完成だけでは済まされないはずでしょうから」

「戦争……ですか」

「ええ、そうね。本当にそうなりかねないわ。……瑚太郎はいまどこに居るのかしら?」

「部長も知らないんですか?」

こんな時こそ瑚太郎の出番だろ、何してんだよ

すっげー力でまた皆救っちまうのが瑚太郎なんだ、どうせ今回もそうなる

「ええ、少し出てくるって書き置きが置いてあったのだけれど、瑚太郎の事だからまたどこかで誰かを救っているんだと思うんだけどね?少し心配だわ………それよりもソーナ、紫藤さんをお願い」

「ええ、椿。あなたの家で少し寝かせて置いてください。まだしばらくこのままでしょうし。私たちはこのまま学園に向かいます。椿は彼女の容態の確認ができ次第こちらに合流。行きますよ皆さん」

「「「はいっ!」」」

 

「朱乃、子猫、イッセー私達も行くわよ瑚太郎が帰って来るこの街に戦争なんて起こさせはしないわ!」

「了解ですわ!」

「はいです」

「はい!部長!」

「よっしゃー!やってやりましょう部長!」

いつもの通り元気よく返事を返した。しかし

何なんだよこの気持ち、クソっ気分わりぃな

 

内心、自分の感情ばかりに手一杯で何も出来ない、恐怖で震えているこんな奴がどうしたって他の人を救えるんだよ!

『随分と荒れているな相棒』

(んだよドライグ)

『いや何、昨日も言ったがお前は奴を少々美化しすぎていると言うことと自分を過大評価し過ぎているぞ』

(美化ってなんだよ瑚太郎は十分凄いやつじゃねえか、俺はそれに届くことが───)

『そこだ、そこなんだよお前さんが全く成長しない理由』

(は?)

なんだよ、どういう事だよそれ。

()の瑚太郎に俺の力は届いてるじゃないか、だったら俺があのくらいでびびってちゃおかしいだろ?

『奴も自分の弟子には甘くなるという事だ。一ついい事を教えてやる、相棒今のお前じゃアイツの本気の殺気を向けられただけで気絶するぞ』

(何言ってんだよ俺が気絶?そんなのありえない)

『理解したくないのならそれでも構わん。だが、忠告はしたぞ』

(ああそうかよ、そんなに俺は弱いのかよ。瑚太郎の全力だって俺は耐えられるんだ、だったらあのクソ堕天使にだって勝ってやるよ)

『…………』

 

〜駒王学園〜

「うおっ、もう結界が張られてる」

「流石、ソーナとその眷属ね。辺りも暗くなっているしこの程度なら当然じゃないかしら。それよりも」

「お待ちしていました、リアス」

「ええ、少し時間がかかったわごめんなさいね」

こうして見ると部長と会長って本当に幼馴染なんだなぁって思った。会話や態度が俺たちといる時よりもリラックスしてる様にも見える。瑚太郎と一緒にいる時ってどんなかんじなんだろうな部長って

「会長、ただいま戻りました」

「部長さん、私も戻りました」

っと部長と会長をボーッと眺めてたら副会長とアーシアが戻って来た。

「お疲れ様です、椿。それで彼女の容態は?」

「はい、アルジェントさんの宝具のお陰で傷は癒すことが出来ました。まだ眠っていますが呼吸も安定しているのでじきに目を覚ますかと」

「そう、それは良かった。アルジェントさんありがとうございました」

「いえいえ、イッセーさんの幼馴染さんですから、それに困った時は助け合いです。私に出来るのはこれくらいなので」

「それが凄いのですが…いえ、それよりもリアス。今回の件、あなたのお兄様、ルシファー様に連絡をした方が良いのではないですか?」

「お兄様の助けなんて必要ないわ。私の街よこれくらい自分で何とか出来るわ」

「しかし、いくらなんでもこれはあなた一人で解決出来──「ご安心ください、会長。」」

「朱乃?」

「もう魔王ルシファー様に打診致しましたわ」

「朱乃!!勝手に───」

 

俺にはよく分からないけど部長達も部長達で大変なんだな。

よし!俺も俺で気合いいれてくか!

