Veronica   作:つな*

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ヴェロニカは涙した。

悔しくて 悔しくて

ヴェロニカは流す。

紅い 赤い 朱い 血を


Veronicaの失敗

大空の決戦が終わり、沢田綱吉達は戻ってきた平穏の中、学校へ登校していた。

昼休み、私は屋上の扉に鍵をかけ弁当を開いていた。

だが数秒で、ガチャガチャと不穏な音がなり屋上の扉が開いた。

そこにはリボーンの暴挙に呆れ顔をした沢田綱吉と、獄寺に山本が続いて入ってきた。

だが屋上に先客がいて、その相手が私だと気付くと目を丸くして驚いていた。

 

「ヴェ、ヴェロニカさん⁉」

「ちゃおっす、ヴェロニカ」

「げ、てめー!ここは十代目がお昼を食べる場所だぞ!」

「ごごご獄寺君、そんなこと言っちゃダメだって!」

「あれ、ヴェロニカじゃん、やっほーなのなー」

 

私がここにいることを分かっていながらも屋上に沢田達を誘導してきたリボーンを睨む。

だがリボーンはそれをものともせずに、私に声を掛けてきた。

 

「おめー、一昨日の夜何してやがった?」

「リ、リボーン⁉いきなり何聞いてるんだよ!」

「別に、マンションにいた」

「…本当のことを吐きやがれ」

「ならば私が嘘をついてる証拠見せろ」

「十代目やはりこの女!怪しいですよ!」

「獄寺君!そうやって人を頭ごなしに疑うのはよくないってば!」

 

どうやらリボーンは、あの夜の影が私だと思い込んでいるようだ。

まぁあれ私ですけどね、ハイ。

でもそれ肯定しちゃうと面倒なので否定しまくるんですが。

 

「一昨日の夜、ランチアという男がヴァリアー隊員を相手している時に、女に襲撃されたようでな…おめーじゃねぇかと思ったんだが、違うのか?」

「一昨日の夜ならマンションの一階にあるレストランに長居してた。監視カメラ見ろ」

「リボーン!証拠もないのに疑うなってば!ヴェロニカさんが可哀そうだろ!」

 

すまん、沢田綱吉、そいつ病院送りにしたの私だ。

生きてたのか、よかったよかった。

だが私から仕掛けてない。

なんか捏造されてる。ツライ。

 

「なんかごめんね?ヴェロニカさん…お昼中にこんな嫌な気分にさせちゃって…」

「十代目は悪くありません!怪しいコイツが悪いんです!」

「獄寺君!」

「まぁまぁ別にヴェロニカがやったって証拠はねーんだろー?なら疑うのはお門違いなのな」

「そうだよ、ね!山本」

「十代目がそう仰るのなら…」

 

にしてもこの茶番、毎回私の前で続ける気だろうか?

いい加減、獄寺は大人になればいいと思う。

にしてもコイツらこんなにうるさくしてたら、あいつ出てこないか?

 

「ねぇ、君たち……うるさいよ……咬み殺す」

 

ほらいたじゃないですかー、何でこんなフラグ立てて回収するんですかねー。

雲雀がいきなり屋上の扉を勢いよくふっ飛ばしてこちらにトンファーを構えだす。

 

「それと、君」

 

なんか私に向かって声をかけているが、無視して弁当を片付けだす。

雲雀は無視されたのが気に喰わなかったのか、早歩きでこちらに向かってきている。

 

「この前の逃走といい、僕を無視するとはいい度胸だね」

「そう」

「その態度、気に喰わないな…咬み殺す!」

 

