不遇な朝田詩乃に寄り添いたい 作:ヤン詩乃ちゃん( _´ω`)_
1年ぶり?
笑っちゃうよね(タハー)
最近呪術廻戦やら文ストやら面白いアニメが続々出てきて、面白いゲームも見つけて、時間がマジで足りませんねぇ_( _´ω`)_
とりあえずまぁ、1から100まで原作とは違うB.o.B本戦ですね。
もう原作片手間に書くことはありません。俺のやりたい「ガン・ゲーム」ここにあり。です。
大きな流れも違うし、細かい設定も違うし、最早別ゲー別作品と化してますがお気になさらず。イヤホントマジで。
久々に書くけど文章力落ちてないので安心してください(傲慢)_( _´ω`)_
ヤンデレ要素どこ……?ここ……?
「ハァ……ハァ……」
走り続けて、なんとか砂漠フィールドを抜け、アメリカンなデパートやらビルやらが立ち上る街に辿り着く。左手に着けた腕時計を見れば、開始から12分も経っていた。後サテライト・スキャンまで3分しかない。
急いでデパートの階段を駆け上がり、屋上に出る。そこは小さな遊園地のようになっており、寂れたメリーゴーランドや小さい汽車の玩具なんかが散乱している。ここならサテライト・スキャンも受信出来るだろう。入口も1つなので、そこさえ見張ってればいい。
3分経過し、最初のサテライト・スキャンが開始される。端末を表示すると、北側から南側にかけてスキャンの光が走る。
「キリトくんは最北端か……」
巨大建造物のような物の中に《Kirito》のプレイヤーネームを見つける。次に、マップ南側の廃墟郡に《Sinon》のネームを。どうやら開始15分では大きなドンパチは起こっていないらしく、髑髏のデスマークも1つ2つ程しか見つからない。1つだけシノンの程近い場所で殺られているデスマークがあるが……
自分の位置する中央東部の廃墟郡周りに敵は……
「居る!?」
マップで見るととても近いが、四方15kmのマップ換算としてエリア1つ分は離れてるから距離にして1km程か。俺や他のプレイヤーと同じく移動する様子は(少なくともサテライト・スキャン中は)なく、1箇所にとどまっている。
プレイヤーネームの確認をすると
「
聞いたことがあるようなないような……少なくとも俺と同じB.o.B本戦出場組のGGOトッププレイヤーに変わりは無いが、上澄み程度しか覚えてない俺からしたら取るに足らないプレイヤーだ。この妙に聞き覚えのある名前は過去戦った事のある名も無きトッププレイヤーかあるいは……
「原作組……」
そう、今の俺の一番の懸念、「原作組」である。もう何十年も前の事であり、一々プレイヤーネームなんて覚えちゃいないが、死銃の事もあるし、被害者は0で行く。もしかしたらこの夏侯惇とやらは死銃に殺された原作組の1人かもしれない。
…………そうじゃないかもしれないけど!!
「とりあえず交戦は不可避だな。相手も俺に気付いただろうし、俺のプレイヤーネームを見て逃げ出す様子もない……」
アレコレ考えていると、サテライト・スキャンによるスキャンが終わり、プレイヤーネームが消えていく。俺も端末を脇腹にしまい、先程夏侯惇の居た方角を屋上から見下ろす。もちろん動く影ひとつ見えない。当たり前だが。
俺の戦法的に、守るより攻める方が得意だ。シノンちゃんが一撃必殺なら俺は見敵必殺である。夏侯惇とやらがどんなプレイヤーでどんなプレイスタイルかは知らないが、安全にご退場願おうか……(ニチャァ)
屋上の金網を飛び越し、崖際に腰から取り出したワイヤーを引っかけ、ラペリング降下する。以前サトライザーに教えてもらった軍法の一つである。ホントアイツなんでも知ってんな……(それを覚えるシュウとシノンも大概である)
ラペリング降下を終え、地に足をつけてワイヤーを巻きとる。夏侯惇がスナイパー型なのも予想して、素早く降りたつもりだが、撃たれなかった。少なくとも見つかってはいないらしい。通りを100m3秒フラットの速度で駆け抜けて、夏侯惇のいた方角へ走る。
すると、前方二時の方向、崩落したビルの2階からマズルフラッシュが光る。しかし、俺は足を止めない。初弾数発が俺の近くの地面に着弾し、遅れて弾道予測線が俺の周りを赤く染める。
足は止めない。弾道予測線は俺の常に背後を捕らえる。
「速すぎんだろッ!」
そんな声が何処からか聞こえてきそうだが、知ったことでは無い。車輪のない車の上に1歩で飛び乗り、2歩目でバスの上に飛び乗り、3歩目は……問題ない。その時既にビル2階相当の高さに到達しており、敵プレイヤー……夏侯惇は俺の射程範囲内だった。
