Veronica   作:つな*

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ヴェロニカは恐怖した。

その男が常に私の近くに潜んでいることを

ヴェロニカは味わった。

息の詰まる苦しみを



Veronicaの家庭教師

「さて、今日でおわかれじゃなヴェロニカ…あちらでの転校手続きはこちらで全てやっておいた」

「………ありがとう九代目…色々助かったよ」

「可愛い孫のためじゃ、何か困ったことがあれば直ぐに連絡してきなさい」

「うん、じゃあ行ってきます」

 

こんにちわ、ヴェロニカです。

これから日本へ行きます。

何故か、並盛中へ転校手続きをされていたことを今しがた知りました。

あるぇー?もしや私原作キャラともろつるむ感じですかねー?

まあ、家庭教師が同じ時点でどこかで絡まれること間違いないんですがね。

あたたたた、急にお腹が…これじゃ飛行機に乗れなく…ハイ、行ってきます。

九代目が手を振ってきたので、振り返して搭乗口へ進む。

 

 

飛行機での長旅はただただ私の胃を締め上げるだけの時間になっていた。

飛行機が日本へ到着するころには、萎えたもやしのようになっていた私ですが、空港に着いた瞬間聞こえる日本語に感動し、数時間はハイテンションでした。

まず最初にそば食べに行きましたわ、めっちゃ美味い…泣きそう…

九代目にもらった日本住所が書かれている紙を頼りに、並盛を歩き回ること数十分…

 

「これ…だよね……」

 

目の前には高級マンション…紙には結構上の方の階が書かれてあるけれど…これ最上階とか言わないでよね?

九代目…いやお爺ちゃん…奮発しすぎだとヴェロニカは思うの…

とりあえず、中へ入ると支配人らしき人物と従業員たちがいたので、キャリーケースを預ける。

待て、何故マンション如きに従業員がいるんだ…

部屋の番号を教えると、物凄く目を開かれてとても頭を下げられると同時にエレベーターに案内される。

案の定、最上階の部屋だった。

うわー…これ家賃200万とか普通に超えそうなんだけど…いやマジで普通のマンションでよか……無理だな。

ヴァリアー本部の屋敷はとても広かったし、それに当たり前となって十年以上経っている今、普通の一般家庭のマンションでの生活は無理かもしれない…

こんなところでおもわぬ弊害が…金銭感覚狂ってそうで怖いなぁ…

換金してもらった財布の中には諭吉とブラックカード…アカンてこれ…待て野口どこいった…

そりゃ元の時代でも、学校行ったらすぐに家に帰るという生活で、貰ったお金は全然使わなかったけどさぁ…

てか私料理作れないけど、どうすんだおい…

部屋にあるパンフレットを見ると、一応マンションの中にはレストランがあるらしいので、暫くはそこで食べるしかないようだ。

ルームサービスあるからそれだけで十分かもしれない。

そして、ベッドの淵の方をよく見てみると、ボンゴレのマークが縫われていた。

おもっくそボンゴレの経営してるホテルでしたね、ハイ。

そりゃオーナーがお爺ちゃんなら金の心配はするまい。

それよりも、明々後日から並盛中に転校になっている。

どうしようか…うーん……原作の内容とかおぼろげだがとりあえずノートに書きだしてみるか。

 

・沢田綱吉全裸告白で原作スタート

・山本飛び降り

・並盛中の生徒襲われる→黒曜編

・黒曜編終わったらヴァリアー編

 

思ったより覚えていることが少なすぎた…

とりあえず大切なやつは近づいたら気を付けよう。

あと、ヴァリアー編は小まめにお爺ちゃんに電話しよう。

正直いつやられてんのか分からない…なんとなく可笑しいと思ったら既に入れ替わっていると仮定して行動しよう。

 

予測不可能な案件といえば、リボーンがどこまで私を探ってくるかだな。

お爺ちゃんから何て言われてんだろ…聞いとけばよかった。

ちなみに、私の日本名は仲田夏美となっている。

ハッキリ言って、前世?の名前だから呼ばれなれてるという理由でこれにした。

流石にヴェロニカで触れ回ると未来で何かしら不備がありそうだし…

 