やっぱり攻撃してきた雲雀恭弥から遠ざかり、屋上のフェンスを蹴り上げ屋上から飛び降りる。

落ちる直前沢田綱吉の悲鳴が屋上に木霊する。

体全体に炎を纏い、グラウンドに着地する。

人のいない場所を選んで飛んだので、誰にも見られることなく私はその場から歩き出した。

あの場に残された沢田達には雲雀の餌になってもった。南無。

ほんと雲雀恭弥怖い。

何で人の話聞かずにくるんだろうね…

ディーノさん戻ってきてくれませんかねぇ。

にしてもリボーンがめちゃくちゃ私を怪しんでる件について。

だが、パパが並盛の病院に入院する期間も限られており、明後日にはイタリアの方に病院を移るらしい。

なので、奇襲に行くには今日か明日のどちらかになる。

一昨日ザンザスを奇襲しようとしたことで、ザンザスの近くにはベルフェゴールが殆どついているらしい。

めんどくさっ、マーモンに呼び出させて少し外してもらおう。

さて、マーモンに有幻覚作ってもらうけどどこで入れ替わろうかな。

先ほどのリボーンの様子から今日明日はずっと張り付いてそうだし。

ヴェロニカは数分考えて、マーモンの携帯番号に電話を掛けた。

 

放課後、いきつけのカフェに行く。

ケーキを注文して待っている間にトイレに行く。

女子トイレの中には、人が並んでおり私の後にもう一人女性が並んでいた。

私の番になり、トイレから出ると先ほどの女性以外誰もいなくなっていた。

そして私は目の前の女性のバッグを見て、声を掛けた。

 

「ありがとマーモン」

「どういたしまして、にしても場所選べなかったのかい?プリンチペッサ」

「リボーンの監視がきつくて」

「ったく、何教え子監視してんだよあの野郎」

「流石にトイレまでは来ないでしょ」

「来たら変態だよ」

 

マーモンの声をした目の前の女性の姿が変わり、マーモンになっていく。

そして、女性のバッグが私の使っていた剣になっていた。

マーモンは剣を私に渡した。

 

「はい、プリンチペッサこれ」

「ありがと、マンションまで取りに行かせちゃってごめんね」

「君のマンションとても広かったけど、あれも九代目が?」

「うん」

「そ、にしても一昨日のは惜しかったね」

「ほんと、沢田綱吉が乱入するのは予想外だった」

「僕もだよ…だけど今回はその心配はないよ」

「ベルは?」

「僕が呼び出すから、その間にやってよね…ボスはまだ起き上がれるほど回復してないから」

「分かった……ありがとう」

 

マーモンは私とそっくりの有幻覚を作り、有幻覚を先ほどの席に座らせた。

その間に、私とマーモンはトイレの小さな扉から外へ出た。

これ絶対前世の私じゃ通らなかった。

今の体がどんだけナイスバディなのか再確認する。

さて、マーモンと別れて、先ほど剣と一緒に取りに行ってもらった黒いフードを被る。

あたりは夕方で、まだ日が落ちていないので人通りがそこそこあり、私は建物の上で日が落ちるまで隠れることにした。

数時間した頃、あたりは暗くなっており、人通りも少なくなっていたのでザンザスのいる病院へ向かった。

病院の近くまで来て、双眼鏡でザンザスの病室を覗く。

ザンザスは横になって目を閉じてて、隣にはベルが座っていた。

ヴェロニカはマーモンの携帯にかけ、ベルを呼び出すようお願いして、また双眼鏡を覗く。

ベルの携帯が鳴り、何かを話した後ベルは立ち上がり病室を出ていく。

今だ!

ヴェロニカは直ぐにザンザスの病室の窓を割り、中に入り手元にあったワクチンの針をザンザスの腕目掛けて刺そうとした。

その時、額にごつり、と硬い感触がした。

 

「てめぇ、この前の奴だな」

「……」

「誰の差し金だ」

 

パパ起きてるじゃん!

いや分かってた、ベル隣いたし、パパが誰かの隣で爆睡とかありえないと思ってたし。

でも、銃口向けるまでの時間が速くないですかねぇ!

 

「っけ、答える気はねぇってか…カッ消えろ」

 

ザンザスが引き金を引く音がして、私は撃たれる覚悟でザンザスの腕にワクチンを刺した。

刺した感触がした直後、ヴェロニカの額に衝撃が走った。

一瞬意識を失いそうだったが、なんとか持ち直し、爆発の煙に乗じてその場を離れた。

必死に、その場を離れる様に足を動かした。

マーモンと報告するための待ち合わせ場所である森に逃げ込む。

少し森の中へ行くと、目に留まった木の幹に座る。

 

「ぅ……ぃったー…」

 

じくじく痛む額を触るとぬちょり、と滑った感触がするので、手の平を見ると血が付いていた。

うっひょい、血だ…ビックリした。

 

