目が覚めたらレガ様……えっ? 違う?   作:ACS

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無頭竜さんの出番はまだ先だよ!!

この学校には触れちゃいけない逆鱗が3、4枚あるけど頑張って妨害してね!!(白目


#18

#18 大会初日(

 

やぁみんな!! 九校戦が始まったのに初日から朝まで説教と魔法師の世間常識を教えられた挙句丸一日謹慎食らった僕だよ!! 同じやらかし仲間の森崎くんなんか『森崎家は終わった……』とか言ってたら何故か許されたよ!! ……解せぬ。

 

始末書も書かされたし、欠伸一つでここまでやらされるとは思わなかった、服部副会長なんか『猿でも分かる十師族』とか言うプリントを渡して来たし。

 

今は(自主的に)謹慎から解放された(抜け出した)のでテスラと並んで先輩達の試合を見に来てる、このご時世にノートへの書き写しをさせられてたから若干間に合わず、会長のスピードシューティングの試合が始まってたけど。

 

「よう恥晒し、今頃か?てか達也から聞いた話だと今日一日謹慎じゃなかったか?」

 

僕達に気が付いたレオが茶化す様にそう言い、自分の横の椅子を指差したので遠慮なく座り、恥さらし呼ばわりに対して軽いゲンコツを食らわせてやった。

 

「やっちゃった物はしょうがないでしょうに、魔法師とは無縁の家庭だったし、近所にも魔法師居なかったから縁遠い物だったんだってば、後自主的に謹慎は切り上げて来た」

 

「……いいのかそれ?」

 

「バレなきゃ犯罪じゃないって言うだろ? 大丈夫試合中ならバレないって」

 

そんな事を話してる間に始まった決勝戦だったが、会長は圧倒的な早さでクレーを撃ち落として一位の座を獲得、ざっと見た感じだと他校の生徒より頭一つ分抜けている見たいだし、ある意味当然の結果か?

 

次々とクレーを落とす会長の姿を見ていたら応援よりも先に早く身体が動かしたいと言う気持ちが強くなり、おかげさまで他の競技の予選もあるにはあるけど観戦する気が削がれてしまった、戦闘狂って訳じゃ無かった筈なんだけどなぁ……。

まぁ火が付いてしまったのは仕方ないので後で達也君を誘って組手でもしようかな、中に居るより外に居た方が色々面倒が無さそうだからね。

 

そんな事を思いながら僕は会場を後にし、ちょろちょろと怪しげな動きをしてる何人かの頭を覗こうかと考えつつも、組手出来る場所を探しに行くのだった。

 

 

 

「と言うわけで組手しよう、組手」

 

「……俊、俺も暇じゃないんだがな。それと、謹慎はどうした?」

 

「いや、割と暇でしょうに。バレなきゃ問題ないんだよバレなきゃね」

大会の1日目が終わった後、達也を誘って演習場に来た僕は軽い準備運動をした後に彼に向かっておもちゃの銃を突き出し、やる気を見せる。

そんな僕の姿に溜息を吐いた彼は『競技に支障が出ないか?』と言って呆れているものの、言っても無駄だと悟ってるのか素直に拳を構えてくれた。

 

体術でタイマン張ったら勝てないんだけど、要は身体の疼きを抑える為の組手だし、本格的に殴り合う事は無い……筈。

 

観客はテスラと行き道に出くわしたレオの二人、女子の出場組は会長の祝勝会をやってるから深雪さんは来ていない。

 

僕は月並みだけど、とコイントスを行い地面に落ちた瞬間に達也君の両肩と眉間を目掛けてスポンジ弾を発射する。

 

簡単な魔法で実弾程度の速度を出してるから牽制には十分、そもそもこの三発も当てる為じゃなく避けさせる為の攻撃だし、狙いはこの次だ。

 

左右と上方に撃たれた銃弾を完全に避けようと思ったなら大きく横へ移動するか、身を屈めて此方に距離を詰めて来るかの二択になる。

 

そして懐に飛び込んで来たなら膝蹴りを、横へ逃げるなら残り三発の弾を浴びせるつもりだったんだけど、達也君は半身を横に逸らすだけで銃弾の隙間を掻い潜る。

 

……うん、想定の範囲内ですはい。

 

あっさり避けたなぁなんて思う暇は無く、達也君は弾をやり過ごすと同時に一歩踏み込む等の同時に5m程距離を詰めて僕との間合いを詰めると、そのまま拳を腹に向けて突き出して来た。

 

踏み込みの加速と体重と腰の入った拳、こんな物を食らったら悶絶物なのでそれを左手で受け止め、強引に弾き飛ばされない様にその場に踏ん張りをいれる。

 

「……僕じゃなかったら今の一撃で二、三日寝込んでたよ、達也君?」

 

「……お前なら耐えられるだろ?」

 

不敵に笑う達也君に軽口を叩きながらも彼の頭に向かってスポンジ弾を一発放って距離を取らせ、ジリジリと足で間合いを話して行く。

 

今使ってるおもちゃの装弾数は六発、この時点で残り二発なんだけど、流石にリロードするだけの隙を与えてはくれない。

 

というか彼の気迫がリロードの瞬間に敗北する未来を僕に見せてくるのでどうにもならない、逆を言えば彼には僕と反対の光景が見えてるとも言えるので現状だと五分五分と言ったところだろうか?

けど折角身体を動かしてるのだから睨み合ってるのも面白くない、なので僕は背後に跳びのきながらリロードを開始する。

 

おもちゃだからスピードローダーは使えないので一発一発が手籠めになる、彼はその隙を逃す男じゃないから罠かも知れないと思いつつも攻めてくる。

 

彼は案の定常人離れした速度で距離を詰めて来た、それに合わせて僕は彼の肩に手を置き、馬跳びの要領で背後を取りつつリロードを終わらせて照準を合わせようとし、神がかった反射神経で放たれた後ろ蹴りをブロックさせられた。

……やっぱこの人人間辞めてるね(震え声

 

回避の出来ない空中での蹴りにガードをさせられてしまった僕は、達也君の間合いから離れる為に蹴り出された足を起点にして腕の力だけで後方へと跳び、着地狩りを敢行して来た達也君の飛び蹴りを掴んで投げ飛ばす。

 

そして今度は此方から着地狩りを狙って胸、腹、頭に一発づつとバク転による回避等を想定した回避先への三発を合わせた計六発を撃ち込んだんだけど、達也君は着地した瞬間にブレイクダンスの様な動きで弾を弾き落とすと、その内の一つを此方に蹴り返しながら体勢を立て直して突っ込んでくる。

 

弾切れの銃では話にならないので僕は一発だけ弾を込めると、左手でスポンジ弾を弾き落とすと同時に達也君の眉間に直接銃口を押し当てる。

 

しかし同時にかれの拳が僕の顎先に寸止めされている、コレは引き分けと言う訳じゃ無く、お互いに近付いて来る人の気配を感じたのでキリ良く止まった、と言う感じだ。

 

糸を使って調べたら深雪さんだったので、『達也君にお客さんみたいだよ』と彼の肩を叩いた後、引きつった顔をしたレオの下へと行き、『組手しようよ!!』と言ってみたけど乾いた笑いと共に首を横に振られてしまった。

 

その答えに肩を竦めた僕は軽くかいた汗を流す為にシャワーを浴びに行く事にするのだった。

 

 

…………尚抜け出して遊び回ってた事は無事に会長と渡辺先輩にバレた模様、おのれ司波兄妹め僕を売ったなッ!!

 





さすおに(白目

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