side ポップ
どうやら俺達は見張られているらしく、悪魔の目玉らしき姿がちらりと見えた。どうせハドラーの手先だろうし、ダイの現在の実力を探るために、あのワニのおっさんを送り込んで来たんだろう。まともにやって勝てるかどうか分からないぐらいあのおっさんは強い。
かませ犬ってレベルじゃない!!くそったれ・・・・・そう思った時に俺の中である奇策が浮かんだ。思考を進めてみると案外面白い手かもしれない。
あの時・・・デルムリン島で、ハドラーのプレッシャーに負けて何も出来なかった屈辱を返す良い機会だ!幸い仕込みの必要性も殆どなく、やられた方はムカツク良い手だ!!そうと決まればさっそく実行だ!俺はおっさんの攻撃に合わせて、ダイの意識が逸れた一瞬の隙をついて逃亡を開始した。
これでおっさんやハドラーは俺が臆病風に吹かれて逃亡した様に見えるだろう。タイミングを見計らって横合いから殴りつけてやろう。まぁダイがやっつけてくれた方が一番良いんだろうけど・・・・・
一時離脱してタイミングを窺がっていると、さっき逃亡したライオンヘッドが襲い掛かってきやがった。今、お前の相手をしている暇はないんだ!!しかし、呪文で倒そうにもこいつはかなり素早さがあり、なかなか呪文を唱える隙がない。逃げながらどうしたものかと考えていたらあの女が、向こう側からやってきてモンスターを引き受けてくれた。
正直助かったが、問題はあの女だ。一撃でモンスターを倒してしまった。逆らわない方が身の為かもしれない・・・・・さっきのことも謝っておこう。こっちの事情を説明しようとしたら、まだ生きていたライオンヘッドが怒りの
女もそれに気が付いた様で、何か筒状の道具で、攻撃したと思ったらまるで
二度目ということもあり、女の怒りは頂点に達した様だ。あまりの怒りに、説得と事情説明を諦め逃亡することを選択した。謝罪と説得に掛ける時間がおしいので、ことが終わったら思い存分怒られることにしようと思う・・・・・・オレハイキノコレルノカ
side マァム
あの失礼な男を追って森を進んでいたら、もう一人の少年がワニ男にやられそうになっていた。遠くから見ていた感じでは、少年は麻痺系の攻撃を受けたみたい。若干距離はあるが、
よかった!なんとか間に合ったみたい。しかし、あの男はこんな少年を一人にしてどこをほっつき歩いているのか・・・・・こんど会ったらOHANASHIとOSHIOKIをしないといけないわね。そんなことは今は置いといて、戦いの形勢は少年に不利のようね・・・・あの斧、
「あの斧をなんとかしないとね」・・・・思わずそう呟いてしまったが、この状況を打破する方法を思いついた。今迄どんなモンスターに襲われてても使わなかった、《切り札》を切ることにした。お父さんとお母さんの昔の仲間の人が、何年か前に村に立ち寄った際に込めてもらった
ワニ男が攻撃のモーションに入った瞬間に、私は
私が撃ったのと同じタイミングで、別方向からも呪文が放たれていたのが見え、そっちを見たらあの男が困った顔をしていた。どうやら考えていたことは一緒らしく、タイミングもかぶったらしい。
狙い通りに命中しワニ男が凍ってしまった。あまりの効果(武器が凍って使えなくなるぐらいを期待していた)に若干引いてしまったが、チャンスには変わらないので私は少年に向かって合図を送った。少年も一瞬呆然としながらも見事に攻撃を当てて、ワニ男の片方の目を潰すことに成功する。
ワニ男も不利を悟ったのか、恨みごとを言いながら逃亡していった。その引き際はいっそ見事というしかないわね。私は少年達と合流して、得意呪文である