いつも通りのナメクジ更新です
どうぞ(っ´∀`)っ
水飲み場から走り去ったルチアを追う事は出来なかった。
あんなに悲しそうな表情を見たのは初めてだったから。
ルチアの涙は初めて見たから。戸惑って動くことが出来なかった。
どうしたらいい?アイツが悲しんでいるのは何故だ?原作はどうだった?俺は、『天王寺 瑚太朗』は此花 ルチアに何をしてあげた?
思い出せ………思い出せ!
必死にRewriteの原作を思い出そうとそれらしい物を思い浮かべてみる。けれども、そのどれもが霧がかった様にモヤに包まれて消えてしまった
結局思い出すことは出来なかった
あれからルチアを探しながら校内をうろちょろしていたのだが、結局見つけることは出来なかった。
今は少し離れたところからリアスとソーナのテニスの試合を見ているところだ。
………プルプル、プルプル──────
あ、携帯鳴ってる。
「はい、どうも、コチラてんのう………」
『今すぐに部室に戻って来なさいこの大馬鹿者!』
うぇ!?いきなり怒鳴られた!?
しかも切られたし。
うへぇ、ルチアとちはやが喧嘩したのもうバレたのか?
それとも不審者でもとっ捕まえたのか?
まぁどっちでもいいや。部室戻ろ。
部室に向かって歩いているとゼルから声をかけられた。
『主、ドンマイです。こんな日もありますよ』
(うん、サンキューなゼル。アンはまだ戻って来てないみたいだな。パスが繋がったままだから)
『ええ、でもよくあんなもの作れましたね』
(うん?ああ、簡易ボディの事か。長くて1週間しか持たないのが玉に瑕何だけどな)
主、あなたはご自身が何をなさっているのか時々理解していない節があるように感じますね。
我々に仮初の身体を
ともかく、人間と全く同等の耐久、身体スペックを持って自由に動ける身体を創り出すなんて神にも等しい行いです。
しかもそれを1週間もの間保たせるなど普通は絶対にできないのですよ。主よ
(ん?どったの?ゼル)
『いえ、何でもございません。それにしてもアンは主の造られた身体をよほど気に入っているようですね』
(そうみたいだな、お前の分も作ってやれれば良かったんだけど。流石に魔力が持ちそうにないからな。すまん)
本当に何をそこまで気に入ったんだか。俺にはよくわからんよ。
実は最近アンは俺の
今回作った体に込めた魔力は俺の全力の4分の1程度で、更に体の維持の為に魔力の全体量の半分近く持って行かれてしまった。
そしてアンは基本的に黒歌と行動を共にしている。
ちなみに身体は以前合宿の際に作った物と同じタイプの体にした。
何でもあのシリーズが一番お気に入り何だそうだ。
その他にもいくつか種類があるけど
本当、何を気に入ったんだろうなぁ
って、おお。
考え事してたらなんか、部室の前に突っ立ってたし。
じゃあ入りますか…………ん?
部室の戸に手をかけた所で気が付いた。
強者のオーラってやつ、何か、なんだろう。
感覚だ。強い力の波動を感じる。しかも二人。
何で気が付かなかったんだろうな〜?これだけ強けりゃ嫌でも感じ取れると思うんだけど。
まぁ、誰だろうとまずは話して見ないと、何しに来たんだい?てな。
「ちわーっす。おい朱音、あの呼び出し方はいくら俺でもおこ────あのー。どちら様です?」
美女がいた。銀髪のロングの子が。
「どうも、久しぶりだね鈴木 凡人」
「おいおい、まさか忘れちまったのか?こいつの事。ひでぇ奴だな、英雄サマってやつ───フグッ!」
あ、隣の男の人が女の子に殴られた。しかも見事な顔面ストレート。
「お前、彼女の事を知っているのかしら?」
ごめんなさい。記憶にないですこんな美少女
「そう、忘れてしまったのね。まあ、仕方ないわね何せ10年近くも昔の事だものね」
「ごめん」
10年近くも前の事?確かにそれなら思い当たる節が無いわけじゃ無い。
あの頃は子供の姿をしながら。同時に大人の今の高校生としての姿も使って、色々な所に向かった。
天使、悪魔以外の各神話体系のトップの元へ、冥界、コキュートス、日本、その他の国々、次元の狭間。
今考えると、とんでもない生活をしていたんだな、って思わせられる。ただ俺と似通った道だけを辿って欲しくなくって。
自己満足の救済を続けた。その結果が今、各所にて英雄と名を馳せる様になった。
まぁ名義は全部鈴木 凡人であって。天王寺 瑚太朗ではないんだけど。もっと言えば『・・・マリ』ではないんだけどな。
「瑚太朗?」
「す、すまない。ボーッとしてたわ」
「はぁ、お前と言う奴は本当に………」
『ええ、もう少し考えを持つ短くまとめることくらい出来た方がいいかも知れませんね。主は考え始めると長いですから。』
(うわぁーひでぇ、何か最近お前ら俺に遠慮が無くなって来てないか?)
