ハイスクールDxD 書き換える者    作:裕 紫翠

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夏が過ぎ干からびていたナメクジに恵みの雨が降り注ぎました。
どうも紫翠です。
相変わらずのナメクジだなと塩を振り撒いて貰えればこの身を溶かすつもりで頑張ります。
突然ですが皆さんには夏休みがありましたでしょうか。
私はほとんど休むこと無く忙しない日々を送っておりました。
苦労自慢では無いですが、旅行に行ってみたいです。
出来れば温泉に!!

さてさて、私のくだらない忙し話はそこら辺のゴミ箱にぶち込んで。
今回も大して話が進んでいないのに文字数が増えております。
着々と書き進められるよう私も身に塩を振りかけながら頑張っていきます。
それではとても長い前書きになりましたが。
楽しんで頂ければ幸いです。
どぞ(っ´∀`)っ


聖剣と張り合いました!

祐斗の存在に気が付いて無理やり話を通した結果

力試し程度の範囲で戦うと言うことで話がまとまった。

途中から部室に入って来た祐斗にはずっと気付いていたので、どんな感じでけしかけてやろうかと思っているうちにあんな様になってしまった。

そして先程まで全身から噴き出す様に溢れ出ていた黒いオーラも俺らしからぬ言動と感情の起伏はどうにかいつも通りの様子に戻す事が出来た。

…………我ながら感情を御しきる事が出来なかったのは。今までアンにどれだけ依存していのか気が付く事が出来た。

という収穫になった………と思いたい。

途中から意識が混濁し始めてノイズによる頭痛に侵されていたけど、今はそれはなくなった。ちゃんとゼルの声も聴き取れている……ノイズなんかじゃない、大切な仲間の声が───。

 

 

 

旧校舎裏。運動場からは見えない位置にある開けた場所。

……………そうですあの球割をしたあの草原に来ております。

気を取り直して、ここでやろうと準備をし始めたものの一部のメンバーからはとんでもないくらいの()()の視線を感じる。やるせない。ハァー………

 

風はない、全くの無風。これにはちゃんとわけがある。

だから格好良い『決闘開始前のそよ風』なんてものはない。

もう一度言うがこれにはちゃんとわけがある。

その草原の真ん中に立つ四人。

 

協会側 紫藤イリナ・ゼノヴィア

グレモリー眷属側 兵藤一誠・木場祐斗

外野 オカ研面子上記の二人を除く

 

対戦相手は原作の如く。

イリナとイッセーの二人とゼノヴィアと祐斗の二人となっている。

そしてやはり風は────(しつこいですよ主)

 

酷い!良いじゃないか少しくらい!

俺だってやりたかった!イリナとサシの試合したかったんだぞ!なのにリアスが────

『瑚太郎、貴方は駄目よ。地形、変えちゃうでしょ?そうでなくても季節を変えてしまうものね?』という言葉とすんばらしぃまでに細められた目から放たれるジト目が怖かったから。それともう一つ…………

『どうしてもやると言うのなら夕食のおかずが1品減るからね』

こっちの方が主な理由だけど………だって逆らったら夕食のおかずが1品減るんだぞ。

死活問題じゃないか!リアスのご飯めちゃめちゃ美味いんだぞ!俺の癒しが減るんだぞ!鯖味噌無しは断固拒否なんだぞ!絶対ヤダ!ヤダヤダヤダ!!

(主!?幼児退行しかけてますよ!……それに風が外から吹き込まない理由は貴方の能力によるものでしょう?)

 

ああ、そうそう風が全く吹いていないのは俺が張った氷の影響だ。

この場所を完璧に覆い、さらに巨大でほかの人から見ても、ほかの悪魔でさえも()()()に分からなくできるようにしたがために。

すきま風もほとんど入り込む余地が無いが為に風がない。全く無い。

まぁやったことを簡単にまとめてしまえば、ここを完全に覆える程大きな氷の壁を創ってそれを繋げただけ。

ちょっと強めに視覚効果を出す為に氷の表面を溶かして鏡の様に周囲の情景を映し出せるようになっている。完全に反射させないのがまたミソなんだがそれについては置いておこう。

ついでに言っておくと酸素不足にはならない様に一応天井は設けなかった。

 

おっ、構え始めたな?イリナとイッセー。

「行くぞ!イリナ手加減出来ないかもだからな!」

「ああ、悪魔になっても私に優しいイッセーくん。久々に故郷に帰って来てみれば何と幼馴染みが宿敵である悪魔になっているなんて。あぁ、これは神が私に下した試練なのね。喜びなさいイッセーくん。あなたは私がこの手であなたを断罪してあげるわ!」

 

さて、そろそろ始めるかな?

