天才サッカー少年の異世界生活   作:夜乃 夜空

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グラウンド作製(3)&少年達の蹴り初め

 窓からの日差しで蒼也が目を覚ます。

 上半身を起こすと布団が膨らんでいた。

 隣のベットを見ると、優がいなくもしかしてと、自分の布団をどかした。

 すると、蒼也の足に優が抱きついて寝ていた。

 

「おい優起きろ。朝だぞ」

「う〜ん………。おはようお兄ちゃん。ふぁ〜」

「おはよう。朝ごはん作ってるから顔洗って降りて来な」

「はーい」

 

 そう言って蒼也は部屋を出てた。

 優は眠そうながらも、あくびをしながら返事をした。

 

 蒼也は部屋を出ると、キッチンに行き朝ご飯の準備を始めた。

 卵を割りボールでかき混ぜてからフライパンに流した。

 その間に昨日買ったパンを切ってトースターで焼いた。

 あとは昨日の残りをレンジで温め直した。

 そうしているうちにも卵焼きが完成して、パンも綺麗に焼けた。

 

 それをテーブルに持っている間に、優が眠そうな顔をして降りて来た。

 優はあと少しで椅子に届くというところで、床に倒れ寝始めた。

 

「おい。起きろよ。降りてくる前に顔を洗ってこいと言ったろ」

「すーすーすー。もう食べられないよお兄ちゃん!鬼畜!悪魔!外道!」

「いや、まだ食べてないだろ。あとどんな夢を見ているんだよ。それよりも早く起きろ」

「あれ?お兄ちゃん?あ、おはよう〜」

「おう。おはようさん。まず顔を洗ってこい。朝ごはんはそのあとだ」

「はーい」

 

 優はまた、廊下に出て言った。

 蒼也は優が顔を洗っている間にご飯を食べ始めていた。

 

 蒼也が食べ終わると、優が戻って来た。

 

「優は今日も、雑草を抜いて来れ」

「それだけ?他は何もやらなくていいの?」

「あとは、魔力測定ぐらいだな」

「魔力測定?」

 

 蒼也は魔力を優に説明した。

 

「ーーーーと、いうことだ。わかったか?」

「う〜ん。なんとなく」

「ま、それは午後だな。午前中は村に言って昨日の頼みものを見てくるよ」

「頼みもの?なにそれ」

「サッカーゴールとサッカーコートに筆頭なもの」

「昨日書いていた絵ってサッカーコート?」

「うん」

 

 優は昨日、蒼也が書いていた絵を思い出した。

 あれをサッカーコートと言っていいのか、優は悩んでいた。

 

「あ、そうだ優。お前サッカー教えろ」

「は?」

 

 急に蒼也に言われたことが理解できずにいた。

 

「サッカーを教える?誰に?」

「町の孤児に」

「孤児?」

「孤児」

「マジ?」

「真面目も真面目。大真面目さ」

「それ好きだね。ま、それぐらいだったらいいけど。何故?」

「うーん?なんとなく」

「いつも通りか、いいよ。で、いつ?」

「午後かなぁ」

「わかったよ」

「話は変わるけど、食べ終わったら自分で洗ってね。俺はもう行くよ」

 

 そう言って蒼也はログハウスを出て言った。

 外に出ると魔力を使って身体強化し、村に向かった。

 

 村に行くまでには、調子に乗ってスピードを出しすぎ、木に突撃した。

 少しクラクラするだけで、蒼也は無傷だった。

 そうして村に着くと、まっすぐ建築屋に向かっていった。

 建築屋に着くと、また中は明かりがついていなく日の日差しが部屋の中を照らしているくらいだった。

 

「すいませーん。どなたかいませんか?」

「はいはーい、今出まーす」

 

 そう言って中をから、昨日の男性が出て来た。

 

「昨日の、えっと………。名前………」

「ああ、名前を教えてなかったな。俺はプトツ。見ての通り建築屋を営んでいる。よろしくな」

「俺は、如月蒼也。村を出た先にある家に妹と2人で住んでいる」

「そうか………。まぁ立ち話もなんだ、中に入んな。昨日のことだろ一応試作品が何個かあるんだ。見ていきな」

 

 蒼也は、店の中の椅子に座った。

 プトツが、試作品と昨日渡した絵を持ってくると反対側の椅子に座った。

 

「まずはコーナーフラッグだ。ポールは一応木材で作ったんだが、長さがわからないから適当な長さで何本か作ってみたんだが。どうだ?」

 

 蒼也は手に渡された木の棒を見た。

 

「うーん?できればポールは、プラスチックで作って欲しかったんだか、まぁいいか。後で変えればいいや。他は?」

 

 そう言われて次に渡されたのがコーナーフラッグの上にある旗だ。

 

