おれナルト。木の葉がヤバい。   作:焼酎臭いマン

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自己紹介パート難しすぎて吐きそうでした( ×m×)

サクラのいちいち突っかかるかませエリートキャラムズすぎやろ…だれか上手いかませの書き方教えてくれw


第六話 七って数字をラッキーセブンって最初に言った奴。ちょっとこい話がある。

一体、おれはどこで何を間違えたのだろうか。

 

そんな事は分かっている。意気揚々とボコボコにしたミズキを突き出した事だ。

 

 

少し考えればわかるはず。アカデミー生が教師を捕縛するなど明らかに普通ではないということくらい。

 

その傷口から、手心を加えた事に気づかれる事くらい。

 

連鎖して、おれが今まで実力を隠し、敢えて卒業を遠ざけていた事が判明する事くらい。

 

 

 

おれは何故そんな単純な可能性に気づくことができなかったのか。普段のおれなら絶対に犯しえない過ちである。

 

 

 

 

そうだ。認めよう。

 

 

おれはあの時、自分に酔っていたのだ。柄にもなく、ミステリの主人公のように推理するおれカッケーなんて思ってしまった。

 

一瞬だが、自分は探偵に向いているんじゃないかとすら思ったほどだ。

 

九尾探偵社って格好いい響きじゃない?とか考えてしまったのだ。

 

とんだ黒歴史である。それも、思い返しては布団で暴れたくなるタイプのやつだ。

 

 

こぼれたミルクは元には戻らない。白い服に零したカレーのシミは落ちない。

 

 

今回の件で、おれの実力が曲がりなりにも上に認められてしまった。

 

四年目にして、おれはとうとうアカデミーを卒業してしまったのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

あの事件から二日後。おれはアカデミーに登校していた。行きたくなんてなかったが、木の葉の狗であるイルカ先生に文字通り引っ張って来られた。彼は満面の笑みを浮かべていた。楽しそうで何よりである。

 

 

 

今日は合格者ガイダンスが行われる日。卒業試験に合格した生徒達の、三人一組の班が発表される日である。

 

そして、各々のチームの担当上忍が発表される日でもある。晴れておれたちはアカデミーの庇護下を離れ、担当上忍の仮の部下となる訳だ。

 

全然晴れてではない。おれにとってはハリケーンものである。

 

 

その後は担当上忍の手によって、真の卒業試験が執り行われる。

 

これに不合格を食らうと、下忍として働くにはまだ早いと判断され、アカデミーに送り返されることになっている。

 

もはや言葉にするまでもないだろうが。おれにとって最後のチャンスが、この真の卒業試験である。ここは何としてでも落ちて、アカデミーに戻りたい。

 

しかし、これはチーム戦だ。もし優秀な生徒と組むことになれば、おれが幾らふざけようが合格してしまう恐れがある。それだけはあってはならない事だ。

 

そのため、おれはできるだけヘボチームに所属すべく、精一杯人事を尽くすことにした。

 

具体的に言うと、神頼みである。

 

今おれは一番後ろの席で、湯隠れの里で取れた最高級の岩塩を皿に盛り、自作の油揚げを神棚に供え、ひたすら二礼二拍手一礼を繰り返している。

 

油揚げを供えたのは、狐の神様にお願いをするためだ。おれは狐と精神的に同居しているため、ご利益があると考えた次第である。

 

周囲の、なんで試験に落ちたはずのこいつがここに…!とか、こいつ何してるんだ…!みたいな視線が凄いが、不思議とあまり気にならない。きっと狐の神様が守ってくれているに違いない。

 

 

 

 

「おーし、お前ら全員揃ったなぁ!今から待ちに待った三人一組のメンバーの発表をするぞー!結構頑張って相性とか考えて組んだから、文句言ったらぶっ飛ばすからなぁ!」

 

 

教室にイルカ先生が入ってきた。ついに組み分けが始まってしまった。此処は魔法使いの学園ではなく忍びの里なので、自動で組み分けを行ってくれる不細工な帽子はいない。

 

あれ、どうにかして作れないものだろうか。便利だと思うんだが。

 

 

 

「…では次!第七班!春野サクラ!うずまきナルト!」

 

 

 

 

 

…あれ?あれあれ?

 

 

何故だ!何故あの正論機関銃とおれが同じ班になった?

