ハイスクールDxD 書き換える者    作:裕 紫翠

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どうも皆さん覚えていらっしゃるでしょうか?
投稿遅いナメクジこと紫翠でございます。

さて唐突にしてどうでもいい事なのですが足の指のパックリ割れが治りませんヒビ〇ア塗ってもまた割れます。どうしたらいいでしょうかね?

さて割れ指ナメクジ話などゴミ箱にポイッしてしまい
お話の方に逝きましょう!(誤字にあらず)
今回は主題の方のタイトルに関する事でどうしてそうなったのかがわかりやすいんじゃないかな?と思っています。

ではでは長い前置きはここまでにして
どぞ(っ´∀`)っ


停滞する者、破壊する者

「よいしょ。っと」

サンタブローシア平安園。アサヒ ハルカがいたという孤児院だ。

流石に歩いて来るのは無茶があったな。体力的にも精神的にも歩きは辛かった。

今、俺は孤児院の門。にしては大袈裟過ぎるであろう柵を飛び越えた所だ。中に入って思った事と言えば。

ここが本当に孤児院であった。子供たちが元気に遊んでいたと言う過去が存在しているということ。

長く使われていないであろう遊具達から、若干の寂しさと使われていたという現実を感じたからそう思った。

 

教会、礼拝堂。目に付く中でも一番デカいその建物は、所々に苔が生えていたり、横から伸びてきた木々に囲まれて狭そうにしていても、しかしその存在感は意識せずともハッキリと示されるくらい大きなものだった。………それから漏れ出る毒の気配もあの教会は段違いに大きかった。

「入ってみるか、せっかくだし」

いつもより少しダルく()()()()()身体を引きずって教会の中へ入って行く。風邪なんてこの体になってから引いたこと無いんだけどな。と内心でぶつくさ言いながらも足を進めていく。毒であって風邪ではないんだけど体感的なだるさは“酷い風邪”そんな感じだった

教会の奥。礼拝堂のステンドグラスの下。

吊り下げられるタイプのもので、額のサイズこそは違うがそれでも沢山の笑顔の咲いた写真が幾つも飾られていた。

 

この孤児院で生活していた子供たちの写真だろう。

岸田と言う男の子は見つけた。

「アサヒ ハルカは………」

唐突だった。何の突拍子もなく写真を吊るしていた額のガラスが割れた。……いや、語弊があるなごく僅かだが、ガラスが割れる寸前、空気が振動した。超音波振動ってやつだと思う。普通の人間じゃまず感知なんて出来やしない。

 

そして、ガラスが割れたという事は………

「見つけたぜ。アサヒ ハルカ───いや、今は此花 ルチアで名乗ってるんだったな」

「よく私がアサヒ ハルカだと分かったな、瑚太郎。流石は『大英雄』鈴木 凡人と言うわけか」

やっと包み隠さず本心のまま俺の前に現れてくれた。

「まぁな、始めから全部分かってた。と言ってやりたい所だが。確信を持ったのはコレだ」

そう言って吉野に貰ったプリントのコピーを見せる

「名簿?」

「そう、名簿。この名簿は俺が吉野から貰ったものでコレを持っているのは俺、吉野、ルチアの3人。その上このメモの中には一人だけこの住所に住んでいない人物がいた。にも関わらずその家でもガラスは割れた。おかしいだろ?呪いが間違えるなんて普通はありえない。ここまで言えば大体察しは付くだろう?」

「ほとんど全部言ってるんだが……なるほど、つまらんミスをしたものだな」

 

「俺がコピー機を使おうと割り込んだ時、何をコピーしたのかログを確認したんじゃないか?それで俺が何を調べようとしているのかを知った。だから止めようとした。俺はそう考察したけど違うのか?唯ガラスを割った件については考察が足りない。ある程度当たりは付けてあるけどな」

「そうだ、ガラスを割ったのもわたしの力だ。触れること無くガラスを割るくらい造作もない。そしてこの地に未だ蔓延るこの毒も私の力によるものだ」

無感動、表情にあまり起伏が見られない。

全力で感情を押し殺して自分を偽っているのか、それとも本気でなんとも思っていないのか。まぁルチアは考える間もなく前者だろう。『俺』とは違う彼女は心優しい女の子なんだから

「一つ質問、だ。どうして、こんな事を?」

…………苦しくなってきたな

「無論お前の調査を妨害するためだ。警告文を偽装したのも、ガラスを割ったのも、全てお前を止めるためにした事だ。でもお前は()めなかった。生きている物に触れる事の出来ない私に近づこうとした。思えばずっとそうだった、一年の時に私と初めて会った時でさえ、潔癖として避けているという(てい)を、ぶち壊して来てくれたのだからな」