お互いにやる気よし、準備よし。と言った所か

正直、祐斗とゼノヴィアの試合を見るつもりはない、視界には入るけど。───っとこの言い回しだと少し誤解があるか。

俺は今。積極的に祐斗の事に関してどうこう言うつもりはない。だから見はする。けど観ないだけ、結果が分かっていて。しかもそれが負けると分かっているものに気を回すほど出来た生き物じゃ無いからな。

だから俺は今まで傍にいなかった幼馴染の成長を優先する。

どこまで強くなったか見せてもらおうか()()()

 

─イッセーside─

「来い!『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』」

『Boost!!』

魔力解放、籠手周辺に集めて固める

「まさかイッセーくんがあの『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』を持ってるなんて、これも神の思し召しかしら?」

 

そんなの知らねぇな、けど油断したらやばいあの剣に1回でも斬られたら終わり、そんな感じがする。前にアーシアを教会に送り届けた時と同じ感じだからな。

「最初から全力だ!」

ドライグ、魔力操作のサポート頼む!

(何故俺様が貴様の魔力そ──「瑚太郎に色々言い付けるぞ」分かった手伝うだけだからな。いい加減自分の魔力程度操作出来る様になれ、なんの為に特訓なんぞしているだ。)

ご最も、でも今はイリナに集中───

ヒュン!

「────っ!?」

っぶねぇ!

鞭のしなった様な風切り音。先程まではリボン状に腕に巻き付けられていた筈の『擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)』が日本刀の形に変形していた。

 

危なかった、もう少し避けるのが遅かったら今頃俺は首から上がおさらばしてる所だった。ギリのギリで何とか鼻先三寸で避けきれたけどこれは………

 

ドライグとの話に集中しすぎた?

俺がイリナを侮ってた?

俺、いつイリナから目を逸らした?

太刀筋が見えなかった。と言うよりもどうやって近付かれたのか分からなかった。

「イッセー!絶対に攻撃を受けちゃ駄目よ!一撃でも直撃すれば貴方、消えてなくなるわよ!」

怖えぇよ!

でもそれが聖剣の力ってことかよ、本当に悪魔殺しだな。

触れたら終わりとか防御も出来ねえんじゃねえの?良くない方の予感が当たってて最悪だこんちくしょう。

そもそもイリナの攻め方は緩急の付け方が上手すぎる。止まったと思ったら目の前にいるとかどうやってんだよ。クソっ

 

とにかく距離を置く。相手を見て対処方法を練らなきゃ攻めに出られねぇ。

一番楽なのは遠距離攻撃だけどここでドラゴン・スマッシュを放つ訳にはいかねぇし。

そうだ。ドライグ、籠手に集める魔力を増やしてくれ、やってみたいことがある。

(分かった。中々面白い事を考えつくものだな。お前は)

褒めて貰えて嬉しいね。

もう一度倍加するまで距離を取りつつ旋回して相手を間合いに入れさせない。あと1回くらい倍加できれば………

「逃げちゃダメよ、イッセーくん!アーメン!」

また形が変わった!?

今度は鞭かよ

「危ねぇっ!」

斜め上に飛び上がった事で何とかによる攻撃を交わす………が

「スキあり!」

んなのありかよ!?

全くの逆方向に向かって行った鞭が急に速度を止めて一直線に俺に向かって来た。

バチイイイィィィン

「ぐぅ!!」

「「「「イッセー(君)(さん)(先輩)!!」」」」

『Boost!!』

「フゥ………ちょっと遅かったけどなんとかなったな」

「なっ!?何でエクスカリバーを『聖剣』を()()()()()()()()

驚いていたくれたようで何より

「うらああああ!!」

全力で引っ張っる!そんでもって右手で作った魔力球にぶつける

ドンッ!

