原作ブレイク上等！！ 逆襲のオリ主

ダイ激怒！！！

　アバンの命がけの魔法(メガンテ)・・・・・たとえ魔神であってもかわせないと思われる見事な攻撃でしたが、私はそれすら致命的な一撃にならないことを知っています。そんな命がけの行動を見ていると、単純にアバンの仲間として、戦場に立っていられたらと思ったりします。それが偽善であることを、もちろん私は知っています。神(ジジィ)に復讐することを誓ったあの時に・・・バーン様の誘いを受けてしまったあの時から・・・そんな資格は私にはありはしないのですから・・・・・

　そんな感傷は置いておいて、最後の瞬間にアバンが何か呟いた様に聞こえました。しかし、ここからではうまく聞き取れませんでした。非常に気になるところですが、現場が物凄いことになっており、それどころではありません。周囲を物凄い爆風が吹き荒れ、破壊力の凄さが伺いしれます。

　ダイ少年とポップ達は呆然としており、状況が理解出来ていない様子です。しかし表情から、アバンの死はおぼろげながら感じている様にも窺えます。

「先生が・・先生が命をかけて守ってくれたのに・・なんにもできなかったなんて・・・！」ダイ少年が呆然とした表情で、言葉を搾り出す様に呟いたのが聞こえてきました。その後、瓦礫の下から多少のダメージは負った様ですが、比較的軽症らしいハドラーが這い出て来ました。

　「見事な散り際であったわ！勇者アバンよ！！」そう言いつつハドラーは、爆心地を見つめています。ですがその行為もわずかな時間のことで、己の任務を思い出したのかダイ少年達に方に近寄っていきます。歩きながらハドラーは、攻撃魔法(メラゾーマ)を展開しています。通常より多くの魔力を注ぎ込んで、威力の底上げを図っている特別版です。　

　本来であれば魔法を使った戦闘の場合、使う魔法の威力と、魔力を注ぎ込む(タメ)時間とのバランスを取って攻撃します。威力が少な過ぎたら効果がありませんし、チャージ時間が多すぎると相手に先に攻撃されてしまいます。それらを瞬時に見極めながら、攻撃することに魔法戦闘の極意があると私は思っています。

　しかしハドラーは、それを無視して限界ギリギリまで魔力をチャージして、確実にダイ少年達を葬り去ることを選択した様です。もちろん鋼鉄変化呪文(アストロン)の残り時間も計算に入れて、解ける瞬間に最大出力で放つ心算でしょう。　　　

　本来であれば、「俺の火炎(メラ)は地獄の炎！」とか「相手を焼き尽くすまでは決して消えん！！」だとか言って油断しまくっている場面ですね。そして竜闘気(ドラゴニックオーラ)全開で、鋼鉄変化呪文(アストロン)を破って自由になったダイ少年に、苦戦しまくって逃げ帰ると言うのが本筋になります。

　ですが、このハドラーは私の知っている三流魔王とはレヴェルが違います。油断や驕りといったマイナス面をどこかに置き忘れてきたのか、詰将棋の様に確実に止めを刺しに来ています。これでは流石のダイ少年でも形勢は不利ですが、この物語での主人公補正とも言うべき竜闘気(ドラゴニックオーラ)が発動する兆しが見えます。

　これで、DEAD ENDフラグは回避できそうです。（ダイ少年には日記を書く趣味はないようですが）・・・・・話がまた脇道に逸れてしまいました。

　鋼鉄変化呪文(アストロン)を自力で解除したダイ少年と、呪文をキャンセルしたハドラーが、激しく打ち合っています。互角の勝負を繰り広げている様に見えますが、わずかながら勝利への天秤はダイ少年に傾きかけています。ハドラーにもそれが感じられたのか、大勝負に出ようとしているのが気の高まりで感じられます。

　結果だけ言えば、原作より自力がアップしているダイ少年のストラッシュ（竜闘気版）がハドラーをぶっ飛ばし、キメラの翼を使って離脱すると言った流れは変わらなかった様です。仮定は変わっても結果は集束すると言うことなのでしょうか。

　私も今頃海に漂っているであろうアバンを回収して、離脱することにしましょう。回収後浜辺にでも置いておけば、弟子達の旅立ちを見届けながら修行の旅に出ることでしょう。私が改良・強化した潜伏呪文(レムオル)を解除し、さっそく行動に移ります。

　私にもやることが出来ました。魔界に一旦帰還し、今回のことをバーン様に聞いてみることにしましょう。今回の相違が、今後の予定(神殺し)に影響しなければ良いのですが・・・・・