既にリロードを終えた夏侯惇の持つアサルトライフルの銃口が、逃げ場のない空中に居る俺に向けられようとしているが、それよりも前に俺の剣のように突き出したP-90(P)の射撃の方が速い。
この距離では外す方が難しい。
「見敵必殺」
夏侯惇の体は凡そ20発と少し。秒数に直せば1秒足らずで、体を赤いダメージエフェクトで覆われ、赤い髑髏マークと《Dead》の文字が浮かぶ。
「リロードは……弾は有限。しなくていいかな」
それは、第1回サテライト・スキャン開始より、5分足らずの出来後であった。
「うーん……」
B.o.B本戦開始から15分。キリトは神殿から出ることなくサテライト・スキャンの端末とにらめっこしていた。
「VRMMOゲーム大会の定石なら、近くの敵の場所に向かうべきなんだろうが……」
如何せん見知ったプレイヤーはシノンとシュウしか居ない。他のプレイヤー全てを「死銃かもしれない」と仮定して動くとしても、危険過ぎる。なぜなら方法は不明だが、敵は当たれば1発で敵を……本当の意味で「殺す」事が出来る銃を持つ《死銃》だ。
《Dead》を示す赤いプレイヤーアイコンも2つ程しかない。キリトに出来るのはそれがプレイヤー間による当たり前の戦いによる終結であることを、死銃の毒牙にかかっていない事を願うことだけである。
キリトは《SAOサバイバー》と呼ばれる、生粋の(望んでないが)廃VRゲーマーである。それよりも前からゲームにはどっぷりであったが、所謂FPS(ファーストパーソン・シューティング)ゲームは得意分野ではない。しかも完全フルダイブ型の。今まで剣か魔法の世界で生きてきて、灰と銃の世界に舞い降りた今でさえ剣は捨てられず、お守りのような(予選でシュウにまんまと利用されたが)ファイブセブンしか銃要素はない。
要するに、どう動けばいいのか分からないのだ。
SAOやALOのような
「あっ」
そうこうしているうちにポツポツと敵アイコンが消えていく。
「…………うーーーーーん」
廃ゲーマーも、畑が違えば素人である。
「まずは1人……」
ジャキン、とコッキングして12.7mmNATO弾を排莢する。
首を中心に頭部に当たる部分を全て範囲威力ダメージで吹き飛ばされた首無しアバターが、髑髏マークを浮かべながら倒れるのをスコープ越しに見つめる。
B.o.B本戦開始から7分。シノンの行動と戦いは速かった。
周囲を森に囲まれたフィールドという、スナイパー殺しな場所でスタートした自分の運を最初は呪ったが、ツキが回ってくるのは速かった。近くの高台に登り、四方を警戒していた所、森を抜けた所、ちょうど草原と森の境目に、森の中に向かって走り込む黒スーツの影を見つけた。
知り合いに黒スーツの超近接戦闘特化の凡ゆる軍法の師匠にあたる人物が居るが、彼は予選で私の夫に殺され敗退している。彼に憧れ触発されたプレイヤーだろうか……
彼ならば……サトライザーならば、ギリースーツを纏い森に紛れるだろうが、彼は持ち合わせがないのか余裕が無いのか、黒スーツのまま森に向けて走っている。
簡潔に言えばヒジョーーに目立つ。
「馬鹿なのかしら……」
敵のいる方向を覚えたまま、高台から1階まで降りる。
塔の1階の窓を開け、バイポッドを立てて敵のいた方角を探す。木々に隠れきれていない黒い影が、スコープ越しに見える。スコープに搭載された測量機が表す距離は2084m。ギリギリではあるが、有効射程距離内だ。しかもどんどんと距離は縮まっている。
「何をそんなに逃げているの……?」
ポツリと独り言を零しながら、スコープのつまみを弄り狙いやすい倍率を調整する。
敵の全体が映る倍率まで調整してから、引き金に指をかける。敵はこちらに気付いた様子はない。弾道予測線も見えていないだろう。態々リスクを負って弾道予測線なしの舐めプ(舐めプレイ)射撃をする意味は無い。
スゥッと一息を吸い、バレットサークルが収縮し、引き金を引く。
静かだった森に激しい銃撃音が鳴り響き、黒スーツの敵はそれに驚く間もないまま、第3回B.o.B本戦を退場した。
第3回B.o.B本戦
…………その8分後、サテライト・スキャンで確認した黒スーツの男の名は《キャノン》となっていた。
知らない名だ。
と、いうシュウ、キリトくん、シノンちゃんの初動ですね。
キリトくん、良いとこねぇ〜……
※キリトくんがバトル・ロワイアル形式のガンゲーム初心者設定は独自設定です。