『ええ、そうでしょうともなんせ。我々はあなたともう100年は軽く共にいますから』
(だな、それよりも聞かなきゃ行けないことがあるか)
「あなたの名前は?何と言うんですか?」
「あら、名前を尋ねる時は自分から名乗るのが筋じゃないかしら?」
おや?思ったよりまともな返しだったな。
「君は俺の事、覚えているんだろう?名前の事も」
「ええ、でも鈴木 凡人としか聞いたこと無いわ」
なるほど。そういう事か。
「じゃあ、改めまして、俺は天王寺 瑚太朗あなたのお名前は?」
「うふふ、素直なのね。いいえ、真っ直ぐなのかしら?」
どちらでもないって言ったらなんて思うかな。
『主、ダメですよ』
(いや、冗談だからね?)
『……………』
うわーい、自分の神器に信用されてなーい(棒)
『前科持ちですので』
(うぐっ、それを言われると何とも言えないな)
「それにしても……そう、瑚太朗と言うのね。私の名前はヴァーリよ。どう?思い出したかしら?」
その瞬間、俺の思考は停止した。もっと言えばゼルも
「え?」『は?』
「その顔を見たら思い出したみたいね。なら一言だけ言わせて貰うわ瑚太朗。私は女よ、男の子じゃないわ!」
「エエエェェェ!!!」『うぇぇぇぇぇえええ!!?』
あ、あのヤンチャっ子が?この綺麗な女の子?
いやいやいや。アレはどう見ても男の子だったぞ。
俺やアザゼル、シェムハザすらも手こずった、あのヴァーリだぞ!?
バラキエルなんてもう。…………ダメだ。思い出しちゃダメだ。
『アハハハハハハハ!お腹が、腹が、HAHAHAHAHAHAHA』
……おい、ゼルお前キャラ崩壊してんぞ。
確かにあの時のバラキエルは面白かった、ものすごく面白かった、だがやめろ、思い出すな、俺を今ここで笑わせないでくれ。
いくらバラキエルがドMで変態だからって、朱璃に縛られてムチでぶっ叩かれるのをヴァーリや俺たちに見られた挙句、ヴァーリに蹴りを入れられて喜んでたおっさんなんていなかったんだ。
「アァーー!」とか野太い声で喘いでたおっさんなんていなかったんだ!!
きっと気のせいだったんだ!
『アハハハハハハハ、ハヒヒヒヒヒヒヒ』
って。おーいゼルぅー?完全に壊れてるぞーおーい。
と、止めだ止め、これ以上バラキエルのことを思い出そうものなら俺まで笑いが止まらなくなっちまう。
「瑚太朗その反応は何かしら?女性に対して向けていい反応だとは思わないわよ」
おおぅ。なんかびっくりした俺に驚いたのだろうか朱音のちょっとトーンの低い声が響いてきたぞ。
「しょうがないわ、だってあの頃の私は男の子としか思えないほどヤンチャな子だったもの。その反応も頷けるわ、アザゼルだって自分で育てた癖にお前誰だよ。って言うくらいだもの」
「ちなみに俺っちは美猴。闘戦勝仏のまつ─────グボォ」
おお、隣のイカスあんちゃんが喋り始めたと思ったら腹パン食らって沈んだぞ。ヴァーリ・ルシファーに闘戦勝仏の末裔の美猴。ヴァーリチームの面子が二人もいる事になるじゃん。ヤベぇじゃん。イッセー今のままだとヴァーリに勝てねぇぞこの力量。
「何か用があったのか、ヴァーリ?」
「いいえ、ただこの学園で面白そうな事をしてるって聞いたから見に来たのよ」
「そうなのか?連絡くれれば案内したのに───ってそうだ。お前俺の連絡先知らないんだっけ」
まだ、携帯すら持っていない時の話だもんな。しょうがないわ
「ええ、是非教えてもらいたいわ。」
「了解した俺の番号は………あったあった。これだ。」
「ありがとう、登録させてもらうわ」
それから、少しの間雑談をした。
俺がいなくなってから起こったこと、バラキエルと朱璃の仲があまり宜しくないとか。新しい仲間が増えた事とか。他にも色々。
大変だったみたいだ、あまり付いてやれなかった事を凄く悔やんだ。
ヴァーリは楽しかったって言っていたけど。
それでも助ける事が出来なかった人達のことを考えると。
凄く、凄く悔しかった。幾らこの体になったとしても全ての人間を救える訳じゃないのは分かってる。けど、やっぱり俺と同じ道を辿る人間だけは助けたかった。
「───それで?結局、ヴァーリは何をしにここに来たのかしら?」
「観光兼瑚太朗探し、という所ね。あの馬鹿この街にいるって言って私一人でこの街に置いて行ったんだから」
そうなんだ〜、へ〜。
