練習場作製 (2)
「ふ〜。こんなんでいいだろ」
木を伐採したところを見ると何もなくなって、あちらこちらに雑草があるくらいだった。
一度ログハウスに戻って、運動場の絵を描いた。
そして、運動場の絵を持ってクエントさんに建築屋を紹介してもらった。
建築屋は、蒼也が入って来た逆の方にある村の出入り口付近にあった。
建物は2階建てで、1階は木材やレンガと材料運ぶ馬車が2台置いてあり、2階が建築屋になっている。
「すいませーん、誰かいませんか?」
店の中は暗く、誰もいなさそうだった。
少しすると中から1人の男が出てきた。
だいたい身長が、190cmで眠そうな顔をしている。
「あの。クエントさんにここの建築屋を紹介してもらってきたのですが?」
「ふぁ〜。村長が?まぁい。で?どんな家を建ててほしんだ?」
「作って欲しいのは家ではなく、こちらです」
そう言って、蒼也はログハウスで描いた運動場を見せた。
真ん中は、サッカーグラウンドでその周りはトラックになっている。シンプルな運動場だ。
「ふーん。立てるとすればこの、ごーる?と周りを囲む冊あとは、こーなーふらっぐ?くらいか。了解。色々試作して見るよ。又明日来てくれ。その絵貰っていいか作るのに必要になりそうだし」
「それぐらいなら」
蒼也は絵を渡すと、ログハウスに帰って行った。
ログハウスに着くと周りの雑草が全部抜かれてあった。入口の横にゴミ袋があり、ゴミ袋の中に雑草がたくさん入っていて、薬草と間違えてないか不安になる。
中に入ると暖炉の前のイスに座って寝ている優の姿があった。
「起きろ優。寝るなら上で寝てろ」
蒼也が押しても起きないので無視して、帰りに買ってきた野菜とパンで昼食を作った。
出来上がったので、1人で食べていた。
優の分はテーブルの上に置いといた。
午後は、やることがなかったので外でボールを蹴っていた。
ボールを蹴っていると急にボールが浮いて声が聞こえてきた。
『マスター。改めてよろしくお願いします」』
「俺がマスターってのはわかったけど、どうゆう事?まだわからないんだけど。後さっきも話しかけていたけど、それも君?」
蒼也は目の前に浮いてきたボールに疑問を聞いて見た。
『はい。あの時は私が話しかけました。そして私は、日本にいた時からマスターが蹴っていたサッカーボールです』
「てことは、俺が使っていたボールも異世界に来たの?」
『はい』
疑問がなくなると蒼也は、少し現実逃避したくなった。
もし、ボールが言っていることが本当ならこのボールは、俺を追いかけて来たように聞こえた。
「あと気になったんだけど、なんでボールを蹴っただけで木を貫けるの?」
『それは、マスターが私に魔力を流したからだと思います』
「魔力?」
『はい。魔力とは魔法を使うのに必要なものです。実際、マスターは魔力を持っていますから』
「魔力か……」
蒼也は魔力とは言われて厨二病のチームメイトを思い出した。
サッカーの技術がありCBとしてめっちゃ活躍していた。ボールを持てば自分でドリブルし相手のゴール前まで行ったこともあった。
そのチームメイトが『俺の魔力をくれてやる。それで身体強化しろ!』とかなんとか行っていたことを今でも覚えている。
「えーっと。こうかな?」
『!マスター!すごいです!少し説明しただけで魔力をコントロールできるとは!』
チームメイトの言葉を思い出しながら魔力をイメージしコントロールしたら簡単に出来た。それに喜ぶボールは地面を跳ねていた。
「チームメイトの言葉を思い出しイメージしながら、やっただけだよ」
『それでもマスターは、すごいです。普通の人なら魔力をコントロールするのに最低でも2週間はかかるものです』
「マジか〜」
魔力のコントロールをする時間を聞いて苦笑いするしかなった。
『魔力のコントロールが終わったので今度は私に魔力を流して見てください』
「こうか?」
イメージした魔力をボールに流してみた。
すると前みたいに体の中から何かが吸い取られる感じがした。
「お〜。この感じはさっきボールを蹴った時と同じ感じだ」
『それにしてもマスターは、魔力の回復がはないんですね。さっきと同じ量が流れて来ました。では、私を木に向かって蹴ってみてください』
ボールに言われたとうりに木に向かって蹴ると結構離れているのに、スピードと威力を落とさずボールが木に当たり、木を貫いた。
「本当だ。しかし魔力の回復が本当に早いな。魔力をコントロールして初めて気づいたよ」
『それは、普通です。しかも魔力の回復は普通1日たつか、ポーションを飲むかしないと魔力は回復しません』
「ふーん。魔力は優にもあるのか?」
『ありますよ』
そう行って今日は、魔力の特訓で終わった。
ログハウスの中に入ると、優が起きて本を読んでいた。
「優、今から買い出しに行くけど、どうする」
「家にいる。まだ本、読み終わってないから」
「了解。何か食べたいものある?なければ適当に買ってくるけど」
「なんでもいい。特にないから」
「了解」
今日の朝に、クエントさんにもらったお金を持ち村まで買い出しに行った。
夕方になってくると村では昼間より賑やかになっていた。冒険者は依頼の帰りだったり、子供と一緒に買い物に行っている親子がいたりする。
その中でも1人の子供が裏路地に入って行ったのを蒼也は、見えていた。
子供を追って裏路地に行くと、5、6人の子供がいた。年からして上は6、7歳ぐらいで下は2、3歳ぐらいだろう。
蒼也は子供達に近づいて話しかけて見た。
「君たちは親がいないの?」
蒼也が声をかけると1人の男の子が蒼也を睨みながら返事を返した。
「そうだよ!俺たちは捨てられたんだよ!」
「そうか。よかったら家にくるか?大人はいないけどね」
家に誘って見たけど、男の子が首を横に振り断った。蒼也は帰る際に「またくるよ」と言い、買い物に戻った。
蒼也は夕食の買い物が終わると村を出てログハウスに戻った。
夕食を食べ終えると蒼也は、風呂に入った。
風呂を出て、暖炉の前で椅子に座りながら本を読んでいる優に、風呂を入らせ寝室に行った。
ベットの上にいると、優がもう一つのベットに入った。
蒼也もベットに入り寝た。
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