「他のはポールの先の、小さい旗は向かいの服屋さんに頼んで作ってみたんだか、どうだ?」

「これはいいね。ナイロン製だしね。これはオーケーだよ。あと、杭が必要なんだけどあるかな?なければまた絵を書いて明日に、持ってくるよ」

「これか?杭は一応つくたぞ。絵の中には描いてなかったけどな。適当に想像して作って見たんだが………?どうだ………」

 

 蒼也に言われて取り出したのは上下で、地面に刺す方とコーナーフラッグを支える方の位置が違う杭だった。

 

「これもいいね。コーナーフラッグのポールはこっちで準備するよ。ま、できることをするだけなんだけどね」

「あとサッカーゴールなんだけど明日見に来てくれ。試作品が完成するから」

「了解」

 

 そう言って椅子から立ち上がった。

 絵を、プトツに渡すと旗4枚と杭4本を持って建築屋を出た。

 帰りに冒険者ギルドで、昨日優が抜いていた雑草の中にあった薬草を買い取ってもらった。

 

 ログハウスまでの帰り道にパンと、肉を買った。

 昼食と夕食の買い物の帰りにまた、蒼也は裏路地に行った。

 昨日のリーダー感がある少年以外がいた。

 

「君たち俺の家にくる?ご飯ご馳走するよ?」

「……………」

 

 少年少女たちは蒼也の顔を見て縦に首を振った。

 そうしていると、今日の少年が帰って来た。

 

「あ、お前!昨日奴だ!今度は何しに来たんだよ!宝なんてねえぞ!」

「宝なんていらないよ。ただご飯に誘ったんだ。そうしたらみんなが来るって首を縦に振っただけだ。信じてくれよ」

「本当か」

 

 少年は睨みながらも蒼也を見てそのあと、少年達を蒼也のログハウスハウスに向かった。

 

 蒼也はログハウスに着くと優を呼んで、子供達に風呂にいれた。

 その間に蒼也は昼ご飯の準備をした。

 

「おーさっぱりしたか。綺麗になったじゃねえかお前」

「うるせー!お前は何が目的だ!」

「だから目的なんてないよ。しいて言えば君たちにサッカーを教えるだけだよ」

 

 蒼也が目的を教えるとリーダー感がある少年が呆れた。

 

「さっかー?何それ?」

「サッカーとはとボール1つで点を取り扱うスポーツだ」

「僕聞いたことあるよ。東の方の国で流行っているって聞いたことある」

「へー、東の国ね。ありがとな」

「うん!」

 

 風呂から出た1人の少年が答えた。

 そうしているうちにも、少年たちが風呂から出て来て、最後に小さい子を抱っこして優が出て来た。

 

「優、朝のこと覚えてる?」

「サッカーを教えろとか言ったこと?」

「そう、そしてこの子達に教えて欲しいのサッカーボールとマーカーは裏の倉庫に入っているから」

「なんでそんかこと知ってるの?」

「ここにいた時に見回ったから」

 

 優の問いに即答する蒼也に、あのときかぁ………と言うような顔をした。

 

「お前達、まずは飯だテーブルの上にあるから椅子に座って食えよ。椅子が足りなければ言えよ。持って来るからな」

 

 蒼也が裏路地から連れて来た少年達、5、6人が食べ始めた。

 子供達は笑顔で食べていてそれを眺めるかのように、暖炉の前の椅子に座って優と昼食を食べ始めた。

 

「ごちそうさま」

「おそまつさま。優、どうだった。結構自信あったんだけど」

「美味しかったよ」

「なら良かった。おーい!お前達、ご飯美味しかったか?」

「美味しかったよ!」「うまいよ!」「今までで一番だぜ!」「特にリュウ兄ちゃんが一番食ってたよ」「余計なと言うな!」

 

 子供達は楽しそうだった。

 蒼也は子供達の空いたお皿をキッチンへ持って行き、洗い始めた。

 

 全員が食べ終わると、元気が出たのか家の中を走り始めた。

 

「こらこら、走り回るな。走るんだったら外行くぞ。優は、準備してくれ」

「了解」

 

 優は蒼也に返事を返すと、走って外に出て行った。

 蒼也が少年たちと、外に出るとネットの中からボールが出ていた。

 周りは距離が開いてマーカーが並べてあった。

 

「ソウ兄ちゃん。これから何するの?」

「俺からサッカーをするんだよ。1人1つボールを持って」

 

 蒼也が少年達にボールを、持って来るとように言うと少年達は走って、ボールを取りに行った。

 ボールを手で持つと、又蒼也の周りに集まった。

 

「俺じゃなくて今日はあっちだよ」

 

 優の方を向くと少年達が又走って今度は優の周りに集まった。

 

「後はよろしくね。周りで眺めているよ」

 

 そう言って蒼也は自分のボールを蹴りながら少し離れた。




誤字があったらすいません。

↓蒼也のパラメータです。
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如月蒼也(15)
魔力量:???【測定不能】
スピード:10
キック力:8
体力:???【想定不能】
決定力:7
ドリブル:8
パスセンス:9

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全部10段階評価です。

次回は優のパラメータです。

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