7Game   作:ナナシの新人

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game35 ~土台~

 週明けの放課後。

 恋恋高校野球部一同は、グラウンドのベンチ前に集まっていた。普段の練習前と同じ見慣れた光景。ただ、ひとつだけ違うところがある。それは、練習着ではなく制服のまま集合していると言うこと。

 

「水着ってことは、やっぱりプールへ行くのよねー?」

 

 スクールバッグ、スポーツバッグと一緒に持っている水泳バッグに目を向けながら芽衣香(めいか)は、あおいたちに訊いた。

 

「そうだとは思うけど」

「まさか学校のプールじゃないでしょうね? 絶対、風邪引くわっ」

 

 六月に入ったとは言え、まだ肌寒い日もある。特に今日は、最高気温20度と屋外プールで活動するにはツラい物がある。

 

「あはは......、そうだね。瑠菜(るな)は、どう思う?」

渡久地(とくち)コーチのことだから、意味のないことはしないと思うわ」

「うん。ボクも、そう思うな」

「だといいけど~」

「でも私は、泳げと言われれば泳ぐわよ」

「いやいや、それはないでしょ。それにまだ、プール掃除だってしてないのよっ」

「もっと上手くなれるなら、そんな些細なこと気にしないわ」

「さすが瑠菜(るな)、ブレないね......」

「それは、ちょっと引くわ」

 

 あおい、芽衣香(めいか)瑠菜(るな)の三人以外のナインたちも同じような話をして、東亜(トーア)理香(りか)が来るのを待った。

 そして、程なくして理香(りか)がグラウンドに姿を見せる。ベンチから出て、彼女の前に整列。

 

「みんな、水着は持ってきたかしら?」

「はい、全員持っています」

 

 代表で答えた鳴海(なるみ)の言葉に、「うん、よろしい」と理香(りか)は微笑んでうなづくと、パンっと一回手を叩いた。

 

「それじゃあみんな、野球道具は使わないから部室に置いて、水着とバッグを持って、ここへ戻ってきてね」

 

「はい!」と声を揃えて大きな返事をすると、駆け足でベンチ横の部室へ入っていく。各々自身のロッカーに荷物をしまい、キャプテンの鳴海(なるみ)が部室をしっかり施錠したのを確認してベンチへ戻る。

 

「部室のカギは、私が預かっておくわ」

「わかりました。お願いします」

「はい、確かに。それじゃあ移動するから、離れずに付いてきてね」

 

 部室のカギを自動車のキーケースに保管し、理香(りか)はグラウンドを出て校舎裏へと歩き出した。ナインたちは目的地も分からないまま、言われるがまま、彼女の後を付いていく。

 

「あの、もしかしてプールへ行くんですか......?」

 

 校舎裏の体育館付近で鳴海(なるみ)が、やや不安げに訊ねた。それもそのはず、体育館からさほど離れていない位置に学校のプールがあるためだ。

 

「ええそうよ、あたりまえじゃない。そのために水着を持って来てもらったんだから」

「ですよね。ははは......」

「おっと。オイラ今日、塾の日だったぞ......!」

 

 くるっと踵を返して逃げようと試みた奥居(おくい)の肩を、芽衣香(めいか)が逃げられないようにガッツリホールド。

 

「ウソおっしゃいっ。あんた、塾なんて行ってないじゃないっ。それに勉強してるところなんて、テスト前でも見たことないわよっ」

「......きょ、今日から通うことになったんだよ」

「往生際が悪いっ、男なら覚悟を決めなさいって!」

「二人とも、仲が良いのはステキなことだけど、置いていくわよ」

 

 体育館隣接の駐車場出入り口から理香(りか)が、立ち止まって言い合いをしている奥居(おくい)芽衣香(めいか)に声をかけた。二人は、「すいません!」と慌てて駆けていく。

 

「あの、外へ出るんですか?」

「ええ、そうよ。学校のプールでいいのなら、それでもいいけど」

「い、いえ! それで、どこへ行くんですか?」

「それは、着いてからのお楽しみよ」

 

 二人を待っている間に聞かれた鳴海(なるみ)の質問に理香(りか)は、微笑みながらウインクして答えた。

 

 

           * * *

 

 

「さあ、着いたわ。ここよ」

 

 整備された歩道を歩くこと二十分弱。ビルが建ち並ぶオフィス街。その一画、とあるスタイリッシュな建造物前で立ち止まり、上部に設置されている看板を、あおいが読み上げる。

 

「ミゾットスポーツクラブ? う~ん......」

 

 小さく首を傾げると少し考え込み、大きく目を見開いた。

 

