ハイスクールDxD 書き換える者    作:裕 紫翠

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お待たせしました
修行の成果に乞うご期待!
最後に今出来る全力の戦闘シーンを書いてみたので
アドバイスなど気になった所など指摘して頂けると有難いです
それでは!
どうぞ(っ´∀`)っ


彼女の本音と修行の終わり

2日目

午前中の特訓は返上して勉強だ

リビングに集まってイッセーとアーシアに悪魔の知識を教えるそうだ。

俺は早起きして、茶菓子作って準備していたし。

寝ているみんなに仙術で強化した気を贈ったりしていた。

今は小テストみたいな事をしているみたいだ。

 

俺?俺はいまイッセーが昨日乗せていたという岩がたくさんある所に来ている。力の制御をするための特訓に来たのだ。

リアスには少し席を外すという事は伝えてある

さあ、2時間で仕上げようか。

俺の右の力、ゼル曰く『焦焔』というそうだ

どういう意味なのかは詳しく聞いて無いけど主はもう使い方を知っているとだけ言われた

岩に近づく。ゼルとアンに調整はしないでくれとだけ伝える

リストバンドを外して岩にそっと右手を添える。

そして、「解放」

 

パァン

 

弾けた、風船が破れた。

その辺が最も表現しやすいだろうか。

俺の触れた岩は風船が破れた様に弾け飛んだ

右手だけならまだまだ余裕で火力も温度も上げられんだけど。

地球を焦土に変える予定は今の所ない

そして右腕を氷で覆う、吐く息が白くなる

 

先程弾き飛ばした物とは違う岩に近づき、右手を添える

すると、岩が赤くなる程度に抑える事ができた

少しだけ柔らかくなってるのはご愛嬌という事で、この程度の温度ならライザーでも耐えられるだろ。

摂氏で表すなら3000度から3500度位だと思う。

 

「この位かな」

 

出力する焔の温度の調整は自分で出来る

でも威力の調整が難しい

 

氷の方は周囲に被害があまりでないのではぐれ悪魔狩りついでに訓練をしていた。だからこっちよりも圧倒的に使いこなすことが出来ているのだが

「勢い余ってバァン!とか洒落にならねえからなぁ」

仮に全力でライザーに左の火焔を放ったとしよう。その場合俺が放った焔の温度でまず俺の服と前方にある視界に入る全てが消し飛ぶ。

ライザーは俺の焔で燃えるし、そもそも放った時の威力で木っ端微塵になる。

.......うん、冷静に考えてみるとやっぱりあの部屋で鍛錬した方が良いな。

ここじゃうっかり暴発した時大変だからな。

さてさて、もうちょっと出力落としてやってみっか。

 

軽く昼食を作って。午後の訓練を始めた。

 

 

―○●○―

 

 

山に籠って一週間

 

精神的にも肉体的にもそこそこ鍛えられた様に感じる

小猫はうちの型を幾つか覚えたし、

祐人はあの鬼畜素振り訓練でいい感じに筋肉を痛め付けていた。まぁこの数日で筋肉はどうにかなるもんじゃ無いけど。

朱乃とリアスは対して問題にならねぇだろ、相手はイッセーが弱いって感じる程度の強さだからな

まぁリアスを真っ先に潰す様な事はしないだろうから、このメンバーで行けば余裕かな~そんな事を考えながら、俺は夜の別荘を歩いていた。

 

どうしてもこんなに夜更けに出歩いてるのかって?

別に大した理由があるとかじゃなくて、ただ眠れないだけ。

これは昔からの。転生する前からもあった事で、今更気にする事でもないんだけど、何か胸騒ぎを感じて眠れないそんな程度のこと。

だけど、こういう時は必ずと言っていい程良くない事が起こる。

俺にじゃない、その周りにいる人にだ。

それで眠くなるまで少し歩こうと思って軽く散歩していた所だ

 

ん?リビングに灯りが着いてるな。

こんな時間まで起きてるなんて明日の訓練がきつくな――――ってそうかリアスか。

熱心だな、それだけこのゲームに全力を注いでいるのだろう

 

「よう。こんな遅くまでお疲れ様。何か暖かいもん入れようか?」

「あら瑚太朗、お願いするわね」

ふむ、この時間帯ならミルクティーでいいか。

俺はこういう時は水くらいしか飲まねえからよく分からないんだよな。言ってみただけで。

「かしこまりましたリアス嬢。ちょっと待ってな」

「ふふっ。なんだか執事みたいね瑚太朗」

そう言うとリアスはまた戦術の書き込まれたノートに目を走らせた。

 