よし、私の暫くの目標は黒曜編の六道骸…幻術対策だな。

一応対策は考えているんだが、上手くいくかも分からないし…せめて誰かもう一人死ぬ気の炎を使える人がいれば検証出来たんだけどな…

あいにく今の時点死ぬ気の炎を使いこなせるのはリボーンだけではないだろうか…

正直、リボーンには修行以外で関わりたくない。

ああ、イタリアで誰かにお願いしとくべきだった。

でも仕方ないこれ考え付いたの飛行機での中だったし。

とりあえず、もう夜遅いし、フライトで疲れたし眠りますか。

 

 

 

何かと修行という名の炎のコントロールに時間を費やすこと3日、今日は私の転入日です。

並盛中の門をくぐるが、緊張しすぎてどこに行けばいいのかまるっきり分からない。

とりあえず、学ランを着ている男性にどこに行けばいいか聞こう。

 

「すいません」

「…なに?」

「今日転入して来たんですが、職員室ってどこ行けばいいですか…?」

「ふーん、君転入生なんだ…草壁」

「っは」

「この子、職員室に連れてって」

「っは、分かりました」

 

偉く、不遜な態度の男の子だったなぁ

背の高い男の人の後ろをついていく。

ドアに職員室と書かれているのを見て、ここだと分かると、リーゼントの男性は中に案内すると、出て行った。

そのあとは、教師達に教室やら規則やらを教えてもらった。

教室も聞いたので、とりあえず自身の教室に行こうと職員室を出て廊下を歩いていた。

すると、少し離れた先に先ほどの不遜な態度の男がいた。

 

どっかで見た気がする…どこだったかなー…

 

「ねぇ、さっきから何ジロジロ見てるの」

「ああ、ごめん…君が知り合いに似ていた…それよりこの教室にはどうすれば行けるんですか?」

「そぅ…そこならここの曲がり角奥に行って階段上がってすぐだよ」

「そうか、ありがとうございます」

 

ヴェロニカは言われた通り会談を上がろうとした。

ふむ、意外といい人なのかもしれない。

だが容姿がだめだ、雲雀恭弥に似ている。

 

 

………雲雀恭弥に似ている………似ている…?

 

……………ご本人じゃね?アレ

 

 

 

うおえぇぇぇぇあああああ!!!???

 

 

辛うじて口から奇声は出なかったものの、ヴェロニカは廊下で屈みこむ。

 

そういえば、中学生時代はあんな姿だったかもしれない!ていうかあんなだった?

あまりにも浴衣とかスーツでしかも髪の毛ぼさぼさな雲雀恭弥しか見ていなかったから丸っきり忘れていた

ひょえ、私はあんな化け物に声をかけていたのか!

なんて死に急ぎ野郎だったんだ!これから積極的に避けよう!

 

ヴェロニカはそのまま雲雀のいた方を振り返らずに、階段を駆け上げ教室の方に向かう。

教室の扉を開くと、今まで騒々しかった教室が静かになり視線が私に集中した。

私はそれを無視して、担任の方へ行く。

 

「今日から転入してきた、ここで当たっていますか?」

「え、あ、ああ……待て、自己紹介しようか……えーと」

 

ヴェロニカは教室を見渡し、口を開く。

 

「仲田夏美…イタリアからきた……先生、私の席どこですか?」

「え?あ、ああ…そうだな……じゃあそこの一番後ろに座ってくれ…」

「はい」

 

私は、そのまま席に座ると教室を見渡す。

特徴的な髪形を見つけ、表情に出はしないが、心拍数が上がる。

 

沢田綱吉…十代目…

 

休み時間になると、生徒たちがわらわらとヴェロニカに近づいてくる。

話を聞いてる限りじゃ、沢田綱吉はダメツナ呼ばわりされて、昨日全裸で告白をしたらしい。

 

既に原作は始まっていたか…

 

ああ、これから全てが始まるのだ――――…

 

 

 

 

入学登校日初日は何も問題なく終わりヴェロニカは帰り道を歩いていた。

そろそろリボーンから接触があるはずだが、あるとすれば帰り道か…又はマンションに戻ったところか。

ヴェロニカがマンションに着き、自分の部屋に帰るとトレーニング用の衣服に着替えようとしていた時

 

「ちゃおっす、お前がヴェロニカか」

 

うおおおい、着替える直前に来るな!どこが紳士だこいつ!