「っくうぅぅ!」

おっしゃぁ!腹のど真ん中にヒット

威力はその場に留める様にゆっくりとイリナをその場に降ろす。そしてその眼前に左手の()()()()()()()を突き付ける

勝負あり(チェックメイト)だイリナ」

「あ痛たたた、うん私の負けになっちゃうかな。残念折角師匠から認めてもらえそうだったのに」

「ごめん、痛かっただろ。って言うか師匠か。瑚太郎みたいな感じの人なのか?」

そっかちゃんとした師匠かいるんだったらこの実力は納得が行く、独学であんな攻撃する奴なんてそうそういないだろうし。

瑚太郎あたりは出来るだろうけどどうなんだろうな。

「うーん、瑚太郎君みたいに優しいところもあるんだけど、それ以上に厳しくて怖い感じかな。イッセーくんは瑚太郎君から指南受けてるんでしょ?」

「ああ、そうだよ。何やかんやでメニューが毎日厳しくなっていくからきついぜ」

今年入ってどんだけ量が質が増えたんだろうな、本当マジで思い出したくないわ。でも慣れてきちゃうんだよな二、三日で悪魔の身体が特訓メニューに合わせる様にして成長していくからどんどん強くなって行っている。

瑚太郎によれば限界はまだ先わかんらしいけど。

今はまだ道の途中、先ずは目標持たなきゃだよな〜

 

「お疲れ様、イッセーよく戦ったわ。さすが私の『兵士(ポーン)』ね」

「お疲れ様でした、イッセーさん。お怪我はありませんか?」

「ああ、何ともないよ。大丈夫」

部長から褒められたぞ、もっと男らしくなれる様に頑張らなきゃな

アーシアは嬉しそうに駆け寄って来てくれた。ただほかの人からは少し心配したような目を向けられる。

「あらあら、まさか勝ってしまうとは思いませんでしたが、イッセーくん。手のひらは大丈夫ですか?エクスカリバーを直で握っていたようなので。いくら『神器(セイクリッド・ギア)』の籠手をつけているからと言っても流石に悪魔の手ではかなり痛かったんじゃないですか?」

「イッセー先輩。無茶は駄目です。我慢しているのだったら今すぐ出した方がいいです」

「そうなんですか?イッセーさん」

朱乃さん、小猫ちゃんの二人に心配されてしまった。それに感化されたのかアーシアまで、俺の事を心配そうに俺の顔を覗き込んできた。

「大丈夫ですよ、ほら何ともなってないでしょう?」

傷のない左手をみんなに見えるように差し出す。

「なるほど、それでイッセーの籠手に魔力がたくさん集まっていたのね?最初は貯めて大技をするんだとばかり思っていたけど、()()の強化に魔力を注いでいたのね?」

耐久的にと部長は言ってくれた。

正確には籠手その物が大きくならないかな?と思ったんだけど思っていたものよりずっと面白そうな結果になった。

ドライグも面白いと言ってくれたように俺の考えは間違っていなかったらしい。

(それにしても集めた魔力が籠手を包み込んで巨大な爪の形を成すとはな。やはり面白い使い方をする)

 

そう言って貰えると嬉しいな。

う〜ん。どんな名前がいいかな…………そうだ!悪魔龍の左手(デビルドラゴン・レフト)と名付けよう!

(………ネーミングセンスも師匠から授かった方がいいんじゃないか?)

えーっ?そうか?俺としてはかなり格好いい名前になってると思うんだけど。

(………………)

沈黙かよ!

(…………………怖い怖い怖い怖い怖い怖い)

ってなんかブツブツ呟いてる!?

「お疲れ様イッセー」

あ〜。なるほど瑚太郎が来たからか一体いつになったら慣れるんだろうなドライグ。

「ナイスファイトだったイッセー。今日の特訓は休みにしようと思う。最終的にはお前の自由意志に任せるけど、偶の休養も大事だからな大切に使う様に」

「よっしゃあぁぁぁあああああ!!!」

瑚太郎が瑚太郎が俺にご褒美をくれたぞおおお!!