「あたた、拳骨並みに痛い……」

 

フードで額を擦るが、傷ついたのが額だけあって中々止まらず、途中で止血を放棄した。

結構血が出ているが、あんまり痛くない。

しいて言うなら、拳骨された程度…勢いよく頭ぶつけた感覚だな…

やっぱり親子なのかそれとも同じ炎だからか、波長がほぼ一緒だったのでダメージが驚くほどなかった。

だってめっちゃもろに額にぶち当たっていたにも関わらず、こんなに怪我ないし。

数分経つと、痛みは消えていたので、取り合えず息を吐いて肩の力を抜いた。

 

注射器を刺した感触はした。

ので、多分ワクチン打てた気がする………

ミッションコンプリート?

確認の仕方がわからない……

だけどあれは絶対に出来たでしょ。

だってめっちゃ腕にぷっすり刺したもん。

色々納得して、喜ぼうとした瞬間、ヴェロニカはふと思い出す。

 

 

押し子(ブランジャー)……押してない…」

 

 

んあああああああああああああああああ

押し子(ブランジャー)押してないよぉぉぉぉぉおおおおおお

意味ないじゃん!意味ないじゃん‼

アレ押さなきゃ、薬液が入らないじゃん!

うっそだろおい

なにそれ……噓でしょ……だって頭撃たれる覚悟までしてぶっ刺したのに……そんなことって…

ちょっと、待って……

悔しい…っていうか悲しいっていうか……ツライ…

ヴェロニカは色々な感情が混ざり、目には涙が溢れてくる。

情けない……自分が物凄く恥ずかしい……ぅぅぅうう

パパの前で泣いた時以来に泣く、人生2度目の涙がまさかの押し子(ブランジャー)の押し忘れって…!

これは誰にも言えない!無理、恥ずか死ぬ。

待って涙が止まらない。

ぅぅ、くっそぉぉぉぉおおおおおおお

 

「プリンチペッサ!いるなら返事をしてくれ!」

 

マーモンの声がする。

でも待って今顔を合わせられない。

あんな失態をして合わせる顔がない。

無理、死のう。

でもめっちゃマーモンが私のこと呼んでくれてるんだけど、嬉しいけど今は無理だってぇ…

 

「マーモン……」

 

呟くよりも小さな声でその名を囁いた。

 

「プリンチペッサ!」

 

え、さっきの声聞こえてたの?うっそでしょ。

だってめっちゃ小さな声でしか言ってない…ま、ちょ、それよりこっち来ないで!

今泣いてるし、血出てるし、恥ずかしいし、ダメだアカン。

マーモンが駆け付ける音が聞こえて咄嗟にヴェロニカは手で顔を覆う。

 

「プリンチペッサ!怪我は⁉痛いのかい⁉」

「マーモン……わた、しは大丈夫…」

「何言ってるんだい!傷を見せなよ!」

 

マーモンが無理やりヴェロニカの手を剥がす。

ま、ちょ…つっよ!マーモン力つよっ!

じゃない!今涙でぐちゃぐちゃだから!らめぇ!

マーモンの顔を見ると、唖然としていた。

あ、一応額切れてるんだった。

いや驚くよね、血が出てたら。

めっちゃ傷浅いけど。痛くないけど。

とりま弁解をだな。

 

「いや、痛く…ないの……」

「プリンチペッサ、黙ってて」

「アッハイ」

 

マーモン怖い。

何でそんな怖いん?私が失敗したから?

パパの命が掛かってるもんね…

それ考えると、余計ツライんですが。

せっかくのチャンスをあんなしょうもないことで棒に振っちゃったし。

あ、また涙出そう…

 

「マ、マーモン…ごめ…」

「黙っててってば、今傷見てるから」

 

傷見てたんですか。

頼むから抉らないで下さい死んでしまいます。

そんなこと考えてたら、マーモンがタオルを私の額に強く押し付けた。

あだっ、そんな強く押し付けんでもいいやん。

そんなに怒ってるの?