あの時は大変だったんだぞ。とルチアの口から少し愚痴が溢れた。

吐く息が少しずつ細くなって来たように感じる…………

「私とて産まれた時は普通だった。だがある所で『そういうモノ』に生まれ変わった。変えられてしまったんだ

「そういうモノ?」

「今の瑚太郎に話した所で解決出来るような事じゃない。私はこの忌まわしい過去とその正体を知られたくなかっただけだった。それからお前はアサヒ ハルカを助けたいと言ったが私にそんな資格はない。昔、鈴木 凡人の神話での話を聞いた時思ってしまったんだどうして私は『英雄』に助けて貰えないの?どうして助けに来ないの?って 」

「─────っ!!」

ルチアはそこまで思い詰めていたのか、それを考えれば早い段階で気が付くべきだったあの時アレを殺した時に、あの組織(ガイア)を潰した時に…………あれ?

「だからそんな私に──」

 

 

ドサッ

 

 

ち、力が抜けた。もう全身に毒が回ってんのか。少なくとも足は死んでいる、片膝を着けたのは奇跡に近い。

全身から油脂が吹き出て、呼吸も浅い。何より壊死したかの様に下半身に力が入らない。毒の回る位置調整位は出来たものの脚に負担をかけ過ぎた。原因は分かってる。右手昨日ルチアに手を払われた部分だ。

「瑚太郎!?────っ!!!」

右半身は完全に死んだな、くそっ痛え。

朧気な視界の中に右手が収まる。紫色、内出血の色?まぁ青くなってるのだろう。凄い色だ

「すまない瑚太郎。私は、私はまた──「待てよルチア」瑚太郎?」

「俺を誰だと思ってる?『英雄』だぞ?お前自信が言ったんだぞ『大英雄』だって、ハァ。本当は助けて欲しかったんだろう?すまなかった、俺の、手が届かなくて。はァ、ハぁ」

「もういい、喋るな!直ぐに病院へ………いや、そこまで毒が回ってしまえばもう────」

勿体つけ過ぎると死ぬなコレ。ははっ。簡潔に単刀直入に………

「ルチア、鈴木 凡人として単刀直入に聞く。俺にお前の《世界》救って欲しいか?」

「あぁ。頼む。お願いします。神様どうか。瑚太郎を助けて下さい! ……」

聴こえてねぇな。自責の念でいっぱいか………

ならもう本気で書き換えを────

 

ガギリ

 

「───────!!?」

しかし時計の針は動かない。固定されたかの様に、石にされたかの様に、錆び付いた時計は動こうとしなかった。

──なんでだ!?

クソっ。このままじゃ不味い!なんで、どうして動かないんだ!?

 

 

 

『ドアホ』

声が聞こえた。俺が嫌う《俺》の声が………

『ど阿呆、自分の力くらい自分でコントロールしろバカが。気に入らないんだろ?この結末が。だったら変えちまえよ、そんなクソルート(結末)『俺』が望んだ世界の形に』

ほらこの力はこうやって使うんだよ!と荒っぽくて、無愛想で、意地悪な癖に自分のことを1番に考える。《俺》は強ぇなって思った。そして俺はやっぱり《俺》が嫌いだ。

「─────っ!!」

全身に力が籠る、死んだはずの半身に熱が灯る。錆び付いた時計の針は少しずつ回り始め。そして1度付いた勢いに乗り───

「こ、瑚太郎?」

「──────っ!!!!!」

───狂った様に回り廻る

自分を書き換える、先に進む。アクセルを踏んだようなこの気分。ほんとうに久々だ。これでまた人間から離れてしまった。

でも大切な友をコレで繋ぐ事が出来るようになるはずだ。

書き換えろ、俺の肉体をこの毒を受け入れることの出来る身体を。この毒を全て()()身体を。書き換えるんだ、ルチアの悲しまないですむ世界になる様に

「綺麗だ────」

生命の輝きが綺麗で無いはずがない。それが例え醜いものであったとしても、憎き相手であっても、それが大切な人物であれば尚更だ。

 

小さかった火種は、命を糧に少しずつ大きく広がり、やがて全身を覆い尽くす。生きた火種が身体を癒すと身体は毒に適応し、そしてソレを身体の内に蓄えるように周囲の毒にも広がり始める。