―数分後―

 

「待たせたな。ミルクティーとちょっとした茶菓子だ」

「ありがとう頂くわ」

リアスの分のミルクティーを注いで俺もリアスの隣に座った。

テーブルに広がった学校の地図、フォーメーションや陣形。

そしてリアスが自分で作ったと思われるノート

いつもこんなこと一人でやってたのか。

 

俺がノートを読んでいるのに気づいたのか。リアスはノートを閉じてしまった

「·······色々と書いてあるでしょう?でも、こんなの気休めにしかならないのよ」

「そんなに実力差があんのか?」

「正直、彼の眷属に対してそこまでの脅威を感じないわ、でも問題はライザー本人なのよ」

俺としてはリアスの力でもライザーを叩きのめすだけの力を持ってると思うけどなぁ。と無神経な事を考えていると

リアスがフェニックスの描かれた書物をテーブルに置いた。

そこに描かれたフェニックスはあの時みた、いかにもホステスですみたいな雰囲気を放ったチャラ男とは比べるまでも無い程雄々しいもので。

いつか、俺が敬意を表してもいいと思える程綺麗な炎を纏った幻獣を思い出させた

いや、まあ絵なんだけどね······

「あの時、ライザーが部室に現れた時あなたは言ったわ。たかが不死、その程度って確かにライザーは倒せる。でもそれは理論上の話、私の眷属でも可能性があるのが私と朱乃、それとイッセーの三人。けど可能性があるというだけ」

リアスはそこまで言葉を続けると「可能性があるだけじゃ·····」と聞き取れないほど小さな声で呟いた

······何か昔の俺みたいだな。ってそう思った全部無くして奪われる前の俺によくにている

可能性があるのにそれにすがり、意地でも何とかしようとする気持ちが弱い。

その点ライザーの奴は絶対と言い切って良いほど自信に満溢れていた。

この差はきっといつか、何処かで必ず実力的に現れる。このままであればの話だけど

 

「リアス。少し外にいこう気分転換だ」

なるべく柔らかく優しい口調で話しかけたつもりだ。

何事も根を詰めすぎるのは良くない。

この一週間ずっとこんなことしていたんだろう。

気分を変えようぜ。そう言ってリアスを連れ出した。

 

リアスを引っ張って来たのは別荘にある大きな池

それを眺めることの出来る別荘の横に建てられた大きなガゼボ

俺はリアスをここに連れてきて月を二人で眺めていた。

リラックス出来てるかな、悲しそうな雰囲気だな。と色々と考えてしまっている。

「ねぇ瑚太朗?どうして貴方は私に力を貸してくれるの?」

ん?色々と考えていたのは俺だけだったのか。

いつもの様なトーンでリアスが沈黙を破った

「どうしてって、俺はオカ研部員だし。そもそも友達だからな。友達が困るから助ける。理由なんて要らねえだろ」

「友達だから、ね。」

何故かリアスはホッとしたよな、悲しんでいるような声で呟いた。

友達という部分が特に落ち込んでいたような気が·····まぁいいかそれより一つ確認しておきたい事があるんだった

「なぁリアス」

「何かしら?」

「どうして今回の、ライザーとの縁談を拒否しているんだ?」

あの下賎呼ばわりされた日からずっと気になっていた。

そしてとうの昔に自分の頭の中では結論が出ているそれの答えが知りたい。という自己満な質問だけど。

「私は『グレモリー』なのよ」

うん、知ってる。でもリアスが言いたい事は違うのだろう。

「リアスはグレモリーと呼ばれる事が嫌なのか?」

「そうじゃないわ、私はグレモリーの名には誇りを持っているもの。でもね同時に私個人を殺す名でもあるの。誰しもが、ライザーでも私をグレモリーのリアスとして見ているから、私を『リアス』として見てくれる悪魔はいないの、人間界でしか私をリアスとして見てくれる人はいないの。」

遠い目をした彼女の、寂しげな瞳に映っているのはどんな光景だろうか、周りにいる者はみなグレモリーとして自分を見ていて。

リアスとしての感情を存在の一切を排斥して見てくる。

ただグレモリーとして見られる。そんなのに俺は耐えられるのだろうか。同じ様な相談を一度受けたことがある。

その時の俺は·········

 