 

「ごめん…」

「いいよ、プリンチペッサが無事だったからね」

「でも……あと少しだったのに……ごめ…なさっ……」

「気にしてないよ…それより君が軽傷ですんでよかったよ」

「パパの炎…私と波長似てるから……あまりダメージなかった」

「そう、それより泣き止みなよ」

「……うん」

 

マーモンが優しすぎる。

これスクアーロとかベルだったら絶対からかってた。

ただ押し子(ブランジャー)の押し忘れがあまりにも辛すぎる事実で、涙があまり止まんないです。

恥ずかしいので、何も言わないが。

 

「プリンチペッサ、まだチャンスはあるよ…大丈夫」

「うん」

 

マーモンいい子だぁぁぁぁああ

 

「僕のタイムリミットはもうすぐなんだ……あとは君一人でやらなきゃいけないんだ……」

 

え?え、もう未来帰っちゃうの?マジ?

私一人でパパと対峙するとか死にそう。

 

「もう……行っちゃうの?」

「ごめんよ、プリンチペッサ……」

「絶対に……やってみせるから」

「君なら出来るよ…いいかい?ボスには絶対に顔を見せちゃダメだよ……それと10年後のボスと真正面で対峙するのは絶対しちゃダメだからね」

「何で?」

「いくら君が強くても、今から10年後のボスは桁違いに強くなってる…いくら憤怒の炎のダメージが少なくても無事じゃいられないよ」

 

わぉ…なにそれ怖い。

パパと目が合った瞬間逃げそうですわ。

てか逃げる。

真っ向勝負とかない。

 

「分かった…」

「約束だ、絶対に無理はせずに、命の危険があるなら直ぐに逃げること」

「うん」

 

「健闘を祈るよ、プリンチペッサ」

 

マーモンはそういうと、ボフンと白い煙をあげて消えていった。

多分今の時代のマーモンはイタリアにいるのかな…。

この後怪しまれなければいいんだけどなー…

 

 

 

マーモンside

 

大きな爆発音の後、ベルと一緒に慌てて病室に駆け付けた。

 

「ボス⁉何があったのさ!」

「ボス!またあの野郎現れやがったの⁉」

 

荒れ果てた病室で、隣の部屋への壁には大きな穴があり、ザンザスはベッドに座りながらそこを顎で指す。

僕はベルと一緒に煙のたっている壁の向こうを警戒しながら進む。

そこには誰もいなくて、僕は心底を胸を撫で下ろした。

 

「ボス……誰もいないよ……」

 

ベルがザンザスにそういうと、ザンザスは目を少しだけ見開く。

 

「脳天ぶち抜いたんだぞ…生きてるはずがねぇ」

 

僕は心臓が冷えるような感覚に襲われた。

プリンチペッサ!

 

「それじゃ幻覚の可能性もあるね……」

 

冷静なフリをした僕の言葉にザンザスは舌打ちして、寝る体制に入る。

 

「ま、待ってボス!寝る前に部屋替えようよ」

「僕、周辺を見てくる…可能性は少ないけど一応警戒するに越したことはないからね」

「ボス、あっちの部屋空いてるから、そっち行こうぜ」

 

ベルとザンザスが他の部屋に移ったのを確認して、僕は部屋を隅々まで見まわした。

 

「……あった…」

 

部屋の隅の方に、ワクチンの注射器の欠片があった。

液体も少しついており、僕はこれを回収して病室の外へ向かっていった。

病院の少し離れたところに大きな森があり、そこをマーモンは探し回っていた。

そこは、余め成功しても失敗してもここに来るよう言ってあったからだ。

 

「プリンチペッサ!いるなら返事をしてくれ!」

 

先ほどから携帯電話にかけても繋がらず、僕は焦り出す。

 

「プリンチペッサ!」

「マーモン」

 

小さな声がする方向へ僕はは勢いよく振り返る。

目を凝らすと、木の上に顔を隠して蹲るヴェロニカがいた。

 

「プリンチペッサ!」

 

僕は急いで駆け付け、ヴェロニカに声を掛ける。

ヴェロニカの額を覆う手からは血が垂れていた。

僕は血の気が引くような感覚に襲われる。

 

「プリンチペッサ!怪我は⁉痛いのかい⁉」

「マーモン……わた、しは大丈夫…」

「何言ってるんだい!傷を見せなよ!」

 

僕は無理やりヴェロニカの手を剥がす。

そこには涙と血で濡れたヴェロニカの顔が会った。

 