 

話し合いでまとまったのか会長たち生徒会組が結界担当

俺たちとオカ研組はコカビエル討伐という事になった。

やってやる!勝つのは俺たちとオカルト研究部だ!

 

「この戦いはオフェンスよ、ゲームの時と違う間違いなく命懸けの戦いになるわ」

そうだ、この戦いはゲームじゃない。大怪我したら転移なんてないんだ

「だけど私達が負けることは許されないわ、お兄様達の軍勢が来るまでの1時間なんとしても持ちこたえるのよ。そして生きてこの学校に通うわよ!」

 

「「「「はい!!」」」」

よし、ならコカビエルは俺が───

「イッセーあなたは今回サポートに徹してちょうだい」

「───はい。分かりました任せてください!全力でサポートしますよ」

なんで?なんで俺じゃないんだ?

この街を守るための戦いだろ?

この中で俺が一番強いんじゃないのか?

それともまだ『禁手』に至ってないからなのか?

クソっなんだってこんな時に限って俺がサポートなんだよ!

『相棒、最近基礎トレしてるか?』

(なんだよ、なんなんだよ急に。してねぇよ悪いかよ)

『お前は自分がどいういう存在だか忘れてはいないか』

(はあ?天王寺 瑚太郎の弟子でリアス・グレモリー様の『兵士』で今代の『赤龍帝』だろ?それがどうした)

『間違ってはいない、だが足りんな。お前自分が努力をする事で伸びる人間だと言うことを忘れているんじゃないか』

(……それがどう関係あるんだよ)

『お前最後に特訓したの何時だ』

(……………)

『それが成長しない答えだ、奴はお前の事を信じていたようだがな、自主トレしてるって』

「イッセー?行くわよ、今回の戦いあなたに掛かっているのだから。頑張りなさい」

「はい、任せてくださいよ。俺頑張ります!」

(うるせえ、瑚太郎がいなくたって俺が何とかしてみせる)

 

「待ちくたびれたぞリアス・グレモリー、それで?誰が来る?『英雄』か?魔王ルシファーか?それともレヴィアタンか?」

「いいえ、この私リアス・グレモリーとその眷属が相手になるわ!」

 

「チッ」

軽い舌打ちと共に見たこともないサイズの光の槍が体育館に放たれそして

 

ズドオオオン!!と轟音と暴風が吹き荒れ体育館を消し飛ばした。

 

な、なんだよあれ、あんなの一撃でも食らったら終わりじゃねぇかよ。

あんな大きさの光の槍は初めてだ。見たのも、感じ取った悪寒もどれもこれも別格で『恐怖』の意味を初めて理解させられた気がした。

『なんだ相棒、ビビってるのか?』

(当たり前だ、あんな光の槍。掠っただけで消し飛んじまう)

『じゃあ逃げるか?』

(はぁ?何言ってんだ、アイツは()が倒す)

『そうか。今更だが神器の調整自体はとっくに済んでいるぞその気になれば何時でも『禁手《バランス・ブレイカー》』に至れる筈なんだがな』

(俺も瑚太郎みたいに『禁手』使えるってことか?)

『……いや、今の相棒では無理だな、致命的に足りていない』

(………どういうことだよ、何が足りないってんだよ)

『そのうち分かる、奴がここに現れた時に聞いてみるといい。俺には何が足りないんだ、とな』

結局『禁手』は使えねぇってことかよクソ。

まあいい、そんなの無くても天流と『赤龍帝の籠手』だけで勝つ

 

「つまらん、が。まぁいいどうせ奴も来るのだろう。この街が無くなりさえすれば。そうだな、聖剣が一つになるまでまだ時間はある、余興として楽しませて貰おう」

 

そう言うとコカビエルは魔法陣から三つ首の犬を呼び出した

「ケルベロスだ地獄の番犬とも呼ばれているが、こいつは少しばかり出来が違うものでなぁ」

そうニタニタと笑いながら続けるコカビエル

部長達の様子も少しおかしかった。

「確かにケルベロスみたいだけど、アレは……?」

「炎は元より氷に雷をも纏うケルベロス等聞いたことがありませんわ!?」

「くくくっ、そうだろう。俺も初めて見た時は驚いたものだ、他属性を同時に使いこなし、さらに通常のケルベロスよりも遥かに強靭な肉体を持つこんな犬が存在するなどと夢にも思わなかったさ」