 

あいつは確かくの一クラスでも山中いのに並んでトップクラスの実力者だったはず。まずい。これではおれの下忍試験脱落計画に支障をきたす恐れがある。

 

おかしい。おれはちゃんと人事を尽くした筈だ。人事を尽せば天命は自ずと良いものになるって、とあるキセキのバスケットボールプレイヤーだって言っていたというのに。

 

いや、落ち着けうずまきナルト。まだあと一人いるじゃないか。

 

 

そうだ。何を焦ることがあったのか。ここでどうしようもないくらいの無能が我が班に配属される可能性は十二分にあると言えよう。先ほどイルカ先生はバランスを考えて班を決めたとおっしゃった。

 

おれの成績を最下層だとしても、春野サクラの加入によって、おれという底辺は打ち消されたも同然だ。

 

ならば自然と残り一名は平々凡々の一般生徒、すなわち雑魚が選ばれるはず。いや、選ばれなければならない!

 

それによく考えてみろ!七という数字は幸運の象徴だ。ラッキーセブンというだろう。間違いない。これは勝った。

 

春野サクラには悪いが、ここでおれたちは脱落する。

 

 

神に祈れ!狐がおれにはついている!!

 

 

※因みに、ナルトの思考は極限状態下で加速しており、この間約一秒しか経過していない。

 

 

 

 

「ラストぉ!うちはサスケ!第七班はこの三人だな!」

 

 

 

 

 

 

神よ。神よ。

 

 

 

どうして私をお見捨てになられたのですか?

 

 

 

 

「…イルカ先生。流石にこの班分けはおかしいかと思います!おれの成績がドベなのは100も承知ですが、だからといって不動の1位と、くの一トップクラスを同じ班にしますかね、普通。バランスはどうしたんですか?偏ってませんか?栄養摂ってますか?何か考えがあるならば仰って下さい。ないのであれば班の組み直しを要求します!!」

 

 

「あ?勘だけど。じゃあ次の班の発表行くぞー!」

 

 

え、スルー。え。なんで誰も何も言わないのか。明らかにパワーバランスが間違っているのですが。

 

他の班を駆け出し勇者のパーティだとするならば、おれたちの班は勇者どころか魔王軍である。そこのところを考慮して頂きたいのだが、スルーされたし無理か。

 

 

「何の文句がある?血塗られし闇の王たる俺様に相応しい、最強のオーケストラではないか!フハハハッ!我が友、孤狼の戦士ナルトよッ!これからもよろしく頼むぞ!」

 

 

「あの、三人一組をオーケストラって言うのやめてくれませんかね。三人しかいないんでバンドくらいしか組めないと思うんですよ。」

 

 

「確かに私もバランスの観点から異議を申し立てたいところですが…イルカ先生ほどの方が勘だと仰るなら、この編成で間違いないのだと納得せざるを得ませんね。よろしくね、うずまき君。うちは君。」

 

 

「よろしくお願いします。」

 

 

ダメだ。誰であろうと何処であろうとディベートを始めようとする春野サクラまで、既に社畜の手に落ちている。彼女は本物か?サクラだけに、イルカ先生のサクラの可能性もあるんじゃないのか?

 

しかし、彼女も反論しないとなると、もはやこの決定を覆すことはできないだろう。

 

あぁ。なんということだ。

 

残念ながら、この時点でおれの計画は頓挫してしまった。流石にこの二人が組んで下忍になることが敵わないなんて、おれがボランティア活動に勤しむくらい有り得ない事だ。もう二度と、狐の神を頼ることはないだろう。

 

 

神棚と供えられた油揚げたちが、申し訳なさそうに机の上で横たわっていた。

 

 

八つ当たりで倒しましたが何か問題があったら連絡くれ。

 

 

 

 

 

 

 

「それにしても、私達を担当される上忍の方、来るのが遅いわね。もう他の班の担当の方は皆お見えになったというのに。明らかに遅刻だわ。これは何か裏があるって思わない?」

 

 

「思いませんね。いろいろ推理したってろくなことないんで。」

 

 

そうだ。元はと言えばおれのミスが原因で、こうなってしまった事を忘れるわけにはいかない。

 

下忍になることは避けられないだろうが、せめてそれ以上にならない為に、無駄なおれTuee、おれカッケーは封印しておくべきだろう。

 

これ以上他人に認められたくない。

 

 

「フッ…この漆黒の堕天使に恐れをなしたとしか思えまい。上忍と言えど、所詮は人から生まれ落ちた子に過ぎんからな。この俺様に臆するのも無理もないだろう。」

 

 

