いきなりだが俺の目の前にはでかい豪邸、雪ノ下邸がたたずんでる。てかやっぱデカすぎだろ。最初来た時はちょっとビビった。てかその後に陽乃さん達の両親と話したけどそっちの方が最初は怖かった。そう、
「いらっしゃいませ比企谷様。本日はどのような用事で?」
「今日はお話がありまして。出来れば緋乃さんと冬樹さんにもお話したいと思っています。緋乃さんと冬樹さんはいますか?」
「はい、主人達は非番でして。今すぐ伝えてきます故、客間ににてごゆっくりしてください」
「分かりました」
客間に案内され、入るやいなや都築さんは消える。あの人人間辞めてるよな。まぁ人のこと言えないけど。しばらくゆっくりと出されている紅茶を飲みながら、待っているとドアが開かれる。
「待たせたね。八幡君」
「いえ、こちらこそすみません。いきなり押しかけてきてしまい」
「大丈夫だよ。緋乃と娘達もそろそろ来るから」
この人は雪ノ下冬樹。県議会議員で雪乃と陽乃さんの父親。事故の時と雪乃達の出来事の時に話している。ちなみにこの人に仮面なんてものは存在しない。全て素でやって来たある意味超人だ。てかよく政界で生きてるよな。マジですごい。
「いやー、褒めらるのは慣れてないな〜」
「なにさり気なく心読んでるんですか。
「八幡君は分かりやすいんだよ。だからついつい読んじゃうのさ」
そう言って笑う冬樹さん。そう、冬樹さんは能力を持っている。しかもON/OFFが出来るというチート能力。幻想郷での言い方だと『意識を操る程度の能力』と言った所か。ちなみに緋乃さんや雪乃達にも能力が宿っている。しかし、心を読まれたおかげで、
「……八幡君」
「どうやら、読めなくなったみたいですね」
「!?」
そう、意識を操るということは読まれないように意識することも出来るということだ。
「八幡君、それはどういうことだい?」
「前に話した時に俺にも冬樹さん達のような能力を持っていると言いましたよね?」
そう、俺は冬樹さんや緋乃さん、雪乃達に俺も能力があるということを伝えていた。
「そうだね。まさか、読めなくなったのは君の能力が関係しているのかい?」
「そうですね。俺が持っている能力は三つ。『見たものを全て再現する程度の能力』、『守る程度の能力』、最後はまだ分かりません」
「ふむ…その三つ目の能力が謎だね……ん?見たものを再現する?」
「?はい、そうですけど……」
「見たものなら何故僕の能力が使えるんだい?」
「あ……」
「……どうやら、何故か分からいようだね」
「……ですね」
何故俺は冬樹さんの能力が使えた?何故?
「それは三つ目の能力の力さ、比企谷」
「はぁ…なんでお前がいんだよ葉山」
ドアの所にいたのは我が総武高のスクールカーストのトップ、葉山隼人。そしてこいつも能力持ちである。
「あの3人の買い物の付き合いをされててね………」
「……お疲れさん」
遠い目をして言うが本当に最悪だな。俺も前に付き合わされたがすごい大変だった。あん時は能力が暴発しかねない状態だったから使うわけには行かなかったし、なにより緋乃さんのシュンって表情がやばかったからな……宥めるのに大変だった……
「話を戻すけど、俺の能力は『答えを知る能力』だ。その能力でその三つ目の能力が関係していることが分かった」
「……それだけなのか?」
「……あぁ、何故かそれだけだ。初めてだよ。回答不十分なことになったのは」
「そうか……」
こいつの能力は百発百中当てる。つまり必ず当たる回答を導き出す能力。その能力がそれしか出さないということは余程三つ目の能力が強いって事だろう。
「そういえば緋乃達はどうしてるのかい?」
「緋乃さん達はそろそろ来ますよ。比企谷が来るって知ったら陽乃さんと雪乃ちゃんはすごい速さで部屋に入って行きましたよ」
「あぁ、そういやさっき雪乃達に念話で準備するように言ったんだったな」
「え?八幡君いつしてたのかい?」
「冬樹さんと話してる時ですよ」
「分からなかった……」
「比企谷、幻想郷とやらに行くの俺もついてっていいか?」
「は?」
何故?こいつが自ら行きたいって言うのは意外だ。
「てかお前なんで幻想郷のこと知った?」
「能力さ」
「なるほど」
そう、葉山にも能力がある。さしずめ『解答を知る程度の能力』と言った所か。
「八幡君、娘達をその地に連れていくのかい?」
「はい。まぁいつでも帰ってこれるようにしますけど」
「それを聞けてよかったよ」
ドアが開く音がした。そこを向くと小さなバッグを背負った陽乃さんと雪乃がいた。
「準備出来たわよ」
「いつでもOK!」
「よし、彩加もそろそろ来る頃だから待ってろ。っと、来たな」
インターホンが鳴る。来てくれみたいでよかった。
「出てくるわ」
雪乃が出迎えに行く。その間に俺は陽乃さんと話す。
「陽乃さん、あなたは危ない能力があります。その能力は人を越えて、陽乃さんを人間じゃなくさせてしまうかもしれません。それでもいいんですか?」
「いいよ。例え今お父様に止められても行く。だって八幡といると楽しいもん!!」
「……ありがとうございます。陽乃さん」
この人は今仮面を付けていない。つまり素で言っている。俺はそれが一番嬉しい。
「彩加さんが来たわよ」
「皆さんこんにちは!」
「よう。待ってたぜ」
「うん!ありがとう八幡!」
すごい笑顔で話してくる彩加マジ天使。幽姉?女神か神だろ。
「これで全員かい?比企谷」
「あぁ、全員だ」
「はちま〜ん〜」
聞き慣れた声がいきなり聞こえ、誰かに後ろから抱きしめられている。誰かは分かってるが。
「なにしてんのゆか姉」
「なにって八幡を抱きしめているのよ?」
「ねぇなんでそんな当たり前のように言うの?恥ずかしいからやめてね?」
てか雪乃達はゆか姉がいきなり出てきたからびっくりしてるし。
「あら、驚かせてしまったわね。私の名前は八雲紫よ。幻想郷の管理者をしているわ」
「あ、はい。僕は雪ノ下冬樹と言います。よろしくお願いします」
「よろしくお願いしますわ」
いち早く気付いた冬樹さんが自己紹介をする。そこから雪乃達も気付き、自己紹介をしていった。
「さて、この4人かしら八幡」
「そうだよ。てかいきなり出てきてどうした」
「それがね、まだしばらくは幻想郷に異変が起きないからそれまでに別の世界に行ってもらおうと思ってたのよ」
「「「「別の世界?」」」」
「そう。そこであなた達の修行にもなるし、八幡の実力も分かるわよ?」
「……なるほど。分かった」
「他の方々はどうかしら?」
「行きたいです!僕の
「私も行きます。八幡君といられるならどこへでも行きます」
「わたしは雪乃ちゃんと同じです」
「俺はこの能力で戦える術があるならそれを知りたいです。ですので俺も行きます」
「お前ら……」
「フフッ、いい人達に出会えたわね八幡」
「……はい」
「それじゃ、行きなさい。力を秘めし少年達よ」
俺達の足下にスキマが作られる。ん?足下?
「ってまたこれかよぉぉぉぉ!!??」
「フフッ、待ってるわ。八幡。そしてその仲間達よ」
後で覚えてろよゆか姉!!