目が覚めたらレガ様……えっ? 違う?   作:ACS

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人外系ヤンデレ依存ヒロインになってしまったテスラちゃん、ちょっと戦闘能力を整理してみましょう。

1.超光速(実際は速度制限無し)の自動防衛機能の尖翼を撃てる、しかも自動防衛なので何もしなくても勝手に発動します、普通の人間なら反応する以前に殺害されます。

2.時間軸、多次元宇宙、超高次元にまで影響を与えるA・ARMを撃てる、本気でコレを撃つと宇宙一つを崩壊させられます。

3.プランク的な不確定性を法則を無視して統制しエネルギー、物質、次元、時空間の構築と崩壊や概念、 果ては因果率の改変、崩壊、構築が可能。


うん、地球もヤバければ主人公の死亡フラグもヤバイ(白目


#7

#7 安定の揉め事

 

 

下校時間になったので教室の掃除をした後に事務室へ預けてあったCADを受け取り、お昼休みに一緒に帰る約束をしていた達也君達と共にテスラと深雪さんを待っていたんだけど、彼女達が僕らに合流してから一悶着起きてしまった。

 

 

まぁ、一悶着と言っても単に森崎君達1-Aの人達が絡んで来ただけなんだけどね? それに柴田さんが反論しちゃったもんだから……。

 

しかし懲りない事だね、『僕らは彼女達に相談することがあるんだ!!』とか言ってるけど時間見てみなよ、もう夕暮れだよ? 緊急の用事でも無けりゃ明日で良いでしょうに、明らかに下校しようとしてる人間捕まえて何を相談するのやら。

 

そんな風に呆れていた僕は付き合いきれなくなってきたので、当事者であるにも関わらず我関せずといった態度を取っているテスラの手を引いて帰ろうとしたんだけど、そのタイミングで彼らの熱が上がってしまったらしい。

 

「同じ新入生じゃないですか……今の時点で貴方達ブルームがどれだけ優れてると言うのですか!!」

 

「……どれだけ優れているか、知りたいか?」

 

 

売り言葉に買い言葉、僕は面倒事になると頭を抱え、横に居た達也君は『マズイな』と呟く、そんな僕らの内情を知ってか知らずか前に居たレオが挑発的に『面白え、教えて貰おうじゃねぇか』と吹っかけてしまう。

 

「良いだろう、ならば教えてやる……ッ!! コレが才能の差だ!!」

 

 

そう言った森崎君は非常に素早く腰に付けていたCADへと手を伸ばす、それを見た僕は懐のCADを抜き、彼がCADを握った瞬間に手元から撃ち落とす。

 

あのまま放置しても最悪レオが怪我をする程度だろうから別に問題は無いとは思うんだけど、いい加減僕とテスラの時間に茶々を入れられるのも腹が立ってたから反射的に手が動いてしまった、レガ様症候群が再発でもしたのかな?(白目

 

マーロン製のCADにはテスラが拘ったのか引き金を引くと銃声が鳴ると言う共通の特性がある、おかげさまで学校の方が騒がしくなったし、この場の視線も僕の方に釘付けだ。

 

 

「クイック・ドロウ、だと!? それに銃声が鳴るCADという事は!?」

 

「多分君の想像通りだと思うよ、森崎君。これはフランク・マーロンのCADだ」

 

「……ウィード如きが生意気なッ!!」

 

「……そのウィードに自慢の早撃ちで負けた気分はどうかな? ああ、今のは気を抜いていたと言い訳をして貰っても構わないよ? 僕は優しいからね、拾い直して構え直す時間くらいはあげるよ、ほらどうしたんだい? 拾いなよ、先に仕掛けたのは君なんだ、遠慮する事は無い。 但し早撃ち勝負で僕に勝てるとは思わない事だ」

 

 

なんだろ、トータル一世紀くらい人生やってるのに僕の口は煽り文句しか言えないんだろうか? しかも声のトーンがレガ様だし、多分これマジに彼が構え直したら反射的に引き金引いちゃうね、あと多分挑発も止まらない(白目