「うちは君。前から思ってたけど、チームになったからにはその変な言葉遣いはやめて頂戴よ。今はいいけど、任務の際に支障が出る場合だって考えられるし。一回聞いただけじゃ意味がわからないから伝達が遅れるわ。」

 

 

あっ。春野サクラがサスケさんに突っかかった。良かった。いつもの彼女だ。

 

 

「ム?何を言っておるのだ、この牝猫は。俺様は今ナルトに話しかけているのだが。貴様の優秀さは認めているが、俺様たちの神域に足を踏み入れているとまでは思っていない。選ばれし血族の能力(チカラ)を持って出直して来るがいい!」

 

 

「うずまき君。翻訳をお願いしたいわ。彼、私たちとは異なった文化社会を生きているようだから。」

 

 

「おれとナルトは凄い。血継限界バンザイとおっしゃってます。」

 

 

我ながらなんて簡潔な翻訳文だろうか。これからこの仕事が続くと思うと今から気が滅入りそうである。

 

 

しかしまさか、この二人の相性が悪いとは思わなかった。どちらもエリートなので、なんやかんやお互いを認めあっているのかと思っていたが違ったんですかね。この綻びにつけこめば、脱落の可能性は残されているかもしれない。いや、ないか。

 

 

そんなことを考えていると、教室の扉が開くのが見えた。

 

 

「はーいはい、喧嘩はそこまで。」

 

 

ようやく、我らが上司様のお出ましである。

 

 

 

 

扉を開けて中に入ってきたのは、銀髪の、全体的に顔が隠れた男であった。なんと、右目しか見えていない。

 

口元は黒いマスクで覆われており、左目は額宛てで隠されている。世が世なら、街を歩いているだけで公権力のお世話になること間違いなしだろう。

 

第一印象は、「顔見せろ」である。

 

 

「んじゃま、ついてこい。」

 

 

目しか見えていない黒ずくめの男がそう言うので、十三歳の子供三人は素直にそれに続いた。

 

世が世なら近所のおばさまに通報されるレベルの光景であることを追記しておきたいところである。

 

 

 

 

 

 

何故か里がよく見えるテラスみたいなとこに連れてこられたおれたちは、今、担当上忍を前に並んで座っている。

 

 

「じゃ、まずは一人ずつ、自己紹介でもしていきましょーか。あれだ、好きなものと嫌いなもの、将来の夢もささっと教えてくれ。じゃ、金髪。お前からな。」

 

 

ご指名とあらば。(あらばって打とうとした時、まずアラバマ州が変換ワードに出てきたのが個人的に面白かったのでここに書いて置きました。)

 

 

「おれはうずまきナルトといいます。好きなものは他人の金で食う飯で、嫌いなものは労働です。将来の夢は宝くじを当てて、一生遊んで暮らすことです。よろしくお願いします。」

 

 

決まった。我ながら完璧な自己紹介である。わかりやすいようにある程度一般的な言葉を使いながらも、伝えたい事をそのまま伝える力作だ。

 

 

「あ、あぁ。わかった。じゃ、じゃあ次。左の女の子で。」

 

 

この人。「こいつ、話には聞いてたが、まさかここまでとは…」って思ってるな。これは絶対だ。だって哀しい目をしてるから。

 

まずは1APゲット。いい調子である。

 

APとは呆れポイントの事であり、短期間で五個貯まるとアカデミーに送り返される。勿論、おれの妄想であり、そんなものは実装されていない。

 

 

 

 

「私は春野サクラと申します。好きなもの…と言うより好感が持てる人は時間厳守のマナーを守れる社会人の方で、苦手な人は時間に遅れる社会人の方です。将来の夢は医療忍者として一人前となり、火影とまでは言いませんが、里の運営に携わる忍びになることです。よろしくお願いします。」

 

 

う、うわぁ。

 

 

「ハハハ、手厳しいなぁ…気をつけるからそう怒んなって。」

 

 

コトコトうるさいぞ。シチューか、お前は。上忍の方も冷や汗をかいている。人のことを言えた立場ではないが、おそらく彼女に友達はいないだろう。

 

 

「それと付け加えておきます。私は、人任せでやる気がない人も、妙な言葉回しをして自分に酔っている人も苦手です。」

 

 

ん?ひょっとしてこれ、おれとサスケのことではないだろうか。

 

今からチームになるというのに、随分と喧嘩腰だ。

 

おそらく、一位だったサスケに対抗意識でももっているのだろう。それならばせめておれには優しくして欲しいものである。

 

