どうぞ!
昨日、アーシアを助け出したイッセー達に色々な物を見せて俺の正体を少しだけ明かした。
漸く準備してきた物が実を結んで来た、これからは流れに乗って身を任せることしか出来ないのだが
その前に一つだけ、(なあ、一つ聞いてもいいかラグナさん)
『おっ!久々に僕を呼んでくれたね、何だい何だい?お兄さん何でも聞いちゃうよ』
声だけが聞こえるこの人―――神様は俺を転生させた時に出会った少年。今は青年の姿になっている
この姿にも色々あるんだけど、まぁそこは追々でいいか。とりあえず今は聞いておきたいことがあるから、それを済ませよう
(嬉しそうですね、聞きたい事はですね。―――――あんた本当に原作の記憶消したのか?って事なんだけど)
『そりゃあ数少ない僕が転生させた子だからね話しかけてくれるのは嬉しいもんさー。原作の記憶?ああ、治癒能力と引換にって奴ね』
(はい、それです)
『消してないよ』
(はい?)
ちょっと意味が分からなくて即答で聞き返してしまった
『だから、
(でも、特典の追加には代償と引換って、それで俺は原作の記憶を...)
『うん、確かに特典の追加には代償が必要だよ、それこそ生命を削るようなね、でも君は10の特典を持つ事が出来る人間だったから、余った分のを1つ使って代償無しでプレゼントさせてもらったよ』
でも、確かに代償として原作の記憶は...
(もしかして、思い出せない様にしたか、忘れさせました?)
『うーん、惜しい。僕は君の望み道理にしたつもりだったけど、救うべき者の名前が分からないのだと意味がない。と言う事で棚の奥にしまうような感じで、封印したよ。そこまで強い封印じゃないから、取り出そうと思えば何時でも原作の記憶は取り戻す事ができるよ』
なるほど、それで中途半端に覚えている訳だ。何にせよ色々と配慮してくれてんだなラグナさん
(ありがとうございます、また何かあったら呼びますね)
『良いとも、僕は君を見守る者だからね好きな時にお呼び』
ラグナさんは優しい口調でそう言って、それ以降声が聞こえる事は無かった
ラグナさんとの会話を終えた俺はオカルト研究部に顔を出しに行った
「おーっす、天王寺 瑚太郎でーす入部届け持ってるか?」
「入って来ていきなりそれは失礼じゃ無いかしら?瑚太郎」
こ、この声は!
「何で此処にいんの?朱音」
「リアスに呼ばれたのよ、お前の事で聞きたい事があるって言っていたから、しょうがなく話に来てやったのよ」
せっかくの睡眠時間が、と小さく呟いていたのは気のせいだと思いたい
「待っていたわよ瑚太郎、それじゃこれにサインしてもらえるかしら?」
「あいよ」
内容は普通の入部届けだったから何も迷うこと無くサインした
その時、オカルト研究部部員+αが俺の持って来た三つの箱を凝視していたが、そんなに見つめてもまだやらんぞ、イッセーとアーシアがまだ来てないからな
「おはようございます、遅くなりました」
俺が来てからそれほど時間をあけずにイッセーとアーシアが部室に入って来た
アーシアはイッセーの家に住むことになったらしい、いつその話をイッセーの両親にしたのかは未だに謎だ。ちなみにイッセーに確認したところ、両親は魔力を使って操ること無く、『娘が出来たみたいで嬉しいからだから大丈夫よ』『可愛いからいいんじゃないか、母さんも娘が欲しいって言ってたからね』とあっさりOKだったらしい。
イッセーの両親恐るべし。
「そういや瑚太郎、その箱何が入ってんだ?」
「これか?まあ全員揃ったからそろそろ始めるか、リアス準備するぞ」
「あなたが仕切っているのが少し疑問だけれど、そうねそろそろ始めましょうか」
そう言いながら朱乃のと一緒にパーティーの準備を始めた
新入部員歓迎のパーティーが始まってすぐに俺が帰ったあとどんな事があったか聞いた
まずはレイナーレの処分だろう。彼女は消滅させられた2人の部下の羽根とボロぎぬみたいになったドーナシークを持って堕天使の組織
「瑚太郎あの箱開けても良いかしら?」
