スローライフはかなり遠い(白目
後一気に高校時代まで飛ばします、多分このままだとテスラと遊んでばっかりなので(震え声
#5 魔法科高校入学
魔法科高校生になりました、テスラと一緒に(白目
確かにウチの養子になった頃から小・中と通っていたから問題無く進学は出来るんだけどね? 個人的には魔法師の巣窟にテスラを連れて行きたくはなかったんだけど、どうしても僕と一緒に居たいらしく一緒に進学する事になった。
僕が魔法師になる事を諦めるという手もあったけど、魔法師と非魔法師とじゃ収入に大きな差があるのでなるだけなっておきたかった。
入試試験は理論7教科と魔法実技、理論7教科のうち2つは魔法理論と魔法工学で、試験には小論文も入っている。
そして成績の1位から100位が一科生、101位から200位が二科生と分かれ、まぁ要は成績で優劣を区分けされたコースになるわけだ。
しかしこの学校では魔法実技の成績が重視され、それさえ良ければ余程の事がない限りは一科生になれる訳だ、小さい頃から魔法を磨き、身体を鍛え、レガ様の魔技擬きもそれなりになった。
そんな僕は、堂々の––––––二科生だった。
おう、笑えよ、笑ってよ!! 魔法実技だけは良かったんだよ!! 魔法実技だけは!!
毎日魔法の訓練してるから展開速度や処理速度、影響力等の評価項目は勿論、それ以外の部分も鍛えに鍛えている、自慢じゃないけれど魔法の早撃ち勝負なら確実に負けない自信がある。
けどさ? いくら魔法実技が重視されてるとは言え、他の部分がからっきしだったらそりゃ二科生だよ!! 考えたら理論とか理屈とかの詳しい部分は全部テスラ任せだったから僕が分かる訳ないでしょ!? 筆記の大半が最下位とかだから実技の点数で下駄履き出来てなきゃ十分落第だった、足切りが無くてホッとしてる(震え声
テスラ先生? 余裕の一科生だったよ? 魔法理論等は勿論、あの子僕の魔法訓練に必ず付き合ってくれてるから普通に魔法使えるみたいだし、魔法演算領域も人外レベルだから魔法師としても一級品です(白目
僕の試験結果の通知を見たテスラは教室が別という事にショックを受けてかなり泣いた、そらもう申し訳なくなるレベルで号泣だった。
慰めるのにかなり苦労はしたけど、兎に角無事に僕らは入学出来た、今日は入学式でテスラは同点一位の子と一緒に新入生の挨拶をしに行かなくてはならないんだけど……。
入り口でランニング仲間の達也君が妹さんと言い争い、と言うより痴話喧嘩をしていた。彼らとテスラも面識はあるので僕らはつい足を止めてしまった。
内容は達也君が二科生だった事に対してだ、兄妹間の問題に口を出すのは野暮なのでだま〜ってテスラを送り出そうとしたんだけど、達也君の言った『此処では魔法実技の点数が重視される』という言葉にテスラが反応した。
「達也の言う通り、この学校は魔法実技が重視のはず、なのにどうして貴方は二科生なの?」
「それを差し引いても入試の成績が酷かったからです……」
「納得出来ない、入試の成績がトップの達也が実技が悪くて二科生なら、実技の成績の良い貴方は当然一科生のはず、それがこの学校のルールじゃないの?」
「あ、あの、テスラ先生? 実質実技一本で入学したもんだから僕に対する死体蹴りはこの辺にして下さいな」
「大丈夫、今から私が学校側に抗議してくるから……!! いざとなったら
「止めて!? 恥の上塗りした上に一瞬でお尋ね者になるから!! 僕のスローライフ人生に大きな影響与えるから!!」
テスラの感情が成長したのは嬉しいけど中学に上がった辺りから僕へ対する好感度が振り切ってるのでかなり暴走気味だ、ヴァッシュのレムへ対する思いレベルで彼女には慕われてるので万一僕に何かあったらナイヴズ化して地球が終わる(震え声
何とかテスラを宥めた僕は彼女を妹さんと共に送り出し、達也君と一緒に入学式の時間待ちをしていた。
「いや〜しかし意外だね、達也君が二科生だったなんて、何でもそつなくこなすからてっきり一科生かと思ってたよ」
「実技の方は苦手でな、寧ろ俺の方が驚きだ。俊は実技は得意だったと思うんだが……」
「あはは、僕は筆記がボロッカスでね……。此処の入試に足切りがあったら余裕で落第だったよ……」
「なるほどな」
「テスラとは別になっちゃったし、もしクラスが一緒だったなら魔法理論とかの授業内容分かりやすくレクチャーして下さいな」
「ああ、任せてくれ」
と、こんな話をしながら僕らは時間を潰し、入学式の式場へと向かった。
会場では前列が一科生と後列が二科生といった風に席が分けられていた、この辺りにも優劣が付いてるのかと一瞬思いはしたけれど、箔付けの為に入学した様な物なので僕はあまり気にならなかったりする。