 

その予想は当たっていたらしく、森崎君のお友達が次々とCADを起動して行くけれど、起動式を展開した瞬間にサイオン塊を撃ち込んで行き全員の魔法を不発に終わらせる。

 

魔法を不発させられた人達は驚愕の表情を浮かべながら一歩後ずさり、リロード中の僕を見る。

 

 

「ふぅ、どうにも喧嘩っ早いね、おや? 如何したのかなキミ達。 先ほどから魔法の行使に失敗してばかりじゃないか、優等生なんだろう? 僕よりも優れている事を証明してみせるんだろう? 遠慮せずに見せてくれて良いんだよ?」

 

「……ッ!?」

 

 

ってあれ? 結構コケおろしてるんだけど何故に反撃してこないの? てっきり頭に血がのぼって次々魔法を発動してくると踏んでたんだけど、顔が真っ赤と言うよりは真っ青……あぁ、うん、察した。

 

無意識に殺気出てたみたいです、この身体レガ様を劣化させた身体能力だけど、それでも余裕で魔人クラスだしそりゃ堪えるよねー(白目

レオや千葉さんですら一歩引いてるし、その辺はまぁ仕方ない、けどこの僕が虐めてる感満載の現場で、此方に走って来ている生徒会と風紀委員会に対してどういう言い訳しようかな(震え声

 

 

 

 

はい、僕は今一人で風紀委員会の人達に調書取られてます、えっ? 理由? 自衛目的とはいえぶっ放したのは僕だけだったのと、煽り散らしてたからだよ!!

 

仕掛けた森崎君達は達也君が上手いことフォロー入れて会長達を誤魔化してたから僕だけだよ!! 僕も庇ってよ達也君!! えっ? 煽り過ぎ?

 

仕方ないでしょ!? レガ様の身体に居た時よりはマシだけど、僕があの身体にあの人と一緒に何年居たと思うんだよ!! 染み付いてるんだよ!! 身体どころか魂レベルであの人の口の悪さが染み付いてるんだよ!? 僕だって自分の口の悪さを今日初めて知ったわ、過去に強盗退治した時は何にも無かったのに何でだよ!! あ、テスラが居たからか(白目

 

 

レガ様ぁぁぁぁぁあ!! 居なくなっても僕の胃痛と頭痛を加速させるのやめてくれませんかねぇ!? コレ完全に僕のテスラへの依存心に似た愛情って貴方のナイヴズへの忠誠心が僕の恋愛感情にミックスされて変質した上に影響出してるよね!? テスラ関連で沸点低くなるのって完全にそれだよね!? だとしてもテスラ好きだから良いんだけどさ!! レガ様による精神汚染が深刻過ぎる!! 知りたくない裏側を知らされたよクソッタレ!!

 

「あーっと、事情聴取したいんだが……大丈夫か? さっきからずっと遠くを見つめてるぞ?」

 

「えぇまぁ、あれですよ、ここに居ない知り合いのせいで僕の精神がアレになってるだけですよ、風紀委員長」

 

「そ、そうか……」

 

可哀想な物を見る目で風紀委員長は僕を見ながら調書を作成して行った、一応初犯だったのと自衛目的だったから厳重注意で済んだけど、次問題を起こしたら相応のペナルティが付くそうだ。

……二度目は多分発覚しないかと、レガ様の精神構造が僕に多大な影響を与えてるみたいだし、次こんな機会があったら痕跡を残さない様にやると思う(遠い目

 

その後、僕が解放されたのは夕焼けが沈みかけている時間だった、風紀委員会室の前で体育座りをしながら僕を待っていたテスラと合流した僕は、手を繋いで二人で下校した。

 

「ごめんねテスラ、待たせちゃって」

 

「ううん、そんなに待ってない」

 