「あら瑚太朗突然立ち上がってど────ひっ」
酷いなぁヴァーリどうして怯えているんだい?俺はこれから電話しないと行けない場所があるんだ。
『主、私からも少しお話させてください。ひとつ、ふたつ、みっつ程言わなければいけない事がありますので』
(奇遇だな、俺もだよゼル。あぁ、何なら直接出向くか。)
『そうですね。ですが、主の記憶によれば後にこの街に来るようではないですか。その時に手を下しましょう。楽しみですねぇ』
(だな、あのノートをコピーして冥界中にばらまく準備をしなきゃ行けないなぁ)
「朱音さん。ヴァーリに校内を少し案内してあげてくれないか?俺少し電話してくるから。な?」
「ひっ!……分かったわ。後でケーキ作りなさいよ」
「了解」
さぁ、屋上に行こう。
─アザゼルside─
プルルルル、プルルルル、プルル───
あぁ?ったく誰だよこんな時間に電話してきた奴はよ
まだ昼過ぎだぞ?時間を考えろってぇの。
「はい、もしもし?」
「やあ、未婚総督アザゼルさん、こんにちは。」
「ああ?誰が未婚総督だコラ!ってかその声、瑚太朗か?いや、凡人の方がいいのか?」
何だ、何だ?こいつが電話してくるなんて面倒事を持って来る時だよなあ。うぉ、何か寒気してきた。
「ヴァーリとあったんだけどさ」
「あぁ、アイツ無事にお前を見つけられたのか。良かった、よか────」
「良かっただぁ?てめぇあんな美少女町に一人でほっぽり出したまま放置してんじゃねぇよ。ノート一冊冥界にばら撒いていいよな。うん」
「やめろおおおおおおおおおおおおお!!やめてくれぇ!何がそんなに気に触ったのか知ら───あっ」
確かアイツ女性一人で街中歩かせるの好まなかったな。
今やヴァーリは誰が見ても美少女だろう。
………うん、やっちまったなこりゃあ
「理解したな、ならばよし。ノートを冥界中にバラ撒こうか」
「頼む!!やめてくれ!すまなかった!ヴァーリの実力を鑑みても大丈夫だと思ったから一人で行かせた。変な男に捕まることはまずないと思ったからで───「美猴は?」は?」
美猴?そいつは確か孫悟空のジジイんとこのクソ猿の名前じゃ無かったか?絶賛反抗期の。
「その美猴がどうした?」
「ヴァーリと一緒にいる」
なるほど、ヴァーリを誘ったか。アイツの基本的な目的は強くなる事。瑚太朗を越えること。
そういう意味じゃ自由に動ける奴と組むと色んなとこでドンパチ出来るって事か。
「お前から見て美猴はどう思う?」
「俺?兄貴系の爽やかイケメンってとこだな。物理的に精神的にもヴァーリにゃ勝てんみたいだが。腹パンされて部室で気絶してるぜ美猴」
ヴァーリの奴一体何やったんだよ
「まぁヴァーリが元気なら良かった。お前のとこで預かれるなら預かってくれ。それと、コカビエルの野郎が馬鹿やらかしてくれてな。ちょっと後始末頼んでいいか?」
「あの、戦争狂が?………あいよ。その代わり後で人工神器の研究俺にも手伝わせろよ。ちょっと作りたいものがあるんでね」
「大歓迎だ、それとこちらから少し援軍を出させて貰う、と言っても1人だけどな」
「あいよ、その子はイッセーに任せるよ」
そういうと、奴は通話を切った。
イッセーってのは確かアイツが言ってた今代の赤龍帝だったか?
瑚太朗も誰が来るのか分かってやがるし、俺も柔らかくなったもんだね。
さてと、コカビエルの野郎。死んだな、アイツ何故か駒王町にとんでもなく肩入れしてるし、小鳥にも手を出そうものなら、本当に消されるかもな…………
と、忘れないうちに特訓しまくってるアイツに永続任務を与えないとな。『死ぬまで好いた男の側にいろ』ってな。
瑚)そういや、ヴァーリ美猴とはどうやって知り合ったんだ?この街には一人で来たんだろ?
ヴァーリ)ああ、それなら街で普通に軟派されたわ。断ったけど。
瑚)ほぉ、軟派。軟派ねぇ〜
ヴァ)(あら?何か瑚太朗から黒いものが吹き出して見えるわね。言葉を選び間違えたかしら。電話するって言った時と同じ雰囲気だわ。ゾクゾクしちゃう)
瑚)美猴ぉ〜?どこにい〜るぅ!!?首をだせぇ!
ヴァ)うふふ、美猴ったら何をしでかしたのかしらね?
瑚)(ウチの可愛いヴァーリを軟派してくれた野郎に御礼をしなきゃ行けねぇなぁ。おい)
ゼ)主、協力させていただきます。
美猴)ひぃいいい!なんか恐ろしい寒気が。