何処か不快の混じる笑みに変わりながらも口調は先程と変わらずずっと楽しそうなままだった

「これを譲ってくれたアイツらには感謝しかないな、残ったのはこの1匹だけだったがそれでも十分に楽しめた。さぁ、お前たちはこいつでどう遊ぶんだ?この俺を楽しませてみろ」

あくまで余興なのだろうどちらが死のうがどちらが生きようが別にどうでも良いのだろう1つ確かなことはコカビエルの瞳は誰も映していなかった。

 

「相手の能力は未知数だけどやるしかないわね。……イッセーは力を貯めてちょうだい、朱乃は私と魔法攻撃、小猫は打撃で少しずつでもアレの体力を減らしなさい祐斗……はいないのよね、アーシア全力で逃げなさいもし私たちが怪我をした時はフォローお願い」

「了解です部長」

「はい、部長」

「はい」

「分かりました部長さん」

 

「コカビエルの前にまずあの大きな犬を討つわよ!」

「「「「了解(しました)!!」」」」

 

─コカビエルside─

つまらなかった、退屈だった。

神が死に、魔王も死に、戦争が終わって。

戦いに酔いしれることでしか、心を癒せなくなって

あの時見た輝きが強すぎて、昔の様な生活に戻れなくなった

以来、ずっと争いを戦いを求めた。この心の渇きを癒すために

昔は泣いていた気もする、愛する誰かを失って、心通わせた仲間を失って。人らしい感情など持ち合わせていた事もきっとあったのだろう。でもそれすらも壊れてしまった。

殺しに溺れた。

何故?殺さなければいけなかったから

何故?死にたく無かったから。

何故?仲間が殺されるのは嫌だったから。

どこかで歪んで

何故?殺しは愉しいから

何故?戦場こそが俺の生きる場であるから

何故?殺しすぎた者は殺されるべきだと思っていたから

 

でも何時だったかそんな心の渇きを癒すことの出来る変わり者がやってきた。随分と髪の白いけどその割に若い男だった。

奴は人間らしく、あまり長生きは出来ないんだろうなと笑っていた。

不思議な男だったよ、こんな戦争狂の所にまで足げく通って、話をする為にだとか、飯作ってきたとか、ヴァーリの遊び相手になれだとか、自分勝手に他人(ヒト)に踏み込んで来てペースを乱していつの間にか乗せられていて、気が付けば戦いとは無縁な生活に幸せを感じられる様にもなって、案外子供も悪くないもんだとも思わせられた。

正直笑ったな、あんなにも毎日戦争狂戦争と言い続けたこの俺が『平穏な日常』っていいなってポツリと呟くなんて、隣で一緒に座って茶を飲んでたアザゼルとシェムハザの顔と言ったらそれはもう。

アザゼルに至っては湯のみを足に落として足を火傷してたしな、あの頃は殺しなんて微塵も出て来なかった気がする何でなんだろうな。そう言えば時々朱乃もウチに来ていたな、日本家屋をモチーフにしていたからかバラキエルと朱璃と3人で遊びに来ていたな。本当なんであんなにもつまらない平穏な日常とやらを謳歌していたのだろうか。どうして俺はこんなにもまた戦争に狂っているのだろうか。

何故だろう、()()()()()()

 

そうそう、その白髪の人間なんだが何度か戦っている。そして俺はその全てに悉く負けている

初めて戦った時、何故か戦争時代に戻った様な感覚に陥った。不思議だった、特に鮮烈に思い出せるのはあの時、あの瞬間、唯振り下ろしただけの一撃で赤龍帝を殺害し堕天使である俺の眼を持ってしても捉えることの出来ない速さで飛行し遥かに上空で戦闘を行っていた筈の白龍皇を灰の塊として落下させた。あの蒼白の鎧に紅黒の右腕を持つ存在。アレに似た何かを感じ取った。そいつと戦う度に強くなっていくことを自覚したし、何か目標の様な物を見いだせた様な気もした。