ルチアの見た命の輝きはコレだ。広がり続ける大きな火種は、例えるならそうオーロラの様に広がる。1()()を除いて全ての毒を覆い尽くすとその全ては俺に集約された。

 

全身の虚脱感、痛み、吐き気、その他もろもろ。全て消えた。あるのは能力による一時的な万能感と能力しようによる疲労感

コレで()()方は完璧だな。

「いっつつ。よい、しょっと。これで此花 ルチアの───いや、そうだな、旭 春花の。二人の世界、受け入れたぜ。ルチア」

立ち上がり手を差し出す

「お、お前。何ともないのか?」

「ああ、ルチア風に言うなら俺は『そういうモノ』だ。英雄なんて呼ばれてるのは伊達じゃない」

「そんな、有り得ん、これは、奇跡だ」

恐る恐る俺の手を取りその嬉しさのあまり泣き出すルチア。…………まだだ、終わりにはしない。

「ここは礼拝堂だ。奇跡の一つや二つ起きたって不思議じゃ無いだろう?」

ルチアの手を握り思い切り引き寄せる。

「うあぁ!こ、こ、コた、瑚太郎!?何をする!?」

ギュッと抱き締め離さない、離れることのないようにと力強く、でもルチアの痛がらない強さで抱き締める。人の温もりを全身に感じられるように優しく包み込むように

「もう一つくらい奇跡起こしてもバチは当たらないよな?」

「何を言って───?」

もう一度、時計の針を回し始める。

今度は俺の為じゃない、ルチアの為に。

「まて、まて瑚太郎。お前一体私に何をしているんだ!!」

「大丈夫。全部俺が持つ」

「だから何を言って───くぅっ!身体が熱い!」

その体質が、毒を生み出さなければ生きていけないというのなら。俺はそれをぶち壊す。壊してそれを創り直す。この力で上書きしてしまえばいい。俺は俺自身に対して諦めてしまった『停滞』してしまった。でも誰かのために、今この抱き締めている彼女の為に『生命』を使う。

書き換えるんだ。この《世界》を俺の望む、彼女の夢見た『物語』へと《停滞した(とまった)》俺に出来ることは他の誰かを送ること、例えその先で迷ったとしても歩いて行けるように誰かの架け橋に、道になる事。だからこの《体質》を自在に扱うことの出来る『能力』へと進化させればいい。体質がマイナスならそれを自分の意思で扱うことの出来るようになった『能力』はプラスになるはずだ。そして彼女の根底にある楔ソレを()()()()()この力で見えたもの。この力で知り得た彼女を書き換える。そうする事で《未来》を『現在』にする事で彼女が苦しまなくても良いのであればこの命。惜しげも無く差し出させて貰おう!

アクセル踏みっぱなしのこの能力は進むことしか出来ない。もう戻ることは出来ない。それでもきっとこの能力ならば彼女の望みが叶うことになると信じて。

 

「『書き換え完了』此花 ルチア。………コレでもう自分の毒に怯えなくていい、必要な時だけ使えばいい、だからもう大丈夫」

抱きしめ続けた彼女を離しすぐそこの長椅子に座らせる。

まだ少し顔が紅い気がするが恥ずかしかったんだろう、少し悪いことした気分だが。──ルチアのしている手袋を奪った。

今まであまり日に当たって来なかったというのもあるのだろう。きめ細やかな肌、健康的で女の子特有の不思議な柔らかさを持つ綺麗な白い手だった。

どうしてこんなにも美しい肌が毒を帯びたのかはまた後々調べる事にするとして。彼女の手をそっと自分の頬へ近づける

「だ、ダメだ!私の手に触れては、手に触れたら────へ?」

ルチア手は完全に俺の顔に付いているにも関わらず毒に犯される様子もなく、まして紫色の痣が出来るなんてことも無かった。

「な?もう大丈夫だろ?お前は──ルチアは汚れてなんかいない。こんなにも清廉で綺麗のにどうして汚れてるなんて言えるんだ?」

「なん、で……私の手は、毒は………」

俺に出来たのはここまで、どう足掻いたところでルチアから毒を消し飛ばすことは出来なかった。その代わり『能力』という別の形に置き換え完全に制御出来る様にした。それがどういうことを意味するのか分からないルチアでは無いはずだ。今は混乱していたとしてもだ。

「もう手袋なんていらないよ、俺達に気を使って壁を作る必要もないよ。ただ、此花 ルチアとして俺達の友達として過ごしてくれよ。そもそも一人ぼっちなんかじゃなかっただろう。静流がいる、オカ研の皆がいる」