「......って! ここっ、すんごい高いところだよねっ?」

「あ、ああ......確か、諭吉さんと樋口さんが二人揃って旅に出るくらいの利用料って聞いたことがあるぞ」

「おいおい、マジかよっ。オレ、んな金持ってねーぞッ?」

「ボクもないよっ。芽衣香(めいか)は?」

「あおいが持ってないのに、あたしが持ってるワケないじゃん」

 

 ミゾットスポーツクラブは、日本が世界に誇るスポーツ専門企業、ミゾットスポーツが運営するスポーツクラブ。

 ウェイトトレーニング器具各種はもちろんのこと、各分野特化の施設、最新の科学トレーニング機器、温水プール、食事や生活習慣の講座など開いており。一般利用客以外にも、野球を始めとしたアスリートたちが、キャンプ前になると自主トレに利用することも多い。

 しかし、当然のことながら施設が充実しているぶん、施設利用料もそれに似合った金額。普通の高校生が、おいそれと出せる金額(もの)ではない。

 

「ふふっ、お金の心配は要らないわ。もう話は通っているから」

 

 入り口の前で慌てふためくナインたちに、理香(りか)は微笑み心配ないことを告げた。

 そこへ施設の中からスーツ姿の男性が出てきた。彼は以前、恋恋高校にトレーニング機器の設営・説明をしたミゾットスポーツの社員、溝口(みぞぐち)

 

加藤(かとう)さん、お待たせいたしました」

「いいえ、ちょうど今来たところです」

「そうでしたか」

「今日から、よろしくお願いします」

「こちらこそよろしくお願いいたします」

 

 お互い頭を下げる理香(りか)溝口(みぞぐち)。今おかれている状況を掴めないでいるナインたち。先ほどと同様にキャプテンが代表して質問する。

 

「あの、監督。これはいったい......」

渡久地(とくち)くんのツテで七月いっぱいまで、ミゾットスポーツクラブを使わせてもらえることになったの」

「え......えぇーッ! ほ、ホントですか!?」

無償(タダ)でやんすかっ!?」

「ええ、ミゾットスポーツさんのご厚意でね」

「うひょーっでやんすー!」

 

 矢部(やべ)だけではなく、ナイン全員があまりの出来事に盛大に驚き戸惑った。理香(りか)は手を叩いて、みんなを落ち着かせ「お騒がせしてすみません」と謝罪の言葉を述べた。溝口(みぞぐち)は嫌な顔など一切見せず笑った。

 そして、「みなさん、よくお越しくださいました。こちらへどうぞ」と恋恋高校野球部一同を引き連れて施設内へ入る。

 広いロビー、高い天井、清掃も隅々まで行き届いてる。溝口(みぞぐち)は受付の近くで待って居るように告げると、準備してある入場パスを取りに、カウンター裏の事務所へ入っていった。

 待っている間、瑠菜(るな)は受付の女性職員に施設案内図をもらい広げる。

 

「スゴい......最先端のレーダー解析システム! こんなに充実した施設を無償で使わせてもらえるだなんて......!」

「バッセンにブルペン、それに屋内練習場もあるぜ」

「天然温泉もありますね。主な効能は、疲労回復と美肌効果みたいです」

「混浴でやんすかっ?」

「そんなワケないでしょ。けど広すぎ、あたし、迷子になる自信があるわ」

「あははっ、芽衣香(めいか)、地図読むの苦手だもんねー」

「あおいちゃんもでしょ? 前、迷子になったし」

「迷子じゃないよっ。気分を変えて、ランニングコースを変えただけだよっ」

「ふーん、そうだっけ?」

「そうだよっ」

「お待たせしました」

 

 

 溝口(みぞぐち)が、女性職員と一緒にロビーへ戻ってきた。

 

「それではみなさん、今から入場パスをお配りします。この入場パスは各施設の入場券とロッカーのキーになっていますので、くれぐれも無くさないようお気をつけください。それではお名前を呼びますので、呼ばれたら私の方へ......」

「女の子のぶんは、私が配ります。同じように取りに来てね」

 

 彼女はミゾットスポーツの経理部に所属の社員、瀬久椎(せくしい)佳織(かおり)。スポーツクラブ隣接の本社から用事で来ていたところを溝口(みぞぐち)に、女子の案内を頼まれた。

 ネーム入りのパスを受け取ったナインたちは、彼らにロッカールームへ案内してもらう。ロッカールームで入場パスの番号と同じロッカーをパスでタッチすると、電子音が鳴りロックが解除された。荷物を収納してプールへ。

 

「みなさん、水着はお持ちですか? お忘れでしたら、レンタルもございますが」

「大丈夫です、みんな持ってきています」

「そうですか。では、更衣室で着替えとパスをカギに変えてから奥の扉へお進みください。プールへ直結しますので」

「わかりました、ありがとうございます」

 