 

「フハッ!なぁにナルトよ。気にすることはないぞ!そこの牝猫は気まぐれでな。本当は俺様たちと共にアカシックレコードを刻みたいのだが、狭い鳥籠から出るのに怯えているのだ!愛いぞ…愛いではないか!ククク…おれの右目もそう言っている…!」

 

 

「うずまき君。翻訳。」

 

 

あの。人任せなのはどっちですかね。ゴンザレス先生のブーメランパンツを投げつけてやろうか。

 

 

「お前は素直じゃない。ホントは友達になりたいけど歩み寄るのが怖い。可愛い。右目痛い。とおっしゃってます。」

 

 

「か、かわっ…!」

 

 

「なんだ。仲いいなお前ら。」

 

 

仲良くない。断じてだ。

 

 

 

 

 

「じゃ、うちはの奴。よろしく。」

 

 

「フッ…人に名を尋ねる時は、まず自分から名乗るものではないか…?」

 

 

「アッ、ハイ。」

 

 

サスケェ!相手、上忍、上忍!!

 

なんでいつものやってるんですかねぇ。マスクのお兄さんもびっくりだ。

 

 

「あー、おれははたけカカシってもんだ。好きなものは…うーん、まぁ色々で、嫌いなものも色々だな。将来の夢って言ってもなぁ…ま、よろしく。」

 

 

え。名乗った。サスケ凄い。

 

 

しかしこれでは名前しかわからないが…この里に生きる人間としてはそれだけで充分だろう。

 

コピー忍者のはたけカカシ。あのバケモン、イルカ先生に勝るとも劣らない傑物である。アカデミーを飛び級で卒業し、おれくらいの年には既に上忍になっていたという。多くの術に精通しており、術の数だけでいえば三代目の次に名が上がるらしい。

 

暗部に所属していた経験もあり、まさに非の打ちどころのないエリート忍者。同じエリートでも、エビス先生なんて彼から見ればただのキモオタだ。

 

 

まさかこんな有名人が派遣されるとは思ってもいなかった。里の、おれたちの班に対する期待は相当なものらしい。

 

 

 

 

「あなたが、かの有名なはたけカカシさんでしたか。先ほどの無礼、大変申し訳ありませんでした。しかし、今度からは時間は守って下さいね?」

 

 

「あぁ。気にすんな。善処する。」

 

 

サクラさん。名前がわかった途端変わり身早すぎである。きっと彼女の得意忍術は変わり身の術だろう。

 

 

「なるほどッ!あのはたけカカシか!それ程の器でなければ、俺様は御しきれんと見たか!ハッ!木の葉めッ!賢い選択をしたな!」

 

 

だからお前は何様だ。早く自己紹介しなさい。カカシ先生が困ってます。

 

 

「よかろう。では満を持して俺様も名乗るとしようか。」

 

 

シュバッ!!(コートをはためかせる音)

 

 

スッ!!(左手を右目に当てるポーズ)

 

 

「聞いて驚くがいいッ!この地上より遥か上。そう、天界。おれはそこに生まれ落ちた。富、名声、力。そこには全てがあった。しかし!天界ですら俺様には狭すぎたッ!罪を負いし黄金の林檎を好んで食し、自ら望んでこの地に降臨した!刮目せよ!驚嘆せよ!そう!この俺様こそが二代目ルシフェルにして先代を遥かに超える者!✝︎漆黒の堕天使✝︎うちはサスケだ!!」

 

 

な、長いっ…!おそらくその場にいる全員がそう思っただろう。途中から何を言っているのかわからなかった。天界ってどこだよ。ラピュタか?

 

 

「えっとだな…名前と、好きな食べ物がリンゴってことしかわかってないんだが…嫌いなものと将来の夢語ってくれる?一応、ルールだからね。」

 

 

「…フン。いいだろう。疎ましいものは実力のない者。将来の夢…などという言葉で終わらせるつもりは無い。これは遠い未来にて事実となる…!」

 

 

 

「俺様は、この地に天界を再構築したい。兄である、混沌の皇帝(カオスエンペラー)と共に。」

 

 

 

 

 

 

あ。天界ってうちはか。

 

 

 

 




班発表で一話使っちった☆

次こそカカシ先生とバトルです!

コトコトうるせぇぞ。シチューか、お前は。というつっこみは、敬愛する奴botさんのスタンプ引用です。使いたかったんです。許してくださいお願いします。

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