初めてかもしれないこんなに直接的なそれでいて特訓に関するご褒美とか。いつも特訓になると怖くて恐くて仕方がなかった瑚太郎がこんなにも神々しく見えるなんて、貴方は一体どんなか─────

「アーシアとどこかに行ってやんな、今日は少し嫌なことがあったからなしばらく自主練にしてもいいけど。どうする?」

 

アッハイそうっすよね。俺の為の休みとか有り得ませんよね。ハイ、もちろん自主練トレはするけどしますけど!

「有難く自主練をさせていただきます!」

俺をもう少し労って欲しかったなぁ…………

「そうか、デート頑張れよ」

「!?おう、任せとけ!」

前言撤回、やっぱ瑚太郎最高の師匠だ!

 

「あぁ、そうだ。瑚太郎最後にエクスカリバー受け止めた時に使った魔力の使い方に名前付けてくんねぇかな。俺が付けた名前だとなんかドライグが気に入らないらしくって」

「あの紅い半透明の爪の事か?」

「そうそう。それそれ」

瑚太郎は話が早くて助かる。

「一応確認して置くけどなんて名前つけたんだ?」

「『悪魔龍の左手(デビルドラゴン・レフト)』」(ドヤァ

本当、何が気に入らないんだろうな。こんなに格好いいのに

「……………そうか、ドライグも大変だな」

えぇーなんかすっげぇー爽やかにこりゃ無いわーみたいな感じでスルーされた!?しかも同情するのがドライグってどういう事!?

「な、なんだよそんなに悪いのか?俺のネーミングセンス」

「悪くは無いと思うが安直だなって思ったのと。悪魔龍かよって思った位だな。せめて赤龍帝にしてやれよ。色々ごちゃ混ぜになってるからな」

そ、そういうもんなのか?

「それに魔力自体はイッセーのなんだろ?」

「あぁ、そうだけど?」

「それなら、そうだなーもし仮に俺が付けるのであれば『兵士の赤爪(ポーン・ネイル)』にするかな」

ポーンネイル?兵士の爪?なんだそりゃ

「お前は手に、正確に言えば籠手に集中的に魔力を集める事で爪を形成した、ただその手を攻撃じゃなくて、受けに回したことから兵士の赤い鉤爪。ポーン・ネイルと名付け様と思った。それくらいか?それに、お前のやり方次第でまだ伸びる筈だからな技も力も。まぉ実際に使うかどうかはお前に任せる。じゃ俺はイリナの方に行ってくるな〜」

流石瑚太郎だ!ネーミング・センスもバッチリだ!

………バッチリなのか?分かんなくなって来た。

ま、取り敢えず勝ったし、アーシアを馬鹿にした分これでチャラ……には出来ねえよな

 

 

 

どうしよう、これから。

アーシアの事だけで頭いっぱいになってたのに、聖剣って事は木場はこの件が終わるまで絶対にあのままだろうしなぁ………

なぁ、レイナーレ俺さどうしたらいいと思うかな?次会うまでにもっと格好良くなって男らしくなるって約束したのに。

俺、全然変われてないや。

そう思いながら空を見上げた。

紅く染まった空が少しづつ仄かにくらい雲に覆われていく。

良くない事が起こりそうだ。

その時の俺はそう思ったけど、今日の俺はやけに冴えていた。

 

 

─瑚太郎side─

「お疲れ様、イリナ」

そう言うってイリナの手を取る

「ありがとう、瑚太郎くん。やー勝てなかったか〜ちょっと悔しいわ」

「よく言うよ、めっちゃ手加減してただろ」

「えへへっバレてた?」

随分と可愛く茶目っ気のある返し方ができるようになったんだな。

昔の頃の面影が残ってないわけじゃないけど。それでも見違える程強くなった。何より女の子らしい姿になった。

「まぁな一目で分かった。本気でやったらイッセー消滅するもんな」

「ええ、そうなのよ。だからイッセーくんには内緒だけど結構手加減させて貰ってたし、それに()()相手に全力で行くのは大人気ないって師匠に言われてるから」

師匠は私を全力で潰しに来てるけどねとイリナは言う

なるほどなぁ。一理あると俺は思うな。態々雑魚相手に本気を出す必要はない。必要な時まで温存しておくっていう考えだ。と俺はそう考えるけど。

 

「なあ、一つ気になったんだけどイリナの師匠って───」

ドオォォォォオオオン!!

