幻想郷に戻りし再現者   作:blackcat☆

1 / 10
携帯壊れたけどめげない!頑張るぜ!!


始まり
こうして、彼は元の居場所へ戻る


 

少年は、黄色い花畑に緑色の髪をした女性と歩いていた。

 

――八幡、あなたは戻るの?

 

――……うん

 

女性の悲しい声が少年に重りのようにのしかかってくる。

 

――約束して

 

――……え?

 

女性はしゃがみこみ、少年にキスをした。

 

――…姉!?

 

少年が女性の名前を言うがノイズが走り聞こえない。

 

――私は、あなたを待ってるわ。いつまでも、ずっと。だから……迎えに来て。大好きよ。

 

――……そんなの、俺だってそうだよ!!待ってて!!絶対に戻ってくるから!!

 

――…!えぇ!待ってるわ!

 

女性は、とても綺麗な笑顔で微笑んでいた――――

 

 

***

 

 

「……懐かしいのを思い出したな」

 

周りを見ると、それはいつもの俺の部屋だ。どうやらいつの間にか帰ってきてたみたいだ。

 

「ま、小町はどうでもいいし、『雪乃』と『陽乃』さんに家に着いたこと連絡するか」

 

スマホを出し、2人に連絡をする。するとわずか数秒で2人から返信が来る。

 

「相変わらず、早いな…」

 

それに苦笑し、キッチンに向かう。一応小町の分も作るけど、適当でいいか。

 

そういえば、今日はなぜアレを思い出したのだろうか……

 

「ようやく思い出したようね」

 

後ろから女性の声がする。俺はそれをきっかけにありとあらゆる『失っていた記憶』が戻ってくるのに気付く。ため息をつきながら後ろを振り向く。そこには綺麗な金髪の女性が立っていた。

 

「……はぁ、いきなり来ないでくださいよ、ゆか姉」

 

「フフッ、敬語は付いてるのにその呼び方は変わらないのね…安心したわ」

 

「そりゃ、あなたと約束しましたからね」

 

「……来るのね?」

 

「えぇ、ですが変更したいことがありますがいいですか?」

 

「何かしら?」

 

「……連れてきたい人がいるんです」

 

「…!?」

 

ゆか姉は驚愕の表情を出した。そりゃそうだ。俺がこれを頼むのは本当に今までなかったからな。

 

「……何人かしら?」

 

「4人、ですね。まぁアイツら次第ですが」

 

「そう……」

 

「まぁまずは俺が行きます。会いたい人がいるので」

 

「……フフッ、相変わらず彼女が好きなのね」

 

「そりゃ好きですよ。俺は、あの人に救われましたから」

 

「……空に落とすけど大丈夫かしら?」

 

「ねぇなんで空からなの?まぁ能力使いますから大丈夫ですけど」

 

「フフッ、ようやく能力を使えるようになったのね」

 

「えぇ、記憶がない時はびっくりしましたけど」

 

「それはそうよね…フフッ」

 

「……では、行きましょうよ」

 

「えぇ、わかったわ」

 

そう言ってゆか姉は異様な空間を出してきた。その中に俺は飛び込む。

 

「行きなさい。彼女が待ってるわ」

 

「はい!」

 

彼は空間を抜け、空に出る。そして作った翼を広げ、大声で叫ぶ。

 

「帰ってきたぞ!!幻想郷!!」


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。