だけどナニかと出会ってそれすらも失ってしまったような気もする。それがなんだったかは思い出せないが、特異ケルベロスを手に入れた時と同時だった気もする。

唐突の二択だった。何かを失った喪失感に向かって行くのか。

体のいい玩具を手に入れて好きな様に殺しが出来る喜びに浸るのか。

俺は後者を取っただから今こうなっている。

恐らく、と言うよりも間違いなく。俺はもう元には戻れない。

聖書に記された堕天使というのは幸か不幸か強すぎる。

失ったり欠けたりしたものが多すぎて余計な物を見にまとい過ぎたんだ。そんな中で俺がこうなっても、変えられてしまったと頭で理解していても自分ではどうすることも出来ない、もうこれが当たり前になってしまっているから。アザゼルには悪いことをしたな、奴がいた数年で俺は随分と変われたのに、またこんな戦争狂に堕ちてしまった。

全く持って不甲斐ない。

アザゼルは気づいているだろうか、この俺の心境を。アイツにもう一度出会うことが出来れば俺はまた元に戻れるのだろうか。あのミジンコ()()は成長出来たのだろうか。そうあって欲しい。

これが最後、いや最期になるんだ。アザゼルなら必ず俺をコキュートスに落とす、そうなればお終いだ。最後の現世だ派手に暴れたっていいだろう?

それにこの街には、かの有名な鈴木 凡人がいるらしいじゃないか。どうせ終わるのなら存在その物が最強と呼ばれる奴に殺されて終わりたい。『英雄』相手に死ねるのなら本望だ

しかしこれは理想だ。独白だ。

だがこの理想は最期の一瞬まで持っていようじゃないか、唯一俺にだけ真名を明かしたあの白髪の俺の友人に、あの日語らった夢を叶えるために『真理』苗字とか言うそんなものは忘れてしまった。けれどもこの俺様を、戦争狂を、一瞬たりともでそらすことの出来たその名にもう一度出会いと思うこの気持ちは傲慢だろうか。

『約束』は守る。死ぬと決めた時は自分のやりたい事だけを真っ直ぐ貫き通す。今この瞬間にお前の言葉を借りるならば、そうだな。

「邪魔をするなら立ちはだかるモノ全て壊して(殺して)やる」

 

そう決めた所で何か飛んできた。滅びの魔力か、大したことの無い威力だな。

魔力を最低限の質で量だけを多めに放出しながら飛んできたソレを片手でうち払った

 




瑚)音速飛行じゃあ!!
ブ瑚)急いでる癖にテンション高いなぁ、あとブ瑚に落ち着いたんだな
瑚)くっこの短期間でまたも動悸、嫌な予感がするなんて。ついてない
ブ瑚)大きな力の流れは駒王町に集まってる。一つだけかなりデカイな
瑚)コカビエルか!クソっ頑張って戦争狂から足を洗わせたのにどうしてまた戦争なんて……はっ!まさか最近構って貰えないからいじけて拗ねてるんじゃ!
ブ瑚)あー、なくも無いな
瑚)コカビエル置いて遊びに行くといじけるもんなアイツ
ブ瑚)アザゼルよく笑ってたしな、それ見て
瑚)しかしこちらにはノートブックと言う対アザゼルよう黒歴爆弾があるのだ。もちろん後から連れてきてもらったりもしたぞ、こコカビエルれ使って
ブ瑚)みんなで遊んだ方が楽しいはコカビエルにも通用したしな
瑚)まぁ若干洗脳臭いことはしたよね
ブ瑚)…………俺は何も見なかった
瑚)あぁ、お前でもそういう反応になるんだ
ブ瑚)知り合いのSMプレイ動画を延々と流されて、耳元で『戦争はいけないみんなで遊ぶ方が楽しい』とひたすら言われ続けて誰が正気を保っていられるんだ。むしろ普通に戻ったコカビエルがおかしい。
瑚)あ、やっぱり?
ブ瑚)その自覚はあったんだな………
瑚)てへっ
ブ瑚)褒めてねぇよ!可愛くもねぇよ!

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