リアスだ。朱音の眷属じゃないと、本人から聞いてから、凄く距離が近くなった気がする
「あぁ、どんどん開けて良いぞ、その白い猫が書いてあるのは小猫の奴だから好きに食って構わないぞ」
「なんか作ってきたのか?」
もちろん、昨日考えてたお菓子に、パーティーをするって事は事前に聞いていたから、ケーキを作ってきた、あまり凝った物は作れなかったけど、そこは我慢して欲しい
「口に合うかどうかは知らんが、喜んで貰えると嬉しいな」
「うわ、ケーキだ!」
「ケーキの上に何か書いてありますが私は読めません。瑚太郎さん何て書いてあるんですか?」
「ホントだ。ええっと『入部おめでとう!ようこそオカルト研究部へ!!』だって、瑚太郎が書いたのか?」
「そうだ。なかなかにいい出来だろ?」
良かった、喜んでくれたみたいだ、最近はお菓子作って欲しいって言うイベントが少ないから腕が落ちたと思ってたけど、意外と何とかなるもんだ
「美味ぇ!何だこれ!?」
「美味しい、です」
「瑚太郎君、今度良かったら作り方教えてくれないかい?」
「瑚太郎さん!とても美味しいです」
「あらあら、これは美味しいですわ。少し妬いてしまいます」
「瑚太郎、定期的に私に作りなさい、お礼はそれでいいわ」
「そうね、うちには小猫がいるから2つ位、作って来て欲しいわ」
気に入ってくれたようで何より、腕がなるぜ健康的なお菓子を作って来てやる
『主、嬉しそうですね』『マスターの料理は世界一なんだから当然でしょう』
うん、俺としてはお前達まで喜んでくれているのが不思議だけどな。
『何を言っているのですか、今まで頑張って来たじゃないですか。昨日の鴉の件でいい事あったって主だいぶ呟いてましたから』
.....まじ?
『ええ、それは黒歌ちゃんが近づくのを戸惑う位に』
嘘だと言ってくれぇぇぇ!
『『マジです』』
ハモるな!
でもまぁ、本当に頑張ったな。
何度も何度も自分を殺して、少しずつ絶望を喰らって。
『俺』の様な全てを奪われて、壊された人を少しでも、知ってる限り助けると自分に誓って漸く、辿り着いた
朱音と初めて話した時に知った。あの時、ラグナさんが俺を送る時代を間違えてくれたお陰で、あの時俺がドライグとアルビオンを叩きのめした事で助かって今も存続している家があると、自分の家もその一つであると教えてくれた。俺の正体までは知らなかったけど、朱音は伝説、逸話として鈴木 凡人の名前が残っている事を教えてくれた。
聖剣計画の時は祐斗は既にいなかったけど
治癒能力を全員に同時にかけることによって助けた、後遺症が残ってしまった奴らのそれは【特別な力】で奪い取った
そのおかげで、全員生存させて北欧のとある人物に面倒を押し付けてきた。「コイツら一人でも死んだら、お前らの存在を消す」としっかりお言葉を掛けるのを忘れずに。
朱乃のお母さんは日課のランニングをして階段ダッシュをメニューに取り入れようと考えてた時に見つけた神社でたまたま助けた
その時は血の力を久々に人前で使った
そして、漸くアーシアだ
教会のあのクソ蝙蝠を助ける前に手を打っても良かったんだけど、それをしてしまうと、貴重な悪魔が減ってしまうことと、アーシアが日本に来なくなると思ったから、手をつけなかった
しかも、原作が始まっても俺の活躍はなく、イッセーが原作以上の活躍をして、見事救って見せた
他にも助けた人なんてたくさんいるけど、それを持ってやっと本当にやっとだ。
俺はこの物語のスタートラインに立つことが出来た。
原作知識も1部だけ引き抜いたし、後はどんな事があっても、俺の力で望む結末に持って行くだけ、だから――――
「瑚太郎、料理終わっちまうぞ!」
「ああ、今行く」
―――もう二度とあんな思いはしたくない。
いかがでしたでしょうか!!
基本先を考えずに書いているので時々内容がぐっちゃぐちゃになってるかも知れませんが、温かい目で見守ってあげてください
次回の話はまだ未定です
使い魔入れるか、焼き鳥入れるか迷ってます!
ではまた次回お会いしましょう!