しかしそんな考えの生徒は少ない様で、前列の連中は僕らを見下した様な目をし、後列の生徒達は皆肩身が狭そうだ。
一番後ろの列の折りたたみ椅子に座りながら下を見つつ、過去に誕生日プレゼントとしてテスラが作ってくれたレガ様の使ってた糸を使用して周りの人の思考を覗き見ていた僕は、この優劣感がかなり根深い物だと知ってしまい初っ端から深い溜息を吐いた。
同調圧力の様な集団心理、片っ端から意識操作でもしない限り治りそうにもないねこれ、って事は僕も二科生だからって馬鹿にされるのか……。
単純な戦闘能力=魔法の優劣って訳じゃ無いんだけど、この学校じゃそれを理解している人が何人居るのやら……。
レガ様程じゃないにしろ、僕にだって人間一人を操り人形にするくらいは出来る、彼の魔技は対人戦なら完全な初見殺しだ。
と言っても僕の腕じゃ多人数を操れないし、射程だって100m前後だけどね。
実践の実力なら達也も凄まじい筈だ、身体付きや足捌きがそれを物語っている、不意打ちや肉弾戦では僕でも勝ち目がない、二科生だからと見下している連中じゃ余計に勝てないだろうね。
そんな事を考えていると横に座っていた達也が女子生徒に声を掛けられた、横目で見ると胸に目が行く大人しそうな眼鏡っ娘だった。
良いなぁ、こう言う柔らかい雰囲気の女の子、頭の中覗いても善人だし、胃の心配しなくて良さそうだし、こんな子と一緒にスローライフを送りたいなぁ……。
名前は柴田美月と言うらしく、友達の子らしい千葉エリカという快活な子と一緒に達也と話していた。
「で? そっちの男子は? 司波君の友達なんでしょ?」
「僕? 僕は関根俊彦、よろしくね二人とも」
僕の名字にピンと来た人へ、うん一文字抜いたらレガ様の中の人です(震え声
その影響か僕の容姿や身体つきはレガ様の面影がある、身体能力の高さはコレが原因ですね(白目
と、そんな事を考えてたら式が始まり、テスラと妹さんが壇上に上がっていった。
僕は軽くテスラに手を振って、答辞をちゃんと言える様に応援するのだった。
式が終わり、達也と千葉さん達と共に教室の確認をしていると、前の方から生徒会の人達と一緒に何かを話していたテスラが走ってきた。
成長したテスラは非常に美少女だ、中学ではしょっちゅう告白とかされていたし、プロポーションも良く、男子の視線が釘付けになっている。
達也君の妹さん、深雪さんも同じレベルなんだけど、彼女が可憐ならテスラは美しいといった別タイプの美少女だ。
まぁつまり、何が言いたいかと言うとだ、そんな子が、補欠扱いされてる二科生に向かって嬉しそうに飛びついてきたらどうなる?って話だ(白目
僕の胸に顔を埋めながら嬉しそうに抱き着くテスラを見て嫉妬の視線が山程僕に突き刺さる、特に同じクラスだと思われる連中には露骨に舌打ちされるわ『ウィードの分際で……』と言う陰口まで聞こえる始末。
……君ら気が付いて無いけどその一言でテスラ的には殺害対象化だからね? 今も幸せの絶頂に居たテスラの目付きがナイヴズみたいになってたし、下手したら尖翼で細切れだよ?(震え声
取り敢えずテスラを落ち着かせる為に顔を上げさせ、微笑ましそうにしている生徒会長に話題を振った。
「えっと、初めまして生徒会長、ウチのテスラが話の最中にこっちに来てしまって申し訳ありませんでした」
「いえ、大事な事は話し終わってるので今日はもう大丈夫よ、だから気にしないであげて、ね? 恋人さん」
そう言って会長はウィンクをし、テスラと同じ様な行動を達也君相手にやっていた深雪さんにも挨拶をして去っていった。
はぁ……入学初日から悪目立ちしちゃったなぁ、妙な連中に絡まれなきゃ良いけど……。
最近は僕と一緒に居る時間を伸ばしたいからか、テスラもCADを作らなくなったのでマーロンのCADはパッタリと出回らなくなったんで、僕のCADを見られたらまた嫉妬を食らうだろうし、難儀な学校だね。
目立つ事自体はそれなりに問題ない、むしろ進学や就職なんかを考えると程々に目立っておきたいんだけど、周りを敵にする様な目立ち方は内申にも響いちゃうからなぁ。
ブルーなそんな気持ちを払拭する様に首を振った僕は、気を取り直してテスラと一緒に帰る事にした、達也達も誘おうかと思ったけどテスラの甘えっぷりが気恥ずかしいので却下だ。
……明日から例の想いを繋げる羽根を御守りの様に所持しておこう、そうすればお互いが繋がるし、テスラも寂しくないだろう、うん。
ま、まぁ明日は明日の風が吹くって言うし? 面倒に巻き込まれないでしょ、多分(震え声
テスラさんは主人公第一主義になってます、ヴァッシュのレムへの思いやレガ様のナイヴズレベルなので万一主人公が傷付けられたらブチギレます(白目