目が覚めたらレガ様……えっ? 違う?   作:ACS

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今回は少し短め。

やろうと思って辞めた没ネタ。

ブランシェ日本支部襲撃時。

達也「!? 俊、何故お前がそちら側に?」

俊「達也君、コレには漢の深い事情(両替)があるんだ、このまま何も聞かずに引き返してくれないかな?」

達也「それは無理だな」

俊「だろうね、ならしゃーないじゃあ力尽くか」


このルートだとガチバトル出来たんですが、取っ掛かりの両替が……ね?(白目

尚ネタ元は劇場版TRIGUN-Badlands Rumble-のニコ兄とヴァッシュの会話から。

見よう(ダイマ


#13

#13 可哀想なテロリスト

 

 

夕方になる頃には校内に侵入したテロリストは全て片付いた。

 

今回の襲撃の目的は図書館にあった魔法大学の最先端技術の情報だったらしいけど、潰しに掛かる前に達也君達が取押えてしまったので僕とテスラはそのままアンティナイト狩りを続けていた。

 

何気にキャストジャミングに苦戦する生徒は多く、素手で殴り倒したり一発の銃声で二発撃つ銃の腕も披露したらコメントに困る顔をされた。

 

一番ドン引きされたのは侵入時に使われたであろう車で逃走しようとした彼らに対し、銃でタイヤをバーストさせて壁に激突させた後にロックされた車の扉を素手でこじ開けた時かな? 周りの引き具合は勿論、車内の敵も全員恐慌状態だったよ、その時の僕って殺さないように気をつけて戦ってたとはいえ返り血浴びまくってたからね、多分僕の事が悪魔にしか見えなかったんじゃないかな?

 

……えっ? 殺さない様にしてる癖になんで返り血浴びてんのかって?

それは、ほら、つい、ね? 僕の力加減が効かなかったとかじゃなくってさ、精神的な部分で戦闘面での躊躇いが取っ払われてるのよ。

 

つまり平気で拷問紛いな事笑いながらやれるんですわ、と言うより身体に染み付いた動きで無意識的に相手へ苦痛を与えるいたぶりかたしてたんです、僕悪くない。

 

 

片手でテロリストの首を掴み上げながら死なない程度に骨砕いたり、内臓潰したりと僕の体は僕の意思に反して楽しみ放題でした(震え声

 

偶々出くわしたレオに『お前だけは絶対に敵に回したくは無いわ、確実に一思いじゃ殺さねーだろ』と引きつった顔で言われて地味にショックだったよチクショウ。

 

で、今僕はテスラと一緒に下校してます。

 

保健室の方に張った糸から敵の拠点を襲撃しに行く話が伝わって来てはいたんだけど、僕はそれに参加する気は無かった。

 

理由? だって今回の事件って一般人の僕が関わる必要無いよね? あの何とかって先輩と僕って他人だし、今回は襲撃食らったから反撃したけどさ、それが終わったら別に首突っ込む必要はないでしょ? 参加表明してた千葉さんやレオは血気盛んな様子だけど、好戦家じゃない僕はイマイチ襲撃に魅力を感じないので帰宅組という訳だ。

 

 

「はぁ久々に戦闘したけど、実弾使うとやっぱ硝煙臭いなぁ、それに着替えたとはいえ血の匂いもするし……」

 

「消臭魔法使う?」

 

「あ、その手があったか、じゃあお願いするよテスラ」

 

「うん」

 

 

下校中、手を繋いで帰っていた僕は正直完全に気を抜いていた。

 

不特定多数の人間が家路に付くこの時間、その人混みに紛れる者も少なくないはずなのに、僕はテスラのみに意識を割いていた。

 

だから、その存在に気が付いたのは僕達の後頭部に冷たい銃の感触が伝わった瞬間だった。

 

「……着いてきて貰おうか」

 

恐らくは今朝の残党達だろう、鬼の首を取ったようなドヤ顔だったけど、僕もテスラも別にこの状態からでも余裕で倒せるんだけどねー。 ……さて、テスラに銃を向けた此奴らをどうしてくれようか。

 

「……ブランシェ、だっけ? 今ソレを下ろせばまだ半殺しで許してあげるよ?」

 

「ふっ、今朝の襲撃で同士を散々潰してくれた貴様の言葉を信用するものか、それに貴様はこの女を庇っていたな、そんなに大事なのかね?」

 

 

大物ぶった男はそう言ってテスラの背後に居る男に指示を出し、テスラの肩に手を置かせた。

 

男は女好きな様で、テスラの肩だけには飽き足らず胸や股の間に迄手を伸ばそうとしていた。––––––潰す。

 

「良い女だなぁ、手を出されたく無けりゃ––––」

 

