原作ブレイク上等!! 逆襲のオリ主   作:オルフィーナ

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アバンのしるし 後編

  

 そうしてアバンは二人に、最後の別れの言葉を掛けていきます。まずダイ少年の目の前に立って「ダイ君、貴方は素晴らしい素質に恵まれています。修行が途中で中断してしまったのは残念ですが、この先もし《お姉さん》に会うことがあったら、修行をしてもらって下さい。更なる高みに達することが出来るでしょう。貴方なら立派な《勇者》に成れることは私が保証しますよ・・」と言ってアバンのしるしを、ダイ少年に首に掛けました。(やっぱり私だとバレましたか!?。あなたの遺言(ゆいごん?)は、私が引き受けましょう)

 

 

 次ぎにポップの前に来ましたがポップが「いやだ・・・いやだよ!!そんなのいらないよ・・」と言っています。流石のアバンも困り顔です。更にポップは「勝てないって解っている相手に、なんでそんなムチャするんだよ・・・」最後の方は嗚咽になっていましたが、意味は通じたのでしょう。

 

 

 アバンはポップに「勝てない相手だからこそ・・・命をかける必要があるのです。それにねポップ、やはり修業で得た力というのは他人のために使うものだと私は思います。たぶん私の力はこの日のために・・・あなたたちを守るために神様からさずかったのでしょう・・いつかあなたにも必ずわかる日がきます。だからその時の為にこれをあずけておきましょう・・」と言ってポップにもアバンのしるしを掛けてあげています。

 

 

 そうしてアバンは最後に「とは言え、二人はまだ仮免中といったところです。そんなに感動してもらっちゃこまりますよ。これからもブリバリ努力してくれないと、それにふさわしい勇者になれませんからね!」と得意のユーモア(・・・・・・・)(センスが良いとはいっていない)で場を和ませます。

 

 

 そして、通りざまにブラス老に向って何か言っていますが、この位置からは聞こえません(内容が多少気になりますね・・)この間、ハドラーは無言のままアバン達の様子を窺っています。そうして別れが済んだタイミングで、アバンに声を掛けます。

 

 

 「別れは済んだか、勇者アバンよ!」その返答とばかりに「何があったか知りませんが、あの時の魔王とはまったくの別人ですね・・・」と感慨深げにアバンは、ハドラーに向けて話しかけます。対するハドラーというと、特に気にした様子もなく「たいして変わらんよ! 結局お前を殺した後に、弟子もあの世に送ろうとしている外道よ!」と自嘲気味に返すハドラーでした。

 

 

 しかし、アバンは「貴方には、15年前には感じなかった凄みの様なものを感じます。ここで止めなければ、人類すべてに最悪な結果になる予感が・・・被害が最小限の内に、貴方は命にかえても私が倒します!!」

 

 

 そう言ってアバンは、ハドラーに向けて猛攻を仕掛けます。15年前よりかなり鋭さを増した太刀筋で、連撃を繰り出します。正直思った以上にアバンの一撃、一撃にパワーが乗っており、昔のハドラーなら瞬殺出来るのではといった感じです。(はっきり言って何があった・・勇者アバン)

 

 

 対するハドラーは、そんなアバンのパワーアップにも十分に対応出来ています。アバンも研鑽を怠っていなかった様(どんな修行をしたのですか!?)ですが、ハドラーのパワーアップが上回っており、両者の差が思った以上に開いてしまった様です。

 

 

 肉体スペックに差がついてしまったとしても、以前の小物っぷりまるだしの田舎魔王(我ながら酷い言い様ですね)でしたら勝負はもう少し、接戦になったかもしれません。ですが今のハドラーには、そういった要素はまるで感じられません。あくまで冷静に対応している様子がここからでも窺えます。

 

 

 アバンの攻勢に若干の疲れが見えて来たところで、今度はハドラーが猛攻を仕掛けます。アバンも何とか耐え忍んでいますが、捌き切れず細かいダメージが蓄積していきます。そして何度捌いたか忘れたころに、猛攻に耐え切れなくなったか、体勢を大きく崩してしまいました。

 

 

 とうとうハドラーに向け、致命的な隙を作ってしまったアバンでしたが、それ自体が誘いだったのです。ハドラーが好機と見たのか、大きな一撃を放って来ました。自らの命を囮としてようやっと、ハドラーとの間合いを零距離まで誘導する事に成功しました。

 

 

 完璧なタイミングでした。流石のハドラーも意表を突かれ、自ら放った一撃を止める事が出来ません。そうしてアバンは、自らの生命エネルギーを爆発力に転化し相手に叩きつける呪文である《メガンテ》をハドラーに直撃させることに成功しました。

 

 

 

 


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