「瑚太朗、私には夢があるの」

「··········夢?」

「そう小さな夢よ。私の事をグレモリーではなく『リアス』として愛してくれる人と一緒になりたいの。ライザーは私の事をグレモリーとして見ているから、グレモリーのリアスとして愛している。それが嫌なの。矛盾した想いだって知ってる、でも私はリアスとして最後の瞬間までこの夢を持っていたいわ」

そっか、夢ちゃんと持ってるんだ。

じゃあ何がなんでも護ってやらなくちゃいけないな

「リアス、夢に大きいも小さいも無い。その人の価値観によっては違うだろうけど。かけがえのないもの、だからその誠実な夢は大切にしろよ」

例え絶望的な状況になったとしてもだ。

「ええ、ライザーに勝って私は夢を掴んで見せるわ」

「ああ、その意気だ」

それだけ言って立ち去ろうとして、何を思ったのか俺は昔同じ事を相談してきた彼女に言ったことを思い出して振り返った。

そういやあの時の俺こんなこと言ってたな。って

 

「リアス。今日は月が綺麗ですね。」

直後、意味を理解したのかリアスの顔が髪の色と同じような真っ赤に染まった。

俺は足早に立ち去った

『『ナイスです。主(マスター)』』

『あの奥手な主がこんなにもご立派になられて』

『マスター、ロマンチストですね!』

(止めてくれ恥ずかしい。)

黒歌に何て言い訳しよう。

『主よ、奥方なら許してくれるかと』

『ついでに帰ったら色々暴露しましょう。私黒歌ちゃんとお話したいし』

これ帰ったら死ぬ奴じゃん。ってかゼル今奥方って言った?

黒歌を完全に嫁認定したよねゼル君。俺もしてるけど。アン?黒歌と話がしたいんだったら言ってくれれば良かったのに。俺以外にも声聞こえるようになってんだろ?話くらいすればいいのに。

『いえ、主(マスター)以外には私共の声は聞こえておりません』

え·······?

何じゃあ俺もしかしてずっと独り言しゃべってるみたいに見えてたの?

『『はい』』

 

・・・・・嘘だァァァアアア!

 

転生してからこれ以上ないくらいに。めちゃくちゃ落ち込んだ

 

 

ー修行最終日ー

「イッセー、祐人、小猫、アーシア。あなた達の修行の成果見せてもらうわ。瑚太朗、相手をにしてどこまで立ち回れるか見せてもらうね全力でやりなさい。それからイッセーあなたは『赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)』を使って戦いなさい。いいわね」

「「「「はい!部長!」」」」

一昨日の一件からものすごくやる気に満ち溢れているリアス。

ただ俺と目を合わせてくれないのがものすごく悲しい。

それと相まって独り言みたくなってた事実を知り相当参ってます。

 

四対一か、ちょっときついな。

特にイッセー、昨日夢の中で篭手に封印されたドラゴンとお話をしたらしい。

あと少しで至れるとか言われたそうだ。

名前はドライグでかなり大きな、真っ赤なドラゴンだったと笑顔で語っていた。

 

祐人も無駄な動きを削り取りかなりコンパクトに動く様になったし、俺が引っかかるレベルのフェイントを掛けて来るようにもなった。

 

小猫は結局仙術を教えて欲しいとは言って来なかったけど。うちの型を自分なりにアレンジ強化を施した技を使うようになってきた。

 

アーシアは魔法による補助、支援を中心にする完全なヒーラーになった。更にその性格と相まって癒し効果が絶大なのだ。

 