「しかし、ちはやとは喧嘩をしてしまった」

少し笑いそうになってしまった。そこでちはやが出てくるのか、同じクラスなのにまだ仲直りしてなかったんだな。

「んなこといつまでも気にしてんなよ、自分が悪いと思うんだったら謝ればいいだけの話だろ?それに向こうだってきっと悪いと思ってる」

「そ、そうだな瑚太郎。その──」

「1人で行くのが怖いんだったら俺も一緒について行ってやるよ。なんせ俺はルチアの友達だからな、他にもなんかあったら言ってくれよ俺に出来ることなら手伝うよ」

「ああ、ありがとう」

さっきは強引に手を引いたが今度はルチアからそっと寄り添うように顔を隠すように抱き着いてきた。きっと嬉しかったのだろう、と信じて俺もそっと抱き締め返した。

コレでルチアは大丈夫だろう。もう悲しまなくてもいいはずだ、これからはルチアの生きたいようにやりたいようにすればいい。

一つ問題となりそうなのはこの毒を切り離した事でルチアにどういう影響が現れるかだ。確かにルチアの()()()()()を《未来》から『現在』にする事は出来た。特に問題にはならないはずだがもし仮にルチアがこの毒を持つ理由となった出来事にもう一度遭ってしまえば、また同じ事の繰り返しになってしまう。そんな事にはならないように俺はルチアを支えないといけないと思う。後は仲直り───

 

バンッ!

 

教会の扉が強引に力強く開かれた。

……蹴破られたワケではなさそうだけど。ルチアの言っていた毒が残っているという言葉は事実だったのだろう。全身を防護服に包み、随分と重装備の中で教会には似つかわしく無い銃火器も備えていた。

あまりの仰々しい装備の集団に対しこちらも少し力が籠る

腕の中にいるルチアをステンドグラス側に引き寄せ、視線を逸らさないまま殺気を込めて睨み返す。

 

カチャリ

 

と銃をこちらに向けて構える音がした。

そうか、そちらがそういう態度であるのならばコッチは───

「瑚太郎、大丈夫だ、彼らは味方だ」

腕の中から聞こえた声に従い殺気を抑えた。視線はルチアの方へ

「そうなのか?」

「ああ」

あのままルチアに制止の声を掛けられていなければこちらに銃口を向けている集団の灰と氷漬けの像が出来上がっていたかもしれない。或は…………

「あらあら、青春ね」

「………先生」

「はぁい、天王寺くんこの毒の瘴気の中どうしてそんなに元気なの?って聞いてあげたい所だけど───この汚染された地域が正常な森に還ってるのよ、どうしてか知ってるかしら?」

 

急にトーンの下がった先生の声。そこに含まれていたのは明確な殺気と疑心。生徒である俺をギリギリまで信頼しようとしてくれている。それが痛いほど視線に込められていた。だが──

「先生、話す前に後ろ下げて貰ってもいいですか?じゃないとオチツカナイんですよね」

後ろの連中は警告や意識付けで殺意を向けている訳じゃ無いから、隙があれば許可が下りれば何時でも撃つつもりだろう。だけどそんなことはさせない、そんなこと俺が許すはずが無いだろう。旭 春花の思い出の残るこの場所を血と硝煙で汚すなど万死に値する

「……ええ良いわよ、下がりなさい彼は私の大事な生徒の1人だもの私が責任を持って処理するわ」

『了解』という短い返答のみを残し教会から武装集団は出ていった。

 

「さて、天王寺くん?どうして貴方がここに居るのか説明してくれるかしら?」

「勿論です露払いありがとうございます」

軽くお礼をした後に抱き締めたルチアをそのままに、ここに至るまでの経緯を話した。少し嘘もついた、先生には悪いがこの能力(リライト能力)を詳しく説明する訳にはいかない。

「なるほどね〜、天王寺くんがあの鈴木 凡人だったとはね〜」

「おかしいでしょ1000年も前の人物が目の前にいるなんて」

「いや、そんな事は無いけどちょっと以外だったなぁ〜って思っただけよ。上位天使、悪魔、堕天使には1000年くらい生きてる奴なんて結構いるもの、それよりも自分のこんな近くに伝説の使徒がいるなんて思わなかったわ。教会では神の使わせた『この世の希望にして最強の使徒(セイント・オブ・ゴッド)』っていう扱いだし」

「誰だよその聖人君子みたいな称号持ってるやつ!?」

いや、俺だよ知ってるよ。分かっちゃいたけど精神的に大ダメージを負ったのだが?