「きゃう!」

「おっと。大丈夫か?イリナ」

「あっ───うん大丈夫ありがとう瑚太郎くん。もう今のゼノヴィアね!いきなり地面を割るんだものビックリしたじゃない」

ん?なんか今変な間があったような………聞くのは野暮か

それにしても

「随分とまぁ派手にやってるね、あれ後で直さないといけないんですけど。トホホ」

「あはは、なんかゼノヴィアがごめんなさい」

「いやいいさ、これも必要な事だろ」

「うん?どういう事?」

あぁ、イリナは知らないのか。ゼノヴィアから祐斗に関してちょっとは話聞いてると思ったけど。

「祐斗はな、聖剣計画の逃げ延びた子なんだよ」

「ああ、それであんなにも聖剣に対しての怨みが表面化して私達に対しての敵意が他の人達よりも強いのね」

「なんだ分かってたのか。アイツはたった一人で逃げ延びてリアスに出会い、そしてエクスカリバーという聖剣に怨みを持ったまま今に至る」

「あれ?でも聖剣計画の被験者って全員失踪したって事になっているって前にお師匠と神官の方がお話してるのを聞いた事があるけど」

そう、全員失踪そういう事になっている。

一部上層の人間しか真実は知らないだろうな、バルパーガリレイによる聖剣計画。その被験者は唯の一人を除いて全員死んだと言うのが基本的な報告になる筈だった。それを無理やり全員失踪どこかに逃げ延びたという報告に塗り替えたのだから。

「あぁ、よく知ってるよ」

「なんと言っても、鈴木 凡人様ですものね?」

当事者だ、知らない方がおかしい。

大体そういう事にしろ、と()()で脅したのは俺だし後悔はしてない。

アース……北欧の知り合いから電話など特に連絡も入っていないからボチボチ元気にやっているんだろうとは思うけどな。

「そうだ。教えてあげないの?瑚太郎くん。あの子に真実を」

「まだ時期じゃない。もう少し後になるかなそれを伝えるのは」

「そっか、その時は上手く伝えられるといいね」

「あぁ、そうだな───いや、上手く伝えられる様に頑張るよ」

俺たち二人は祐斗がゼノヴィアに倒されるまでの間少しだけ思い出話に花を咲かせた。

 

やはりというか『破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)』の破壊力に対抗しようとして自分には扱い切れない大剣の魔剣を創り出し振る前に剣の鍔の部分で腹を殴られてそのまま気を失った。

倒れた祐斗を見て少しばかり残念だと思ったし、拭い切れなかった罪悪感が少しだけ増した気がした…………本当に少しだけ。

 

 




アン)!?マスターの方から不穏な気配が……この感じ感情が抑えきれなかったんですね?何があったのかしら。すごく気になる……けど
黒歌)アンちゃんどうしたにゃん?作業が止まってるにゃよ。
ア)あ、うん。ちょっとマスターが感情おさえきれなかったみたいで………
黒)にゃ!?それは大丈夫なのかにゃ?
ア)うーん、大丈夫かな?確証はないけどマスターは大抵の事が出来るから()()()一人でなんとかするわね。
黒)ふーん、それなら大丈夫かにゃ。瑚太郎は自分の事じゃ起こらないからまた誰かの為に怒ってるだにゃ。もうちょっと自分を大切にして欲しいとは思うんだけどにゃ〜。
ア)あ、やっぱりそれは思うよね!マスターったら自分の事なんて二の次三の次だから私達の方が冷や冷やする事あるもんね。
黒)でもその分愛されてる、護られてるって言う幸福感に溢れているのにゃ
ア)それは分かる!でもやっぱりさー───────

その後作業そっちのけでトークに花が開いたのは言うまでもない。
ちなみに話が終わる頃には日が落ちていたそうな。

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