「さてさて、始めますか。」

「みんな行くぜ!『赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)』」

「突撃するよ!」「イッセー先輩、アーシア先輩守りは任せてください」

「おう!」

「はい。皆さん怪我をしたら戻って来てくださいね。ちゃんと治しますから。」

ふむ、祐人が俺の気を引いて。小猫はイッセー(・・・・)の守りそしてアーシアがイッセーの近くにいることで小猫がふたりを同時に守れるようにしているのか。

神器(セイクリッド・ギア)を積極的に使ってこい祐人。お前の攻撃だけだと俺には届かないぞ。どんな地形も自分の有利な形になるように持っていけ。」

魔剣創造(ソード・バース)!」

祐人が地面に手で触れる事で地下から剣が飛び出してきた

俺はこれを上空へ飛んで回避すると

「はぁぁぁぁ!」

気合いのいい声を放ちながら祐人が、創り出した剣で俺を切りつけてきた

「ふっ!」

ガリ!という音をたてながら祐人の一撃を氷の力で弾いた

刀身のかけた剣を祐人が即座に炎を纏う剣に作り替えると真っ直ぐ突っ込んできた。

「えい!」

「うぉ!?」

俺は迎撃しようと構え直すがいつの間にか近づいていた小猫による回し蹴りを防御した事で構えが崩れた。

「今だ!はぁぁぁぁ!」

そして止めと言わんばかりに祐人が炎をを纏った剣で切りつけてきた。

しかしザクッ!という切断音はなく。

切りつけた本人の祐人は嘘だろ?みたいな顔をしている。

 

俺は今、炎を纏う剣をそれを上回る焔を纏う右手で握っている。

剣はそのまま握り潰した

「残念、俺にはもう一つ能力がありました」

さあ、どうする?

小猫は俺に回し蹴りを打った直後に離脱してイッセーとアーシアの元に戻ってこちらの様子を窺っている

祐人はまさか握られるとは思っていなかったようで。

ワンテンポ遅れて神器を発動させようとしたから、屈んだ瞬間に一撃で落とした。

「ごめん、イッセーくん頑張って。」

さあ祐人は潰した次はどう出る?

動き出そうと脚に力を込めた瞬間

「やあぁぁぁぁぁ!」

小猫が走ってきた。

全身に魔力を纏う技能、まだ腕のみではあるけど。それを一週間で会得したのだから讃賞に値する

「はっ!」

バコォーン!!

突き合いになり俺が小猫をぶっ飛ばした。が、今ので右肩が外れた痛ぇ

左手で力任せに戻したがまだ激痛がする

 

護衛がいなくなったのでアーシアを狙う

「凍えろ!」

祐人の真似だ。左手を地面につけ力を地面に撃ち出す、そうすればあっという間に氷の国だ。普通に歩けば滑って転ぶ。

「行くぞイッセー」

「何時でもこい!」

イッセーが身構えた瞬間

ペチン!

「はうぅっ!」

隣にいるアーシアの前に移動しデコピンを放った。

「アーシア脱落。祐人と子猫の看護をたのむ」

「はい、わかりました。ちょっと痛いです。」

アーシアが離れたのを確認してイッセーの方を向くと

「らァァァァ!はっ!」

腕の大振りの一撃、身体を反って避けることを予測した、足首に対しての的確な回し蹴り。

空中に浮き上げられた俺はイッセーに殴り飛ばされた。

「遊び過ぎだぞ瑚太朗。全力で頼む。」

確かにちょっと遊びすぎたな。

「じゃあ全力でやるわ。リアス先に謝っとくよ、ごめん」

頭に疑問符を浮かべながらリアスはこちらを見た

直ぐに目を俺から逸らしてしまったけど

 

イッセーが魔力弾を準備。

俺はゆっくりと腕を上げた。

長い沈黙のあとイッセーの強化状態解放の『Explosion』の音声がなると共に全力の攻撃と今の全力が放たれた

氷の波動は俺の視界全てを真っ白な雪景色にかえた。

対してイッセーの放った魔弾は山一つを消し飛ばしその余波で俺の雪景色を吹き飛ばした。

ちなみにイッセーは氷漬けになっている

 

それにしてもたった一週間で良くここまで成長したよ。

並大抵の努力じゃ到達できねぇしっていうか普通無理だ。

これだけの実力があれば問題ないだろう。

 

 

最後に別荘周辺を白一色に染めたことをめちゃくちゃ怒られて修行合宿を終えた。

 

 

 

 

 

 

 

 




ゼ)主よ!
ア)マスターよ!
ゼ・ア)ご立派でございました。
瑚)止めてくれ!ホントに恥ずかしいんだよ!
ア)ええ、マスターがあんなにロマンチックなセリフが言えるとは思ってもいませんでした
瑚)おいこら、今さりげなく罵倒したよな。おい
ゼ)主の気の所為でしょう。して、どうやって奥方に伝えられるのです?
瑚)合宿中にあったことを正直に話す。リアスをどう思ってるかも話す。黒歌が一番なのに変わりはないけど、俺は相当クズだからな。
ア)マスター大丈夫です。悪魔側に付けば一夫多妻可です。
ゼ)いっそのこと主自身が新しい陣営を作るのでも良いかもしれませんね。
瑚)止めてくれ、冗談じゃすまない気がする。

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