知り合いにこんなものを目の前で本人に向かって言わせるとかどんな罰ゲームだよ。言ってる本人はなんとも思ってないのがまた刺さるし

「あら他にも────」

「ヤメテ!それ以上言わなくていいから!」

「あらそう?まぁとりあえず話しておくけどこの件に関しては他言無用でお願いするわ。もし黙っている自信が無いのなら記憶の方を……って普通なら言うんだけど、『英雄』だしその必要は無いでしょうね。というよりもそんな事したら私たちが教会本部から消されかねないわ」

信徒というよりも戦闘集団という扱いからか、尻尾切りもよくあるらしい。熾天使組に繋がりのある人間はそれなりに優遇はされるらしいが。そこはそれ、という事で俺は関係ない。深くは聞かなかった。面倒だし

 

とりあえず、コレで毒に苛まれる少女を助けることが出来たかな?

あぁ〜疲れた。全身の痛みから解放はされたものの疲れだけはまだ体に残っていて気怠い。ルチアに関して詳しい検査は『守護者(ガーディアン)』がしてくれるだろ。

疲れているせいか、少しばかりの寒気と動悸がする。

昨日から鳴り止まないこの動悸………あ?

 

昨日から?毒は消した。じゃあなんで?どうして?

待て、もしかして昨日から感じてた動悸と嫌な予感って─────。

「すいません。先生後で学校で合流しましょう!リアス達が危ない!!────『纏え刻翼(バランス・ブレイク)!』」

 

─ルチアside─

「──『纏え刻翼!』」

慌ただしく吠えたかと思うと次の瞬間には既に教会の外にいて。

霊言だよろうか、『まとえこくよく』と叫んだ直後に黒いなナニカが全身を覆って飛び去ってしまった

「えっ、ちょっと瑚太郎くん?待って、待なさ───行っちゃった」

急に飛び出して行ったのは流石に西九条さんでも予想外だった様だけど。どういう訳か何処か懐かしむ様な慈しむような瞳で瑚太郎の方を見つめていた。

数秒だろうか、私と西九条さんが瑚太郎の飛んで言った方を見つめていたのは、気がつけば日はもう傾いていて夜に落ち込もうとしていた。どれくらいここにいたのだろうか。短い時間しかいなかったように思っていた。けど不思議と時間が経っていて流れた時間の幸せで、もう嫌な思い出は私を蝕もうとはしなかった。

『守護者』の病院へ向かう途中西九条さんにこんな事を聞かれた

「ルチアちゃん。知ってたの?彼が『英雄』鈴木 凡人ってこと」

「ええ、まぁ本人から直接。研究会と研究部のみんなは知ってますよ」

以外だった、教会の時にも思ったけど西九条さん。瑚太郎の事をよく知っているものだと思っていた。でも彼女の反応は明らかにあの場で初めて『英雄』である事を聞いた反応でかく言う私も初めて聞いた時はそんな感じだったと覚えているから。じゃあ西九条さんが瑚太郎に向けているあの()()()()()()()()何処か痛みの伴った視線は何なんだろうか

「そう言えば、朱音さんから何の報告もなかったんですか?あの人、私たちの中で一番早く瑚太郎に出会ってたのに」

「うん、凄くいい子がきたっていうのは知ってたけど。私自身正直唯の名義貸しだから詳しい活動内容とか知らないのよね〜。なんで研究部と合併しないのかしらね?本当に」

今度私も部活参加しようかしら?とそういう西九条さんはとても生き生きとしてとても先生と言う感じがした。だからだろうか何時もは他人行儀に近いのに、その時だけは

「それもいいかもしれませんね。西九条()()

と素直に先生と呼ぶことが出来た。




瑚)今回ほとんど人出てきてないよな
ブラック瑚太郎)あぁ?しょうがないだろタイトルに触れる内容にしたいって思ってたら詰め込み過ぎちゃって元の三巻遠ざかった!って嘆いてたんだから
瑚)次回漸く聖剣に!
ブッ瑚)コカビエルどうなるんだろうな?
瑚)貰った聖剣使うかな?
ブ瑚)動悸の正体なんなのか………っておい!くそナメクジ!ブッ瑚かブ瑚どっちかにしろよ!
作)ブラっ瑚リー?
ブラッ瑚リー)天誅!!
作)ぶぇー!

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