 

「あなたが私の家庭教師か…だが女性の部屋に堂々と上がり込んだ挙句着替える直前に声をかけるとは…紳士の名が泣くぞ」

「それはすまねーんだぞ」

「まぁいい、今後ないようにしてくれ…それで本題は?」

「俺はリボーン。九代目からの頼みでお前をダメツナと共に鍛えろと言われている…お前はどこまでこちらのことを知っているんだ?」

「九代目から聞いていないのか?死ぬ気の炎ぐらいまでしか知らないぞ」

「そうか、それでお前に死ぬ気の炎がある程度コントロールできると聞いているがどうなんだ?」

「そうだな、コントロールは問題ない…私が今身に着けたいのは反射神経と運動神経…あとは経験だけだ」

「なるほど、お前には自分に何が足りないのか理解できているのか…よし、俺が直々に指導してお前を一流のマフィアにしてやるぞ」

「いや、私はマフィアになりたいわけではない…マフィアからわが身を守れるようにしたいだけだ」

「ふむ、分かったゾ…にしてもお前、九代目がお前のことを優遇しているようだが、九代目とどういう関係だ?」

「易々と誰かに言えることではない」

「そうか、それともう一つ」

「何だ」

「お前、顔がザンザスに似ているところがあるが、あいつの血縁か?」

「ザンザスとは誰だ」

「知らねえならいい、訓練はまだしねえぞ…だが自主練はしておけ、じゃあな」

「……」

 

そう言い残してリボーンは窓から飛び降りて行った。

残されたヴェロニカはベッドに力なく飛び込む。

 

ああああああっぶねええええええ、パパのこと聞かれた時咄嗟に返したんだけどおおお

にしてもどんだけ私パパと似てるの?

パパの遺伝子強くないですかねぇ?

っていうかここ17階なんですが…

ああ、リボーンが怖すぎる…なんか色々と見透かされてそう…

んもおおおおお、初っ端から何でこんなに疲れるのぉぉおおおお

 

 

……トレーニングルーム行こ

 

 

 

 

 

リボーンside

 

 

ふむ、あいつ何か隠してやがるな…

 

リボーンは沢田家に帰る帰路、先ほど顔を合わせたヴェロニカのことを考えていた。

 

ヴェロニカのことを頼んだ九代目の顔を見れば、ヴェロニカに害がないことは既に分かっている。

だが実際会ってみるまで確信は出来なかった。

対面してみると、ひしひしと伝わる、強者の威風が…リボーンの肌を刺激する。

そしてそれは8年前、クーデターを起こしたザンザスのそれと酷似していた。

なので俺はやつにザンザスの名前を出したが、無反応だった。

ならばザンザスとは無関係か?いやそう決断するには早すぎるな…

やつは何かを隠している…

大切な何かを。

それを読み取ることは出来なかったが、それはお互い信頼度がないので聞き出すことは不可能だと断念する。

にしても、あいつとダメツナじゃ実力が違いすぎて両方一緒に鍛えることはできない。

だから、ダメツナがある程度実力が付かない限りあいつには俺が個人指導を空いた時間で付けるしかないのか。

にしてもあの目、あの雰囲気、俺を目の前にあの態度…

 

「あいつは間違いなく強者の風格だぞ」

 

リボーンはそう呟くと口角を上げた。

 

 

面白くなりそうだ

 

 

 

 

 

 

 

その頃ヴェロニカは…

 

「も、もう無理……あ、あと20秒走ったら休むっ…絶対休む!」

 

この後20分走った。

 

 




ヴェロニカの現時点の強さ

炎を使えば現時点の雲雀より強いです。
ただ雲雀が死ぬ気の炎を会得すれば、均衡するんじゃないかなぁ…若干雲雀に軍配が上がる程度。
一応ザンザスの遺伝子がっつり受け継いでいるのでそれなりに基礎ステータスは高いです。

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