比企谷八幡のラブコメには色々ある   作:Soアニ

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どうもSoアニです!

かなり早めの更新ができました……!

読み手に回ることの方が多いので滞らないよう頑張ります!!


こうして彼ら彼女らの時間は新たな始まりを告げる

「……ん?なんだ、一色か」

 

 

「せ、せん……ぱい……」

 

 

涙がとめどなく溢れ出した。そしてーー

 

 

「先輩!!!」

 

 

わたしは医師の制止も聞かずに先輩に駆け寄り、抱きつきました。それはもうみっともないくらいにわんわん泣きながら。

 

 

「ちょ、一色、……はぁ」

 

先輩はしょうがないな、という表情でわたしを受け止めてくれ、頭をポンポンと優しく叩いてくれた。医師から引き剥がされるまで先輩に抱きついていました。

 

そしてそのすぐ後に雪ノ下先輩と結衣先輩が病室に現れ、先輩を見ると泣きながら2人で抱きついていました。先輩は戸惑いながらもお二人を優しく受け止めていました。先輩にとって意識を失ってから戻るまで一瞬の出来事だったと思います。しかしわたしたちの反応を見て長い間心配かけたな、と苦い顔をしていました。

 

「遼、今日は帰ろ」

 

「え、で、でも」

 

「いいから、帰るよ」

 

その時気にもとめていませんでしたが詩織たちはわたしたちに気を使って帰ってくれたみたいです。ごめんね詩織、遼君……。

 

そして先輩は奇跡的に後遺症は残らなかったみたいです。小説とかラノベでお馴染みの『意識が戻ったが記憶は消えていた』というある意味お決まりの展開がなかったことに安心しました。

 

それでも脳の問題ですから約1ヶ月は入院生活だそう。確かに目を覚ましてくれて良かった。だけどわたしの罪悪感が消えたわけではありませんでした。

 

「先輩」

 

「ん?」

 

「ごめんなさい」

 

「は?」

 

何言ってんだこいつ。みたいな顔してます。やっぱり先輩は先輩でしたか……。

 

「わたしがあの時気づいていれば先輩はこんなことには……」

 

「はぁ、そんなことか」

 

「そ、そんなことって!わたしのせいで……」

 

「バカじゃねぇの」

 

「え?」

 

「別に俺はお前だから助けた訳じゃねぇよ。偶然お前だっただけだ。俺が助けたんじゃない、お前が勝手に助かっただけだ」

 

どっかで聞いたことあるようなセリフです……。

 

「それに、なんだ。俺もお前らに心配かけたからな。おあいこってことで」

 

あぁ、やっぱりこの人は優しい。不器用で意気地なしのくせにいつもわたしを助けてくれる。だから好きになったんだ。

 

「ふふっ、先輩がいいならそれで手を打ってあげます」

 

「あれ?なんで俺が譲歩されてんの?」

 

「いいんです!先輩ですから!」

 

「俺だからって理由で片付いちゃうのね」

 

「あの、2人とも?」

 

「ん?どうしました?結衣先輩」

 

あたし達もいるんだけど!みたいな顔してますね。

 

「あたし達もいるんだけど!」

 

おぉ、ビンゴ。

 

「比企谷君。こんな美少女3人がいるのだから全員平等に接するべきではないのかしら」

 

雪ノ下先輩が言いたいは要するに「私にも構って」ということですね。かわいい。

 

「お、おう。悪かったな」

 

「分かればいいのよ」

 

眩しい!雪ノ下先輩の笑顔が眩しい!あ、先輩も照れてますし。なんだか腹が立ちます。

 

「痛い痛い。腕をつねるな」

 

「むぅ」

 

「あざといんだよ」

 

「あざとくないですぅ!」

 

そっぽ向きながら「あざとい」なんて言われても効果ないですよ?ちょっと顔赤いですしっ。

 

「あ、あたしは?」

 

会話に置いていかれてる結衣先輩でした。

 

ーーー

 

それからわたしたちはこの2ヶ月を埋めるように色んな話をしました。特にこれといった出来事があったわけではありませんがそれでもこの4人で話すこと自体が楽しくて仕方なかったのです。結衣先輩がまた先輩と同じクラスだったというのは少し、いやかなり羨ましかったです……。

 

わたしたちの毎日来る宣言に嫌な顔をしながらも了承してくれた先輩に別れを告げ、3人で帰路に着きました。

 

「あー、楽しかった!」

 

「本当によかったですっ」

 

「比企谷君は相変わらず比企谷君だったわね」

 

「いきなりすぎてびっくりしたけどね!」

 

「しょうがないですよ。先輩ですもん」

 

「ふふっ、そうね」

 

そうしてお二人とは別れ、家に着きました。帰ってからずっとニヤニヤしてるわたしを不思議そうに眺めてる両親の視線をスルーしながらわたしは先輩にメールをする。

 

ーーー

宛先:愛しの先輩

ーーー

件名:無題

ーーー

先輩!久しぶりに後輩からのメールが来て喜んでるんでしょ!(≧∇≦)

 

それから!毎日お見舞い行きますから何か欲しい果物とかありますか?

 

ーENDー

 

まぁ、こんな感じかな?先輩の登録名は気にしないでください♪

 

「送信、っと」

 

まぁ先輩のことですからどうせ返信返ってくるのは遅……

 

ピロリロリン♪

 

早っ!!入院中ですから暇なんでしょうね。思わずにやけそうになる頬を抑えながらメールを確認する。

 

ーーー

差出人:愛しの先輩

ーーー

件名:無題

ーーー

あざとい

 

あれ、まじだったのな。

りんご

 

ーENDー

 

……相変わらず短すぎませんかねぇ?というか毎日来るっていうの本気にしてなかったんですかこの人!?

 

全く、この人は……。

 

でも毎日会えるので許してあげます。

 

ピロリロリン♪

 

「え?また先輩から?」

 

メールを確認するとーー

 

ーーー

差出人:遼君

ーーー

件名:無題

ーーー

先輩、意識が戻ってよかったですね!

 

近々また一緒にお見舞い行きませんか?

 

ーENDー

 

「なんだ遼君か」

 

わたしは残念な気持ちを必死で抑えながら返信をする。

 

ーーー

宛先:遼君

ーーー

件名:ごめんね〜

ーーー

今日は来てくれたのにごめんねー。

 

うん、いいよ〜

 

ーENDー

 

我ながら雑っ!

 

そういえば今日あの2人をほったらかしにしてたの忘れてた。いつの前に帰ってたみたいだけど。明日ちゃんと謝らなきゃ……。

 

反省しながらも明日から放課後毎日先輩に会えるのを楽しみで仕方がないいろはでした。

 




ちょっと短かったですかね?いろはす成分ちょっとは増えたかな?

感想お待ちしております!!

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