「気安く私に触れるな人間、私の身体に触れていいのは俊だけだ」

 

 

彼がテスラの肩に手を置いた瞬間、テスラによって片手で縦に潰された。

 

残党が一人潰れた瞬間、殺害現場とかを見られるとややこしいのでこの周りに居た人の視界を糸で操作し、意識干渉魔法を使って記憶を書き換えながら、僕の後ろに居た男をA・ARMでブツ切りにしたテスラを連れてその場を後にした。

 

 

さて、僕は結構温厚な人間だ、大概の事柄に関しては特に腹を立てる事も無い。

 

けどね、テスラに関しては別だ、彼女は僕が幸せにすると誓った女性だ、誰にもその役割は譲らないし、僕からその役割を奪う者も許さない。

 

テスラの敵は僕の敵、連中はテスラを不快にさせた、死ぬには十二分だ。

 

一旦帰宅した僕は彼女に留守番を頼みながら、部屋のクローゼットの中からテスラに作って貰ったレガ様の衣装を取り出し、それに袖を通す。

 

そしてCADではなく、同じく作って貰ったレガ様の銃を懐へと入れてブランシェを潰しに行く事にした。まぁ使う事はないだろうけど、僕の気分の問題だ。

 

時間的には達也君達は既に出発しているだろう、なので民家の屋根の上を跳びながら残党の頭から吸い出しておいた拠点へと向かった。

 

 

––––後悔させてあげるよ、僕の逆鱗に触れた事をね?

 

 

 

僕が着いた頃には達也達が制圧した後らしく、敷地外から糸を伸ばして索敵をすると内部では丁度敵のリーダーが腕を落とされた所だった。

無様に悲鳴を上げながら腕を抑える彼には失笑すら出ない、よくもそんな覚悟で世直しなど謳えたものだね。

 

恐怖、欲望、優越感、彼には余計な物が多すぎる。

 

組織の歯車としての自覚が全くと言って良いほど足りていない、少なくとも此処に来る事が分かっていたのならば爆発物なりを仕掛けておいて敗北した瞬間に起爆するくらいはしないとダメだね。

 

上手く行けば末端の命で十師族の人間を殺害できる、それでなくても一般生徒を犠牲にしてしまえば世論を操作する事だって出来るだろうに。

 

 

「いいよ、僕が少し手伝ってあげる。キミに足りない物は組織の為に死ぬ覚悟みたいだからね」

 

 

誰に言う訳でもなく、そう呟いた僕は腕を切り落とされた男の身体を操作し、無事な方の手で自分の心臓を抉り出させる。

 

糸越しに伝わる彼の恐怖、悲鳴、それを聴いていると無性に笑いが込み上がってくる、リーダーの断末魔を聞き届けた後、残った生き残りを全て挽肉にしてから拘置所へと向かった。

 

 

何故拘置所かって? 鈍いね、捕まったブランシェ連中が居るからに決まってるじゃないか、彼らの仲間はテスラを不快にさせた、なら連帯責任として彼らも死亡するべきだ、そうだろう? それにリーダーが死亡したんだ、末端の末端程度の情報しか持たない彼らに生かす価値はあるかい? 無いだろう? 生きてるだけ金がかかるだけさ。

 

拘置所は少々警戒が強かったけど、僕の前じゃないに等しい物だ。

 

内部に侵入した僕は看守の意識を奪い、拘留された構成員を一人一人惨殺していった、楽には殺さないよ? 人間が感じる事のできる激痛を味あわせながらの殺害だ、結局は殺してしまうのだから手間をかける必要は無いかもしれないけど、よく言うだろう? 結果よりも過程が大事だってね。

 

この後家に帰り、何時も以上に甘えてくるテスラを甘やかしながら僕の不殺生活も遂に終止符が打たれたか……と遠い目をしながら自分の危険人物っぷりに戦慄する。

 

 

だってコレまんまレガ様だよね!! やってる事絶対あの人と一緒だよね!? テスラにセクハラされた瞬間にコレだよ!! 僕って独占欲強過ぎないっすか(震え声

 

……精神汚染が深刻過ぎやしませんか?

 

 

翌日、ニュースにも新聞にも昨日の虐殺は乗らなかった、まぁ堂々と拘置所に侵入された挙句容疑者皆殺しされましたー、なんて報道出来ないわな。

 

今日は破壊された校舎の修繕等で休校だし、気晴らしにテスラと一緒に何時ものドーナツ屋へと行こうかな。

 




主人公の不殺主義があっさりぶっ飛びました、まぁヴァッシュみたいに人類全員が身内と言うレベルじゃないからね(白目

むしろ身内を傷付けられたりしても相手を殺さないヴァッシュレベルにはなれません(震え声

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