「いや、痛く…ないの……」

「プリンチペッサ、黙ってて」

「ぁ……はい…」

 

無理をして気丈に振る舞おうとするプリンチペッサに思わず、低い声が出た。

僕は彼女の額の傷を見るため、血を拭いていると、彼女は小さな声で呟く。

 

「マ、マーモン…ごめ…」

「黙っててってば、今傷見てるから」

 

うん、見た目より浅い傷でよかった。

これなら3日もしないうちに塞がるね。

僕はプリンチペッサの額に病院から拝借したタオルを押し当てる。

 

「ごめん…」

「いいよ、プリンチペッサが無事だったからね」

「でも……あと少しだったのに……ごめ…なさっ……」

 

プリンチペッサの目から涙が零れ落ちてゆく。

ボスから攻撃を受けたことに相当ショックを受けたんだろうな…

どれだけ覚悟していても、悲しいものは悲しいのだから。

 

「気にしてないよ…それより君が軽傷ですんでよかったよ」

「パパの炎…私と波長似てるから……あまりダメージなかった」

「そう、それより泣き止みなよ」

「……うん」

 

やっとプリンチペッサが持ち直したところで、僕はそろそろ未来に帰る時間であることを教えようとした。

 

「プリンチペッサ、まだチャンスはあるよ…大丈夫」

「うん」

「それと僕のタイムリミットはもうすぐなんだ……あとは君は一人でやらなきゃいけないんだ……」

 

少しプリンチペッサの表情が曇る。

無表情であるけれど、とても感情豊かな彼女を守れないことに僕はとても歯がゆくなる。

 

「もう……行っちゃうの?」

「ごめんよ、プリンチペッサ……」

「絶対に……やってみせるから」

「君なら出来るよ…いいかい?ボスには絶対に顔を見せちゃダメだよ……それと10年後のボスと真正面で対峙するのは絶対しちゃダメだからね」

「何で?」

「いくら君が強くても、今から10年後のボスは桁違いに強くなってる…いくら憤怒の炎のダメージが少なくても無事じゃいられないよ」

 

プリンチペッサの表情が真剣みを帯びる。

本当に、無茶はしないでほしい。

 

「分かった…」

「約束だ、絶対に無理はせずに、命の危険があるなら直ぐに逃げること」

「うん」

 

「健闘を祈るよ、プリンチペッサ」

 

視界が白くなり、やがてハッキリとしてきたので周りを見渡すと、イタリアの自身の部屋にいた。

直ぐに部屋を出てリビングへ入ると、ルッスーリアがいた。

 

「あらベルちゃん、もう起きたの?」

 

ルッスーリアがこちらを向くと、持っていたフライパンを盛大に落とした。

僕に駆け寄り、プリンチペッサはどうだったと勢いよく聞いてきた。

 

「す、少し落ち着きなよ」

「そ、そうね……」

「沢山、報告することがあるんだ…とにかく驚いたことばっかりだったよ…」

「待って、皆呼んでくるわ」

 

ルッスーリアは慌てて皆を呼びに部屋を出て行った。

僕はいつもプリンチペッサが座っていた席を眺めていた。

 

 

「早く、帰ってきておいで……プリンチペッサ…」

 

 

 

 

その頃ヴェロニカは…

 

押し子(ブランジャー)さえ……押し子(ブランジャー)さえ押していれば……くっ」

 

 

 

 

 

「おいベル」

「何?ボス」

「さっきの奇襲した奴、探し出せ…俺が直々にカッ消してやる」

「今、レヴィがどのファミリーの刺客なのか探してるよ」

「フン」

「それに、さっきの部屋に少量飛び散っていた血痕を鑑定してもらってるから、直ぐに相手分かるんじゃない?」

 

 

 




DNA鑑定の結果を知った時のザンザスの顔がとても見たい。
一応、ヴァリアー編は終わりです。
次、未来編です。
ハッキリいって未来編に至っては全く知識ないので、アニメを飛ばし飛ばしで1時間でざっと通しました。
矛盾点あれば教えてください。
まず未来編の舞台が並盛であることすら忘れてたほどデスカラー。
ほんと舞台設定とか間違ってたら教えてください。

【挿絵表示】

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