比企谷八幡のラブコメには色々ある   作:Soアニ

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お久しぶりでございます。Soアニです。
約3ヶ月間この作品更新しておりませんでしたー……

短編の方で「白いカーネーション」というのを書いたのでそちらも読んでいただけると幸いです。感動モノとして書きました。

まぁ久しぶりすぎて話の流れ忘れてたということで一回読み直して書きました!
それではどうぞ!


ただの日常が変わる時

しばらく経ち、新学期が始まった。相変わらず先輩は目を覚まさない。それでもわたしは毎日お見舞いに行きました。生徒会の愚痴とかクラスの愚痴とか。よく考えたら愚痴しか言ってないんですよね……。

 

雪ノ下先輩と結衣先輩もほぼ毎日お見舞いに来ていたようで、ある日わたしが病室に行くと、お二人が先輩の耳元で、

 

「雪乃雪乃雪乃雪乃……」

 

「結衣結衣結衣結衣……」

 

下の名前で呼んでもらえるように延々と暗示をかけてましたとさ。

……はい、もちろんわたしもやりましたよ?

心なしか先輩がうなされてるような気がしました。

 

やっぱり先輩がいないのは寂しいですが必ず目を覚ましてくれる、そう信じているのでそれまでもう泣かないと奉仕部のお二人と決めたのです。

 

わたしたち以外にも葉山先輩や平塚先生をはじめ友達がいないと言ってたくせにかなりの生徒がお見舞いに来てました。しかも女子率が高すぎませんか先輩。これは説教ものですよ!

 

何気ない日常を過ごしていたわたしですがある日を境に少しずつ変わっていったのです。

 

ーーー

 

「あのさ、いろは。お願いがあるんだけど」

 

「ん?なに?」

 

この子は上本詩織ちゃん。わたしの親友です!こんなわたしを庇ってくれてずっと仲良くしてくれて、ほんとに感謝してます。わたしと亜美と詩織の3人で休み時間は過ごしているのです。彼女からのお願いならなんだって聞いちゃいます。

 

「実はさ、私の弟にいろはのこと紹介してくれー、って頼まれちゃって」

 

やっぱさっきの撤回。

 

んー、先輩以外の男子は別に興味ないんだよね。かと言って理由もなく断るっていうのも相手に悪いからなぁ。まぁ会うだけならいいかな。デートとか誘われたらやんわり断ろう。

 

「ごめんね、どうしてもって聞かなくて。いろはは比企谷先輩のことが好きなのに」

 

「いいよいいよ。弟さんってここの一年生だよね?」

 

「そうだよ」

 

そう、彼女の弟はこの学校の一年生なのである。自分で言うのもあれがが入学式の挨拶でかなりの数の男子のハートを掴んでしまった気がする……。

 

「まぁ、会うくらいならいいよ」

 

「ほんと!?ありがとっ!明日の放課後大丈夫?」

 

「うん、大丈夫だよ」

 

これが会うだけならいいんだけど。

 

ーーー

 

さてやってきました。昨日言ってた明日です。つまり今日。

 

すみません。意味不明でした。

 

まぁとにかく今日は詩織の弟くんと会う日です。まぁお見舞いがあるって言って断ればよかったんですけど詩織の頼みということでずっと先延ばしにするわけにはいかない!ということで渋々会うことに。

 

「おーい遼ー!こっちこっちー!」

 

下足箱で待っていたわたし達。そして詩織に遼と呼ばれた子が現れました。

 

見た目は紛れもなく今風のイケメン。身長は先輩と同じくらい。先輩みたいなボサボサの髪型ではなくちゃんとセットされており、1年前のわたしなら即狙ってるタイプである。まぁ葉山先輩に少し似てるかな?

 

というか比較対象が先輩ってどうなのよわたし……。

まぁ確かに?見た目は先輩よりかっこいいよ?でも先輩は普段ぶっきらぼうなくせにたまに見せる優しさとか素のわたしも猫かぶったわたしも両方ちゃんと見てくれるし、なにせあのどんよりした目も癖になるし依頼を受けてる時のキリッとした目はもうやばいんですからね。

 

って1人でなに語っちゃってるんでしょうかわたしは……。

 

「いろは?」

 

すみません。ぼーっとしてたみたいです。

 

「あ、ごめんごめん。彼が弟くん?」

 

「そ。ほら遼」

 

「は、はじめまして一色先輩。上本遼です」

 

「はじめまして、一色いろはです」

 

最初は緊張していた遼君だったけど段々と慣れてきたみたいで3人で色んな話をした。遼君は話しやすくてかなりモテるタイプ。確かに楽しかったけど早く先輩のお見舞い行きたくてウズウズしてました。詩織はそれを察したのか、

 

「そろそろ帰ろっか。良かったらいろはも病室の近くまで一緒に帰らない?」

 

「あ、うん。いいよ」

 

「病院?」

 

あ、そっか遼君は知らないんでした。

 

「お世話になった先輩が入院してるんだ」

 

「え、それって」

 

「……そう。比企谷先輩だよ」

 

先輩の意識が戻らないことは事故の翌日生徒全員に伝えられた。まぁほとんどの生徒が無関心でしたでしょうけど。

 

「その人、姉ちゃんが言ってた一色先輩の好きな人ですか?」

 

「そうそう……ってえぇ!?」

 

ちょっと詩織!?

 

「ちょっと詩織!?」

 

心と身体がリンクした瞬間であった。

 

「ご、ごめんいろは。そうじゃないとこの子諦めないと思ったから」

 

「まぁ、いいけど……」

 

まぁ遠ざけようとしてくれたこと自体には感謝してますからね。

 

その日は途中まで一緒に帰り病院の近くで別れました。

 

好きな人がいるって言ったのに会おうとするって中々手強い子かもなぁ……。

 

ーーー

その日からわたしたちは病院までの道のりを3人で帰ることになった。生徒会があるときでも2人は待っていてくれた。遼君はともかく詩織は「弟が間違いを犯さないように」という理由で待っているらしい。いや、絶対間違いなんて起こらないからね。間違いが起こるなら先輩と……

 

コホン。遼君と初めて会ってから10日ほど経った日、

 

「いろは先輩。俺も比企谷先輩のお見舞いに行ってもいいですか?」

 

この子いつの間にわたしのこと「いろは先輩」って呼んでるんだ。

 

けど遼君がお見舞いに来ちゃったら先輩のこと見て、「勝てるんじゃね?」とか思いそうで怖い。先輩の良いところは内面だからなぁ。

 

「私も行ってみたいんだけど、だめかな?」

 

んーまぁ、詩織の頼みならね。

 

「わかった、いいよ」

 

そもそもわたしが許可するようなことでもないんだけど、遼君はわたしにオッケーを貰ってホッとした様子だった。

 

他愛もない話をしながら病院につく。いつものように手続きを済ませ先輩の病室に向かうとなんだかいつもより騒々しい気がした。そして先輩の病室が見えるとそこには何人かの看護師と医師が入っていくのが見え、わたしの心臓は大きく跳ねた。

 

まさか、先輩に何かあったの?

 

冷や汗が出て手足が震えてくる。それを見て詩織と遼君は心配そうな表情でこちらを見ていた。

 

「だ、大丈夫?いろは」

 

その瞬間わたしは走って病室に向かった。

 

 

「せ、先輩!」

 

 

病室のドアを開けるとそこにはーー

 

 

 

 

 

 

「……ん?なんだ、一色か」

 

 

 

 

 

わたしの大好きな先輩がわたしに声をかけた。

 




まぁちょっと展開を変えてみました。
感想お待ちしております!

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