「ありがとうございます!」と、男子部員たちは頭を下げてお礼を言い、着替えを済ませてプールへ出る。

 

「女子の水着姿楽しみでやんすねっ」

 

 プールサイドのベンチに座って女子が出てくるのを待ちながら、矢部(やべ)が下心しかない笑みを浮かべる。他の男子はドン引き......することなく、誰一人否定しないでいた

 

「むふふっ、好きでやんすねー。みんなは誰が気になるんでやんすかっ?」

「フッ......愚問だな、矢部(やべ)加藤(かとう)監督に決まってるぜ!」

「さすが奥居(おくい)くんでやんす! 分かってるでやんす!」

「おいおい、二人とも。いい加減にしておかないと......」

 

 大声で話す二人を、鳴海(なるみ)が止めに入る。

 

「そんなこと言って、鳴海(おまえ)だって気になるだろ。女子の水着姿をよ?」

「そうでやんす、素直になるでやんすっ。男の(さが)でやんす、恥じることなんてないでやんすーっ」

「いや、だから......うし――」

「悩むのはわかるぜ。まあ浪風(なみかぜ)は置いておいて。スタイル抜群の瑠菜(るな)ちゃんか、守ってあげた女の子第一位の七瀬(ななせ)か? それとも――」

「あんたら、ほんっとサイテーねッ!」

 

 着替えを終えてプールに出てきた女子部員たちは、奥居(おくい)矢部(やべ)に冷たい視線を向けている。彼女たちが来たことに気づいていた他の男子は、我関せずとストレッチを行っていた。

 

「な、浪風(なみかぜ)、居たのかよ......」

「ええ、居たわ、全部聞かせてもらったわっ。あたしは置いておくってどう言う意味よっ!」

 

 ――え? そこなの? と、あおいと鳴海(なるみ)は顔を見合わせて苦笑い。矢部(やべ)はいつの間にか、他の男子まざってストレッチをしている。

 

「......おっと、ゴーグルを忘れてたぜ!」

「コラ、逃げるなっ。頭についてんでしょうがっ」

「二人ともプールサイドは走らないの」

 

 理香(りか)に咎められ「すいません......」と、奥居(おくい)芽衣香(めいか)は声を揃えて謝った。

 

「ちゃんと柔軟は済んだかしら?」

「はい!」

「はい、よろしい。それじゃあプールに入って」

 

 理香(りか)の指示に従い、飛び込み台の方からプールに入る。

 

「おっ、思ってたよりも温かい」

「ほんとだ。これなら風邪も引かないね」

「そうだね。監督」

「まず歩いて往復してらっしゃい。途中にある障害物は潜ってくぐるのよ、泳いじゃダメよ」

「障害物? はい、わかりました。みんな、行くよー」

 

 25mプールをゆっくり歩き出したのを確認して理香(りか)は、はるかの隣に腰をおろす。

 

「ん? これが障害物かしら」

瑠菜(るな)、どうしたのって、これゴム?」

 

 ナインが歩いているコースに張られたチューブ型のゴム。チューブゴムは、この一本だけではなく等間隔に幾つも張られ、彼らの行く手を阻んでいる。

 

「これを潜ってくぐればいいのね」

「なんだ、こんなの楽勝じゃん。障害物なんて言うから、もっとすんごいの想像してたわ」

 

「ふふっ、それはどうかしらね」と理香(りか)は微笑んで、最初のトレーニングを暖かい目で見守った。

 

 

           * * *

 

 

「ふぅ......結構キツかったね」

「これ罠よ、罠! まさか、水中にもう一本あるなんて......!」

 

 芽衣香(めいか)の言った通りゴムチューブは、水面だけではなく水中にも平行する形で張られていた。そのためただ潜るだけでは潜り抜けられず、スクワットのような形で頭までしっかり沈み込む必要があった。

 

「ふふっ、お疲れさま。はるかさん」

「はい。みなさん、水分補給してくださいね」

 

 はるかは、準備しておいたスポーツドリンクを注いだ紙コップを全員に配る。

 

「はい、あおい」

「ありがと。でもボクはいいよ、そんなに喉かわいてないから......」

「脱水症状を起こすぞ」

「へ? あっ、コーチっ」

 

 出入り口から東亜(トーア)と、ナインたちを案内してくれた二人がプールへやって来た。

 

「通常のプールでもそうだが、特に温水プールは体内の水分を奪う。風呂と同じで汗をかいていないように見えても、実際は水分を失っているのさ。まあぶっ倒れたいのなら、止めはしないけどな」

「の、飲みますっ。はるか、ありがとっ」

 

 慌ててスポーツドリンクを飲むあおいに東亜(トーア)は、小さく笑みを見せ理香(りか)と同じベンチに座り、足を組んだ。そこへ瑠菜(るな)が、指示を仰ぎにやって来る。

 

