「フッ!」
能力で再現したエリュシデータとダークリパルサーの片手剣を使い幽姉に斬撃を放つが、日傘によって受け止められる。
「まだ力がちゃんと入ってないわ。連撃のモーションをしっかりとしなさい!」
「あぁ!ならこれはどうだ!再現『ダブルサーキュラー』」
右手に持ったエリシュデータを振るう。しかし防がれてしまうが、それは予想してたのと同じだ。コンマ一秒の差でダークリパルサーが幽姉に迫る。しかしそれを幽姉は指で掴む。
「はいぃ!?」
「まだ甘いわよ!幻想『花鳥風月、嘯風弄月』」
「やばっ!?」
本気の弾幕が放たれる。見えづらいし避けずらい。たまに追尾があるからキツイ。
「くっ!再現『スターダストレヴァリエ』」
魔理沙が使っていたスペカを使う。なんとか幽姉の弾幕と相殺する。
「嘘……相殺したの!?」
「あっぶねー……」
2つの剣を消し、次に使う武器をイメージする。
「再現『天鎖斬月』」
手には刀身が黒く、鍔は卍の形、柄の頭には鎖がついている刀がある。体には元の作品と同じような服が再現されている。
「……行くぜ」
「……来なさい」
幽姉は妖力、俺は霊力をありったけ放出する。お互いに正面から突っ込んでいく。互いがぶつかると、辺りには普段感じれない衝撃波が広がっていく。
「2人とも凄いぜ……」
何故魔理沙がいるかは知らんが、それがしばらく続いた。
***
「「ふぅ……」」
あれから特訓は終わり、今はお互いに背中をくっつけて休んでいる。
「久しぶりに全力を出せたわ。八幡は能力の応用が凄いわ」
「そういう幽姉もどんだけ強いんだよ。びっくりした」
「フフッ、伊達に長生きしてないわ」
「確か妖怪って年々妖力が上がっていくんだったっけ」
「そうよ。それと紫も結構強いわよ。私と同等よ」
「マジか……」
「何かの異変の時紫と闘うなら気を付けなさないね」
「分かった」
それから魔理沙も会話に入ってきて、魔理沙から褒められたりしたりまた弾幕ごっこしたりとその一日はとても充実した。
***
それから魔理沙は自分の家に戻っていった。どうやら何か渡す物があったらしい。
「さて、そろそろ行くか」
「あら、もう行くのかしら」
立ち上がりながらゆか姉の能力を再現する。目の前にはゆか姉のと同じスキマが発生した。
「まぁね。そろそろ連絡しないと後が怖いし」
「そう……今度は自分から来れるから、早めに戻って来なさいね?」
「あぁ、分かってる」
「あれ、八幡どこ行くんだ?」
幽姉と話してると魔理沙が袋を持って戻って来た。てか早いな。
「一回現代にな。また戻って来るが」
「お!ちょうどよかったぜ!」
そう言いながら魔理沙は袋の中をガサゴソ探し出す。
「ほれ!八幡用と幽香用に作っておいたぜ!」
俺と幽姉に渡されたのは人形だった。
「人形…?」
「へへっ、私の友人に人形使いがいてな。これで幽香と八幡が離れても話せるように通信機能を付けた人形を頼んでたんだぜ!!」
「魔理沙、お前……」
「魔理沙……」
やばい。マジでこいついい奴だ。ウルッと来たぞ。
「へへっ」
魔理沙はちょっと照れくさそうに後ろを振り向く。
「魔理沙、ありがとうな」
「ありがとうね、魔理沙」
「おう!私は2人が幸せそうに見るとこっちも幸せになるからな!」
こいつ男だったら女は絶対に惚れるぞ。なにこいつマジイケメン。
「……よし、幽姉、魔理沙。行ってくる」
「行ってらっしゃい。待ってるわ」
「おう!行ってこい!」
2人の言葉を聞きスキマに入る。どうやら人形は浮かび続けるようだ。俺は人形は現代の人々に見えないように細工しておく。そしてスキマから出ると、そこにはビルがたくさん建てられている街があった。
「よし、雪乃や彩加達に連絡するか」
会えるのが楽しみだ。久しぶりな感じではないのに。そして、アイツらに幽姉を紹介できるのが楽しみにしてることに気付く。
「……本当に楽しみだ」
まずは雪乃と陽乃さんの所へ行こう。そこには、もう転移していて俺はいなかった。