魔理沙と幽姉の夕飯を食べてから翌日、魔理沙はまだくつろいでおり、たまに幽姉と談笑している。
「そういえばさ、八幡は弾幕ごっこを知ってんのか?」
「あー、名前だけはな。昔ゆか姉ともう一人がそれを作ってみるとか言ってたけど、実施されてんだ」
「へぇーゆか姉、ねぇ…」
「なんだよ」
「いや、凄いやつと知り合いなんだなって思ってな」
「そうね…この幻想郷の管理をしているしね」
「まぁ、それはいいだろ。で、魔理沙弾幕ごっこがどうかしたんだ?」
すると待ってましたとばかりの笑顔を見せる魔理沙。
「弾幕ごっこの練習しようぜ!」
「……練習?」
「あら、それはいいわね。けどまだ能力も分かってないのよ?」
「そこは霊夢の所に行けば大丈夫だ。なんなら幽香も来るか?」
「……そうね。なら私も行くわ」
「……霊夢?」
「ん?そうだぜ。霊夢のこと知ってるのか?」
「……すぐ行こう。早く行かないとダメだ」
「……どうしたのかしら?」
「……幽姉と別れる前、霊夢って言う奴と遊んでたんだ。そいつは俺が帰ることを知ると、また遊ぼうって約束してな……だから、約束を果たそうってな」
「……そう、分かったわ。なら行きましょう」
「霊夢とそんな約束してたんだな〜……よし!それじゃ行こうぜ!あ、八幡って空飛べるか?」
「ん?あぁ、飛べる。一応能力の目星も付いているが、まだ不確定でな。けど一応使えるんだわ。早く行くぞ」
「マジか!?ってまだ不確定なのか。まぁ行けば分かるぜ!幽香はどうだ?」
「私はいつでも大丈夫よ」
「よし!それじゃひとっ飛び行くぜ!」
そう言って魔理沙はすぐに外に出て飛び立つ。それに続き幽姉も飛ぶ。俺は翼を作り先に飛んでいった幽姉と魔理沙の後を追う。
***
それからかなりの速さで飛び、神社が見えてくる。
「お、今日もいるぜ。こっから降下していくぜ〜」
「分かった」
俺達は少しずつ速度を落とし、降下する。境内に静かに着地をする。そこにはホウキを持っている紅白の巫女がいた。
「あら、魔理沙いらっしゃい。それと…花の妖怪ともう一人の彼はなんで来たのかしら?」
「いや〜実はな、こいつの能力を知りたくてな。ほら、八幡」
「え……?」
「……久しぶりだな、霊夢」
彼女は目を見開き、次第に涙が出てくる。
「れ、霊夢?」
「………か」
「「「?」」」
「……バカ!なんですぐに帰っちゃったのよ!」
「霊夢……」
彼女は体を震わせ、泣きながら俺に寄りかかる。ってえぇ!?ちょ!?俺には幽姉が!
「八幡、今は霊夢に付き合いなさい」
「幽姉……」
「大丈夫よ」
「……分かった」
「会いたかった…!八幡…!」
「……約束したからな」
「…!」
「また一緒に遊ぶってな」
「!うん!!」
彼女は涙を浮かべながら笑顔で頷く。彼女の笑顔は、本当に幻想的だった。
***
それからしばらくたち、霊夢は落ち着いたようだ。
「さて、確か八幡の能力だったわね」
「そうだぜ!」
「なんでお前が答えるの?まぁそうだけど」
「それじゃ、はい」
渡してきたのは何か術式を施されてるような紙だった。その紙を俺は受け取る。
「これに念じれば文字が浮かび上がってくるわ。やってみて」
「分かった」
俺は目をつぶり、この紙に念じる。すると文字が浮かび上がってきたようだ。幽姉達の声がした。
「まさか……」
「これは……」
「嘘……」
「……どうした?」
「文字を見てみて」
目を開き、文字を見る。そこには、『見たものを全て再現する程度の能力』、『守る程度の能力』、『???の程度の能力』と書かれていた。
「三つ持ちかよ…」
「三つなんて有り得ないわ…けど、その有り得ないがここにあるわね……」
「凄い……」
霊夢達は驚いている。どうやら三つあることに驚いているようだ。
「しかもこの『見たものを再現する程度の能力』ってチートよね。しかもこの感じ、制限は無さそうね…」
「マジのチートだろ」
「……よし!それじゃスペカを作ろうぜ!」
「スペカ?」
「そうね。能力が分かったなら、次はスペカを作りましょ」
「スペカってなんだ?」
「私が教えるわ」
それから幽姉から教えてもらい、霊夢からカードの元をもらい作った。俺の最初の能力が本当なら、アレができるかもしれない。俺のお気に入りのアレが。
「それじゃ、八幡弾幕ごっこしようぜ!」
「分かった。二枚でいいか?」
「おう!そんじゃこっちから行くぜ!魔符『スターダストレヴァリエ』」
星の弾幕が迫って来る。俺はそれを守る程度の能力で防ぐ。
「げっ!?マジかよ!?」
「再現『月牙天衝』」
俺の手に大きい出刃包丁みたいな刀が作られ、青白い光が辺りを包む。光が晴れると、そこには気絶した魔理沙と消えていく刀を持っている俺だけだった。
***
「いや〜、あれはびっくりしたぜ」
「悪い。手加減が出来なかった」
数時間後に魔理沙は起きた。正直マジで焦った。
「けどこの私を倒したんだから誇れるぜ!」
「そうね。私と同等の実力を持つ魔理沙を瞬殺したのは誇れることよ」
なんと。霊夢と同じ実力だと。ちょっとびっくりした。
「凄いわね……あれは一体なんなのかしら?」
「あれは現代で人気だったマンガの技を使ったんだ。使えるか試験も重ねてな」
「……これはうかうかしていられないわね」ボソッ
霊夢が何かを呟いてるが聞こえない。
「どした?」
「なんでもないわ」
「それじゃ、戻ろうかしら」
「そうだな」
「また来なさいよ、八幡」
「あぁ、今度は弾幕ごっこで遊ぼうぜ」
「えぇ」
「またな!幽香!八幡!」
俺と幽姉は太陽の花畑を目指し、神社から飛んでいった。
あぁ、ここは本当に過ごしやすい所だ。そろそろ、アイツらを連れてくるか。ここは本当に、綺麗だ。そして、俺は、幽姉といられて本当に幸せだと感じれる。
「あら、八幡どうしたのかしら?」
横で幽姉から話しかけられる。
「…いや、幸せだなって思ってね」
「フフッ♪それは嬉しいわ♪それじゃ、早く行きましょうね」
「あぁ」
着くまで俺と幽姉は、笑っていた。