「監督、コーチ、次は何をすればいいですか?」

「好きなようにすればいい」

「好きに、ですか?」

 

 言葉足らずな東亜(トーア)に、首をかしげる瑠菜(るな)。見かねて理香(りか)がフォローに入る。

 

「プールに浸かってさえいれば、何をしてもいいってことよ。さっきと同じ水中スクワットでも、泳いでも、ビーチボールで遊んでもいいわ。ただ、そろそろ他のお客さんが来る時間帯みたいだから、迷惑にならないようにね」

「1から3コースまで恋恋高校さんの貸し切りとなっていますので、ご心配なく」

「わかりました、ありがとうございます」

 

 丁寧に頭を下げた瑠菜(るな)は、一年生の女子と一緒にゴムチューブが張られていない3コースで水泳。鳴海(なるみ)たち男子は、1コースで水中スクワットのタイムを競う。あおいと芽衣香(めいか)は、はるかも一緒にビーチボールで遊び始めた。

 

「あの、ひとつお訊きしてもよろしいですか?」

 

 練習を見ていた瀬久椎(せくしい)が訊ねる、これが練習なのですか? と。彼女からの当たり前の疑問に、理香(りか)は笑い。東亜(トーア)は、ちょうど50メートル泳ぎ終えてプールサイドに上がった瑠菜(るな)を呼んだ。

 

「なんですか?」

「ちょっとな。触るぞ」

 

 瑠菜(るな)に断りを入れ、水着の上から彼女の腹部に手を触れる。

 

「フッ、この二ヶ月真面目にやってきたみたいだな」

「はいっ」

 

 力強く頷く。

 東亜(トーア)は――もういいぞ、と瑠菜(るな)をトレーニングへ戻らせた。

 

「あんたら、日本刀が何で出来ているか知っているか?」

「日本刀ですか?」

「いえ......」

 

 二人は、わからないと首を横に振った。

 

「主に、玉鋼ね」

「そう。強度の異なる複数の玉鋼を掛け合わせ、強度と切れ味を両立させた。それは、人間の肉体も同じだ」

 

 東亜(トーア)は、プールへ顔を向ける。

 

「選定した複数の玉鋼と砂鉄を高温で熱し、折り重ね、叩く工程を何度も繰り返し、鋼の中に残った不純物を取り除くことで極めて純度の高い高品質の鉄を造り出す。この工程を怠れば、刃物は脆く折れやすく、品質が落ちる。刀造りにおける重要な土台作り。アイツらは今まで、ウエイトトレーニングを中心に身体作りをしてきた。ウエイトトレーニングで造られた筋肉は固く力がある反面、間接可動域が狭くなりがちだ。ストレッチをさせてはいるが、自力では限度がある。そこで、このプールでの運動が重要になるのさ。極力関節に負担をかけず稼働域を広げ、尚且つしなやかで柔らかな筋肉を作ってきた土台に乗せてやる。力強さとしなやかなさ、その絶妙なバランスを両立させることにより最大限の力を生み出す」

「一番の理由は、ケガの予防でしょ。関節の稼働域が広ければおのずと故障のリスクは減るわ。特に肩と肘を酷使するピッチャーにはね」

「さてね」

「もう、素直じゃないわね」

 

 クスッと笑う理香(りか)とは対称的に、溝口(みぞぐち)は天井を仰いで小さく息を吐いた。

 

「なるほど......もし――」

「どうかしました?」

「いや、渡久地(とくち)さんのような指導者に出会えた彼らは幸せだと思って」

「ふふっ、そうですね。それでは私は失礼します」

 

 魅力的な笑顔を見せた瀬久椎(せくしい)は、東亜(トーア)理香(りか)に頭を下げてプールを後にした。

 

「続きはいいのか?」

「と、申しますと?」

「神奈川県神楽坂大附属高校のエース、溝口(みぞぐち)。MAX150kmのストレートを武器にプロ入り確実とまで言われながらも、三年の夏に肘を故障し、結局回復することなくプロ入りを断念した。悲劇のエース」

「......ご存じでしたか。その通りです、ムリな投げ込みの結果この様です」

「そうだったんですね......」

「昔の話です、お気になさらずに。それに今の仕事はやりがいますから、全力でサポートさせていただきます!」

 

 ――ありがとうございます、と理香(りか)は深く頭を下げて、改めてお礼の言葉を述べる。

 

「ですが東東京は激戦区でしょう。特に本命のあかつき。今年は、最強と言われた去年以上との評判ですが?」

「問題ねぇよ。ま、楽しみにしてな」

 

 そう自信満々に言った東亜(トーア)は、不敵な笑みを見せた。

 


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