目が覚めたらレガ様……えっ? 違う?   作:ACS

23 / 23

あけましておめでとうございます(今更


#23

#23 狂人の報復

 

やぁ!! 僕は今ちょっと無茶な動きが祟ったらしくて、救護室での応急処置じゃ間に合わないみたいでさ、急遽病院送りになったんだ!!

 

え? 病院送りになるような身体じゃないだろうって? あはは、僕だって一応人間だよ? 血も流れるし、傷だって負うんだから人間の思考を操作して態々病院に搬送されるような真似はしないって。

 

ただ? ちょーっと行き先が横浜になってるだけだから、それでその行き先に彼らの拠点があるだけだから、えっ? 近い病院に行かなかった理由? 運転手の気分じゃないかな? 決して彼らの身体を操作してるなんて事はしてないよ?

 

 

自分で身体の傷を塞いだ後、輸血パックを握りつぶして血液を補充した僕は横浜に入った辺りで救急車のタイヤをパンクさせて事故を引き起こし、車体を炎上させて同乗者諸共処分、目的地に着いた時点で彼らの役目はもう終わった。

 

僕が彼らを操ってたって証拠が見つからないとも言えないし、そもそもこんな所に自分の意思とは関係なしに連れてこられた事を他の人に知られたら印象操作が疑われるだろうからね、運が悪かったと諦めて貰うしかない。

 

電柱に追突して炎上する救急車を一暼した僕は、可能な限り糸を伸ばして無頭竜の居場所を探る、レガ様がインストールされていた当時なら余裕で都市ごと操れたんだけど、今の僕じゃまだまだだ。

 

こんな時ばかりはあの人が居ない事が辛いなぁ……。

 

結局奴らの拠点を発見出来たのは日付が変わる手前だった、予定ならもう少し前に見つけて日帰りする筈だったんだけど仕方ない。

 

僕は今腕時計を見ながら彼らの会議室でジェネレーターとか言う護衛の人形を椅子にしながら机の上に足を乗せて割と寛いでいる、既にこの拠点の中の人間は全員僕の糸の下だから飲み食いも割と自由だよ。

 

奴隷の様に人間を操りながら末端の人間を折り畳んで遊んでいると、エレベーターの動く音が聞こえて来た。

 

今日の結果と今後の話し合いをする気な様だけど、まぁなんだ、相手が悪かったね。

 

「やぁ随分と遅い御到着だね? 遅過ぎて人形遊びにも飽きて来たところだよ」

 

彼らが扉を開けて会議室に入ってきた瞬間、僕は彼らの身体を拘束しながら嘲笑う様にそう言ってやった。

 

驚愕の表情を浮かべた状態で固まる無頭竜の幹部達、咄嗟に懐の銃を手にした様だけど、このビルに入って来た時点で君達は僕の手の中だ。

 

何か言いたげに先頭の男が唇を震わせるが、声にならない掠れ声しか出ていない。

 

「ん? 何か言いたげだね? まぁ大体分かるけど、敢えて言わせて貰うなら報復に来たってところだね」

僕がそう言うとあからさまに動揺した様子で視線が揺れている、あっさりと殺しても面白くないからちゃーんと一人一人相手にしてあげるよ。

 

断末魔の声を聞きたいので口周りだけ拘束を解除すると、開口一番『ど、どうすれば見逃してくれる? 大会じゃ死人は出さなかったんだぞ‼︎』と命乞いをして来た。

 

「見逃すも何も、僕は君達を殺しに来たんだよ? なら君達がやる事はそのオモチャで僕の頭を撃ち抜く事じゃないのかな?」

 

と、言ってはいるけど彼等の銃で頭を撃たれたとしても多分撃たれ方次第じゃこの身体動かせると思うんだよね、ほんとこの身体って化け物ですねー。

 

そんな事を考えながら僕は先頭の男が握る銃を僕自身の額に突き付ける。

 

「ほら、後は君が引き金を引けば目障りな魔法師を一人射殺する事が出来る訳だ、やってごらん? 指先を動かすだけなら赤子でもできる事だよ?」

 

「クッ、指が……な、何をした!!」

 

「ふ、ふふふっ、あははははっ!! 何をした? 何をしたかだって? 僕は何もしていないよ? 君が単に引き金を引けないだけじゃ無いかい? ほらきっと気合いが足りないんだよ、なら必死になる様に僕が後押ししてあげようか」

 

僕の一声に反応した彼の片手が銃を握る手を掴み徐々に自身の頭に銃口を向けて行く、焦らす様にゆっくりと。

 

「なっ、なっ、なっ」

 

「語彙力が貧弱じゃ無いかな? もっと抵抗してごらん、そうすればもしかすると助かるかもしれないじゃないか」

 

「や、やめろ、やめてくれ‼︎」

 

彼の悲鳴と共に無慈悲に引き金が引かれる、しかし辛うじて弾丸が外れてしまう。

 

無論僕が外したんだけどね、だって銃弾一発で終わらせちゃ報復にならないだろ?

 

「安心しなよ、君達は延命しながらゆっくりと足先からすり潰して人間の感じる痛みを全部与えてあげる、幸運だよ? この僕が自分の手を汚してまで君達を殺しに来てるんだからさ」

 

夜明けまではまだまだ時間はある、どの道日帰りは無理だから朝まで拷問コースだ。

 

彼らがこの部屋に来た時点でビルに居る人間は全員赤いペーストに変えてある、悲鳴も命乞いも誰の耳に届かない。

 

 

さて、お仕置きの時間だ。





若干短め、次の更新は月曜か水曜になります。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。