うーむ、二時間は待たせたと思うけど、テスラ的には待ってない部類なのかな? 自立型プラントだしそうだったとしても不思議じゃないけれど、申し訳ないな。

 

「それに……」

 

「それに?」

 

「俊を待ってたから、二人きりで帰れた」

 

そう言って僕へ笑顔を見せるテスラ、やだこの子かわいい。

 

もう僕レガ様に精神汚染された状態で良いや、この子の可愛さに比べたら些細な事だし(白目

 

そして翌日、登校途中に深雪さんと仲良く登校する達也君を見つけたので僕だけが事情聴取を受けた腹いせに、後ろから態々用意して来たおもちゃの銃で彼の頭を撃った。

 

シリコンの吸盤が発射された瞬間、風切り音に達也が気が付き回避するも、その回避先に第二射を撃っていたので振り向いた達也君のおでこに吸盤がくっ付いた。

 

……やはり彼は只者じゃ無いな、一発目の吸盤を避けた後、おもちゃだと気が付き二発目をはたき落とそうとしてたのを中断していた。些細な動きだったから見落としかけたけど、アレは実戦を知ってる動き、それも相当な腕利きだ。

 

まぁ友人だし敵対するような事は無いと思いたい、万一殺し合いにでもなったら勝てるかな? 僕の魔技じゃ彼を押さえつけられそうにない。

 

 

「……殺気が無かったから一体何かと思ったら、どうした俊?」

 

「昨日はよくも僕を見捨ててくれたね!! もー少しどうにか誤魔化せなかったのかい?」

 

「無理だな、あの場面で引き金を引いたのはお前だけだったし、何より俺が止めるよりも前に撃っていただろ? あの早さだと制止が間に合わない」

 

「ぐぬぬ、腹いせと分かりきっているだけに反論出来ない……!!」

 

「それに、今も現行犯だ」

 

「へ? なんの話?」

 

 

僕がそう聞くと、達也は無言で背後を指差した。

 

 

「人に向けちゃダメって教わらなかった? 関根君?」

 

彼の指差した場所には笑顔の生徒会長が居た、おでこに吸盤をくっ付けた状態で。

 

一発目の吸盤を達也君が避けた際にその場に居たのだろう、昨日の今日でのこれは土下座案件かな?(白目

「あっ、気にしないで関根君、悪気が無い事は分かってるから私は気にしてないわ」

 

会長はそう言って笑ってるけど、一向に吸盤を外す仕草を見せない、おやっ? 雲行きが怪しく……。

 

「あ、あの、会長? 吸盤外しましょうか?」

 

「気にしないで大丈夫よ関根君、生徒のいたずらにも笑って付き合う度量も生徒会長には必要だから、このまま登校させて貰います」

 

「会長のファンに僕が殺害されます」

 

この人絶対僕の慌てふためく反応見て楽しんでるよ、にこにこ笑ってるけど確実に確信犯だよ、やだこの人怖い。

 

「とまぁ、冗談はこのくらいにしておいて、今度からちゃんと周りを見なきゃダメよ?」

 

その言葉と共に会長は吸盤を外してウィンクし、僕達と達也君達を昼食に誘ってから去って行った、まぁ僕らと食事をすると言うよりはテスラと深雪さんがメインっぽいんだけどねー。

 

僕がウィンクされた事に不満気なテスラを宥めながら、完全に手玉に取られた気がして気落ちする。

 

何かありそうな予感はするけれど、態々名指しで誘われたし、僕に至っては昨日の騒ぎと今の出来事で断り辛いので行くしか無い、もしすっぽかしでもしたら何かしらイタズラで仕返しをして来る人種な気もするしね。

 

 

何も悪い事をしてないのに日々のストレスが僕を襲う、あぁ本当に何時になったらスローライフが手に入るのかなぁ……。

 

……将来、ヴァッシュ並みに追いまわされるハメにならないよね? 大丈夫だよね神様?




主人公、レガ様症候群の後遺症が発覚(白目

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